桜と共に
ありがとう
君がいたから僕は強くなれた
命の大切さを知った
君がいたから
今僕は 心の底から笑えるよ
ありがとう ミチル
『死のう』
僕はそう思った。
別に虐められてるとか、心に傷を負ってるとかじゃない。ただ、嘘で固められたこの世界がつまらないんだ。何も楽しい事なんてない。
そんな事を思って歩いていく僕を、雨が哀れがうように背中をうちつける。濡れたシャツが肌にくっついて気持ち悪い。
学校の屋上についた。といっても、夜の学校に忍びこんだといったほうが正しい。この田舎には高い建物など学校や病院くらいしかない。病院に忍びこむのは難しいが、学校なら案外簡単なのだ。
死ぬ前に夜空に輝く星を見たかったが、運悪く雨だ。まあいいか。
「僕が死んでも、星は死なないし」
桜と共に