俺には分かる

俺には分かる

アイマスク

さらば真選組篇に感化されて書きました。真選組大好きです。

俺には分からない

ーそいつを信じて戦え。例えそれがどんな道であろうと、お前達は真選組だー

少し肌寒い昼の公園、上着を脱ぐのにはちっと早すぎた気もするが仕方ねェ。俺は見えない雨に打たれながら、ぼーっと空を眺めていた。

ーそれがお前達の思う真選組なら、俺は止めやしねェー

土方の言葉が俺の脳裏に焼き付いてたまらない。普段だったら絶対に見せないような顔をして去っていくアイツを追うことは、俺には出来なかった。

アイツも色々考えているんだろうとか、そんな事は思ってない。今のアイツに何を言っても耳に入らねェ事は百も承知だった。だから、山崎がアイツを呼び止めようとした瞬間制した。

あの後は誰も言葉を発すること無く、解散となった。最後まで旦那はあそこに居たみたいだったけど俺も旦那が何を考えているか分からなかったから声は掛けてない。


《トシッ!総悟ッ!》


《死んでくだせェ土方さん》


《なんで俺だっつってんだろッッ!!》


そんな下らない日常の風景がふっと蘇ってくる。次から次へと。存外、日常生活程長く保つのは難しいのかもしれない。
いつかは訪れる、終焉。
果たしてそれが別れを表すのか、新たな道の始まりになるのであるのか、今の俺にはさっぱり分からない。


「やれやれ、宿無しは辛ェや」


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近藤さんを助けたいと思う心に微塵も偽りもない。出来る事なら、自分と引き換えてでも近藤さんを救いたい。

でも、それは叶わない事。

今俺が動けば、真選組は間違い無く一人残らずしょっぴかれて近藤さんも首を斬られる。
動く事による多大な犠牲と、失ったモノによって手に入れた事を天秤にかけても、明らかに犠牲に傾く。

だからと言って、見殺しになんて出来るわけが無い。

どっちに転んでも、容易くは起き上がれない。重りが身体に覆いかぶさり、きっと俺はそこでくたばる。


いや、自分の身なんていい。

近藤さんが助かれば、無駄な命を落とさなけば。


けど俺には、
何をしたらいいのかが分からなかった。
何をしても、両方とも失うような気がしてならなかった。

鬼の副長が聞いて呆れる。

どうすりゃアンタを救える?


どうすりゃアイツらを死なせずに済む?



俺には、分からない。



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二兎を追うものは一兎も追えず。


正しく言う通りだ。



両方とも守りたいと思ったのに、
両方とも失う選択をしちまった。



先生を斬る刀はカタカタ震え、初めて人を斬った時との感触に戻った気がした。

先生の首が、宙を舞う。やがて体から血の噴水が沸き上がり、俺を真っ赤に染めた。俺はただじっと先生を見つめたまま、1粒の涙を流した。


救いたかった心とは裏腹に、
自分自身で壊してしまった。
結局、あの時の正解なんてまだ分からねェし分かることもこれから先ないだろう。

ただ、どっちを選んだにしろ運命は変わらねェ。大切なのは、その現状をどう変えるかだ。変えた先の未来も、何が起こるか分からない。


けどお前には仲間がいる。
一緒に戦える仲間が、友が、上司が。


お前らの行く道なんて俺が見通せるわけはねェ。でも、これだけは言える。


俺には分かるよ。


お前ェらが信じて歩いてきている道に、間違えは無いって。


-fin-

俺には分かる

俺には分かる

俺には分からない、そんな思いの沖田と土方。俺には分かる、そんな思いの銀時。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-29

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