パラドックス

 空の色と似ている
 ここは濁っていて
 くすんでいる 私

 パラドックスに目を背け
 都合のいいシナリオを描く

 風の色と匂いと音
 言葉も浮かばず
 沈んで ナニかを変換させた

 浅い紫の中の 誰かの夢を
 奪った夢を見た

 居心地の悪さ
 パラドックス
 夢でも会えた高鳴り
 だれけどもそれは
 僕の願望から生まれたナニカ

 口の渇く 水が私を汚染して
 心地よくて 吐きそうで
 色の弾けない世界が鬱陶しい

 「林檎の嘘吐き」と呟いて
 吐き捨てた白雪姫

 4色型色覚───要らない
 空と混凝土の違いがわからない

 全てなくなっても
 レモネードは愛される

 ボキャブラリーが足りないと
 誰かに言われたような気がする
 孤独は読書では埋められないのに

 

パラドックス

パラドックス

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-19

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