パラドックス
空の色と似ている
ここは濁っていて
くすんでいる 私
パラドックスに目を背け
都合のいいシナリオを描く
風の色と匂いと音
言葉も浮かばず
沈んで ナニかを変換させた
浅い紫の中の 誰かの夢を
奪った夢を見た
居心地の悪さ
パラドックス
夢でも会えた高鳴り
だれけどもそれは
僕の願望から生まれたナニカ
口の渇く 水が私を汚染して
心地よくて 吐きそうで
色の弾けない世界が鬱陶しい
「林檎の嘘吐き」と呟いて
吐き捨てた白雪姫
4色型色覚───要らない
空と混凝土の違いがわからない
全てなくなっても
レモネードは愛される
ボキャブラリーが足りないと
誰かに言われたような気がする
孤独は読書では埋められないのに
パラドックス