いつもと変わらない……

流れ去る時の中で、君は階段を駆け上り
僕は息も絶えだえで追いつかない

僕がどんなにその曲を聴こうとも
僕が何度その曲を聴こうとも
君の心にその調べは届かない

昔見た夢も その方法も
小さな積み重ねは、明日にどうつながるの

ちょっとしたきっかけだけで 悩みが山ほど落ちてきたり
今まで積み重ねたものが崩れたり

卑屈になったり ウジウジしたり
せっかくした作り笑いも くしゃみ一つで消え去った

暗闇─の公園で、一人涙があふれ出してきて
でもこらえて 僕は歌うよ

君の心に明かりが灯りますように
君の記憶に小さくてもいい 僕の欠片が残りますように

へこんだ心
なかなか青にならない信号でさえもじれったくて

昨日までの世界はどこに行ったの─
皆過去を忘れて 今を歩いているようにさえ見えて

でも誰もが影を抱えながら
ただ一つ前の一歩を踏み出すんだ

烏が飛んだ──

毎年─来る、この霞んだ空。
いつもと変わらない、君の言葉。

いつもと変わらない……

いつもと変わらない……

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-25

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