猫と六花〜ねこのあしあと〜

無邪気な猫のある雪の降った日のできごと。

猫と六花の不思議な出会い。

ある冬の日の朝
ネコは空の上から
白い小さな花が
降ってくるのを見ました。

(あの花は何の花だろう?
綺麗な花だなぁ)

ネコは初めて見る
白い小さな花に興味深々です。

ネコは家の庭に出てみました。
庭といっても
とても小さな庭ですが
ネコにとっては
貴重な遊び場です。

「おはよう
今日はひんやりしていて
気持ちがいいわね」

白い小さな花が
ネコに話しかけてきました。

「おはよう
ぼくはネコのミーっていうんだ
君はだれ?」

「私は六花(リッカ)
雪の結晶って呼ぶ人もいるわ」

「雪の結晶……」

雪というものを
ネコは初めて見たので
リッカが雪の結晶だということに
気づかなかったのです。

ネコはリッカの
可愛らしい姿カタチを
とても羨ましく思いました。

ネコとリッカがお話していると
リッカの仲間たちが
たくさん空から降って来ました。
みんなキレイな白い小さな花のカタチをしています。

リッカいわく
このカタチは
自分たちが
雪の結晶だとわかるための
目印のようなものだと
言いました。

「リッカ達はいいね
みんなキレイなカタチをしている
ぼくもなにかカタチを持っていれば
良かったな」

ネコは自分の
耳や尻尾も
充分可愛らしいということに
気づいていなかったのです。

やがて
雪の結晶は
地面にどんどん積もり
あっという間に
白い雪のじゅうたんを
作ってしまいました。

「ミー
そろそろ部屋に入らないと
風邪ひいちゃうよ!」

ミーと一緒に住んでいる
人間の女の子が心配して
ミーのいる庭に出てきました。

「また
いつか
お話しましょうね」

そう言うと
リッカは
白い雪のじゅうたんの一部になってしまいました。

ネコは寂しく思いました。

(リッカともっとお話したかったな)

気がつくと
白い雪のじゅうたんに
ネコの肉球のカタチが
くっきりとつきました。

「あっ
ミーの肉球のあとだ
ミーは足跡可愛くていいね!
お部屋に入ろう」

女の子は
ミーの肉球のカタチを
可愛いと褒めてくれました。

(ぼくにも
目じるしが
あったんだ)

女の子にだっこされながら
ミーは自分の肉球を確認して
満足そうに
ニャー
と鳴きました。

猫と六花〜ねこのあしあと〜

ネコは可愛いです。

猫と六花〜ねこのあしあと〜

猫はある雪の降る日に雪の結晶六花に出会う。(この作品は小説家になろう、Pixiv、カクヨムにも投稿しております)

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-25

Copyrighted
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