桜と共に

桜と共に

ありがとう
君がいたから僕は強くなれた
命の大切さを知った
君がいたから
今僕は 心の底から笑えるよ
ありがとう ミチル

『死のう』
僕はそう思った。
別に虐められてるとか、心に傷を負ってるとかじゃない。ただ、嘘で固められたこの世界がつまらないんだ。何も楽しい事なんてない。
そんな事を思って歩いていく僕を、雨が哀れがうように背中をうちつける。濡れたシャツが肌にくっついて気持ち悪い。

学校の屋上についた。といっても、夜の学校に忍びこんだといったほうが正しい。この田舎には高い建物など学校や病院くらいしかない。病院に忍びこむのは難しいが、学校なら案外簡単なのだ。
死ぬ前に夜空に輝く星を見たかったが、運悪く雨だ。まあいいか。
「僕が死んでも、星は死なないし」

桜と共に

桜と共に

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-20

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