記憶は君の中にない。プロローグ
三年前…
君はあたしにこう言いました…
-三年前の冬―
「泣くなってー…」
「無理。裕(ゆう)行かないでよ…」
「大丈夫!絶対三年後にまた戻って来るから!な?」
「ひっく……ホントに?」
「ホントに!!」
「…」
「しかし、あれだなー、千沙(ちさ)ってさぁ~セーラー服似合うよなぁ~」
私は自然と顔が赤くなった。
「何…急に…」
「そーだ!風雅高校ってセーラーだよな!制服!!」
「…そうだよ。男子は学ラン。」
「じゃあ三年後!そこで会おう!!絶対そこに入学しよ!」
「バカだなぁ…ひっく…風雅高校はぁ…ひっく…超難関校なんだよ…?」
「でも制服かわいいし、近いだろ?」
「私みたいなバカが行けるわけないじゃん…」
「今からあきらめてどーすんだ!まだ中一だし、これから頑張れば行けるって!」
「…バカは否定しないんだね…」
「…いや、千沙バカだし…」
「「っぷっ」」
「「あはははははははは!」」
「頑張ったら行けるよね。」
「千沙ならできる。絶対。」
「がんばるよ…」
「頑張れ。そんで三年後にまた会って俺は
もう一度お前に告白するから。」
「…!」
「そしたら…また付き合おうな?」
「…うん!…じゃーね、またね、大好きだよ、裕。」
「俺も大好きだよ、千沙。」
「「三年後、また会おう。」」
記憶は君の中にない。プロローグ