手紙
書いては消して
何個も何個も
机の上に一枚の便箋がある。
その横には消しゴムと鉛筆。
椅子には1人の少年が座っていて、頭を抱えている。
ふと、何かを思いついたかのような表情を浮かべ、鉛筆を手に取った。
不器用な文字が便箋を少しずつ埋めていく。
途中まできた。
そこでまた、鉛筆は止まる。
次に手が伸びたのは消しゴム。
1文字、また1文字と文字が消えていく。
消しカスが便箋を少しずつ埋めていく。
気がつくとそんなことを10回もやっていた。
便箋はところどころが黒ずんでいる。
少年は一つため息をついて、便箋をくしゃくしゃに丸めて投げた。
23個目の丸まった便箋が、ゴミ箱を少しずつ埋めていく。
手紙
消しては書いて