異星から来た超人

杉山 実

  1. 隕石の嵐
  2. 大きなダイヤ
  3. 驚く大金
  4. 次なる超人
  5. 伝説の大陸
  6. 仲間を求めて
  7. 次の超人
  8. 治癒能力
  9. それぞれの能力
  10. 仲間を求めて
  11. 生還
  12. 奇跡の治療
  13. 潜水空母
  14. 不死身の金属
  15. 次なる超人
  16. 現状説明
  17. 世界の文明
  18. 無敵の戦闘艦
  19. 秘密基地
  20. 挑発
  21. 壊滅した台湾
  22. 巨大ロボット出現
  23. 現れた護衛ロボット
  24. 冬眠
  25. 死闘
  26. 危機一髪
  27. 高性能ロボットM1
  28. 宇宙のメカニズム
  29. 先祖は同じ
  30. 決戦に向けて
  31. 決戦のエーゲ海へ
  32. 攪乱作戦
  33. ロボット対決
  34. 反乱の主犯
  35. 浮上したムー号

地球も惑星も二億五千万年に一度、隕石の嵐に遭遇して文明も生命も破壊される。
その事を知った科学者は惑星アールに似た地球に移住する計画を実行した。
巨大な二隻のムー号、アトランティス号。
地球に到達する何年か前に小型宇宙船が切り離されて、超人達が遅れて地球に到達した。
数万年の時間差が招く未知の世界、エスパーとスーパーコンピュターの対決が幕を開ける。

隕石の嵐

                               9-1
早乙女香澄はその日の朝、夢から覚めた病院のベッドの上だった.。
「何日眠って居たのだろう」気が付いて彼女が発した最初の言葉で有る。
香住は二十二歳、二日前この病院に運ばれた。
外傷無し、身体は健康体、精密検査でも悪い箇所は全く無く、医師達も何故眠って居るのか判らないのだ。
服装は変わっていて薄い特殊な布の上下のみを身に着けていたが、下着も何も履いていなかった。
腰の処に早乙女香澄とプレートが書いて有るだけだったのだ。
香澄は廻りを見渡して自分の服がハンガーに吊して有るのを確認した。
部屋には誰も居ない、此処は病院だろう、自分が学んだ知識の中に有ると考えていた。
此処での名前が早乙女香澄、本当の名前は12185最初の飛来から何年経過しているのだろう?
この星では少なくとも自分達より文明が遅れている筈だと考えていた。
何名が助かったのだろう、それも全く判らない燃え尽きた者も沢山居るのだろう、母船で習った学習ではこの星に百人が到着していると思われた。

香澄の育った世界は地球から遙か彼方の惑星、環境は地球と全く同じで気候も酷似していたのだ。
宇宙のメカニズムの解明が進んだ惑星では、宇宙の仕組みが判っていた為、自分達の運命も計算する事が可能に成って、移住を試みたのだ。
数多くの星の中から、酷似していて近い事、科学技術が進んでまた元に戻れる事、そして将来は移動を容易く出来る事が条件だった。
それは二個の惑星を使って文明を伸ばす事だった。
その為には未開の地に降りたって文明を作る仕事と、その文明に新しい息吹を与える事が必要なのだ。
しかし簡単には出来ないのが現状だ。
惑星アールの崩壊が近く崩壊と云うより、隕石の嵐の中への突入なのだ。
約三億年に一度隕石の嵐の中を通ると文明は滅びる。
そして新たな文明が始まる、もっと進んでこの嵐に耐えられる装置でも出来れば良いのだが、今の技術では不可能だった。
勿論地球もその洗礼を受けるのだが、惑星アールとは相対関係に有る為時期が大きく異なるのだ。
惑星アールの住人の大移住計画が強行されて、太古の地球に文明を持って飛来する筈だった。
二機の巨大な母船、その中では普通の生活が営まれて、地球に到達する頃には二代目、三代目の子孫が未開の地球に文明社会を作る筈だった。
地球も大きな隕石群の中に入るのだが、それは随分先で期間が有るので、その間に文明が栄えて惑星間移動、隕石の嵐に耐えられる設備が出来るだろうと期待していた。
早乙女香澄達百人は、母船の中でも特殊な能力を持つ人間だった。
その人達が集められて緊急訓練と勉強が始まったのは、地球に母船が到達する少し前だった。
惑星アールの歴史と同じ道のりで発展をするならこの様に成ると教育を受けて、冬眠カプセルに入ったのだ。
その後、母船から切り離された宇宙船の冬眠カプセルで過ごした。
母船が地球に到着して、数万年後に香澄達は地球に、と云うより母船に到着する様にプログラムされていた。

惑星アールを出発してから何年が経過しているのだろう、サイボークに成った者、頭脳だけの司令官、その司令官も世代が変わる。
惑星アールは今、隕石の襲来で炎の惑星に変化しているから、命を保つには冬眠カプセル以外に道は無い、冬眠カプセルの数は限定されているので、冬眠カプセルで隕石の嵐が過ぎ去るのを待つのだ。
その他の住人は世代を超えて、地球に到達する以外に惑星アールの住民が生き残る道は無いのだ。
母船が地球に到達して数万年後に冬眠カプセルの入った小型の宇宙船が地球に到着した。
大気圏に突入と同時に宇宙船から数体のカプセルが地球にバラバラに到達していた。
先人達が造った文明を飛躍させて、惑星間飛行を可能にする技術を伝える任務なのだ。
そして地球に隕石の嵐が到達するまでに、惑星アールに移動出来る技術を蓄えなければ成らないのだ。

二隻の母船が太古の地球に到着して、文明が発達して科学技術の進歩により技術が高度に成って居る予定だった。
だが計算は大きく狂って、太古の地球の環境と上陸した人達が正体不明の病気に感染して数多く亡くなってしまったのだ。
二隻の母船は太平洋と大西洋に着水して、片方の母船の故障は想定外の出来事に成って、荒波の中伝染病の感染と母船を捨てる行動に成った。
沈む母船、強烈な波が多くの人達を母船と共に沈み込み、ロボット、アンドロイドも人命の救出の為の犠牲で、母船と共に大西洋と太平洋に沈んでしまうのだ。
僅かに残った人達が命の限り大陸に辿り着いて文明を築き始めた。
それはそれまでの生活では考えられない生活に成った。
信じられない場所で生活を始めたメンバーも居た。
母船の沈没で発生した津波で高い場所に打ち上げられたから、だが自分達の持った文明の力で各人は地球の各地に根城を持って古代の生活を始めた。
持参した動物を育てて、植物を栽培も進めて、軈て世代は代わり、母船は大陸として名を残し、子孫が伝えたのだ。
ムー大陸とアトランティス大陸として、この様にして惑星アールの人々は地球に生活の場を移していた。
今、その事実と惑星アールに移住計画の為に数名が現在の地球に到着したのだ。

現在の地球の人達は自分達が地球で産まれて進化して人間に成ったと信じていた。
猿が人間に成ったと、米も麦も家畜も母船で何世代も飼育されて、沈没と同時に解き放たれて、野生に成った動物も沢山居た。
アトランティス号の故障による沈没がムー号の沈没を誘発したしたから、地球の潮位がもの凄い状況に成ったのだ。
大陸に移り住もうと作業の最中の出来事に対応が出来なかったのだ。
この事故は惑星アールの指導部の人々も尽く飲み込んでしまったのだ。
その為に残された人々には連絡の手段も無く、世界の各地で自給自足の生活をする以外に方策は無かった。
軈て世代が代わると、もう惑星アールを知る人達は居なくなり、世界各地で文明が栄えて、独自の歴史を造って行ったのだ。
もうこの世に惑星アールを知る人も居ない、面影も無い、逸話が残って居るだけだった。
海が裂けて道が出来たとか、大陸が沈んだとか、確かに太平洋と大西洋の底には今も母船が眠って居るのだが、誰もその事実は知らない。
惑星アールは元の静かな惑星に戻って居た。
安全な場所には隕石の落下に耐えられるドームに生活を移して、冬眠カプセルで耐えしのいだ数千人が、生活の基盤を戻そうと努力をしていたが、惑星は過去の面影は全く無かった。
何世代も時が必要だろう、未来は地球との移動で生活を守る事なのだ。
この隕石の落下は文明を作る元に成るのだが、同時に今まで栄えた文明を滅ぼす諸刃の剣なのだ。

母船の能力と香澄達の乗った宇宙船とは全く性能が違う為、何万年も遅れて到着したのだ。
光速の何倍で移動する母船と光速以下で飛ぶ違いなのだ。
母船の飛来から計算されて、香澄が到着したが、地球の文明は香澄の伝達を消化出来る環境には程遠かったのだ。
それはアトランティス号の事故の影響なのだが、香澄は知る筈も無かった。


 

大きなダイヤ

  9-2
病院のパジャマを着せられた香澄が、自分の服を手元に取り寄せた時、看護師の本城和美が丁度、部屋に入って来た。
和美は二十二歳の看護師、香澄と殆ど年齢は変わらない、細身のスタイルの良い綺麗な女性だ。
病室に入ると同時に、その光景を目の当たりに見てしまった。
それはベッドに寝て上半身を起こしていた香澄の所に衣服だけが、フワフワと飛んで来たのだ。
「何!今のは?」驚き顔で叫ぶ、ハンガーから綺麗に衣服だけが、香澄の手元に届いていた。
「あっ、見ちゃったの?」恐々近づく和美、姿は殆ど変わらない。
「本城和美さんね、今見た事は内緒よ」
「は、はい」和美がそう答えると、和美の身体が少し宙に浮いた。
「えー、何よ」と言うと直ぐに床に降ろされて「世間で言う、超能力よ」と笑った。
「何故?私の名前を知っているの?」
「テレパシーで貴女の脳に入ったのよ」
「えー、そんな」
「驚かなくても良いわ、この世の中には数十人、もっと多いかも知れないけれど、超能力者が居るのよ」
「嘘、漫画の世界でしょう」
そう話している間に、香澄は今の地球の環境、科学の発展が想定よりも、大きく遅れて居る事を和美の脳から読み取っていた。
この状態では惑星アールに移住計画は無理な事を悟っていた。
この科学の環境では自分達は大きな能力を持つ超人に成ってしまう。
自分と同じ使命の人が何人無事に地球に到達しているのだろう。
少なくとも私達の能力を利用して、惑星移住計画は行われる事は無い。
この世界の環境は自分達の制御が出来ない。
生まれて少しで超能力を持つ人は、特別な訓練でその能力を大きく伸ばして世界に貢献するのが、惑星アールの超能力者の使命だった。

「和美さん、私は別の惑星から来たのよ」
「えー、違う惑星?」驚く和美
「でも貴女と私は同じ先祖を持つのよ」
「意味が判らないわ」
「私は、今貴女と話しをしているけれど、言葉は知らなかったのよ、直ぐに判るのよ」
「嘘でしょう?」
「貴女は今年二十二歳、お父様は和義さん、お母様は敏美さん、妹さんは短大生で輝さんね」そこまで聞いて和美は床にへたり込んだ。
話が嘘では無いと確信したからだ。
「お願いが有るの」
「何?」
「私は、此処では一人ぼっちなの、助けて貰えないかな」「
何をすれば?」
「私達の仲間を捜さないと、駄目なの、服とかも必要だし、この世界に溶け込んで探したいの」
「何人、居るの?」
「判らないわ、素晴らしい科学者も居ると思うのよ、私が此処で助けられたから、この場所からそんなに遠く無い場所に数人は来ていると思うわ」
「でも、漫画の世界の話しだと思っていたのに、現実に超能力の世界を見ると驚くわ」
「幼いときから訓練をすれば、もっと重い物を動かせる人も居ますから、私はテレパシーの能力は高いのですが、サイコキネシスは低い方ですよ」和美は唖然として聞いていた。
ドアをノックする音に「内緒ね」そう言って香澄はベッドに潜り込んだ。
「どうだね、様子は?」
「は、はい、まだ寝ています」壁のハンガーに服が無いのを見て「変わった服は?」
「はい、洗濯場に」
「そう、洗わないで、警察が調べるらしい」
「伊坂教授、この女性は、何処から来たのでしょう?」
「身体は成人の女性で何も変わった処は検査では発見されていないが、素肌にあの服は普通ではないな」そう行った時、香澄が動いて目を開いた。
「おお、気が付いたのか?具合は?」
「はい、別に何も有りませんが?」
「生まれは?」
「神奈川県茅ヶ崎です」
「今は?」
「都内のマンションに住んで居ます」
「マンションの名前は?」
「グリーンテラスです」和美が驚いた顔をした。
当然だった!自分の住んでいるマンションだったからだ。
「本城君も近くのマンションだったね」
「は、はい」驚き顔の和美に教授が尋ねたのだ。
「何処も、悪くないので明日にでも退院しても良いのだが、両親は居ないのかね?」
「はい、居ません」
「入院費はどうする?何も持って居なかった様だが」
「はい、何とか用意します」そう言うと伊坂教授は、和美に服を探して持参する様にと話して病室を出て行った。
「香澄さん、私の住まいを言ったでしょう」
「はい、取り敢えず明日から泊めて頂かなくては」
「えー、そんな」
「輝さんと二人だから、私が一人増えても大丈夫ですよ」
「そんな、無茶苦茶な、妹にも相談してないのに、それに此処の支払い、どうするの?お金無いでしょう?」
「これを売れば、当分生活出来るわ」と自分の服のベルトの部分からキラリと光る石を取り出した。
「これ、売ってくれば、当分は生活出来るから」と和美の手の平に載せた。
「これ?ダイヤ?違うわね、これ本物なら、凄い値段よ」
「一度、近くの宝石店に持って行けば、判るわ」
和美は自分の考えている事を先に言われて、読まれているのか?駄目、考えたら駄目よ。
「無駄よ、統べて判るから」と香澄が笑うのだ。
「こんな、大きなダイヤ見た事ないわ、それにその服のベルトに入って居る事は知らなかった、外から判らないわよ」
「服も欲しいの、この姿では帰れないでしょう?」
「何処に?」
「貴女のマンションに」
「えー、どうしても来るの?」
「私の正体を知っているから、仕方無いわ」
「これが、本物か調べて本物だったら、妹の許可を貰って少しの間なら泊めてあげるわ」
「ありがとう」香澄は微笑んで「もう少し眠るわ、空気が悪いので、頭が痛いの」そう言うとベッドに潜り込んだ。

和美が半分は香澄の話しを信じていたが、この石が本物のダイヤだとはとても思えないのだ。
自分達が目にする指輪とかネックレスのダイヤとは大きさが違っていたから、病院を抜け出して宝石店迄タクシーで向かう和美、もし本物ならと考えると額に冷や汗が出る。
恐る恐る宝石店に入ると店員が「指輪でしょうか?ネックレスをお探しでしょうか?」と笑顔で近づいてきた。
「高価買い取りの看板が出ていたのですが?」
「はい、当店では、金、プラチナを始めとして、ご不要に成った宝石類を買い取らせて頂きます」
「幾ら位の物か見て頂きたいのですが?」
「はい、鑑定士を呼んで参ります、此処にお掛け下さい」和美は腰掛けたが、恐々座った。
暫くして眼鏡を賭けた六十代の男性がやって来て「お待たせしました、指輪?ネックレス?」
「違います、石です」
「加工してない?石?それは安いよ、加工に費用が掛かるからね、見せて」
和美はポケットから手を差し出して、手の平を広げた。
「ダイヤ?加工されていますね、よくね!騙されるのよ女の子がね、こんなに大きなダイヤなら、博物館か収集家の物だよ、騙されたね」そう言いながら笑った。
「まあ、見て見るけれど、ショックを受けないでね、男はこんな悪戯をしたがるのだよ」
そう言いながら手に取って「中々精巧に出来ているね、人工ダイヤでも、これなら高いよ」
「そうですか?幾ら程、しますか?」尋ねる和美に鑑定の男の顔が見る見る変わる。
「暫く、お待ち下さい」男は鑑定を中止して、何処かに電話をしていた。
やがて戻って来て「私の鑑定では、値段の算出が難しいので、本店から呼びましたので、暫くお待ち下さい」
「困ります、仕事を抜け出して来ていますので」
「いや、そう言われましても、私ではこのダイヤの値段は出せませんので」
「それって、本物って事ですか?」
「はい、私が見る限りでは、本物だと思うのですが?この様な品を見た事がございませんので、価格が判りません」
「でも、私、仕事に戻らないと」
「仕事場はどちらで?」
「都立総合病院です」
「じゃあ、後ほど伺います、お名前は?」
「内科の看護師で本城和美です」
「じゃあ、落とさずにお持ち帰り下さい、容器に入れますので」
和美は香澄の話が本当なのだと思ったと同時に青ざめていた。

驚く大金

 9-3
香澄はダイヤの価値を知らない、惑星アールでは地球の何万分の一の価値だった。
マンションに少し居候させて貰うには多いと思ったが、まさか価値がこんなに異なるとは思ってもいないのだ。

和美は容器に入ったダイヤを持って香澄の部屋に戻ってきた。
「どうだった?」
「貴女は本当に宇宙人よね」
「この星では生まれていないわね」
「その変な服には、ダイヤがまだ入って居るの?」
「はい」
「これより、大きい?」
「のも有るかな」
「えー、凄い」
「あっ、価値が違うのか?」直ぐに和美の心を読み取っていた香澄だった。
「返さないわよ」
「良いわよ、その代わり、外に出られる服と少しの間泊まらせてね」
「もうすぐ、病院に鑑定士が来るのよ、私の服貸すから一緒に立ち会ってよ」
「良いわよ」
和美は自分の予備の私服を持参して、香澄は最初に着ていた服の上に、和美の服を着た。
「ぴったりね」
「体型似ているからね」と笑う。
「この部屋に来て貰うわ、他には何を持って居るの?」
「ピンクとブルーが一つ有るわ」
「それってダイヤ?」
「そうよ、それより少し大きいかな」
「これより大きいの?聞いただけで気が変に成りそうよ」
「ごめんね、価値を調べて渡すべきだったわ」
「そうよ、マンション統べて買えるかも知れないわよ」
和美は今までの香澄に対する疑いを統べて払拭して、香澄が別の惑星から来た事を信じた。

しばらくして宝石鑑定士が二人病院にやって来た。
和美が持ち主は別の人だと言って香澄の病室に案内をした。
鑑定士は「早速ですが、先程見せて頂いた、石を」と言って和美が差し出すのを待った。伊吹と云う一緒に来た鑑定士が容器から取り出して、ルーペで念入りに見た。
「驚きの様ですね」いきなり香澄が言うと「は、はい、これは何処で手に入れられました?」「アメリカですが」
「やはり、そうですか」
「盗品では有りませんよ」香澄が先、先と話すので伊吹は驚いて「そんな事思っていませんよ」と否定する。
「お父様に貰った物なので、御安心を、他にピンクも持って居ますから」
「ピンク!」伊吹の声の高さが変わった。
「この、ダイヤと同じ大きさでしょうか?」
「いえ、もう少し大きいと思いますよ」
「えー」「えー」二人が顔を見合わせて叫んだ。
「これより大きい、ピンクダイヤって、世界にまだ有りませんが」
「新発見!」
「見せて貰えませんか?」二人の鑑定士が同時に喋る。
横から「このダイヤは幾らなの?」と和美が尋ねた。
「私共が頂戴致します価格は一億程に成りますが」と言うと香澄が「それじゃあ、他にするわ」と直ぐさまに言った。
和美は目を丸くして、側に在った椅子に座り込んだ。
香澄には一億の価値が判らない、唯二人の考えだけが判るから、答えただけだった。
「ピンクも私のお店で買い取らせて頂けるのなら、もう少し考えて来ますが」と言う。
「桁が違うでしょう?ピンクは」
「このダイヤよりも大きくて、上質のピンクなら、値段は高額に成ります」
「ブルーなら?」
「ブルーですか?お持ちで?」
「知り合いが持って居ますわ」
「えーーー」大声で驚く。
「大きさは同じでしょうか?」
「ピンクと同じ位でしょうか?」
「嘘でしょう?そんな大きなブルーダイヤは専門誌にも掲載されていません」
「そんな、大きなダイヤが本当に有るのですか?」二人は見たい気持ちが大きく成っていた。
「小切手を持って後程参上します、ピンクのダイヤを見せて頂けるなら、一千万上乗せします、オークションに出されたら如何でしょう?」
「はい、考えておきます、お金をお願いします、生活費が必要なので」
香澄には一億がどれ程の価値なのか判らない。
「ピンクのダイヤは多分三十億以上の値段が付くと思いますので、私共は仲介手数料で結構でございます」
側の椅子に座り込んでいた和美が口をぱくぱくさせながら「三十億、ブルーなら幾らですか?」と尋ねると「例が無いから判りませんが、お話ですと三十カラット以上なので五十は超えるかと思います」
「五、五十億と」言いながら、泡を吹いてしまったのだ。

夕方和美が入院費を支払って、服も買って病室に戻って来ると「叔父さん達、今から来るらしいわ」と香澄が言う。
じゃあ着替えて、下にスーツの様な物を来ているので、ズボンと薄いセーターにジャケットを和美は買って来た。
「お金、大丈夫?少しの間住んでもお金足りる?」
「ええ、充分よ」
一億一千万もの小切手がもうすぐ目の前に来るから、全く問題無いのに、感覚の異なる香澄は服を買って貰って恐縮していた。
アール星では、殆ど同じ服装だから、ファッションを楽しむのは、特別な催しの時だけなので、服を毎日変更して楽しむ事は貴重な事なのだ。
大きな紙袋には下着と別の服も入って居た。
「色々、ありがとう、久々だわ」と香澄の喜び様は格別なのだ。
「ピンクダイヤ見せてあげるの?」
「生活費が必要でしょう、何日必要なのかまだ判らないから」
「何をするの?」
「移住よ」
「何処に?」
「私達の生まれた星に戻るのよ」
「香澄さんが?」
「違うわ、みんなで移住するのよ」
「えー、地球の人全員?」
「何人居るの?」
「七十億以上住んで居るわよ」
「多いわね、地球の方が少し大きいから、増加したのかな?」
連れて行ける人数は連れて行かなければならない、香澄の使命なのだ。

伊吹達が小切手を持って現れた。
「これはお約束の小切手でございます」と差し出した。
香澄は容器のダイヤを「はい、これお持ち帰りを」と言いながら渡して「ピンクは、これですよ」と差し出した。
「綺麗、大きい」と輝くダイヤを見て叫んだ。
「見せて頂いても、宜しいでしょうか?」手袋を履いて香澄から受け取り
「素晴らしい、これまでに見た事がない」
「私の誕生日に貰ったのよ」総て嘘の話だった。
「えー、これを誕生日のお祝いに貰ったのですか?」二人の驚く顔が今度は和美が可笑しく思えた。
「写真に撮影しても良いでしょうか?」
「はい」
二人は、準備よく宝石を並べる台とデジタルカメラを持参していて、十数枚の写真を撮影して、「一度オークションサイトで値段を算定して貰いましょう、気に入る値段なら売却されますか?」
「まだ決めていません」と微笑んだ。
二人は嬉しそうにダイヤを持って帰って行った。
香澄は貰った小切手を無造作に「これで、お願いします」と和美に手渡した。
「香澄さん、これって、凄い金額なのよ、私が一ヶ月働いて三十万程なのよ、判る?一年で三百万程なのよ、価値が違うのよ」
「このピンクダイヤなら五十倍?」
「そうよ、凄い金額だわ、殆どの物は買えるわよ」
「じゃあ、ムー号とアトランティス号には凄いダイヤが載っていたわよ」
「それ何?」
「和美さんの祖先が乗ってきた船よ、勿論私も途中までは一緒だったわ」
「何処に在るの?その船?」
「判らないわ、先ずその船を探さないと駄目だわ」
「大きさは?」
「そうね、数千人が乗れるから、大きいわ、私も隅々まで行った事はないのよ」
「兎に角明日朝退院しましょう、私明日非番だから、退院してから、銀行にこれを持参して、口座を作りましょう」
「銀行?口座?」
「香澄さんの星には無いのかな?」
「知らないです」
和美は明日からどうなるのだろう?ピンクダイヤが売れれば大金持ちだから、ずーと一緒に居ても良いわと思うのだった。

次なる超人

 9-4
翌日、和美の助けで初めて病院の外に出た香澄が「変わった乗り物ね」と自動車をみて尋ねた。
「あれは、車と云うの、遠くに行く時に乗るのよ、先に銀行に行こう」タクシーを止めて、和美が乗り込む。
「早く乗って」と催促されて乗り込む香澄、車が発進すると「恐いわね、自分で運転するの?」と和美に聞いたのだ。
「誰がするのよ?」
「自動でしょう?普通は?」
「はい=」運転手が「頭の病気だったの?」と尋ねた。
急に車が動かなくなって「あれ?」「ブーン」とエンジンを吹かす。
「走ってない」後ろからクラクションが鳴り響いて「どうしたのかな?」
「叔父さん、この車少し浮いてない?」
「えー」窓を開けると首を突き出して、「タイヤが地面に付いてないよ」そう云うと、アクセルから足を離して扉を開けた。
外に出ると、タイヤは地面に接地していたて「あれ?どうなっていたのだ?」と車の廻りを見回した。
「香澄さんね」
「はい、頭が変だと言うから、悪戯を」
「でも凄い能力ね、車を持ち上げるなんて」
「私より、凄い人は沢山いますよ、超人クラブには」
「超人クラブ?」
「はい、今も私と一緒に此処に来ていると思います、その人達も探さないと、ムー号とアトランティス号も大事だけれど、仲間が居なければ帰れません」
「不思議な話ね」話していると運転手が独り言を言いながら運転席に戻って発車したのだ。

銀行に到着すると、小切手を持って窓口に二人が行くと、行員が金額を見て驚きの表情に「この通帳に入金お願いします」と和美が通帳を差し出す。
「はい、しばらくお待ち下さい」行員は上司に連絡をして、多分振り出しの宝石店に確認をしたのだろう。
しばらくすると揉み手に笑顔で挨拶に来て、別の部屋に案内された。
女子行員がお茶を持参して「早速ですが、只今宝石店に確認致しましたら、本城様はもっと凄い物をお持ちだとか」
「ああ、ピンクダイヤの事ですか?」
「はい、持ち歩きは危険ですから、当銀行の貸金庫でお預かりは如何でしょう?」
「香澄さん、預けた方が安心よ、無くす事、傷つく心配も無いから」
「この叔父さん、此処に在れば所在が判るから、安心と宝石店の人に言われたのね」
「えー」と驚く支店長。
調子の良さそうな感じの男だったが「そうね、預けようかな」
「はい、ありがとうございます、早速容器を持参致します」香澄はベルトのボックスから二個のダイヤを取り出した。
「これなの、ブルーダイヤ、綺麗だわね」
「これは超人クラブに入った時に貰ったのよ」
「ご両親は?」
「惑星に残ったのよ、もうタイムマシンでしか会えないけれどね」
「えー、タイムマシン?そんな物出来るの?」
「この時代は想定より相当遅れて、まだ戦争とかしているのかな?」
「していますよ、世界中でね」
「それなら、三百年は遅れていますね」
「三百年!ひやー」と和美が驚いた時に支店長が戻ってきて「お待たせしました、これがピンクダイヤですか?」
「はい」
「この青黒いのは?」と不思議そうに見る。
「それは、ブルーダイヤですわ」
「えー、これがブルーダイヤですか?初めて見ました、大きいですね」
「世界一だと思いますよ、大切に保管して下さいよ」
「えー、世界一!」
「誰も見る事は出来ませんよね、勿論です、一枚写真撮らせて頂いて良いですか?」
「はい」
支店長は再び出て行って、宝石店に電話をして「ブルーダイヤも在りましたよ」
「本当ですか?大きさは?」
「ピンクより少し大きいかと思います」
「写真お願いします」
支店長はダイヤをよく知らないから、宝石店の指示に従って撮影をして、大金庫の中にしまい込んだ。
和美の通帳には数えるのに困る程のゼロが付いた金額が振り込まれていた。
「取り敢えず、小遣いに二十万程持って居たら?色々買えるからね」
二十万の現金を袋に入れて「買い物に行きましょう」そう言って二人は町中に消えていった。

香澄達超人は、母船を操縦して、地球の住人達をアールに運ぶ任務が有るのだ。
本当は地球の文明が進み、丁度香澄達が地球に到着した時に、移動の為の宇宙船の建造に着手出来る環境に成っている手筈だった。
だが、どの様に計算が狂ったのか、現実の科学設備は三百年も遅れていたのだ。

地球での名前が有田俊、二十八歳、15653が正式な登録番号、彼は四国の浜に泳いで辿り着いていた。
惑星アールの戦士、背中にサーベルを背負い、カプセルから脱出して来たのだ。
香澄と同じ服を着て浜辺を彷徨っていたのだ。
母船に引き寄せられる様に到着する設定がされていたから、殆どが海中に水没して脱出に失敗をしていたのだ。
母船の事故は後発の部隊にも大きな影響をもたらして、何人の超人クラブの人達が無事なのか判らないのだ。

「変な格好の青年が砂浜に居るよ」の噂は桂浜で直ぐに話題に成った。
「映画の撮影か?」
「誰も、居ないから違うだろう」
「凄い姿だな、寒くないのか?」
数十人が遠くから取り囲んで口々に色々な事を言う「警察に連絡したのか?」
「もうすぐに、来るだろう」しばらくして警察が到着して、有田に近づいて「武器を捨てろ」と叫ぶが全く反応がない。
有田には言葉が理解出来なかった。
テレパシーの能力が無かった。
何名かが同じカプセルに乗っていたが、他の人は海の藻屑に成った様だ。
想定外の事、超人達が母船の近くに無事に到着する様に、計算されていたのに、大勢が死んでしまった様だ。
警察が囲む様に有田に近づく、取り押さえようと飛びかかったが、有田は咄嗟に大きくジャンプをして、別の場所に移動していた。
「何?あれは?」
「凄い、ジャンプ力」人々は口々に叫ぶ、警察官が遊ばれていた。
しばらく同じ事が続いて見ている人達が増えて、イライラして警官が「大人しくして、」と拳銃を向ける。
すると有田は大きくジャンプをして、陸橋の上に飛び上がった。
警官は見物人が多いので、拳銃を諦めて、追い掛けて行った。
警官の人数が増えて、取り押さえようと陸橋に向かうと、有田は軽々と車の荷台に飛び降りて、走り去ってしまった。

この動画が夜のニュースで流れるのだが、まだ香澄の目には入っていなかった。
買い物を終わって和美と香澄が自宅のマンションに戻ると、両手に一杯の荷物を持って「只今、輝、帰っていたの?」と和美が言うと、その後に付いて香澄も入って来た。
香澄を見て「お客様?」と輝が尋ねながら会釈をした。
「そうよ、今日からしばらく一緒に生活する香澄さん、早乙女香澄さんよ」
「えー、一緒に生活?」と驚きの声に成る輝だ。
「お姉ちゃん、相談も無しにいきなり?」
「緊急だったのよ」
「病院の人なの?」
「輝さん、よろしくね」笑いながら香澄が言う。
「沢山、お家賃貰ったの、だから」
「そんな、三人で生活なんて、困るわ」そう言う輝を引っ張って奥の部屋に連れて行く。しばらくしてにこにこ顔に成った輝が「いつまで居ても良いわよ」と笑って話す。
「香澄さんって宇宙から来たの、凄いわね」
「はい、惑星アールから来ました」輝に一億の話しとダイヤの話が伝わって態度が一変した事は香澄には判っていた。
「あのね、先程ニュースでね、四国の桂浜でこの世の人間とは思えない人の画像が流れていたよ」
「どんな感じ?」と和美が聞くと同時に「それは、仲間ですね」と香澄が叫んだ。
「何故?判るの?」
「輝さんの、頭の中の画像を見ました」
「えーーーー、そんな事が出来るの?」
「はい、輝さんが覚えている画像を見られます」
「凄いけれど、恐いわ」
「そこまで、出来る人は、アールでも数人ですけれどね」
「他に何が出来るの?」
「相手の考えを変えられますね」
「例えば、走らせる事も、相手が考えていない行動に導けます」
「恐い」
「香澄さんね、車も持ち上げるわよ」
「力持ちなのね」
「手を触れないでよ」
「何!まるでSF映画ね」
「本当よ、タクシーを持ち上げたのよ」
「凄いわね」
「明日から何をするの?」
「四国に探しに行きます、彼は喋れませんから、助けないと、事件を起こしてしまいます」「何故?」
「食事も必要ですから、泥棒します」
「それは、大変ね」
「輝、貴女休みでしょう、案内してあげたら?」
「バイト探そうと思っていたのに」
「バイトより、収入良いでしょう」
「そうだね」と笑う輝、三人の共同生活が始まった。

伝説の大陸

 9-5
翌日、朝からお風呂に入る香澄、昨夜のお風呂が気に入ったのか、朝目覚めると早速湯船にお湯を貯めて、入浴を楽しんでいた。
「お姉ちゃん、朝からお風呂に入っているよ、同じ身体なの?」
「そうみたいよ、病院の検査では全く同じだったわ、二十二歳の女性の身体よ、胸も綺麗、子供も産めると思うわ」
「お風呂が好きみたいね」
「彼女の星には無いのかも」と話していたら、気持ち良さそうに、風呂場から全裸で出て来た。
「わー、服を着て下さい」
「そうなの?今まではエアー殺菌の部屋に全裸で入るのよ、お湯の入って居る処に入るのは気持ちが良いですね」
「でも、香澄さん、綺麗な身体ね」
「そうよ、この地球では全裸でウロウロしていたらレイプされるわよ」
「レイプ?何ですか?」
「男が女を無理矢理、犯す事よ」
「犯す?」
「SEXよ」
「交配の事?私達の星では、自由に子供の父親は決められます」
「何よ、それ」
「そうね、リストね、その中から選ぶのよ、機械で子供は作るわ」
「ぎゃー、愛し合わないの?」
「人気の種は高価よ」
「じゃあ、同じ父親の子供が沢山居るの?」
「はい、私は十二万以上の同じ雄の子供ね」
「えーー」
「恐いわねー」
「悪い病気は皆無ね、削除されているから」
「地球で癌と云う病気が有るのだけれど、貴女の星にも有るの?」
「癌?無いですね、冬眠カプセルに入って居ないで普通に暮らせば、百年過ぎると死ぬ人増えるわね」
和美が持って来たバスローブを着ながら「殆どはサイボークとかアンドロイド化するから、二百年とか三百年かな?」
「キャー、信られない、香澄さんも何処か治しているの?」
「私はまだ若いから、それに星で生まれてないから」
「何処で?」
「宇宙船の中よ」
「話しを聞いていたら、頭が変に成りそう」
「食事しましょう」
「地球の食事は美味しいです」と言いながら美味しそうに食べる香澄なのだ。

地球に到着するのに光の速さの数倍以上の早さで飛ぶ母船でも数十年必要で香澄が乗っていた宇宙船は光速以下だから、冬眠カプセルで眠らないと、歳をとって自然死をしてしまうのだ、普通は光速を超えると逆転現象で過去に戻ってしまうから、母船の様な大型の船しか対応していないのだ。

「四国まで、飛行機で行くの?」
「一番早い方法で行きましょう、彼が移動してしまうから」
そう話していたらテレビのニュースが、先日の沢山の流れ星の映像を放送していた。
「あっ、あれ私達が到着した、映像だわ」
「そうなの?」
「燃えついた、海に落下が多いと言っているわね」和美が言う。
「ムー号とアトランティス号に引っ張られるから、何処に母船が在るかです」
「ムー?アトランティス?それって大陸の名前なのでは?」と輝が言うと「大陸じゃないです、宇宙船よ」
「もしかして、大きいから大陸と間違えたのかも?」
「その大陸は何処に?」
「大昔に海中に沈んだと言われているわ」
「えー、海中に?事故?」
「判らないわ、逸話の様な話しだから」
「調べる方法は?」
食べるのを中断して聞き入る香澄、パソコンで調べ出す輝「これだよ」とパソコン画面を指さす。
今から約1万2000年前に太平洋にあったとされる失われた大陸とその文明をさす。イースター島やポリネシアの島々を、滅亡を逃れたムー大陸の名残であるとする説もあった。
しかし、決定的な証拠となる遺跡遺物などは存在せず、海底調査でも巨大大陸が海没したことを示唆するいかなる証拠も見つかっておらず、伝説上の大陸であるとされる。ムー大陸が存在した証拠として、イースター島には資源に乏しいにもかかわらず大規模な石造があることが挙げられることもあったが、かつてのイースター島は森林資源が豊富で、森林伐採の挙句文明が滅んだことが現在ではわかっている為、論拠に乏しい。
「時間が合っているわ、アトランティスは?」またパソコンを操作する輝「これだよ」早速読み始める香澄だった。

今から約1万2000年以上前、現代文明をはるかに凌ぐ「アトランティス」と呼ばれる超古代文明が大西洋に存在した。このアトランティスについて最初に語ったのはギリシャの哲学者プラトンで、彼はこの伝説について『ティマイオス』と『クリティアス』という2つの著書に書き残している。
プラトンによるとアトランティスは、リビアとアジアを合わせたほどの大きさがあり、場所は
「ヘラクレスの柱の外側」にあった。
そしてこの大陸に住むアトランティス人は、非常に徳が高く、聡明で、テレパシーも使い、「オリハルコン」と呼ばれる超金属を自在に操っていたという。
またこのアトランティスでは、オリハルコンをもとに、飛行機、船舶、潜水艦などが建造され、
テレビ、ラジオ、電話、エレベーターが普及しており、エネルギーはレーザーを用いた遠隔操作によって供給されていた。
しかしこれだけ高度な文明を持っていたアトランティスも、今から約1万2000年前に大地震と大洪水が大陸を襲い、わずか一昼夜のうちに海中に没して姿を消してしまったのである。

「これも、間違い無いわ、テレパシーもオリハルコンも惑星アールでは常識だから」
「じゃあ、この大陸は宇宙船?」
「沈んでしまったのね」
「事故が起きたのよ、母船は海に沈む様な物ではないから」
「そうね、一夜にして沈んだと伝えられているから、事故ね」
「例えば地球に移住の最中に大きな津波が起こって沈没したのかも?」
「母船を探すのは大変な様だわ」香澄が無念そうに言う、そこにテレビがイギリスに超能力者が現れると放送をしていた。
大きな物を動かしている映像が流れていた。
「これ?香澄さんの仲間?」画面をのぞき込む香澄。
「同時に到着した、アトランティスの方の担当だわ」
「凄い能力ね、車を止めたり、車が空を飛んでいますよ」
「大きい能力を持った者なら、出来ますね」
「今の世界なら征服出来ますよ」
「そうね、悪用すれば、出来ますね」
「香澄さん、ムー号には何名程来ているの?」
「予定では各五十人ですが、海に沈んでいたら、相当の者が死んでいますね」
「日本人の姿の人は何名程なの?」
「多いわ、優秀な超能力を持った人が黄色人種だったから、所謂お父さんが同じなのよ」
「競馬の馬の様ね」
「種馬?」
「そうです、種馬です」
「変なの」
「SEXはしないの?」
「快楽の為にはしますね、でも遺伝能力は無いのよ、退化してしまって」
「益々、頭が変に成って来たわ」
三人の会話が終わって、輝と香澄が四国に行く準備を始める。
輝も姉に似て可愛い感じの女子大生で、香澄とは姉妹でも判らない。
マンションを出る時に香澄は二人に新しい事実を話した。
「母船にはロボットの助手も居て、私の行動と同時に作動していると、思うのだけれど、来るのかな?」
「ロボット?」
「各母船には全部で百体のロボットが居て、私達が、冬眠カプセルから目覚めると、行動を開始する様に成って居ると思うのよ」
「大きいの?」
「大きくは無いけれど、私を守ってくれるのよ」
「何処に居ても来るの?」
「そう、聞いているのだけれど、深海で、作動しているのだろうか?」
「でももし、来たら凄いわね」
「はい」と笑顔の香澄。
羽田空港まで電車で移動して「今、三人確認出来たわね、後何名だろうね?」
「私は、今テレパシーで探していますが、反応が有りませんから、私の半径百キロには、誰も居ません」
「凄い、半径百キロも探せるのだ」と驚く輝は、姉のカードを持って輝と香澄の異星人捜しが始まった。

仲間を求めて

 9-6
輝は昨日からの事を、携帯のメモに残していた。
惑星アールの超人クラブの人は全部で百人、そしてそれぞれに護衛のロボットが一体いる.。
地球上で冬眠カプセルから目覚めて初めてロボットは作動する。
超人達は色々な能力を持っているので、四国の超人はもの凄いジャンプ力、香澄さんはテレパシーの達人でサイコキネシスも使える。
イギリスの超人はサイコキネシスの達人、輝はこのメモ帳が一杯に成るのは早いのではと感じた。
「香澄さん、この地球が隕石群に巻き込まれるのは何年程先なの?」
「もう、近いです、千年程ですね」
「近い?千年?まだまだ先ね」
「でも今の文明では、とても移動は出来ませんから」
「それはそうだけれど、私は存在しないわ」
「急に入る訳では無いので、前兆が始まって本格的に成ります、そして何百年も要してその場所を脱出します、統べての物は無くなります、この綺麗な町も山も自然もね」
「私達が勉強で習ったのでは、猿から人間に進化したと習いましたが?」
「猿は人間の遺伝子から作ったのよ」
「えー、何それ?反対?」
「ペット用にね、多分この星では繁殖して、野生に成ったのかも」
「じゃあ、地球に沢山居る動物は殆ど作ったの?」
「輝さんの頭に有る動物は、科学者が作った物が多いですね、此処で交配された新種も少し居ますけれど」
思わず頭を押さえる輝、絵も画像も無いのに、香澄は勝手に輝の頭の中に入ってくる。
「恐くないわ」
「あちゃー」総てを読み取られて驚く輝、この前の女性は今何を考えて居るの?山手線の目の前の席の綺麗な女性を目で教えた。
「今ですか?」
「お腹が痛いです」
「はあー」
「次の駅で降ります」と言ったら、その通りに急いで降りて行った。
隣に客が座って、それ以上の話しを止めた二人、浜松町に着くと何も言わなくても香澄は席を立った。
遅れて輝が立つ、これなら案内要らないじゃん、「必要です」と笑った。
何も考えられない恐いと思うと香澄が微笑んだ。
航空券を買って、金属探知機のゲートで反応が有り香澄は止められた。
何も持って無くてもランプが点灯する。
「変ね?身体に金属の物が入って居ませんか?」
「何も有りませんが?」
「じゃあ、もう一度お願いします」同じ様にランプが灯る。
すると係の女性が「すみませんでした、もう結構です」と言った。
輝の待つ場所に歩くと、向こうで女性の係に男性が「あの女性、ランプ灯ったのに何故?」「えー、判りません」二人がこちらに向かって来た。
「係が二人来たわよ」「そう」香澄が振り返って微笑むと、二人は微笑みながら会釈をしたのだ。
「何も無いでしょう、行きましょう」と香澄は搭乗ゲートの方向に歩いて行く、輝は怪訝な顔でついて行く。
「何か?したの?」
「少しね」
「何が出来るの?」
「テレパシーで自由に出来るのよ」
「凄い、一度に大勢?」
「はい」
「恐い能力ね」
「これが出来るのは私だけなのよ」
「数人なら出来る人は居ますが、数十人同時に出来るのは私だけよ」
「じゃあ、一斉に右を向かせられるの?」
「はい」
歩きながら「ほら、」次々とゲートのちかくの人が立ち上がって二人にお辞儀をしたのだ。
「ぎゃー、恐い、もう良いから止めて」香澄が笑って輝は怯えて、飛行機に乗り込むのを待った。
高知空港行きのゲート前で、テレビで四国の超人のニュースが流れて、先日の桂浜に表れた超人が今度は琴平から善通寺に向かったと放送した。
「此処は場所が違うの?」
「少しね、四国だけれど、香川県ね」
「この飛行機は高知に行くのよね」
「香澄さん何か変な事考えて無いよね」と輝が言った。
「別に」と嘯く香澄搭乗が終わって飛行機が離陸して、しばらくしてアナウンスが「当機は、本日は予定を変更して高松空港に向かいます」と言ったのだ。
「あちゃー」輝が驚いて頭を叩く、客が騒ぎ出したのだ。
「困る」
「高松に着いたら、高知までどうするのよ」と口々に騒ぐが、直ぐに「高松に行きたいと思っていたのよ」
「栗林公園も良いわね」
「琴平って、超人が出たって、わー見たいわ」と飛行機の中の会話が一変した。
「また、やったの?」輝が尋ねる。
「待って、今どの辺り?」
「名古屋の上空辺りかな、どうしたの?」
「テレパシーに微かに反応が有ったの」
「仲間?」
「多分」
飛行機は一路高松空港に向かった。

名古屋の病院に身元不明の人物が運ばれて、全身火傷で意識不明状態、判るのは男性、三十歳前後、服は殆ど燃えてないのに、身体は蒸し焼き状態、顔も頭髪も焼けていたのだ。
「変ですね、この薄い服は焼けていません」
「でも蒸し焼き状態ですね」
「よく、この状態で生きて居るよ、この服が守ったのでしょうね」
「繊維を調べ様とハサミで切ったのですが、切れませんでした」とその男が着ていた服を見せた。
「何で出来ているのだ?」
「一度警察に提出して調べて貰おうと思っています」
「この男は助かるか?」
「難しいと思われます」
「何処で、こんな火傷を?」
「判りません、登山の人が通報してきて、救急ヘリで搬送されましたから」
「服に番号18679の記号しか有りません」
「マスコミに発表して、家族を捜そう」
「はい、判りました」
その後警察が服を持ち帰り、男が回復したら、連絡を、それ以上の捜査は出来なかった。

静岡の焼津の港にも一人の男性を乗せた漁船が到着していた。
海中から助け出された、男は名前を村中保と名乗っていた。
テレパシーの能力が有るので、直ぐに漁船の人達とうち解けていたので、余裕で焼津港に上陸していた。
「有難うございました」村中は船員にお辞儀をして帰ろうとした時「チョット、待って」と船長が呼び止めた。
テレビで名古屋の火傷の男の服が公開されたので、船長は村中の服を思い出したのだ。
「晩飯迄待てば、美味い魚と、飯をかかあに作らせるから」
村中は地球の食事の美味しさを船で知ったので、今何処にも行く宛が無いので「本当ですか?」と喜んだのだ。
村中のテレパシーの能力は僅かだから、コンタクトを取るのが限界で、人の考えを読み取る事は出来ないのだ。
陸に上がると、村中には物珍しい物が多く、好奇心の塊の村中には最高の場所に成っていた。
母船で教えられた状態とは相当異なる世界に戸惑いながらも興味を持ったのだ。
井尻努船長から県警に連絡が入ったのは、それから直ぐの事だった。
静岡県警では名古屋の火傷の話しを知らなかった。
刑事は早速資料を取り寄せて「これは不思議な事件だ」
「早速、その村中に会いに行きましょう」
「警察を伏せて探ろう」
「そうですね、別に何をした訳でも有りませんからね」
「でも、ハサミで切れない布は不思議だな」二人は焼津に向かった。

高松空港に降り立った香澄はテレパシーの能力を全開にしていた。
「反応が有る、この距離ではコンタクトが出来ないわ」
空港を出るとタクシーに飛び乗った。
「何処に行きますか?お嬢さん達、観光?」
「右に走って」香澄が叫んだ。
「お嬢さん、右に走ってだけでは、判らないよ」
「急いでいるの、兎に角行って」
「恐い、お嬢さんだ」と運転手が言うと、車は走り出した。
輝が「四国の超人を捜しているのよ」と言うと運転手が「それを、早く言ってよ、見物なのか、昼には善通寺の屋根に座っていたらしいよ」
「そこに、行って、急いで」
「お嬢さん、貸し切りにした方が安いから、貸し切りね」
「はい、お願いします、香澄はよく日本を知らないのよ」
輝は香澄を外国から帰った人にしてしまった。
運転手の名前は石巻勝、超人事件に巻き込まれたのをまだ知らなかった。

次の超人

  9-7
二人の刑事が焼津に到着したのは夕方に成って、井尻船長の友達と言う事にして、夕食に参加する事に話が纏まっていた。

香澄達の乗ったタクシーは善通寺に到着したが、既に超人の姿は無かった。
テレパシーで探すのだが消えていた。
「眠っているのかも?」
「眠って居たらコンタクト出来ないの?」
「完全に眠って居たら無理よ」と二人が話をしていたら、石巻運転手が「何の話し?超人と話が出来るのか?」
「実はね、この人も超人なのよ」
「えー、本当、可愛いお嬢さんが?」と驚き声を上げる運転手だ。
「だから、協力してよ、超人が目覚めるまで、此処で頑張って」
「嘘だろう?信じられない、週刊誌の記者だろう?」
「じゃあ、見せてあげる、アクセル踏み込んでも車走らないから」
「えー、何故?」
「車が浮くのよ」
「嘘だろう」そう言いながらアクセルを踏むとタイヤが空回りをした。
「わー、本当だ、判った、降ろして」
「アクセルから離して」
「凄い、物をうごかせるのか?イギリスの超人と同じなのか?」
「あの人は、私より数倍強い力を持っているのよ、私は一トン程度までね」
「一トン?凄い、協力するよ、何でも協力します」と笑顔に成って、貸し切りの値段まで自分が自慢出来ると考えて安くしてくれたのだ。
記憶は香澄の能力で消される事も知らないで付き合ったのだ。

村中保は井尻船長の自宅で魚ちり鍋を振る舞われて上機嫌、二人の刑事は船長の友人で参加していた。
ビールを飲んですっかり、酔っ払うと村中は眠ってしまった。
「弱いですね、もう寝てしまいましたよ」
「ビール一本で?」一人の刑事が呆れて上着を脱がせた。
「同じだ」
「ハサミ有りますか?」
船長がハサミを持参して、布を切ろうとしたが、全く切れない「切れませんよ、不思議な布ですね」
「全く普通の人間だな」
「幾つだろう?」
「ああ、三十六歳と話していました」
「海を泳いでいたのですよね」
「はい、何も持たないで、何処から来たと尋ねたら、指で空を指しましたよ」
「飛行機から落ちたのかな?」と一人の刑事が言うと「太平洋の真ん中に一人で?」と不思議そうに言った。
「この謎は解けないだろうな?」
「じゃあ、写真を持ち帰ろう」そう言いながら、携帯で数十枚の写真を撮影した。
村中は全く泥酔状態で眠ったままだった。
「どうしましょう?村中さん?」
「県警に連れて帰りましょうか?」
「そうだな、このまま船長に預けても身元は判らないから、名古屋の件も有るからな」
三人で抱えて車に乗せて、静岡に戻る二人。
「今晩何処に泊めます?」
「犯罪者ではないから、俺の家か!」
「ですね、独身ですから」
「折角、家を借りたのに、最初のお客さんが、変な男か?」
「奥さんの為でしょう」
「判るか?」
「当たり前ですよ」
刑事は最近一軒家を借りて、交際相手が一軒家を希望したから、二人でお金を出して借りたのだ。
もうすぐ、結婚だとみんなも知っていて、この刑事的場の自宅には毎日の様に英子が来ていたのだ。
その夜も酔っ払った村中を、的場が自宅に抱えて連れ込んだ時には英子が来ていて「どうしたの?この人?」
「こんばんは、酔っ払いです」と若い刑事小林が英子に会釈をした。
的場が「今晩泊めてやる事にしたのだよ」
「えー、こんなに、酔って何を飲んだの?」
「それが、ビール一本」
「えー、ビール一本で?何よ、それ?」
「すみません、犯罪者でも無いし、身元が判らないからね、小林のマンションは手狭だから」と的場が英子に謝った。
「水飲ませてみたら」全く酔っ払って正体の無い村中に、英子がコップの水を飲ませた。
しばらくして目覚める村中に「あっ、気が付いた」英子が嬉しそうに微笑むと「此処は?船長は?」
「私の家だよ」と的場が言うと「的場さん」小林を見つけると「小林さん、すみません、急に気持ちが良くなって眠ってしまいました」
「今夜は此処で泊まって下さい」
村中の酔いが覚めて、リビングのソファに座ってテレビを見始める。
英子はコーヒーを作って台所から持って来る。
テレビでは天才の対決番組を放送していた。
村中は楽しそうに見ながら「幼児の番組?」と尋ねた。
英子はコーヒーをテーブルに置いて「物理とか数学の計算をする番組よ、私にはこの人達の頭の構造は判らないわ」と言った。
するとテレビを見ながら「これは、二番の男性が正解だ」と口走った。
「あら、判るの?」
「幼児教育ですね」
「はあ?」正解は二番の男性だった。
次の問題に成ったら「これ正解は無いよ」横に座って英子が興味を持つ「的場さん!コーヒー入っているわよ」と隣の部屋の二人を呼んだ。
村中は「これは、3.66が正解だよ」と独り言の様に英子に話す。
テレビで正解が発表されて「的場さん、こちらに来て!」と今度は声が大きく成った。
「どうした」と二人がリビングにやって来た。
「村中さんって天才よ」
「何が?」
「この問題次々と答えて、幼児教育だと言うのよ」
テレビでは次の問題が出て司会者が今夜の最大の難問ですと発表した。
すると村中は僅か数秒で「8,297が正解だ」と言ったのだ。
テレビの画面ではパネル一杯に計算式が書かれて、三人の回答者が必死で計算をしている。三人の目がテレビに釘付けに成る。
五分が経過しても答えが出ない、録画だろう、字幕スーパーで時間が表示されて十分で一人が答えを書いたが村中の数字と異なっていた。
すると村中が「最後から、五番目の計算が間違っているよ」と笑ったのだ。
「村中さん、あの計算が判るの?」
「はい、簡単ですよ」と微笑んで答えた。
やがて一番時間の掛かった男性が村中と同じ数字を書き込んで優勝した。
三人は改めて村中の顔をのぞき込んで「貴方、何者?」と英子が不思議そうに尋ねた。
二人の刑事は応接室に入って「不思議な人物だ、明日、名古屋の警察と相談してみよう」
「僕、帰ります、朝また来ます」
「頼むよ」小林は自宅に帰って言った。

香澄と輝はタクシーで待機をしていた。
夕食を食べてから、またタクシーに戻ってきたのだ。
石巻は自分の会社に「超人の調査に週刊誌の記者を乗せて、貸し切りです」と報告をして、「これで、トコトン付き合うよ」と気合いが入っていた。
しばらくして「反応が有った、北よ」
「判った」と車が発進した。
「近く?」
「距離が有るから、届かない」と香澄が言うと輝が「このまま北に行くと、海よ」
「いや、橋かもしれない」
「橋?」
「はい、瀬戸大橋を移動しているのかも」石巻が言うと「そうかも、高いから」
「近づいているの?」
「はい、もうすぐ、テレパシーの範囲に入ります」車は瀬戸大橋が遠くに見える場所に来て居た。
「捕まえた」と香澄が言う。
「やった」と輝が喜ぶ。
「警察もマスコミも居ないわよね、夜だから、昼間寝て夜に移動を始めたみたいよ」
輝が「何処かに待ちましょう」
「車止められる、場所に行って」
「よっしゃー」石巻は嬉しそうにナビで探して公園に向かう。
誘導する香澄、海岸近くの公園に車は停車した。
「彼は早いから、すぐに来ます」香澄が言ってしばらくすると、サーベルを背中に着けた大柄な男性が車の前に立った。
直ぐさま香澄が車から出て二人で話しをしている。
背中のサーベルを手に持って香澄と一緒に来て「トランクに刀を乗せて」
「判った」
トランクが空いて、男はサーベルを入れて「乗せてあげて、何か食べ物を」
「コンビニに行くか」石巻は車をコンビニに向かわせた。
助手席に輝が乗って後部座席に二人が乗り込んで、判らない言葉で話している。
しばらくして、「食べ物の次は服が必要ね、この服は目立つから」と香澄が言う。
「この人ね、名前は有田俊って言うのよ、よろしくね」と言うと俊が会釈をした。
香澄が地球の作法を教えた様だ。
コンビニで適当に食べ物を買って輝が戻ると、待ちかねた様に食べ出す有田、随分お腹が空いていたのか?美味しいのか?食べるのが早い。
「美味しいの?」と輝が尋ねると「地球の食べ物最高です」と香澄が笑いながら言う。
有田も食べながら微笑む、満足したのだろう。
「今の時間、衣服を売っている店無いですね」石巻が言う。
「そうだ、このまま岡山まで行って新幹線で帰ろう」輝が言うと石巻が「岡山迄行けば、夜明けに成る、始発で帰ると良いよ」もう時間が三時に成っていた。
運転手の石巻が自宅に行って適当な服を有田に渡して、車は岡山に向かった石巻は自分がヒーローに成った気分だったのだ。
輝は貸し切り運賃の二倍を支払うと、石巻は大喜びをして、新幹線の始発まで、タクシーを休憩室代わりに三人に利用させた。
刀を持って居るから、飛行機には元々乗れないから新幹線しか移動手段が無かった。
別れる時に、香澄が石巻の記憶の一部を消したのは当然の事だった。

治癒能力

   9-8
二人の刑事は村中を連れて県警に向かった車の中で「おおー」と村中が声をあげた。
「どうしたの?」「同士が凄い速度で通り過ぎた」と話した。
「同士って?」「仲間の事ですよ」そう話した村中と同じ様に香澄も村中をより強く感じていた。
「先程、仲間を感じたわ、何処だった?」
「静岡駅だったと思うわ」
「この電車は次何処に停まるの?」
「新横浜よ」そう言うと香澄と有田が話し始めて「次で降ります」
「静岡に戻るの?」
「はい、静岡の人は言葉を話せます、テレパシーが強かったから」
「凄い、一瞬で判るの?」
「はい、強いから、判るのよ」三人は新横浜で、下りの新幹線に乗り換えた。
鉄道警察が有田の刀に不審感を持って近づいてきて「それは、刀では有りませんか?見せて頂けませんか?」ヤバイと輝が考える間も無く「子供さんへのお土産でしたか」と笑って三人を見送ったから、香澄の力は凄いと改めて思う輝なのだ。

静岡県警では村中に名古屋の衣服の資料を見せて「これは、同じ物なのでは?」
「はい、同じ仲間の物です、これを着ていた人は?」
「意識不明で名古屋で入院している、全身火傷で助からないのでは?」
「そうですか、残念です」
「村中さんは何処から来ましたか?」
「宇宙です」
「宇宙?じゃあ、宇宙人?」と小林が大きな声を出した。
「その、宇宙人が何の為に此処に?」
「仲間を助ける為です」
「名古屋の火傷の人を?」
「違います、あの人も助けに来た人です」話しをしていると、若い刑事が「的場さん、この人もよく見ると同じ服装ですよ」と四国の超人の画像をタブレットで持って来た。
村中が一目見て「おお、同士です」と言った。
「何人来たのだ?」
「五十人です、ムー号は」
「ムー号って?」
「母船の名前です」
「何だ?それは?」
「大きな宇宙船です」
「そんな物知らないなあ」
「仲間を助けるって?誰?」と小林が言うと、村中は小林に指を指さした。
「おいおい、冗談は止めろよ、俺は小林、綺麗な奥さんと可愛い娘のパパなの、村中さんの仲間では有りませんよ」
「違います、皆さん、統べて仲間です」
「おいおい、良く意味が判らない」と言うと村中が急に会話を止めた。
「同士が二人来ました」
「名古屋で、意識不明だろう?」
「別の人です、もうすぐ、来ます」
署内の全員が固唾を飲んで見守る中、輝と香澄を先頭に有田が入って来た。
「可愛いお嬢さんが二人だ」
「何か用?」と尋ねる小林。
「そこの、村中さんに用事が」と香澄が言うと、香澄から村中に即座に情報が伝達されていた。
三人を見た警官が後ろの有田の刀に注目して「武器を捨てろ」と言う。
有田が素直に刀を警官手渡す、受け取った警官が「重い」と叫んで受け取る。
一人が鞘から抜き「凄い刀だ」と言いながら鞘に戻すと「石でも鉄でも切れるのよ、気を付けなさいよ」と笑う香澄。
部屋の中から村中と的場、後に小林と若い刑事が続いて出て来た。
香澄と村中、有田が三人で話しをしているが、他の人には何を話しているのか全く判らないのだ。
「名古屋の病院に行きたいのですが?」と香澄が的場に向かって言うと、半分は信じていた的場だったが、宇宙人と云う事、事態信じられないのだ。
「助けに行くのか?」
「様子を見に」香澄が云うと「じゃあ、我々も行こう、車二台用意してくれ」
「はい」
「会話が困るから、別れて乗り込む?」
「お願いします」二人の刑事の車に有田と村中が乗り込んで、刀がトランクに積み込まれていた。
若い刑事山田の車に新人刑事の諸星陽奈子と香澄に輝が乗り込んで名古屋に向かう、名古屋の警察に的場は既に連絡をしていた。

その頃、中国の船にも新たな惑星アールの人が助けられていたが、小笠原海域に来た密漁船だった。
若い女性のアール人は綺麗で中国人は人魚でも釣り上げた心境に成っていたのだ。
そこに続けて二人目の女性が助けられたのだ。
一人はテレパシーが使えるが一人は使えなかったので無言だった。
香澄以外のアール人の服には番号しかなかった。
それは香澄が当初から優れたテレパシー能力で、今の政府とのパイプ役に成っていたから、地球に到達する寸前に自動でプレートが着けられたのだ。
この二人の美女は17996と18689の番号が書かれていた。
同じ様な薄い布の衣服を着ていたが、何日も漂流していて体力が消耗していた。
中国人達は体力が回復したら遊ぼうと考えていた時に二人目を救出して、またニコニコしていたのだ。
「アリガトウ」と後で助けられた女性が礼を言うと「ハナセルノダ」と言うがテレパシーの力が有るからなのだ。
その後二人は、眠りに就いて、疲れがピークに達していたのだ。
中国人達は彼女達が目を覚ましてから、食事をさせて、元気に成ったら遊ぼうと虎視眈々狙っていたのだ。

高速道路で赤色灯を付けて二台の車は走った。
名古屋の病院の人間の容体の猶予が無いと連絡が有ったからだ。
「危篤の様だ」
「そうですか、助かると良いのですが」
「火傷の部分が多いらしい」
「治癒能力が有る超人が居たら助かるのですが」村中が言うと「治癒能力?」
「はい、我々の同士には治癒能力の有る者も居ます、逆に悪い部分を探せる者も居ます」小林が「エスパーだ、漫画で読んだ事が有る」
「アホか小林、医者要らないよ」
「そうです、二人が揃えば医者は要らないのですよ」村中が言うと「ほら、エスパーですよ、エスパー」
「小林お前は頭を最初に診て貰え」
「的場さんは信じていませんね、この人達はエスパーですよ、ね!」
「はい、小林さんが正しいです」
「ほら、あれ?誰が答えたの?」小林の頭の中に香澄が答えていた。
「お前、何一人で喋っているのだ?」と的場が言う。
「えーーーー、何よ、わー助けて―――」と叫ぶ、事情が判った村中が笑う、有田に説明すると、有田も笑ったので車内が笑いの渦に成る。
的場も判らないで笑っているから、「小林奥さん、実家からいつ帰るのだ?」
「週末ですよ、実家に昨日電話しましたよ、妻もエスパーだと言いましたよ」
「先程の話しは奥さんの受け売りか?」
「はい、正解です」と今度は小林が笑った。

海上では中国船が日本の海上保安庁の巡視船に追い掛けられていた。
「ニゲロ、イソゲ」
威嚇をする海上保安庁の巡視艇、船が大きく舵を切って、乗っていた人が飛ばされる。
二人が船の縁にぶち当たって倒れると起き上がれない。
それでも振り切ろうと、蛇行して走ると、やがて逃げ切る漁船。
「オイ、ダイジョウブカ?」
「ソウトウ、ケガシテイマス」
そこに一人の美女が「ワタシガ、ナオシテアゲマス」そう言って怪我人に近づいた。
しばらくしてもう一人の美女が出て来て、同じ様に付いて行く、甲板に血が流れでている。もう一人も血は出ていないが動かない、二人が動かない人の処で何か話しをしていた。
身体を一人が触ってしばらくしてもう一人が触って居たら、倒れて居た男が急に起き上がった。
呆然と見つめる他の船員達「ナニガオコッタ?」今度は血みどろの男に近づいて、話しが出来る女が触ると、しばらくして男は立ち上がって「モウダイジョウブ」と言ったのだ。
中国人達は唯、呆然と見つめるだけだった。
犯して楽しもうとしていたのに、全く異なる驚きに全員が沈黙に成っていた。

それぞれの能力

 9-9
「コノフタリハ、オソロシイ」
「ニホンノシマニオロソウ」中国人は余りの光景に驚いて、小笠原の母島にこっそりと上陸させて、逃げ帰っていった。
二人は南京浜に上陸してから、人が多く居る場所に向かって歩いた。
凄いスタイルと美人の二人は、水着で歩いている様な感じで地元の人に見られた。
東京から遊びに来ていた若者が直ぐに見つけて声を掛けて来る。
姿は日本人でも中国人でも、言葉ひとつで変わるのだ。
「素敵な水着だね」
「何処から来たの?」と二人の若者が声を掛けた。
「。。。。」
「名前は?」
「私達、水谷洋子、瞳です」
「偶然だ、俺今、友達の水谷って姉妹に似ていると思っていたのだよ」
「幾つ?」
「二十歳よ、双子なの」
「よく似ていると思った」
「変わった水着を着ているね」と舐め回す様にもう一人の男が二人の身体を見る。
確かに胸も大きく、乳房の形も乳首も判る程のワンピースの服装なのだ。
「お腹が空いたの、何かご馳走してくれない?」
「何処に泊まって居るの?」
「此処には泊まってないのよ、流れ着いたの」
「えー」
「船が壊れて、助けられたのよ、中国船に」
「密漁船?」
「俺たち、民宿に泊まっているのだよ、丁度遅めの昼飯行く所だった、寿司ご馳走するよ」島で有名な寿司屋に五人は向かった。
料理が出て来ると、二人の美人が手で掴んで、次々と食べるのを見て三人の男は驚きの顔に成る。
「お腹空いていたの?」
「はい、それにこれは美味しいです」
「瞳さんは喋れないの?」
「はい、言葉が判らないのです」瞳は笑顔で会釈をするとまた寿司を食べ始める。
二人で五人前を食べきって「美味しいです、ありがとう」と笑う。
若者三人は唯、呆然と見ていた時に、テレビがニュースを放送していた。
四国の有田の姿が映し出されて「ああー、同じ服だ」と権藤司が叫んだ。
「五人が一斉にテレビに目を移した」
「君たちもジャンプ?」
「出来ません、あそこに行きたいです、どうしたら行けますか?」
「仲間なの?」
「はい」
庄司徹が今度は「その服って、水着ではないよね」と尋ねた。
「アールのカプセル用の服です」
今度は富田修三が「アールって何?」と聞いたら「貴方達は大学生なのね?」
「そうだよ、国立大学の理工学部の四年生だよ」
「あの映像見ていて思ったのだけれど、寒く無いの?」
「そうだよ、アールって何処に在る国なの?」すると、天に向かって指を指して「高い、処よ」
「えー、それって宇宙?」
「そう、宇宙から来たのよ、ねえ、テレビの場所に私達を連れて行ってくれない?」
「東京迄なら、明日帰るから連れて行くけれど、俺たちその後用事が有るから」
「東京からテレビの所迄遠い?」
「飛行機なら、すぐだよ」
「それなら、東京で良いわ」三人は半分だけ宇宙人と云う話しを信じていた。
夕方の船で父島に移動して明日父島から東京に帰るのだ。
約二十六時間の船旅なのだ。
三人はその時間でこの美女の正体を突き止めて、もしも宇宙人が嘘なら仲良く成りたいと思うのだった。

名古屋の病院に到着した刑事達は、愛知県警の出迎えを受けていた。
病院の廻りには大勢の警官が出て警備をしていた。
テレビで有田の行動が話題に成っていたから、警戒態勢に成っていた。
そして焼け爛れた男の服を調べて、特殊部隊だと決めつけたのだ。
誰一人宇宙人とは言わない、それは身体のどの部分も全く同じだったからに他ならなかった。
海外から侵入した特殊部隊だと愛知県警は決定付けて、待ち構えていた。
有田の存在を静岡県警が報告したからなのだ。
的場が「凄い警戒態勢に成っているな」
「署長が報告したのでしょう」
「有田さんが刀を持つと、危険かも知れない」
車を止めて的場が愛知県警の包囲の中に向かって行った。
病院の駐車場も、報道陣が大勢来て、いつの間にか上空にヘリコプターが旋回をしている。
村中が「有田さん、車に残しましょう、今刀を持って出るのは危険です」と小林に話した。後ろの車から女性三人が降りてきて「そうしましょう、二人は車で待っていて下さい、私と村中さんで病室に行きます」有田は直ぐに頷いた。
既に香澄のテレパシーで説明されていたのだ。
輝と香澄、村中の三人が病院に諸星に連れられて向かった。
香澄と村中は普通の服を着ていたから、全く違和感が無かった。
車に残った有田を愛知県警は捕らえ様としていたのだ。
的場はそれを知らなかった。
病院に入った時、刑事が数人小林の車に近づいてきて、小林を手招きした。
運転席から小林が出ると同時に車を一斉に包囲して、扉の開閉を出来ない状態にして、有田を閉じ込めたのだ。
レッカー車に引っ張られて、車は警察に連行された。
「何をするのですか?」
「危険人物だ、外国の特殊部隊の人間だ、県警で取り調べる」
「何もしていないのに?」
「この事件は、名古屋の事件だ、四国の方でも暴れている」
有田は袋のネズミ状態で、刀も持って居なかったので、どうする事も出来なかった。
「的場さん、どうしましょう?」
「困った、特殊部隊の人間だと、思っているので、話が理解されない」
「彼女達は?」
「仲間だと、思っていたから、親切にした人だと説明して置いたよ」
「そうですね、普通の服装をしていたら、判りませんからね」
確かに、大柄で刀を持った有田と他の二人はまるで異なる人相と体格、香澄も村中も特殊部隊には見えなかった。
焼け焦げた入院中の男は有田と同じく大柄な男だったから、直ぐに仲間だと決めつけられたのだ。
病室に入った香澄が、テレパシーを送るが反応は無い、生きて居るだけの反応だった。
村中と話しをして「特殊な能力を持った仲間が、生きて居たら助かるのだけれど」と香澄が輝と諸星に説明した。
「それは?どんな能力?」
「治癒能力よ、多分二人はペアで行動するから、助かっていたら、二人共生きて居るわ」
「二人なの?」
「発見と治癒なのよ」
「よく判らないわ」
「一人が悪い箇所をもう一人に教えるの、そうすると治せるのよ」
「凄い、一人だったら?」
「治せないわ、判らないから」
「生きて居たら、この人は助かるのね」
「そうだけれど、この人が生きて居る間に此処に来られるかよ」
「この人はどの様な能力が有るの?」
「判らないわ、意識が無いから、でも身体とか見ると戦士ね、大柄で筋肉質だから」
「昏睡が続くから、他の生存の仲間を捜さないとね」
「イギリスとか、ヨーロッパに居る仲間は?」
「残念ながら、アトランティス号の担当との接点も何も無いのよ」
「えー、同じアール人で?」
「私達は特別任務でお互いの交流も無いのよ、異なる母船で育ち教育を受けていますから」「意味不明ね」
「治癒の仲間を捜すわ、行きましょう」
集中治療室の外からテレパシーを送る香澄には反応が返らないので、仲間を探す以外に方法が無いと考えたのだ。
病院を出ると車も警官隊も消えて、小林が「有田さんが、警察に捕まりました、すみません、的場が今、愛知県警と交渉しています」
しばらく目を閉じた香澄が「私達では、彼を警察から助けられませんから、今大人しく待つ様に言いました」
「香澄さんの能力なら、助けられるのでは?」
「でも、混乱が続きますから、それより仲間を探しましょう」
若い刑事の車に三人が乗り込んで、焼津近辺に戻る事にした。
村中が「計算では、海に落下した者が多いのでは、漂流していたら、体力の限界が近づいている」と話したからだ。
井尻船長の助けで近海を捜索しようと考えたのだ。

仲間を求めて

     9-10
名古屋の警察に捕らえられた有田は全く言葉が喋れないから、取り調べの警官が四苦八苦していた。
「言葉が全く判りません、世界にこの様な言葉は無いと思われます」
「食事は美味しそうに食べますが、それ以外は全くどうする事も出来ません」
「この男と病院の男は同じ国から来たのは間違い無い、体型が似ているから、目的は何か?」「刀は調べたか?」
「特殊な金属で出来ている様です、非常に硬くて分析出来ない様です」
「その様な武器を作れる国は一体何処なのだ」
「もし、戦車とかをこの金属で作れば、無敵に成る様です、この男が着ている服も病院の男の服も同じ金属で作られている様です」
「薄い生地にも成るのか?」
「恐ろしい、技術だ」
「この男と一緒に来て居た男と女は何者だ、静岡県警の話しではこの男に親切にした連中で、日本語を話しますし、体格も普通でしたから、それにこの男が県警に捕らわれても、何も言いませんでした、関係は無いと思われます」
「名前は調べたか?」
「男は村中保で数学の学者、女性は短大生の本城輝と早乙女香澄です」
「教え子だな」
「はい、その様です」
「一応確認はしたか?」
「はい、姉が東京都立病院の看護婦で、友人を居候させている様です」
「男は?」
「静岡に住んでいますね、女と同棲でしょうか?茂木と言う保険の外交の女と住んでいますね、名義が茂木でした」
「女に聞いたか?」
「はい本人も、保険会社に確認しましたら、同棲していると聞いています、堅い職業の旦那さんを見つけて良かったと、聞かない事まで教えてくれました」
「大学教授なら、安泰だからな」的場の事と村中の話が混ざって判らない調査に成った。

ヨーロッパでは、超人達のリーダー的な人が海の藻屑と成って亡くなって居た。
そしてアトランティス号は事故の為に大西洋に沈んでいた為に、機能そのものが停止した状態に成り、数人のアール人の超人達はリーダーの居ないのと、母船の状態が悪く行動が混乱していた。
そこに、過激派組織が超人獲得に行動を始めて、仲間に引き込もうとしていたのだ。
有田と同じ様に剣を持つ者も表れたから、テレパシーで話せる人も登場して、三人がグループを組んで行動を始めたのだ。
大柄な男性が二名、小柄な男が一名、イギリスからフランスに移動して合流していた。
食べ物は略奪、イギリスから来たA-1の愛称の男、フランスの刀の男がA-2、そして普通の体型のA-3、この三人をスカウトしたい、過激派組織なのだ。
しかし、この三人には望みの物が無かった。
お金の意味が判らないから、唯、食べ物には執着して、流石の勧誘の組織も困った。
イギリスでは警察との乱闘が世界に配信されて、有名に成っていたのだ。
とても戦える相手では無くて、銃の弾が統べて別の場所に飛んで行く、同士討ちをさせられるから、武器を使えなかった。
そこに、サーベルの男が加わったから強烈で、話せるA-3が加わって、ようやく収まった状態で静まって、三人の行方が判らなく成っていた。
突然三人の消息は消えて、過激派組織に行ったのか?その後何処にも現れなかった。

井尻船長の船での捜索は翌日の朝から始まる事に成った。
始めは渋っていた井尻が急に快く引き受けた。
勿論香澄の能力なので、知らない小林達は唯、驚くのみ、三人を駅前のホテルに送ると、二人の刑事は自宅にそのまま帰った。
朝二人は井尻船長の船に、乗船する為に自宅に戻った小林刑事が実家から戻った妻に「宇宙人の件はどう思う?」
「私もネットで調べたら、ムー大陸もアトランティス大陸は同じ時期に水没しているわ、地殻変動だと思っていたけれど、高度な文明を持っていたと言い伝えられているから、宇宙船の可能性が高いわね」
「じゃあ、あの人達は宇宙人?」
「何か?特殊な能力が有るの?」
「愛知県警に捕まっている有田さんは、もの凄いジャンプ力、それと凄い刀、名古屋の病院の男は全身大火傷でも生きて居る、服はこの世界の物とは思えない、ハサミで切れない」「そうなの、宇宙人の可能性高いわね、それ以外の人は?村中さんは、テレビのクイズ番組を一瞬で解いたよ」
「ああ、その番組見たわ、頭が変に成りそうな問題よね」
「それ以外は何も無いよ、それに話が出来るのは村中さんと、早乙女さんだよ」
「じゃあ、今海外は別にして、確認出来ているのは、ジャンプの有田さん、数学の村中さん、火傷の男性、そして早乙女さんね」
「そうだよ、明日から海を探すらしい」
「どうやって?」
「判らない、村中さんが助かった海域に仲間が居る可能性が高いと、それから、怪我とか病気を治せる能力の人を捜すと話していたよ」
「えー、そんな事出来たら、間違い無く宇宙人よ」
「宇宙人が何をする為に来たのだろう?僕を仲間だと言ったから?」
静岡県警の初めて遭遇した奇怪な事件、明日漁船に乗って何が起こるか見る事にする二人。

水谷達の乗った小笠原丸は既に父島を出港して半日が経過していた。
水谷達はガウンを羽織ったスタイルに、おしゃれな麦わら帽子のスタイル、百七十センチの長身の素晴らしいプロポーション、アールの服が水着に見えて、ガウンを着た姿はモデルの様で隠し撮りをする人も沢山居た。
三人の大学生は鼻高々で二人と話しをしながら過ごす、と言っても洋子の通訳で瞳が判る感じで、三人には直接話せないもどかしさが有る。
昨日とは見違える元気さと美貌に三人は、もうこの二人を離したくない気持ちに変わっていた。

朝早くから、井尻船長の漁船はフルスピードで村中を助けた近海に向かっていた。
井尻船長と機関士が機嫌良く手伝うのが、小林には不思議で仕方が無かった。
井上刑事、香澄、輝、村中、小林刑事全員で七名は絶好の好天の中、大海原を眺めて居た。
すると「反応が有るわ」と香澄が機関室に上がって行った。
小林は側に居た輝に「何の反応?」
「刑事さん、知らないのね、香澄さんは、テレパシーの超能力を持っているのよ」
「テレパシーって?」
「そうね、今は仲間を捜すレーダーみたいなものね」
「凄い、力ですね」
「本当はもっと凄い力有るのよ」
「えー、あのお嬢さんが?」
「有田さんを助けるのは簡単なのよ、でもね、混乱に成るから止めたのよ」
「えー、それは無理だろう、沢山の警官に取り囲まれていたし、とても怪力が有るとは思えない」そう話していたら、船は大きく舵を切って、フルスピードで走り始めた。
「私には全く反応が無いのに、香澄は凄い」と村中が感心していたのだ。
これまでの主な人物紹介
アール星人
早乙女香澄、二十二歳、テレパシー、サイコキネシス(手を触れないで、物を動かす)
有田俊、二十八歳、アール星の戦士、サーベルの達人、凄いジャンプ力
村中保、四十歳、アール星の科学者、テレパシー、数学の天才
水谷洋子、二十一歳推定、テレパシー、治癒能力
水谷瞳 、二十一歳、身体の悪い部分を即座に探す、医学の天才
地球の人々
本城和美、病院の看護師
本城瞳 、和美の妹大学生
井尻努、漁船の船長
的場刑事、静岡県警ベテラン刑事
小林刑事、静岡県警
井上刑事、静岡県警、若手

生還

     9-11
「二人の反応が有るわ、移動しているから、船だわ」と香澄が叫ぶ。
「この先は定期航路が有る、もしかしたら、小笠原からの船の可能性が有る」と井尻が言うと「出来るだけ船に近づけて下さい」
「まだ、半時間は掛かりますよ、そんな遠い場所迄判るのですね」
「海は遮る物が少ないから」と微笑む。
機関室の会話を知らない小林達は「気持ち良いですね、船旅の様だ」
「遠くに船が見えますよ」
村中が小笠原丸を見つけて「あっ、あれだ!」と叫んだ。
「どうしました?」
「あの船に仲間が乗っています」
「えー、そんなの、判るの?」
「香澄さんはもう随分前に判っていたと思います」呆れ顔の三人なのだ。
しばらくすると船が大きく成る。
「早いのでこれ以上近づくと危険です」
「大丈夫よ、もうすぐ停船しますから」と香澄が微笑んで、予定通りに小笠原丸は停船した。
「あれよ、香澄さんの能力は!」と輝が嬉しそうに言う。
「何が凄いのか判らないな」と小林が言うと、漁船が小笠原丸に近づくと甲板に、水谷洋子と瞳が出て手を振る。
すると二人が宙に浮かんで、漁船に飛び乗る様にフワフワと飛んで来た。
小林も小笠原丸の乗客も夢を見ている感じに成ったのだ。
甲板に二人が降り立つと「離れて!」と香澄が井尻船長に言う。
漁船は小笠原丸から離れると、甲板に大学生三人が唖然として眺めて居た。
小笠原丸の機関室で「船長、あれは何です?知っていて停船したのですか?」
「そうだ、そうなのだ、人命救助だ」と意味不明の言葉を発していた。
小笠原丸が再び波しぶきを上げて航行を始めて、漁船はフルスピードで焼津港に向かって行くのだ。
二人の刑事の目に衝撃が焼き付いた。
四人は何やら相談をしている。
「小林先輩、今来た二人モデルの様な美人ですね」
「お前の嫁さんと比べても、スタイルでは負けているな」
「大負けですよ、若いスタイルは最高ですね」
「でも、宇宙人だ」もう小林は何も疑わなくて、宇宙人に決めつけていたのだ。
「刑事さん、判ったでしょう、香澄さんの凄い能力」
「判った、納得した、日本の警察と云うより世界の警察も勝てない」二人の刑事はしきりと納得を繰り返している。
「小林さん、焼津港にパトカーを用意して下さい、彼女達を病院に運びます」
「判った」もう小林達は下部の様に指示に従う、それを見て輝は笑いを噛み殺していた。
携帯のメモに一杯、有った現実を書き留めて、和美姉さん驚くわ、この事実、携帯の写真と文章は保存されて貯まる。

大西洋に故障で沈没したアトランティス号には秘密が有った、アトランティス号の内部で反乱が起こって、一部のロボットが宇宙船の心臓部を破壊してしまったのだ。
大勢のアール人が大陸に移動中に爆発を起こして沈没、半数近くの人々が母船と共に水没したのだ。
アトランティス号の沈没は大西洋から巨大な津波と成って、地球全体の潮位を上げ、一足先に地球に到着して移住作業をしていたムー号をも飲み込んでしまった。
予期しない事態にムー号は対処出来ないで、水没してしまった。
アトランティス号の反乱ロボットは、遅れて到着する超人達の宇宙船にも細工をして、殆どが水没する様に母船から信号を送り、特にリーダー的な超人の殺害を画策していた。
ムー号とアトランティス号には殆ど交流が無く、その事態をムー号の指導部が知る事が無かった。
このロボット達の反乱で、地球の発展が異常に遅れて、香澄達が到着した今、予定とは異なる環境に成っていたのだ。
二隻の母船の科学技術を使い、地球にアール人が永住出来る環境を早い時期に作り上げて、香澄達超人の力を使って、惑星間移動のシステムの構築、将来はアール星と地球の往来で、天災を避けて、人類の発展を試みる計画だった。
ロボット達の計画は移住の阻止、人工知能を持った優秀なロボットがアール人達に反乱をしたのだ。
隕石の嵐の過ぎ去った惑星アールの征服と地球の征服を、高性能ロボットは画策したのだ。
その為には、ムー号の超人達の行動を阻止しなければ、この地球の人達がまた、移住すれば困るので、アトランティスの超人達は大多数が葬られた。
ムー号の超人達も多数を誤作動で海に沈めたのだ。
残ったアトランティスの超人はロボットの支配下に成っていた。
いつの間にかA-3を下部にコントロールしていたのだ。
超人A-3は科学者でテレパシーも使える。
香澄のテレパシーの能力よりは遙かに劣るが、人工知能ロボットに捕らえられて、チップを埋め込まれて、配下とされていた。
ロボット(アトラン)はアトランティス号沈没を画策して、沈没の前に脱出して、エーゲ海の無人島に基地を持って居たのだ。
(アトラン)自体は行動の出来ない大型の人工知能ロボットで、既に一万年以上この島で待っていた。
アトランティスの超人とムー号の超人達を抹殺の為に、アトランティスの超人達で生き残った八名を基地に誘導して配下としていた。
(アトラン)は修理ロボット、資材、戦闘ロボットの脱出が終わると、母船を破壊した。地球に上陸した人々は(アトラン)には大した驚異では無かったのだ。
超人達が驚異で、(アトラン)は母船の中枢のロボットで、自分自身のプログラムで進化を出来る様に科学者が改良したのだが、それはロボットの自覚を生み別の成長をしてしまった。
ロボットの反乱だ!科学が生んだ産物が今、驚異の力を持っていた。

焼津港の岸壁で待つ二台のパトカー、一台には諸星刑事、もう一台には警官が乗っていた。水谷姉妹、小林が車に乗り込み、警官から井上の運転に代わった。
諸星の車に輝、香澄、村中が乗車して赤色灯を点けて発車した。
井尻船長は手を振ったが、我に返ると自分が何をしていたのか、疑問に成っていた。
香澄のコントロールが切れたからだ。
「助かりますか?」輝が香澄に尋ねると「命が有れば、助かります」
「後、何名生きて居るか?」
「そうですね、天才数学者の村中さんだけでは、ムー号は造れませんから」と笑う香澄。
「今の病院の男性は?戦士?」
「多分ね」高速を全速力で名古屋に向かう。

名古屋の警察で、的場刑事は懸命に愛知県警の上層部に有田の釈放を懇願していた。
「静岡県警さんの頼みでも、あの男の釈放は無理だよ、香川の県警からも一任されているから」
「何も特別犯罪はしていないのでは?」
「窃盗、食べ物を盗んで、警官を遊んだ、それにあのジャンプ力と刀、特殊部隊だよ」
「違いますよ、異星人ですよ」
「ハハハ、的場さん、年齢に似合わず漫画好きですな」
その時携帯に小林刑事が「もうすぐ、病院に到着します」
「どうしたのだ」
「驚かないで下さい、火傷を瞬時で治す、エスパーを連れて行きます」
「何!判った」と電話を切ると「課長さん、今から、私と病院に行きましょう」
「何処の?」
「あの、火傷の男性を治す者が来るそうです」
「何!意識不明の全身火傷を治す?」
「そうです、今同僚の小林が向かっています」
「そんな事が出来たら、君の話を信じよう」二人は警官の運転で半信半疑で病院に向かった。

東京に到着した小笠原丸の乗客はあの光景を見てから、パニック状態に成っていた。
当然大学生三人も、用事を忘れる程の衝撃が残って居た。
ニュースで名古屋に超人が居て、警察に捕らえられている事を知って、もう三人は名古屋に行って、彼女達にもう一度会いたい、そして不思議な出来事の解明がしたいのだ。
物理工学の学生には興味が大いに有るのだ。

奇跡の治療

   9-12
的場と愛知県警の捜査課長が病院に到着して、直ぐに小林達が病院に到着した。
車から今の季節には不似合いの姿の美人が二人降りてきて、三人の刑事と香澄、輝、村中が揃って病院の入り口から病室に向かった。
病院の看護師が「此処からは、立ち入り禁止です」と止めたが、急に「どうぞ、お入り下さいに」変わった。
慌てて飛んで来た医者も「こま。。治せますか?」に変わった。
輝は凄い、香澄の成せる能力に感心してしまうのだ。
水谷姉妹が男の側に行き、瞳が身体に触れると、しばらくすると洋子が手を身体に当てる。そのまま全身を撫でる様に手を翳すと、瞬時に火傷の状態が回復してゆく、ガラス越しに見る課長の顔色が変わって、身体が震えている。
「な、ん、だ」横に居た的場もその光景に唖然とする以外に無かった。
しばらくすると寝ていた男が目を見開いて、身体に付いた酸素マスク、点滴の針を次々と抜き取った。
その後ベッドから、立ち上がった全裸の姿に、輝と看護師が顔を手で覆った。
「キャー」立ち上がった男の身体は、直ぐに筋肉隆々の体型に変わった。
「ああ、貴方は何者ですか?」ようやく、質問する的場。
香澄が「話せません、彼は石山誠さんのガードをする、佐藤浩三さんです」
「あの身体なら、プロレスラー?」と小林が言うと香澄が「そうですね、怪力人間です、彼の案内で、石山さんを探しに行きましょう」
「石山さんって?何者?」
「天才科学者ですね」この現場に居た全員が手品の様な光景に目を疑ったのだ。
「課長、約束通り、有田さんの釈放をして下さい」
「判った、上に話してみる、あの二人は何者だ?もし病気を治せるなら、頼みたいのだが」名古屋の安西捜査課長が懇願する。
「何を?ですか?」
「私の母が末期の癌で、この病院に入院しているのだよ、もし助けられるのなら助けて欲しい」その話を聞いていた香澄が「有田さんを解放して貰えるのなら」
「本当か?もし治せたら約束する、釈放する」香澄は無駄なトラブルを避けるのと、今後警察の協力も必要に成るので快く引き受けた。
安西はもう母は助からないと医者に宣告されていて、諦めていた。
余命半年でもう既に四ヶ月を過ぎて、ベッドに寝ている状態で、全身に癌が転移していたのだ。
半信半疑の安西課長は看護師の案内で水谷姉妹と的場刑事、香澄を連れて母親の病室を訪れた。
殆ど意識が無い状態の母親に「お母さん、今から助けてくれるらしい、失敗しても恨まないで下さい、もうお母さんが助かる術はこの人達しか居ないから」と話しかけた。
微かに目を開けて頷く母親、瞳が手を母親に翳す、やがて洋子が頷いて交代をした。
しばらくすると、母親の顔色が見る見る変化をしてきた。
「何!」と課長が叫んだ。
次の瞬間「泰三!」とマスクの中から大きな声が聞こえたのだ。
看護師が驚いて床に座り込んだ。
何か幽霊でも見た様に、見る見る若々しい顔に変わって行く、そして起き上がると二人は抱き合って喜んだのだ。
「課長さん、この事は言わないで下さいね」
「判った」
「混乱しますからね」と香澄が笑う。母親は普通よりも元気な姿に成って「この人達は何方?」
「お母さん、神様ですよ」と安西課長は泣きながらそう言ったのだ。
それから、しばらくして、大きなワンボックスの車が二台用意されて、運転は愛知県警の刑事が担当して、全員が乗り込んで、石山を探しに出発した。
佐藤の記憶を香澄が取り出して、場所を特定していた。

石山は普通に話が出来るから、一般人として生活をしていたが、同じく足を火傷して病院に入院していた。
それは親切な女性に助けられて、佐藤と石山は殆ど近くに飛来していた。
伊良湖岬の近くに落下したのだ。
落下するとカプセルは自然消滅するから、佐藤は焼け焦げて、石山も少し足に火傷を負って、飛来した石山はホテルの従業員の女性小泉美咲に助けられて、病院に搬送された。
火の玉の落下の調査で佐藤は発見されて、警察の手で病院に搬送されたのだ。
カプセルの大気圏の突入角度が悪かったのだ。
これも(アトラン)の妨害の一環だから、数人はこの妨害で燃え尽きたのだ。

車は渥美半島に入って「この先端辺りよね」香澄が言うと「この先にはリドートホテルが、有りますね」運転の刑事が言う。
「この辺りには反応が無いわ」香澄がテレパシーで探して言うと「眠って居たら判らないのよね」
「はい」
「ホテルまで行ってみましょう」愛知県警は協力的で、事前にホテルに問い合わせをしていた。
支配人が対応して「当館の従業員の小泉と云う女性が、それらしき男性を病院に連れて行ったと聞いております」
「小泉さんは?」
「本日は代休で休みです」
「自宅を教えて頂けませんか?」小林が尋ねると直ぐにメモで渡してくれた。
二台の車はメモの住所に向かって走ってその時、急に車の前に爆発音がして「何!」
「止めて、車から下りましょう」上空にヘリコプターが飛来して、運転手を残して下りると同時に車に爆弾が命中して、一台が木っ端微塵に吹っ飛んで刑事が即死に成った。
「これは、何だ?」「判りません、狙われたのは確かです」的場も、小林も銃を出して狙った。
香澄がサイコキネシスでヘリコプターを近づけると、有田が大きくジャンプをして剣を抜いて、ヘリの尾翼を叩き切った。
ヘリはキリキリ廻って落下して、大破して、炎上して辺りが焼けても誰も乗っていなかった。
「何が起こったのですか?」的場が香澄に聞くと「判りません、ヘリには誰も乗っていません」
「えー、無人のへりから、爆弾ですか?」
「その様です」ヘリの落下地点は黒煙が上がり炎に包まれて、二次爆発を起こして炎上した。
「運転手の刑事は助かりませんか?」
「無理です、生命が無いと救えません」と水谷洋子が項垂れた。
早速愛知県警に連絡が行き、現場検証の一行が出発していた。
小林達は石山を探す為に渥美半島から豊橋の町に入って「反応が有ります」と嬉しい顔に変わった。
「ナビでは豊橋総合病院に成っています」
「入院かな?」
「足を怪我されていますね」香澄がテレパシーでコンタクトをした様だ。
病院に水谷姉妹が行けば、直ぐに完治するから簡単だ。
ワンボックスとタクシーに別れて病院に到着すると「水谷姉妹と私だけで、行くわ」と香澄は二人を連れて、病院に直ぐさま入ってしまった。
新しい車を愛知県警が手配して、駐車場に到着したのはそれから直ぐだった。
「安西さん、よほど嬉しかったのだ、手配が早い」と的場が小林に話した。
「でも、あれは何だったのですかね」
「我々では無いな、狙われたのは、アール人だな」
「そうだと、何か大きな悪の匂いがしますね」
「無人の殺人ヘリを飛ばせる技術は中々無いですから」
「気を付けないと第二、第三と攻撃が来ますよ」と二人は戦々恐々に成っていた。
病室には小泉美咲が付き添いで居たが、石山が粗方説明をしていたのだろう、驚く様子もなく会釈をした。
唯、綺麗なモデルの様な美人が二人来るとは知らなかった。
早速瞳が足を触ると洋子が手を翳して、一瞬で火傷は回復した。
「あっ、凄いですね、話しには聞いていましたが、目の当たりに見ると驚愕です」
「この二人が揃わないと、出来ないのですよ」と香澄が微笑む。
「美咲さんありがとうございました」とお辞儀をする石山「もう、行ってしまうのですか?」
「私には使命が有ります」と言うと香澄が「美咲さんは石山さんがお好きの様ですわ」と言われて頬を染める美咲だった。

潜水空母

  9-13
香澄にはまだ敵の正体が判らなかった。
まさかロボットの反乱でアトランティス号が沈没して、その煽りでムー号も沈没した事実を知らなかった。
もし自分達が狙われていたなら、同じ場所に集まっているのは危険だ。
眠って居る時に狙われたら全滅に成るから、愛知県警に超人達と静岡県警が集まって、検討会を行う事に成った。
安西課長は香澄達に親身に成って話しを聞く、今後の対策、何故無人ヘリが爆弾で攻撃してきたのか?全員の答えは判らないだった。
その時、ヘリの音が聞こえて、五階の会議室の窓を機関銃の弾が炸裂した。
「ガガガガ-」大きな音と同時に窓ガラスが次々に割れる。
窓の外にはヘリの姿、その時爆弾が発射された。
壊れた窓の寸前で飛ばされた爆弾は急に方向を変えて、隣の壁に激突して大きな爆発音と共にビルの壁に大きな穴が空く、窓から飛び出した有田が刀を抜いて、ヘリの尾翼を叩き切ると方向を失って、ヘリは警察署の駐車場に激突大破した。
「怪我人は?」と水谷が呼びかける「二人、ガラスで怪我をしています」直ぐさま瞳が駆け寄って調べる、洋子が今度は治す。
愛知県警は混乱の渦に成った。
香澄は自分達の行く所で、事故が起こって居る事に疑念を持ち始める。
もし自分達が計画的に狙われていたのなら、予期しない敵の可能性が有ると結論づけて、超人達と協議に入った。

ヨーロッパの超人八名は(アトラン)に誘導されて、本拠地のエーゲ海の島に到着すると、(アトラン)にチップを埋め込まれたA-3の指示で行動するのだ。
上空から島は無人島に見えるのだが、中には近代的な工場、研究施設が存在している。
(アトラン)の奴隷として働く科学者とロボット、アンドロイドに成った科学者と云っても脳だけなのだが、沢山存在していた。
A-1が刀、A-2はサイコキネシスA-3がテレパシーを使う科学者、A-4はテレパシーを持つ女性で変身する特技を持つA-5は怪力、A-6は俊足、吸盤男、A-7はカメレオン女性、A-8は催眠術の女が集結していた、A-3の脳にはチップが埋め込まれて(アトラン)の思いのままの行動が可能に成っていたのだ。
八人のリーダーがA-3にいつの間にか成っていた。
元々リーダーに指示を仰ぐ訓練を受けている超人達に、何も不審感は無かったのだ。
(アトラン)は武器も多数製造して、無人攻撃ヘリもその中のひとつの武器でこのヘリは相当数造っていた。
他にも特殊な金属で造った戦闘艦、潜水空母の二隻は強烈な武器なのだ。
その潜水空母が太平洋の日本近海に到着して、攻撃ヘリを発進させていたのだ。
戦闘艦も今、エスパー達を乗せて基地を出港した。
潜水空母と合流する為、ムー号の超人達を抹殺して、惑星帰還の阻止が目的だ。

愛知県警は自衛隊との連携をする事に成った。
無人の戦闘ヘリを相手では、警察の領域を超えていた。
海上自衛隊では無人のヘリが海から突如現れて居たのと、一瞬大型の船影をレーダーが捕らえて居た。
唯、高性能の防御装置を持った船が、日本近海に来ている事は認識していた。
国は中国の艦艇かと、米軍にも連絡をして、原子力空母が一隻近海に向かっていた。

香澄達はまだムー号担当の超人が、数人は生存していると信じていたので、取り敢えずテレパシーの出来る人は別れて捜索する事にした。
四国に向かったのは水谷姉妹と有田の三人、沖縄に香澄と輝に佐藤が自衛隊のヘリで向かい、九州に石山と美咲に的場、小林が同行した。
井上刑事と村中は再び井尻船長を訪ねて、今度は井上が事情を説明して捜索をしてもらう事に成った。
井尻船長が不思議な事を聞いて、教えてくれた。
それは、漁船の近くを泳ぐ人間を見たとの話しなのだ。
その人間は魚の様に早く泳いで、潜っても長時間出て来ないとの話だった。
村中がそれは、超人だと決めつけて、見た船の船長に会いに行く事にしたのだ。
井上刑事が香澄に連絡をして、多分超人だとの連絡が来ると、その船長はまだ漁をしていると、云うのでヘリでその漁場に向かう事にしたのだ。
漁船に近づくと「この船に乗っていますよ」と井上に村中が言う「えー、どう云う事ですか?」
「船の食堂で食事をしていると、ヘリに乗って来いと言いました」ヘリからロープと浮き輪が降ろされて、甲板の男に手渡されて「森山秀と名乗っています、テレパシーが出来ますね」見覚えの有る服を着て浮き輪に摑まって引き上げられた。
浮き輪に摑まって引き上げられると同時に、漁船に魚雷が命中「ドカーン」と大音響が轟いて、火柱が立ち上った。
へりは森山をぶら下げたまま、大きく旋回して爆発の漁船から脱出していく「あれを!」と井上が叫ぶ、海面の色が変わって、渦が巻き起こる。
村中が「早く引き上げて、逃げて」と叫ぶ、見る見る海面に空母が船体を現す
「攻撃される、全速で、SOSも出して下さい」へりの操縦士二人は、森山を引き上げて、全速で飛ぶ、遠く離れた場所に完全に浮き上がった空母の姿が見えた。
「追ってきますよ、三十度の方向に、向かって下さい」
「えー、大丈夫でしょうか?」
「多分、無人のへりが追ってくるでしょう、混乱させましょう」
「応援の飛行機が近づいています」村中には応援の飛行機の進路も計算されていた。
望遠鏡を見ながら、「三機のヘリが発進した様だ、右に旋回して下さい」と叫ぶ、ヘリの操縦士は言われるままだ、このへりは全く戦闘能力が無いから逃げる事しか出来ない。
自衛隊の戦闘機が二機が近づいて来た。
戦闘ヘリの二機は戦闘機の阻止に向かって、一機が追ってきたのだ。
「近くに、船は見えませんか?」
「何も見えません」
「追いつかれますね」遠くで火柱が上がって「おお、一機撃墜しました」
「こちらに向かうへりの後ろに、戦闘機が」追い掛ける行動しかしていない。
ヘリは自衛隊の戦闘機の攻撃に、撃墜されたのは直ぐだった。
だがもう一機の戦闘機は、潜水空母の追撃ミサイルの餌食に成って撃墜されてしまった。
「今の間に逃げましょう」もう一機も戦闘機に撃墜されて、村中達の乗ったヘリはこのピンチを切り抜けて、自衛隊の基地に向かって飛行していった。
「何処の国の秘密兵器だ、直ぐに戦闘態勢に」海上自衛隊が総力を挙げて、潜水空母を追ったのはしばらくしてからの事だった。

「これは、超人達を殺す一味がいますね」
「その様だな、気を付けろ、後ろには大がかりな組織か、国が存在している」的場の電話に小林は気を引き締めていた。
海上自衛隊は潜水空母を追跡していた。
戦闘機と巡視艇三隻で、しかし砲弾が当たっても全く損傷をしない、空母は悠優と航行を続けて四国方面に向かって行く。
「何処の国の艦船でしょう?全く攻撃を受け付けません」
「一体、何が目的だ」
「アメリカ軍にも連絡しましたが、判らないとの答えです」自衛隊の上層部の会議での討論は全く進展が無かったのだ。
テレビで中継がされて、潜水空母の上空に報道のヘリが遠くからその船体を映し出していた、香澄もその映像を見ていた。

不死身の金属

  9-14
「西に向かっているわね、四国、九州、沖縄方面に仲間が居るか、それとも四国の三人を狙っているわね」と香澄が輝に話した。
佐藤には輝には判らない言葉で話す香澄。
「これ不便ね、自動翻訳機を作れば良いのよね、石山さんと村中さんなら作れるわ」
「テレビの空母変わった形ですね」
「あれは、間違い無くアールの潜水空母よ、あの金属は私達が着ている布と同じなのよ、地球上では無敵だわ、でも誰が造ったのか?」
「アール人でしょう?この地球ではそんなに文明は進歩していないから、無理でしょう」
「超人達?」
「まだ到着して僅かな時間でしょう、無理だわ、それにあの金属はこの地球には無いのよ」
「有田さんの剣なら切れるの?」
「傷は付きますね」
「ヘリは普通の金属ですね」
「そんなに、沢山無いのだと思いますね、あの潜水空母も外面だけがその金属で、部分的には普通の金属が使われていると思います」
「普通の攻撃には、不死身ですか?」
「例えば、特殊金属の無い部分か、有田さんが傷を付けた場所を狙い撃ちとかですね」
「でも敵は何者ですかね」
「母船の内部に詳しい者の仕業、間違い無いかと思われます」「一万年も生きていないでしょう?」
「そうね、アンドロイドで三百年、ロボット!」
「ロボットですか?」
「高度な知能ロボットなら、生きられますね、でもプログラムが?」と判らない香澄なのだ。

四国の水谷姉妹と有田は調査を続けていた。
だがヒントは中々見つからない、水谷のテレパシーの能力では範囲が狭いので、何かのヒントが無ければ判らない。
今テレビで超人関係と潜水空母を取り上げているので、見ていたら反応が有るのだが、町を歩くと水谷姉妹は必ず男性から声を掛けられるのだ。
四国の桂浜に来て二日目、面白い手品師の話を耳にした姉妹、それは今までの手品とはひと味異なるのだ。
協力する地元の警察の情報だった。
元々手品を知らない三人が興味を持ったのは、追手筋、堺町の飲み屋、路上で手品をして食べ物を貰う変な男の話、箱の中、手の平の中、ポケットの中とか、見えない物を次々と当てる技、何より食べ物を強請るのが不思議な事だった。
三人は夜の町に出掛けて、私服の刑事と五人でその手品師を探していた。
突然「反応が有るわ、近い」と叫んだ。
相手も洋子のテレパシーに反応していた。
「その手品師って、少年ですか?」
「そうだと」
「間違い無いわ、その手品師は仲間よ」五人は歓楽街に入ってきた。
少年の手品師の側に、地元の暴力団員が数人来て「此処で、商売をしている、手品の少年はお前だな!」
「お金の代わりに食べ物を貰うとは、変わった仕事だな」
「でも、此処は俺達の営業場所だ、銭を払うか、何処かに消えろ」と口々に五人の暴力団が言う。
そこに五人が到着して「何をしているの?」と洋子が声を掛けると、五人の暴力団員が一斉に洋子達の方を見た。
「おお、美人のおねえちゃん」と叫ぶと「手品を見に来たの?」
「違うわ、その少年に用事が有るのよ」
「二人共美人だな、今晩付き合ってよ」と言い出す。
私服の刑事が前に出ようとするのを佐藤が制止して、前に出た。
大柄の佐藤に五人は驚いて「お前は何者だ」
「この、お姉ちゃんのボディガードか?」
「そうよ、怪我をするから、逃げた方が良いわよ」いきなり、殴りかかってきたが佐藤は微動もしない。
「何だ!これは?」続けて他の二人が殴りかかるが、動かない。
一人がナイフを取り出して、刑事が止め様とするのを、瞳が止めた。
ナイフで佐藤の腹を突き刺そうとしたが、ナイフが曲がったのだ。
「わー、化け物だ」
「逃げろ」その時上空から、へりの音が鳴り響いた。
「あっ、逃げて」佐藤が少年を抱いて走る。
水谷姉妹と刑事も逃げ出すと、機関銃の弾が嵐の様に「バリバリバリ」一面は一瞬に数十人が倒れていた。
暴力団員の五人も即死、五人はバラバラに建物に逃げ込む。
「左側から、ヘリがもう一機来ています」と少年のテレパシーに水谷姉妹は瞬時に反対に逃げる。
先程居たビルが蜂の巣状態に成っていた。
パトカーが到着して救急車も数台が来ると、廻りは倒れた人と逃げる人で混乱していた。
「テレパシーで、追ってくるのかも知れないわ、使わないで」
「はい」中学生位の少年が手品師、佐藤の腕に抱き抱えられて、二人は会話が出来るから、上手にヘリの居ない方向に逃げた。
この少年は通称、堺道行と自分で名乗っていたのだ。
17228のアール人の超能力者、彼は遠くの物、そして透視が出来る能力、そしてテレパシーを持っていた。
「もう、ヘリに銃弾が残って居ませんよ」と水谷に連絡をしてきたのだ。
やがてへりは夜の空の中に消えていった。
廻りは血の海、水谷姉妹も手の施しようがない状態なのだ。
この惨劇は直ぐさま、臨時ニュースでテレビラジオにて報道されたので、香澄達も直ぐに知る事に成った。
落ち着いてから、六人は惨状の場所を脱出して行った。
仲間が見つかる度に惨劇が起こる。
潜水空母から、高性能な探知機で超人を捜していたのだ。
テレパシーも感知するので、香澄の居場所は直ぐに突き止められるので、空母は潜行して沖縄に向かっていたのだ。

戦闘艦は世界の防衛網に感知されて、急遽各国が連絡をして、反応が無いのに、不審感を抱いて、戦闘艦包囲網が出来つつ有ったのだ。
エーゲ海を出てクレタ海を航行すると、戦闘艦の上空に戦闘機数機が旋回をする。
「ドコニムカウノダ?」
「チチュウカイカラ、スエズウンガ?」
「ムリダロウ」
「マルタトウニムカウノカ」
「タイセイヨウニデル?」戦闘機の会話の時、急速に戦闘機の間隔が無くなった。
「オイ!チカズクナ!」いきなり二機が接触して爆発して墜落してしまった。
「ソウジュウフノウ」
「ニゲロ」また二機が激突して爆発して墜落して、残った戦闘機は、戦闘艦から離れて行った。
「チカズケマセン」と司令部に連絡が。。。。。。
戦闘艦から操縦不能の電波が出ていると司令部は考えて、巡洋艦と駆逐艦をフランス、スペイン、イタリアの連合軍は派遣して、シシリア島近海で待機をして、一気に攻撃を考えていた。
悠然と航行する戦闘艦、国旗も何も出ていない。
応答はない不気味な戦闘艦、ポルトガルのリスボンの沖にアメリカの空母とポルトガルの駆逐艦が集結して、謎の戦闘艦を待ち構えていた。
この事件は、いよいよ世界のトップニュースに成っていたのだ。
香澄達にもその実体は画像で確認出来た。
「潜水空母と同じ金属の様ね、この金属はアール星もしくはアトランティス号かムー号に有るだけよ」
「じゃあ、母船ですね」
「場所から考えると、アトランティス号から調達した可能性が高いですね」
「対策は有るのですか?」
「この船も建造しているなら、多分船体の各所に地球上の金属を使っている箇所が、有ると思うわ」
「何故?」
「ムー号でもそんなに沢山積んで居なかったから、アトランティスはムー号よりも小さいから、一隻の建造も難しい量だと考えられます」
「じゃあ、弱点を探せば、地球の兵器でも勝てる可能性が有るのですね」
「多分」そう言った香澄の顔色が変わった。
「超人が居るわ、近くに、と言って、地図を指さした「尖閣諸島よ、無人島だわ」輝が叫んだ。

次なる超人

  9-15
「へりが必要ね」
「海なら、凄いですね香澄さんのテレパシーの力」
「相手には判らないわ、遠すぎて、今は判らないわ」
「遠いから、仕方が無いですね」自衛隊のヘリに三人が乗り込んで飛び立ったのはしばらくしてからだった。
飛び立った後に、無人ヘリ二機が自衛隊の基地に飛来して、銃撃を行ったので戦闘に成った。
九州の沖に潜水空母が出現して、沖縄に向かって航行していた。
自衛隊のイージス艦が潜水空母を追い掛けていた。
最新鋭の戦闘巡洋艦は懸命にコンタクトを試みるが反応が無い、あの空母から無人ヘリが発着している事は明白なのだ。
その無人ヘリで犠牲者が数百人も出ている自体に、政府も見過ごせないので、海上自衛隊の最新兵器の登場と成っていた。
「反応が有りません、どの様に致しますか?」総理官邸にイージス艦の艦長から連絡が有る。
「仕方が無い、攻撃を開始しろ、沖縄にも被害が出た様だ」
「判りました、ミサイルを発射します」会話が終わると同時にミサイルが発射された。
「数秒後で終わりだな」と艦長が呟く、潜水空母の甲板にミサイルは命中して炎上したが、何事も無く航行を続けたのだ。
「何?ミサイルを受け付けない」
「艦長、無傷です」艦長は事の重大さを早速、総理官邸に連絡をした。
「歯が立ちません」
「どう云う事だ!」
「無傷です、世界にこの様な艦船が存在する事が信じられません」
「確かに、潜水する空母を造る技術は凄いのだが、それ以上にイージス艦の攻撃に無傷はもっと恐い」
「唯、不思議なのは、攻撃が無い事、無人ヘリは、比較的簡単に撃墜出来る事です」「それでは、尾行して、ヘリを撃ち落としてくれ」「はい、判りました」イージス艦は潜水空母を追跡するだけに成って、沖縄に向かっていた。

自衛隊のヘリで沖縄から、尖閣諸島の大正島方面に向かう香澄と輝、佐藤達。
「宮古島で、大型のヘリが待っていますから、乗り換えましょう」コバルトブルーの海上をヘリは飛び続ける。
「反応が大きく成ってきたわ」
「次の超人は何の特技だろう?」と嬉しそうに云う輝、いつの間にか輝も、戦場に借り出されて居るのだ。
「サイコキネシスの達人ですね」と香澄が不意に口走った。
「物を持たずに動かせる技よね、香澄さんも使うわよね」
「私は一トンが限界よ、それも側に居てね」
「彼は離れていても十トンは動かせるらしいわ、アールの大会の優勝者で、十年連続優勝らしいわ」
「凄い、あのヨーロッパの超人以上なの?」
「勿論よ、多分ね、大会はね、十トンの物を持ち上げる人と押さえる人の、交互の対決なのよ」
「じゃあ、全く動かない時も有るのね」
「押さえる方が楽だから上げるのは、相当差が有るのよ」
「香澄さんは、母船の中で生まれたのよね、何故知っているの?」
「超人教育の画像だわ」
「もの凄い老人?」
「いいえ、冬眠カプセルに入るのが早ければ、若いわ、今回の超人達も早く入っていた者とか、母船で生まれた者とか様々、その時の優秀な超人を集めて、指導部が五十人を選択したのよ」
「その中のリーダーでしょう?香澄さんが?」
「テレパシー能力ですね、この地球の人々を誘導する為の力、でも今の地球では必要無いですね」と微笑んだが、ムー号の行方とアトランティス号の行方が判らなければこの先何も解決出来ないのだ。
大型ヘリに乗り換えてから香澄が「少ないけれどテレパシーも使える様です」
「良かった、話が出来ると安心ね」
「早く、石山さんに作って貰いましょう、翻訳機」
「ニュースで流れて居た戦闘艦は、何処に向かっているの?」
「潜水空母と連携していると、思うわ、私達を狙っているのよ」
「何者なの?」
「あの金属で艦船を造る技術が有るから、アール人に関係が有ると思うわね」会話の中、へりは大正島上空に到着した。
上空から着陸出来る場所を探して降りると、下で男性が手を振っている。
四十代の普通の体格の男性、廻りには魚を焼いた跡なのだろうか、草木が燃えて、骨が沢山散らばっていた。
「いやー、助かりました、もう魚も食べ飽きまして」と香澄達を見て笑った。
「名前は?何にしますか?」
「南海の孤島だから、南一樹ってどうですか?」
「面白いわ、早く食事が食べたいでしょう」
「魚、以外ね」ヘリに乗り込むと「生で魚を食べていたのですか?」輝が不思議そうに聞くと「南さんは小さな火を造れるのよ」
「えー、凄い」すると南は手の平に小さな炎を造って見せたのだ。
「人間ライターね」と笑う輝「前方からヘリが三機接近してきます」と香澄が言う。
「何も見えませんけれど」ヘリの操縦士がレダーを見ながら言うと「もうすぐ、入って来ます」と香澄が言うのと同時に「来ました、三機です、勝てません、このヘリは輸送用で戦闘能力は有りません」
「大丈夫です、弾は当たりませんから、突き進んで下さい」
「えー」直ぐに肉眼で見える範囲に三機は接近した。
機関銃が乱射されるが、全く弾は当たらない。
直ぐに三機を後方に追いやって「どうなっているのだ!」
「弾がこのヘリを避けて飛んでいる様だわ」
「そうよ、南さんの能力よ」体勢を立て直して追ってくる。
「今度は体当たりで来るわよ」近づいた一機が一気に海上に落下して、後続のヘリも続いて、海面に激突してしまった。
「わー、三機共海中に沈んだ」と輝が騒ぐ「サイコキネシスの威力です」
「ミサイルも当たらない」
「南さんの能力なら、可能ですね」輝は今更ながらの凄さを、スマホに記入していた。

潜水空母の中にはアンドロイドの船長、ロボットが(アトラン)の指示の元、行動をしていた、その中でサイコキネシスの超人が現れたと報告がされていた。
(アトラン)はムー号の関係の超人が、何名生き残って居るのかの把握はしていなかった、だが狙うのはリーダー香澄が一番手なのだ。
香澄のテレパシーを探知して、潜水空母は行動をしていた。

多数の死者を出す、潜水空母をイージス艦は追っていたが、潜水されて航行に成ると今度は狙われる恐怖に変わって、尾行よりも防衛に成って、魚雷が飛んで来たからだ。
空母の状態の時は全く何もしなかったが、潜水すると魚雷が発射されて、危うく逃げ切ったイージス艦なのだ。
そして何処とも無く消えて、沖縄近海に現れて香澄を狙ったのだ。

政府と自衛隊、防衛庁は合同会議を連日行っていた。
航空自衛隊が連日、日本の近海を偵察して、潜水空母を探していた。
その空母は沖縄近海から九州に戻って航行していた。
船体を海上に浮上させて、それはレダーでテレパシーを感受する必要が有るからだった。

シシリア島の近海でフランス、イタリア、スペインの合同連合軍は戦闘艦と激しい戦いをしていたと云っても戦闘艦は無傷で、レーザー砲の攻撃に連合軍の艦船は全滅状態に成って、戦闘艦の近くでは航空機が激突して大破、墜落で一方的に完敗状態だった。
ポルトガル、イギリス、アメリカの連合軍に戦いの様子が連絡されて、異常な雰囲気に連合軍が陥っていた。

各国の首脳が緊急で連絡をして、対策を協議するのだが、対策は無い状態だ、そして総ての首脳が「新しい、テロ集団の登場だと」、怯えていた。
誰一人宇宙人だとは思っていなかった。

これまでの主な人物紹介
アール星人
早乙女香澄、二十二歳、テレパシー、サイコキネシス(手を触れないで、物を動かす)
有田俊、二十八歳、アール星の戦士、サーベルの達人、凄いジャンプ力
村中保、四十歳、アール星の科学者、テレパシー、数学の天才
水谷洋子、二十一歳推定、テレパシー、治癒能力
水谷瞳 、二十一歳、身体の悪い部分を即座に探す、医学の天才
佐藤浩三、三十代、ヘラクレス、怪力
堺道行、中学生位、テレパシー、透視、遠くが見える
南一樹、四十代、テレパシー、サイコキネシスの優勝者、火を使える
森山秀、水の中を魚の様に泳ぐ、蘇生、テレパシー
地球の人々
本城和美、病院の看護師
本城瞳 、和美の妹大学生
井尻努、漁船の船長
的場刑事、静岡県警ベテラン刑事
小林刑事、静岡県警
井上刑事、静岡県警、若手
地球の征服の反乱ロボット集団
知能ロボット、アトラン、 優れた知能、アトランティス号のメイン頭脳
超人A-1、刀とジャンプ
  A-2、サイコキネシス
  A-3、テレパシー、科学者
  A-4、テレパシー、変身の女性
  A-5、ヘラクレス、怪力
  A-6、俊足、吸盤、ジャンプも出来る
  A-7、テレパシー、カメレオンの様に壁に同化して、消える
  A-8、テレパシー、催眠術、サイコキネシス
武器、兵器
潜水空母、外部を特殊金属で覆って、地球上の攻撃には無敵
戦闘艦、 規模は巡洋艦、特殊金属で覆われて、攻撃を受け付けない、
     特殊ミサイル搭載、レーザー砲三門、レーザー光線装置多数装備

現状説明

 9-16
香澄達も他の超人達と合流して、四国に集まっていた。
アールの超人達と的場、小林、井上、諸星、輝、美咲、安西課長も駆けつけて、自衛隊の幹部を伴って、防衛省の政務官足立淳三郎は陸、海、空の幹部も連れて来ていた。
もう事態は手に負えない状況だと、認識していたのだ。
イージス艦での攻撃は歯が立たない事が、相当な衝撃だった。
若くて綺麗な小娘の話を聞きたく無かったが、安西課長の話は愛知県警を始め警察関係では有名に成っていたのだ。
的場達も始めは疑心暗鬼だったが、現実を見せられて納得していた。
足立が「早速だが、あの潜水空母は不死身なのかね」
「お話の前に、私達に付いて話します」と香澄が自分達の惑星アールの事を簡単に説明し始めた。
地球人の人も私達も同じ惑星アールから、移住してきて、今の地球の人達は、自分達より一万年以上前の太古の地球に飛来した。
二機の母船に乗って、その母船は事故で海中に沈んで、地球の各地に文明が出来て、現在の様に発展したと説明した。
政務官も自衛官も意味不明だった。
「あの空母は特殊な金属で覆われていますので、今の地球上の兵器では壊せません」
「じゃあ、やられるままか?」
「いいえ、皆様の潜水空母との戦いで気が付いたのは、海上に出ている時は攻撃をしていない点です」
「それは、どの様な意味なのだ」
「外部は特殊金属ですが、内部は普通の金属だと思われます、その為ヘリの発着時、攻撃の時に攻撃すれば、内部から壊れるでしょう」
「おお、勝てるのだ」足立が喜んだ。
「今、ヨーロッパでも同じ様な船が連合軍と戦っているが、それも同じなのか?」自衛官の質問に「同じだと思いますが、ヨーロッパの船は戦闘艦ですから、攻撃してきますよ」
「確かに、昨日の戦いでは、フランス、イタリア、スペインの艦隊が全滅していた」
「それと、近づいた戦闘機が激突して、墜落していたが、これは?」
「これは、超人の仕業ですね、サイコキネシスを使う人が、少し前にイギリスで話題に成りました、この船に居るのでしょう」
「あの、物を触らずに動かす人間か?」
「はい」
「戦闘機の様な大きくて早い物も、動かせるのか?」
「はい、勢いが有りますから、意外と簡単なのです」
「益々、信じられない」と言った足立の身体が突然、椅子から天井に上がって、天井に張り付け状態に「わー、何だ、助けてくれ」
「これが、サイコキネシスです」
「判った、信じる」
「今後の作戦は?」
「今の敵に対抗するには、まだまだ弱いので、仲間を捜します、私が空母を尾引寄せますから、ヘリを全滅させて下さい」
「何機、あの空母に?」
「判りません、へり以外の兵器が載っていたら、三十機程では?」香澄は石山と村中に最新の工業設備を貸す様に要請をした。
それは小型の自動翻訳機を作って、超人達が地球の人と話が出来る様にする事なのだ。
足立政務官は快く引き受けた。
先程のサイコキネシスが相当骨身に浸みていたからだが、香澄の予想より早く、戦闘ヘリが会議の場所に飛来した。
「バリバリバリ」ともの凄い音「右上に二機、左下に一機です」堺少年が叫んだ。
次の瞬間銃弾が小林と的場に命中した「うぅー」と倒れ込む的場、小林は動かない服には血が滲み出ている。
自衛官と政務官は机の下に入って、有田が刀を抜いて、割れた窓から外に飛び出していった。
二機のヘリが正面衝突で大破に成って落下、もう一機は有田の刀で羽を切られて、錐揉み状態で落ちた。
「おい、小林大丈夫か?」
「早く、助けて」香澄が水谷姉妹に言うと駆け寄る二人、瞳が手を翳して小林の身体を見ると、首を振る瞳「即死です」洋子がぽつりと話す、足を引きずる的場が「小林-!」と大声をあげた。
瞳が的場の身体に手を翳す、洋子が手を翳すと、的場の傷が直ぐに治って立ち上がった。
「小林!」と身体を持ちあげる、全く反応が無い、小林刑事殉職と誰もが思った時、森山が「一瞬なら、生き返りますよ」と近づいた。
「えー!」と驚く香澄と洋子「本当に一瞬ですよ」
「大丈夫よ!一瞬でも」洋子が言うと瞳が側に来て、三人が小林の死体を取り囲むと、服を脱がす森山、そして自分も脱ぐ上半身裸の小林、銃弾の跡が胸と腹に有る。
覆い被さる森山、タイミングを見る瞳と洋子、すると小林の眉が動いた。
手を翳す瞳、間を開けずに洋子が手を翳す、森山の身体が小林から離れると、身体の傷口から銃弾が出て来る。
まるで特撮映画の様に、小林がくしゃみを「クシュン」と小さくして目覚めたのだ。
的場が小林に抱きついて「おお、良かった、良かった、生き返った」と大袈裟に抱きしめた。小林刑事は怪訝な顔で廻りを見回したのだ。
「凄い、凄い、私は全面的に協力を惜しまない、だから助けてくれ、この日本の窮地を救えるのは君たちだけだ」と足立政務官は絶賛した。
「それなら、連合軍に無駄な戦いは中止して、基地を探して下さいと伝えて下さい」と香澄が政務官に言うと「判った、外務省から関係先に連絡をしょう」その後、的場と小林達と静岡県警に帰って行った。
超人達は二組に別れて名古屋に向かった。

だが、アメリカ軍とイギリス軍、ポルトガル軍は日本からの進言を聞き入れなかった。
戦闘艦を待ち構えて撃沈しょうとしていたのだ。
誰が見てもたった一隻に数十隻の艦隊、飛行機と圧倒的な兵力だと思ったのは明らかなのだが、事実フランス、スペイン、イタリアの連合軍は壊滅させられていたのだ。

潜水空母は突如渥美半島の沖に浮上して、大型輸送ヘリが甲板に現れていたのだ。
その中には人型ロボットが十数体載っていた。
いよいよ名古屋の超人達を襲う殺人ロボットの登場だ。
一見見分けが出来ないロボット達が、大型へりで豊橋の近くの海岸に着陸したのだ。
十五体のロボットは三対一組に成って名古屋県警に向かう。
県警では安西を中心に戦闘ヘリ捕獲作戦の検討をしていた。
危険を感じた輝は井上刑事と和美のマンションに一度帰る事にして、同行していた。
沢山の写真と土産話を持って、帰って行った。
その輝の帰りを待つ一人の男性が居て、新聞記者風間悟だった。
時々写る輝の姿をテレビの映像から探し当てたのだ。
スクープを得る為に、和美に近づいて、最近ではお茶を飲む関係にまで発展していたのだ。今夜待望の妹、輝が帰ると聞いて待ち構えて居たのだ。
それも姉と二人で東京駅迄迎えに来ていた。
「お帰り、輝、大変だったわね」と和美が言うが、横の男性に軽く会釈をする輝「ああ、紹介するわ、東都日報の風間さん」
「記者さんか」
「初めまして、風間です」と会釈をすると「輝、お腹空いている?」
「それなりに」と笑うと「じゃあ、僕がご馳走しましょう」と二人を伴って八重洲の地下街に歩いて行った。
輝が小声で「彼氏?」と尋ねると「まだ」と和美が否定する。
輝には自分のネタを求めて姉に近づいたのだと、直ぐに察しを付けたのだ。
レストランに入ると早速風間の質問が始まった。
世界のニュースはこの無人ヘリ、潜水空母、戦闘艦一色に成っている。
「超人達と同行していて、どんな感じ?」
「良く、判らないわ」
「空を飛ぶの?」
「そんな超人は居なかった」
「何人居たの?」
「今で十人かな」
「リーダーって綺麗な女の子だってね」
「そうよ、姉も知っているわよ」もう風間は和美に聞いて知っていたのだが、輝からもっと詳しく聞きたかったのだ。
明日の新聞のスクープを目論んでいたから、早く色々聞き出してと焦っていた。
「超人達の目的は?」
「ムー号の発見よ」
「ムー号????」風間は首を傾げた。
大スクープを期待していた。

世界の文明

 9-17
「ムー号って、あのムー大陸の事?それなら、何故日本に来たのだろう?」
「誤作動で来たみたいよ、アール星の超人達は、アトランティス号とムー号で地球に来たらしいわ」
「えー、宇宙船の名前なの?」上手に聞く風間に、少しずつ話し出す輝「でもね、悪党が超人達を待ち構えていたのよ」
「それは何者?」
「判らないわ、潜水空母から襲ってくるのよ」
「あの、無人のヘリ?」
「そうよ、恐いのよ、突如現れるから」
「何百人と死者が出ているよね、でも潜水空母は無敵だってね」
「香澄さんが、何処かに弱点が有ると話していたわ」
「あの綺麗な女の子だね」
「もっと美人で、モデルの様な女性も居るわ」
「本当なの?」
「そうよ、この美人二人は凄いわ」
「何が?」
「治すのよ」
「何を?」
「び。。。。。駄目言われない、混乱するから」と輝は喋らなく成った。
風間は凄い事なのだと思ったが話題を変えた。
「他の超人は?」
「触らないで物を動かせるわ」
「えー、漫画の世界だね」
「サイコキネシスよ」
「イギリスで話題に成った超人だよね」
「私の知っている人はイギリスの人よりも、凄いらしいわ」
「先日無人ヘリとの戦いも、その超人が活躍したの?」
「勿論よ」輝の話しに熱がこもる、風間は良い記事が書けると、録音機を胸に忍ばせて聞き入っていたが、自分も興味が有ったのだ。

元々ムー大陸は南太平洋に有ったとされる大陸、一万二千年程前に水没したとの伝説は風間も知っていた。
古代文明には学生時代に填った経験が有ったから、世界四大文明とは、人類の文明史の歴史観のひとつ。歴史上、四つの大文明が最初に起こり、以降の文明はこの流れをくむとする仮説。
ここで、四大文明とはメソポタミア文明・エジプト文明・インダス文明・黄河文明をさす
メソポタミアは、チグリス川とユーフラテス川の間の沖積平野である。現在のイラクの一部にあたる。
古代メソポタミア文明は、メソポタミアに生まれた複数の文明を総称する呼び名で、世界最古の文明であるとされてきた。
文明初期の中心となったのは民族系統が不明のシュメール人である。
地域的に、北部がアッシリア、南部がバビロニアで、バビロニアのうち北部バビロニアがアッカド、下流地域の南部バビロニアがシュメールとさらに分けられる。
南部の下流域であるシュメールから、上流の北部に向かって文明が広がっていった。
土地が非常に肥沃で、数々の勢力の基盤となったが、森林伐採の過多などで、上流の塩気の強い土が流れてくるようになり、農地として使えない砂漠化が起きた。
チグリス・ユーフラテス両河は水源地帯の雪解けにより定期的に増水するため、運河を整備することで豊かな農業収穫が得られた。
初期の開拓地や文化から始まり、エジプトなどよりも早く農業が行われた地域として知られている。
紀元前3500年前ごろにメソポタミア文明がつくられた。
ジッグラトと呼ばれる階段型ピラミッド(聖塔といわれているが詳細は不明)を中心に、巨大な都市国家を展開した。
また、農耕の面でも肥沃な大地・整備された灌漑施設・高度な農耕器具により単位面積当たりの収穫量は現代と比較しても見劣りしなかったという。さらに、旧約聖書との関連も指摘されており、始祖アブラハムはメソポタミアの都市ウルの出自とされている。
エデンの園はメソポタミアの都市を、バベルの塔はジッグラトを、ノアの洪水は当地で突発的に起こる洪水を元にした逸話との説がある。
古代エジプトは、古代のエジプトに対する呼称。具体的には紀元前3000年頃に始まった古い時代から砂漠が広がっていたため、ナイル川流域分の面積だけが居住に適しており、主な活動はその中で行われた。
ナイル川の上流は谷合でありナイル川1本だけが流れ、下流はデルタ地帯(ナイル川デルタ)が広がっている。
最初に上流地域(上エジプト)と下流地域(下エジプト)[1]でそれぞれ違った文化が発展した後に統一されたため、ファラオ(王)の称号の中に「上下エジプト王」という部分が残り、古代エジプト人も自国のことを「二つの国」と呼んでいた。
ナイル川は毎年氾濫を起こし、肥えた土を下流に広げたことがエジプトの繁栄のもとだといわれる。
ナイル川の氾濫を正確に予測する必要から天文観測が行われ、太陽暦が作られた。
太陽とシリウス星が同時に昇る頃、ナイル川は氾濫したという。
また、氾濫が収まった後に農地を元通り配分するため、測量術、幾何学天文学が発達した。
エジプト文明と並ぶ最初期における農耕文明の一つであるメソポタミア文明が、民族移動の交差点にあたり終始異民族の侵入を被り支配民族が代わったのと比べ、地理的に孤立した位置にあったエジプトは比較的安定しており、部族社会が城壁を廻らせて成立する都市国家の痕跡は今の所発見されていない。
インダス文明は、パキスタン・インド・アフガニスタンのインダス川及び並行して流れていたとされるガッガル・ハークラー川周辺に栄えた文明である。
崩壊の原因となったという説のあった川の名前にちなんでインダス文明、最初に発見された遺跡にちなんでハラッパー文明とよばれた。
黄河文明は黄河の中・下流域で栄えた古代の中国文明のひとつである。黄河の氾濫原で農業を開始し、やがて黄河の治水や灌漑を通じて政治権力の強化や都市の発達などを成し遂げていった。東アジアの歴史の教科書には「世界四大文明」のうちのひとつとして挙げられていることが多い。
輝の説明に風間は呆れ顔で聞き入る、地球の歴史は惑星アールの延長で、二隻の巨大な母船から移住してきたアール人が我々の祖先、大陸だと思っていた高度な文明の逸話は実は船内の様子の伝承、二隻の巨大な宇宙船の沈没で世界中の潮位が上がって、世界の各地にアール人がそれぞれの文明を築いた、お互いは交流が出来なくなり、後世に違う形で巡り合ったのだ。
その話しを聞けば、世界各地の信じられない場所での文明の発達、不思議な光景の説明が出来ると風間は思うのだった。
「そうそう、猿は人類から作った、ペットだって」
「はあー」風間は驚いた声を出した。

無敵の戦闘艦

 9-18
ナスカの地上絵も、古代の人がアール星を懐かしみ描いた?マヤ文明もこの話が本当なら考えられる事なのだ。
マヤ文明とは、メキシコ南東部、グアテマラ、ベリーズなどいわゆるマヤ地域を中心として栄えた文明である。
高度な天文学と暦の正確さ、石の文明で米とかの栽培記録は無いのだ。
輝の超人の刀の話しを聞いて、簡単に石を細工出来ると風間は思ったのだ。
猿とか沢山の動物も宇宙船が運んで来たのなら、納得出来る。
高度な知識を持った人もやがて亡くなり、何代も世代が変わって、地球に文明が出来て、現在の社会に成ったのなら、やがて飛来する隕石の嵐を切り抜けなければ、人類の未来が無い事も判る気がするのだ。

翌日、ポルトガルの沖で一代決戦が始まっていた。
雲霞の如く飛来する三カ国連合の飛行機、数十隻の艦船、潜水艦から打ち出される魚雷、この魚雷をA-2が尽く軌道を変化させて、戦闘艦に当たらない様に操作していたのだ。
上空の飛行機には戦闘艦のレーザー砲とレーザー装置が炸裂して、次々と撃ち落としてゆく、先日の様な飛行機同士の激突は殆ど無かった。
サイコキネシスは魚雷に集中していたからだ。
時々命中するミサイルには無傷の戦闘艦だから、悠然と航行を続けて、連合軍の中心を抜けて行くのだった。

名古屋の県警本部に超人達が集まって来て、具体的な行動に入る打ち合わせをする。
県警の会議室の建物は先日のヘリの攻撃で修理中に成って、別館の部屋が用意されていた。
本館に暗殺ロボット三体が入って来た。
一見サングラスの若者風なので「何の用事?」と警官が声を掛けると、いきなり左手で身体を突き飛ばした。
警官は壁に激突して気絶した。
「乱入者だ」「警戒を」警棒で殴りかかると帽子が飛んで「あーー、ロボットだ」署内に声が轟いた。
腰からレーザー銃を取り出して、何かを探している様子、後ろから警棒で襲いかかる数人の警官、他の二体のロボットが銃を乱射し始めた。
次々と倒れる警官、銃声が署内に響き渡る。
別館の超人達にも銃声が聞こえて、本館に向かおうとするのを、堺少年が「ロボットは三体です、有田さんと佐藤さんでお願いします」と言った。
二人は急いで隣の建物に走って行く。
安西課長が堺少年に「見えるの?」と不思議そうに聞く「はい、今二人が到着しました」と言う。
「一体の頭が飛びました、有田さんの刀で、もう一体は胴が折れました」
「凄い」呆れる安西課長、こんな超人を束ねる香澄はどんな力を持っているのか?
可愛い顔をしているのにと見ていると「課長さん、ありがとう」と微笑まれて驚く安西だった。
「あの、ロボットもアールの形ですね、もっと沢山来ますよ」香澄が気を引き締めて言うのだった。
しばらくして別館の会議場で「あのロボットが来たので、潜水空母にはヘリ以外の兵器が、まだ乗せて有ると思います」
「石山さんの翻訳機は?」
「明日には出来ます」
「村中さんの計算では、現在の言語を多少触るだけで、変更出来るそうです」
「これで、テレパシーを使わないで、連絡が出来るわ」
「そうです、あの潜水空母はテレパシーを探して、近づいてきます」
「取り敢えず、今上陸している、ロボットを尾引寄せて、始末しましょう、被害が出ない間に」
「じゃあ、名古屋スタジアムに集めるのは如何ですか?」
「球場ですね」
「はい」
「そこに行きましょう」取り敢えず名古屋スタジアムに移動する事にする。
有田、香澄、佐藤、南の四人が行く事にしたのだ。
「何体来るか、判りませんよ」と言うと「大丈夫ですよ、三人が居たら」と香澄が笑う。

球場の中央からテレパシーを発信する香澄、最大限の力で発信する。
しばらくして、殺人ロボットが球場に近づいてきた。
香澄を取り囲む十二体のロボット、一斉に飛び掛かった時、香澄の身体は空中高く飛び上がった。
地上三十メートル位で静止した。
地上からレーザー銃が発射されたが届かない。
その体勢の処に刀を持った有田が、ロボットの胴を切り裂く、佐藤がひねり潰す、瞬く間に機械の固まりに成って、動かなくなった。
上空から、ゆっくりと香澄が地上に降りた。
「ぱちぱち」と拍手をしながら安西課長がベンチから出て来た。
「素晴らしい、香澄さんも飛べるのですか?」
「いいえ、南さんのサイコキネシスです、自分で自分を動かせませんから」
「そうなのですね」
「それなら、空も飛べますよ」
「もっともです」
「それより、何かが飛んでいますよ」と上空を指さした。
「あー、超人だわ」香澄が叫んだ。
しばらくするとスタジアムに降りてきた。
「鳥人間だ」お辞儀をする男「17998です」と香澄に言う。
「轟翔太さんよ、よろしく」と香澄が即興で名前を付けたのだ。

アメリカ、イギリス、ポルトガルの連合軍の戦いを見て来たと言うので、轟の話しを興味深く聞く香澄はテレパシーで、超人達に、(戦闘艦の弱点が見つかったわ、でもまだ内緒よ)と伝えていた。

潜水空母では次の作戦の支持が(アトラン)から届いて居た。
超人達と対決は勝てないので、バラバラに別れさせて、攻撃をする指示がされた。無差別殺人を各所で行えば、超人達も別れて応戦をするだろう、そこを狙って、新型戦車を出して、捕まえる作戦を指示していたのだ。
(アトラン)は超人の捕獲を考えていたのだ、A-3の様に自由に下部として使う事も考えていた。
超人達がやがてはムー号を発見して、貴重な設備を蘇らせたら、アールに戻れる可能性も無いとは云えないのだ。
アトランティス号は破壊されて沈没させたが、ムー号は破壊された訳では無かったので、(アトラン)には驚異だったのだ。
過去には何度かムー号の調査に向かった、(アトラン)だったが、場所の特定程度しか、成果が無かったのだ。
中枢の部分は硬く閉ざされて、何人も受け入れないのだ。
宇宙船の他の部分はもう海水の中に埋もれて、飛来当時の面影は全く無かったのだ。(アトラン)の能力ではこの深海の巨大な宇宙船をどうする事も出来なかったのだ。
超人達がこのムー号を作動させる力が有れば(アトラン)の計画は崩れるから。

秘密基地

    9-19
戦闘艦はアフリカの沖を南に航行をしていた。
歯が立たなかったアメリカ軍はようやく日本の意見を聞いた。
そして戦闘艦が最初に現れたエーゲ海域の大規模調査が始まったのだ。
しかし、無人島を上空から探しても何も見つからない。
日本から潜水空母の映像とか資料をアメリカに送って、情報の交換を進めていたのだが、アメリカ軍には自分達の武器が通用しないショックが大きいのだった。

石山と村中の二人は研究所で翻訳機を制作して、武器もレーザー銃を作ろうとしていた。
香澄は二人に深海を調査できる船の制作も依頼していたのだ。
現在の地球上の素材で造れるかが最大の難問なのだ。
もし、潜水空母の金属が使えれば、深海調査が可能に成るのだが、それには加工技術も必要なのだが、石山達なら造れるのではとの考えも浮かんでいた。
ムー号の調査に行くなら深海の可能性が確実だったから、香澄は次の準備を始めていたのだ。
日本政府が本格的に協力したのは、当然の成り行きだった。
アメリカを始めヨーロッパの捜索隊が、今度は海上から捜索を初めていた。
戦闘艦の航路の解析でエーゲ海の島が突き止めるのには、時間は掛からなかった。
沢山の艦船が集結して上陸をしたが、密林だけの島で、人が住んで居る形跡も全く無かった。
海中に何か有るのかと、潜水艦で調査をしても岩盤が有るだけの無人島、連合軍は戦闘艦がこの島付近から出現した事に疑問を持ち始めていたが、デーダは確かにこの無人島なのだ。
連合軍は島のあらゆる角度から撮影をして分析を始めた。
数百枚の写真と数々のデータは日本政府にも届いて居た。
軍事の専門家が見ても全く判らない程、それは無人島なのだ。
何万年もこの状態で(アトラン)は隠れて、この島で超人達を待っていたのだ。
急な崖の有る地形は開発には適さない為、過去から誰も手を付ける事が皆無だった。
船の接岸も出来ないこの島の付近は波が急に荒くなって、潮の流れが変わって危険とされていて、漁民も近づかないのだ。
ヘリで、数人が上陸して調査をしたが、全く何も発見出来ない島なのだ。

現在の地球上の技術では、あの戦闘艦も潜水空母も建造は無理な事は香澄が知っていた。手渡された資料を見て、アールの科学者がこの事件に関与していると考えていた。
この島に秘密の基地が存在して、工場もこの島に存在するのでは?アトランティスに積載された特殊金属の加工場もこの島に在るのでは、でも一万年も生きる?
アンドロイドは居ない?科学者の知識の継承は誰が?若しかして?ロボット?アトランティスの中枢ロボットなら、だが(アトラン)は母船のあらゆる装置を把握して、母船の飛行から住民の安全迄を取り仕切る忠実なコンピュターロボット、自らは動けない様に作られているから、母船と共に沈没するのが普通なのだ。

ムー号の中枢ロボットは多分海中深くに沈んで、もう一万年以上経過しているのだろう、香澄が暗号をインプットすれば、次の行動を起こすシステムなのだ。
本来は地球の中に溶け込んで人々の生活を支えて、文明の発達に寄与していただろう、ムー号とアトランティスの中枢ロボット、ロボットの反乱?香澄はあり得ない仮説を想定して考えていた。
それなら、今の事件が統べて解決出来る。
我々超人達の落下場所、人数、アトランティスの超人の数、戦闘艦と潜水空母の謎、イギリスの超人が既にあの戦闘艦に乗船している事、何名の超人が存在しているのか?
(アトラン)の反乱なら、ムー号の存在が邪魔、我々はそのムー号を蘇らせようとしている。
当然妨害する筈、香澄は仮説が正しいと確信し始めていた。
近い将来、全面対決に成ると、今の地球上の人達が大勢犠牲に成る可能性が有るから恐いのだった。
しばらく大人しくしていた戦闘ヘリが横浜に飛来して、無差別殺人を始めた。
時を同じくして大阪、京都、そして静岡にも、これは、超人達の行動範囲を考えての作戦なのだ。
各地の警察、自衛隊が出動して事態の収拾に努力したが、無差別乱射の後は海上に逃亡して、追撃をかわす、海上自衛隊が急遽現場に向かうと、潜水して消えていた。
警察も自衛隊もお手上げ状態で香澄達に要請が有ったが、香澄は「これは、罠です、空母を壊す以外に方法は無いと思う」と答えていた。
それは石丸達の武器の完成とも繋がっていたのだ。
香澄にはこの時、見えない敵との知恵比べだと思っていたのだ。
戦闘艦はアメリカ軍の監視の中、悠然と南アフリカの沖を航行していた。
明らかに東南アジアに向かっているのだ。

鳥人間轟は、香澄に島の様子をもう一度詳しく調べる様に指示を受けて、無人島の上空を旋回していた。
イギリスの戦闘機に発見されて、無人島の近くの島に降りたって、捜索を始めていた。
(アトラン)は轟の行動を既に把握していた。
他の艦船、飛行機が居ないなら、直ぐに捕らえて、仲間に引きずり込むのだが、今、動くのは得策ではないと機会を伺っていたのだ。
深夜の隙を狙って林が動く、「あっ」轟が叫んだ時、数体のロボットが出て来た。
上空に飛び上がる轟に、ロボット達の銃口が向けられていた。
発射の閃光に監視中の全員が光の元を見た。
轟は素早くかわして、飛び去ってしまった。
今度は一斉に光の場所に砲撃が始まって、密林は焼け野原に成る。
ロボット数体は銃の乱射で飛行機を撃ち落とす。
艦船からの砲撃に粉々に成るロボット(アトラン)焦りの失敗だった。
数体のロボットは全滅、翌朝にはこの島に上陸をして、捜索で連合軍は一致した。
夜明けと共に、樹木を伐採しながら上陸した連合軍は、この地下に基地が在る様だと機械を持って来て土砂を取り除き始めた。
翌日に成って漸く土砂の下に鋼鉄の扉が出現した。
だが、この扉は戦闘艦と同じ特殊金属で作られていた。
爆弾、ダイナマイト、ドリルも全く歯が立たない。
扉を開く瞬間を攻撃する事にして、連合軍は昼夜の警戒をする事に成った。
その映像は世界にニュースとして配信された。
勿論香澄達もその様子を見ていた。
無差別ゲリラ攻撃も急に停止されていた。
「潜水空母は基地を助けに帰ったかも知れないわ」
「そんなに、遠くに」
「基地の中から攻撃出来ないから、外から攻撃してくるかも知れないわ」
「でも時間がかかるわ」香澄の予想とは異なって、数機の爆撃機が洋上の潜水空母から飛び立っていた。
エーゲ海に向けて、その速度は地球上の戦闘機より遙かに速い速度だったのだ。

挑発

   9-20
基地の上空に来ると、急降下をして、連合軍の艦船に魚雷型のミサイルを発射していった。
次々と黒煙を上げる艦船、戦闘機が追いつけない早さで、飛び去って行く。
そしてまたミサイル魚雷を落下させる。
燃え上がる艦船、アメリカの空母も例外では無く、一瞬で黒煙を上げて、沈没してしまう。
空母が無くなると飛行機は各地の飛行場に、緊急着陸を要請の為に蜘蛛の子を散らす様に消えた。
(アトラン)の基地が大きく口を開けて、戦闘爆撃機の着陸を受け入れた。
基地の廻りは黒煙と逃げる兵士たちで一杯に成っている。
基地から大型輸送ヘリが二機飛び立って、しばらくして戦闘ヘリが基地の廻りを無差別に乱射して島に残った軍隊達を全滅させたのだ。
世界はこの模様に恐怖を覚えていた。
余りにも早い攻撃と大量殺人、この映像も世界に配信されたから、流石のアメリカ大統領も言葉を失ったのだ。
最新の空母も戦艦も抵抗もなく壊滅させられたから、誰も何処の国も基地に近づかない状況が出来た。
(アトラン)がいよいよ、ムー号の超人達との対決の時間が近づいていたのだ。
戦闘艦はインド洋を悠然と航行していた。

香澄の計画はこの戦いに勝利して(アトラン)の工場に行って潜水艇を建造して、ムー号を復活させる。
特殊金属が無ければとても深海には行く事が出来ないから、だが敵の超人はサイコキネシスの超人以外は知らないし、どの様な超人が居るのか?判らないのが、不安なのだ。
世界の最先端の兵器の連合運を一瞬に壊滅してしまう能力に脅威を感じるのだ。
マスコミ報道で香澄達はヒーローに成って、風間の記事の影響も大いに有ったのだ。

二機の大型輸送ヘリはエーゲ海の基地から、静岡の伊良湖岬の近くに着陸した。
海上には潜水空母が停泊をしていた。
地形的にこの場所を決戦の地に決めたのだろうか?輸送ヘリから戦車が四台出て来た。
ヘリはそのまま、空母に飛んで行った。
戦車は統べて特殊金属製、航空自衛隊、警察は岬で対峙する以外方法が無かった。
静岡県警も、一般住民の避難の誘導、攻撃に備えての準備に佐山も一平も昼夜の対応に成っていた。
「此処を決戦の場所に決めてくれた方が、被害が少なくて良いです」
「五十キロ以内には人を一人も入れない体制にしました」香澄達に安西課長と静岡県警は説明をする。
住民の安全は警察の仕事、防御は自衛隊の仕事に役割を分担していた。
「イージス艦は、潜水空母を射程に入れて、いつでも攻撃出来る状態で待って居て下さい」
「今、三隻が向かって居ます」
足立政務官の指揮で三十キロ離れた地点に対策本部が置かれて、超人達は既に自動翻訳機を耳に装着して、レーザー銃を携帯して、警察の一部の人にも銃が手渡されていた。
自衛隊にはレーザー砲五台が装備されて、本部を守る体制が出来上がっていた。
石山と村中は次々と武器を考案して、制作に入っていた。
その中には潜水艇の素案も完成していた。
後は特殊金属を手に入れる事が絶対条件だ。

小林刑事は休暇で自宅に待機をしていた。
一度死んだから、的場が気を使って、一週間の休暇を与えられていた。
「貴方、いよいよ渥美半島で対決なの?」
「多分、そうなるね、でも俺が休暇中には何も起こらないよ」
「何故よ?」
「俺がスーパーマンだから」
「はあー」
「その服見ただろう、蜂の巣に成っても弾をはじき返す、正にスーパーマンだよ」
「貴方はエスパーさんに助けられたのよ、判る?」
「それは違うだろう」
「何が違うのよ」
「助けるのはヘルパーさんだよ」
「何を言っているの?帰ってから、変だわ、捜査外されたのが判るわ」
「違う、休暇だよ、休暇」確かに一小林は助かってから、少し変なのだ。

香澄が「元に戻るまで少し掛かるかも知れません」
「何故?」
「一度死んでいますから、脳の記憶回路が遮断された状態に成っています、早くて一週間?一ヶ月?個人差が有ります、しばらく休んだ方が良いと思います」助かった時、的場が聞いた話だった。
的場は、小林刑事の奥さんにはその事は敢えて言わなかったのだ。
心配するのと、その様に接すると戻る時間が遅れると言われたからなのだ。

渥美半島の緊張は続いて、戦闘艦は日々近づいて南シナ海を北上していた。
アメリカの艦船を引き連れて、爆撃戦闘機もエーゲ海を飛び立って日本に向かっていた、戦闘機が飛び立つと、(アトラン)の基地は閉じてしまった。
不意の攻撃に対応出来ないからなのだ。

渥美半島での決戦だと思っていたのに、翌朝から、都心は大騒ぎに成っていた。
国会議事堂に爆撃戦闘機からミサイルが撃ち込まれたのだ。
六時と云う早朝から、東京はパニック状態に成った。
自衛隊の飛行機が緊急発進したが、何処にも姿が無かった。
七時には大阪城にミサイルが撃ち込まれた、
城は原型を残さない程破壊されたのだ。
八時には名古屋城にもミサイルが撃ち込まれたので、日本国中がパニック状態に成る。
九時には、また東京のスカイツリーが消滅したのだ。
政府は緊急事態を宣言して、危機を伝えた。
戦闘爆撃機が三機で暴れまくって、超人達への挑発だ。
(アトラン)にはどの程度の超人が残って居るのかが判らないので、探りを入れる為に、
有名な建物への攻撃だったのだ。
(アトラン)の思惑には反応しないが、日本の各地に破壊の跡が生々しく残った。

これまでの主な人物紹介
アール星人
早乙女香澄、二十二歳、テレパシー、サイコキネシス(手を触れないで、物を動かす)
有田俊、二十八歳、アール星の戦士、サーベルの達人、凄いジャンプ力
村中保、四十歳、アール星の科学者、テレパシー、数学の天才
水谷洋子、二十一歳推定、テレパシー、治癒能力
水谷瞳 、二十一歳、身体の悪い部分を即座に探す、医学の天才
佐藤浩三、三十代、ヘラクレス、怪力
堺道行、中学生位、テレパシー、透視、遠くが見える
南一樹、四十代、テレパシー、サイコキネシスの優勝者、火を使える
森山秀、水の中を魚の様に泳ぐ、蘇生、テレパシー
轟翔太、鳥の様に空を飛ぶ
地球の人々
本城和美、病院の看護師
本城瞳 、和美の妹大学生
井尻努、漁船の船長
的場刑事、静岡県警ベテラン刑事
小林刑事、静岡県警
井上刑事、静岡県警、若手
安西捜査課長、名古屋県警
足立淳三郎、防衛省政務官
風間悟、和美の彼氏、新聞記者
地球の征服の反乱ロボット集団
知能ロボット、アトラン、 優れた知能、アトランティス号のメイン頭脳
超人A-1、刀とジャンプ
  A-2、サイコキネシス
  A-3、テレパシー、科学者
  A-4、テレパシー、変身の女性
  A-5、ヘラクレス、怪力
  A-6、俊足、吸盤、ジャンプも出来る
  A-7、テレパシー、カメレオンの様に壁に同化して、消える
  A-8、テレパシー、催眠術、サイコキネシス
武器、兵器
潜水空母、外部を特殊金属で覆って、地球上の攻撃には無敵
戦闘艦、 規模は巡洋艦、特殊金属で覆われて、攻撃を受け付けない、
     特殊ミサイル搭載、レーザー砲三門、レーザー光線装置多数装備
巨大ロボット  シリウス、特殊金属、

壊滅した台湾

        9-21
香澄は超人達の行動を止めていた。
(アトラン)の意図を読んでいたから、申し訳ないけれど、今出ると後でもっと大きな被害に成りますと、足立に伝えていたのだ。

翌日今度は戦闘艦が台湾近海を航行中に、突然レーザー砲の乱射を始めたのだ。
高雄の町は一瞬で瓦礫の山、緊急発進した戦闘機は、統べて同士討ちで墜落をしてしまった。
今度は台中市の建物にミサイルが数発撃ち込まれて火の海に成った。
何故、急に台湾を攻撃したのか?全世界は疑問に思った。
日本での決戦の予行演習?しばらくして台北の町には、ミサイルとレーザー砲が一緒に発射されて、数時間後には瓦礫と火の海に成って、台湾政府は壊滅してしまったのだ。
人口の大半が死亡、産業も何もかもが灰に成った。
一瞬の出来事で、これ程悲惨な状態は無いだろう、戦闘艦の攻撃のもの凄さに各国メディアは声も無かったのだ。
日本政府はやがて自国も台湾と同じ運命なのか?と震え上がった。
都会から田舎に非難する人が大勢いたのだ。
道は大渋滞、香澄が足立に「メディアで、大丈夫だと放送して下さい、混乱がまた事故を生みますから」
「判りました、放送してみましょう、でも国民は安心するでしょうか?」
「では、あの爆撃機を誘き寄せて、撃ち落としましょう」
「えー、何処に居るのか判らないのに?」
「潜水空母に着陸していますよ」
「見えるのですか?」
「堺君の目と私のテレパシーで確認しました」
「どの様に?」
「まあ、見ていて下さい」轟が上空に舞い上がった。
「スパーマンだよ」と足立が驚くと、轟が潜水空母の近くに飛んで、手に持った器具を爆撃機に向けると、しばらくしてそのまま帰る轟に、直ぐさま、一機の爆撃機が発進したのだ。
轟を追い掛ける様に轟よりも早い早さで付いてくる。
三河湾上空で追いつかれたと思った瞬間、飛行機は上空で停止したのだ。
どんどん降下してくると、報道陣のカメラに映る。
その時、有田が刀を持ってジャンプ、尾翼を切り裂く、そのまま飛び降りて、爆撃機は直ぐに三河湾に激突して沈んだのだ。
映像は日本国中に流れた。
「あれが、超人か!」
「本物のエスパーね」
「逃げなくても大丈夫よ」
「強い」と全国で声があがったのだ。
しかしこれは(アトラン)も見ていたので、対策が必要だ。
サイコキネシスの相当出来る超人、ジャンプの剣士、空を飛ぶ超人、そして何よりあの爆撃機を誘導出来る超人が(アトラン)には恐かったのだ。
アンドロイドの操縦士が二人乗っていたのを、三河弯まで誘導した。
恐ろしい力にロボットが恐怖を感じていたのだ。
石山と村中が香澄の依頼で作った器具が初めて使われて、香澄のコントロールの力を増幅させて、遠距離で使う装置なのだ。
香澄の能力はもの凄いのだが、近いと云う条件が必要だったのだ。
それを飛ばせれば、これはもの凄い武器に成ると考えたのだ。
今回はその器具の実験でも有ったので「上手くいきましたね」
「敵も味方も驚いたでしょうね」
「今後、対決のエスパー達にも有効な武器に成りますね」
「敵にどの様な能力のエスパーがいるのか判らないので、気を引き締めていきましょう」人数も能力も判らないが、唯ムー号の超人達よりも劣るのは確実なのだ。
元々人選の時にその様に司令官が、分散させたと聞いていたからだ。

台湾を殲滅させた戦闘艦のその後は何も攻撃をしなかった。
何処かを殲滅させて、日本の国にパニックを起こそうとしたのだが、エスパー達に阻まれて、目的半ばで終わったのだ。
(アトラン)は慎重に成っていた。
迂闊にアンドロイドの操縦で攻撃をすると、逆襲の恐れが十二分に有ったから、戦闘艦が到着してから、決着を考えた(アトラン)だが、側面攻撃の計画も進めていた。
九州にA-4,7,8の三名を密かに上陸させようとしていた。
敵の中枢に潜り込ませる作戦なのだ。
カメレオン女と変身女、催眠術の三人で、カメレオン女は直ぐに廻りの景色に同化する、変身女は一度会った人物に変身できる。
催眠術は相手を自由に動かせる能力で、香澄の能力の弱いタイプに近い。
アメリカ軍の尾行の空母も戦艦、潜水艦も数キロ離れて静かに尾行をするだけだった。
攻撃は全く歯が立たないから、台湾の惨状を見ても何も出来ないのが現状だった。
三人はサイコキネシスの力で、船上から九州に闇の中移動していた。
異常に接近する戦闘艦に、宮崎の人は震え上がったが何事も無かった。
三人は宮崎の空港に向かったのは、名古屋方面に移動する為だ。
A-8に見つめられると、催眠術にかかって、三人はフリーパスで飛行機に乗り込む、宮崎発羽田行き、三人には行き先は関係無かった。
離陸と同時に変身する女、キャビンアテンダントの姿に変身すると、コクピットに催眠術の女と向かう「コーヒーお持ちしました」と扉が開く「誰?」と聞く間も無く態度が変わる。
機長が「何だね」と振り返るのと同時に「判りました、中部国際空港に向かいます」と言ったのだ。
乗客は何も判らず「エスパーの対決、もうすぐよ」
「悪党が負ければ良いのよ」とニュース番組を見ながら話し会っている。
もう一人のカメレオン女がキャビンアテンダントを殺して、トイレに入れた状態にしていた。
床に同化、壁に同化、人の影にでも成れるから、始末が悪いのだ。
そして毒で相手を殺すので、ドラキュラとカメレオンが一緒に成った女なのだ。
とても恐い存在で、何処から忍び寄るか判らない。
飛行機は進路を変えて名古屋に強引に着陸して、三人は悠然と名古屋に到着した。
この三人の到着は香澄に捕らえられて、異質のテレパシーを感じていたのだ。
「近くに超人が来ました、気を付けて」十人のエスパーに香澄がテレパシーで連絡をする。
「三人だわ、何を使うエスパーか、判らないから危険です」この会話は既に(アトラン)も佐知して、潜水空母と戦闘艦には連絡が伝わっていた。
戦闘艦と潜水空母の操縦はロボットなので、敵の兵器で混乱させられる事はないのだが、爆撃機はアンドロイドなので、危険だと早々に格納庫に隠してしまう(アトラン)の周到さだ。
四国の沖を航行する戦闘艦が紀州を過ぎると、魚雷攻撃を最大でしてもらえますか?と香澄が足立に頼んだのだ。
「攻撃出来ないのでは?」
「大丈夫です、あの戦闘艦は船底が弱いのです」
「何故?それが、ヨーロッパでの戦い方がそれを証明しています」と言うと、足立の頭に戦闘艦と戦うアメリカ、イギリス、ポルトガルの連合軍の絵が入り込んだのだ。
「何!だこれは?」驚く足立に「魚雷を、サイコキネシスで避けているのです」
「敵のエスパーを一人そこで封じ込めます」
「おお、成る程、戦い易い訳だ、先日の装置で一気に攻撃ですな」
「簡単にはいきません、敵も対策を考えたと思います」日本政府はアメリカ軍に要請して、魚雷を撃ち込んで貰う様に頼んだのだ。
流石に、アメリカ軍も従わなければ、先日の二の舞は恐かったのだ。

巨大ロボット出現

           9-22
三人のエスパーは、近づくのを中止した。
危険を感じて、もの凄い殺気と云うか気を感じたのだ。
それは香澄の強烈なテレパシー網なので、変身しても見破られる。
超人達が別れるとか、離れるのを待つ以外に方策は無い、超人達でも恐れる気を発する香澄、流石にムー号担当のリーダーの力を見せつけたのだった。

(アトラン)の基地からまた新たな兵器が飛び立とうとしていた。
戦闘の大型ロボット(シリウス)だ。
漸く完成をした様で、主要な部分は特殊金属で覆われて、高さが十五メートル空も飛べる。地球上の武器は跳ね返す特殊金属は統べて使ってしまった様で、最後の兵器だ。
(シリウス)はマッハ五で空を飛び、水中も潜行出来るのだ。
香澄達に強敵がまた参入しようとしていた。
日本政府に直ぐさま、巨大なロボットがエーゲ海の基地を飛び立ったと、名古屋の対策本部にその連絡が届いた。
話しを聞いた香澄は「相当高度な設備が、無人島の地下に在りますね、欲しいですね」と微笑んだ。
余裕なのか、それとも別の意味なのか、香澄のテレパシーに微かな反応が伝わったのだ。それは今まで無かった信号、それが香澄を喜ばせていたのかも知れない。

三人のエスパーは矛先を日本の中枢に変更して、東京に向かった。
今度は、国会の中枢に入り込もうとしたのだ。
催眠術で警備の人間を操り、国会議事堂に侵入、カメレオン女は壁に成って移動する。
国会内に対策本部が設けられて、自衛隊の幹部、与党の幹部が集結して、世界各国の情報の収集、それを内閣に連絡して、総理が結論を出して順次行動に移していた。
三人はそこを狙って、トイレに行った陸上自衛隊の幹部を一瞬で殺して戻る。
最高権力者が総理だと判ると、今度は変身女が一瞬で変わった。
後はチャンスを見つけて本物と入れ替わるだけ、まるでコピーの様に総てを写し取るから、恐ろしいのだ。
行動も好みも統べて写し取るから、殆どの人は判らない。
別に服装を変えているのでは無く、相手にはその様に見えるのだ。
総理を見た事の無い人には判らない。
この様な場所での三人の技術は素晴らしい、総理官邸に戻った前島は自分とそっくりな男を見て「お前は誰だ」
「お前は誰だ」
「何を言っている、影武者?」
「。。。。。」その時催眠術の女が現れて「お前の仕事は今から、私達がする、寝ていな」背後からカメレオン女が前島総理に襲いかかる。
一瞬で殺戮される総理、三人で抱えてクローゼットに服を脱がせて押し込む。
しばらくして「総理!総理!」と官房長官が探しに来る。
何事も無かった様に、官房長官について行く変身女、情報はテレパシーの伝達で伝えるのだ。
「総理、巨大ロボットは、予想通り日本を目指しています」
「東京で暴れる予定だな」
「そうなのですか?渥美半島に行くのでは?」
「東京に来るだろう、此処は危ない、先日も壊されてまだ修理も終わって居ない、逃げよう」と言い出した。
「えー、逃げるのですか」
「そうだ、名古屋方面に行こう」
「は、はい」急な場所の変更に戸惑う総理の側近達だ。
その時「きゃー」とトイレの方から大声、掃除の叔母さんが自衛隊幹部の死体を発見しので、対策本部は混乱した。
総理の決断で対策本部の移動が始まって、三人には成るべく仲間に近い場所が良いのだ。数台の車に別れて行く事にして、総理は早々に数人と一緒に出発した。
勿論三人が一緒に乗り込んでいたが、同乗者は催眠術で判らない。

その日の夕方、東京に大きなロボットが降り立った。
早速議事堂と総理官邸を粉々に粉砕して、炎上させた。
自衛隊が出動して対応するが、全く相手に成らない。
戦車にレーザー砲がロボットの指から発射されると、紙屑が燃える様に成ってしまう。

「総理、どうしましょう、対策が有りません、住民はエスパーに戦って貰えと訴えています」
「勝てないだろう、降伏が良い、そうだ降伏」
「エスパーが居ますから」
「エスパー達を差し出せば許して貰えるかも知れない」前島総理の言動に不安を感じる与党幹部だ。
そうは言っても名古屋の仮設の対策本部から、渥美半島の足立政務官の最前線には行く気配も無いのだ。
近づくと強烈なエスパーに直ぐに見破られるから、近づけない三人、真剣にエスパー達を捕らえる方策を話しだす前島総理だった。

戦闘艦は紀伊半島に差し掛かって「総理、アメリカ軍に魚雷の攻撃を依頼する場所です」
「それは、中止だ、歯が立たない、無駄な魚雷を使わせては駄目だ」
「超人達との約束は?」
「必要無い」と一蹴した。
轟が上空を旋回して、(魚雷の攻撃はされていませんよ)とテレパシーを香澄に送った。
(早く、逃げて、敵のサイコキネシスに捕まるわ)その時轟は大きく引っ張られた。
(やばい、もの凄い力で引っ張られます)
(判った)香澄が強烈な妨害、テレパシーを送る。
戦闘艦のA-2が「モノスゴイ、ネンリキガキマス」
「モウスコシダ、トラエロ」A-3が横から応援するが、サイコキネシスの力が薄れて、轟は力を振り絞って脱出に成功した。
「ふー、危なかった」と溜息の香澄を見て水谷姉妹が「相変わらず、凄いパワーね」
「香澄さんが居なかったら、多分一気に攻撃に来ますよ」
自動の翻訳機でテレパシーを使わずに三人は話せるから楽に成って、水谷姉妹が最前線基地に居るだけで、華やかな雰囲気だ。
「あの、水谷さんを尋ねて、若者が三人来ていますが、会われますか?」しばらく考えた瞳が「もしかして、小笠原の青年達では?」
「そうね、呼んで貰って」自衛隊の隊員に付き添われて、富田、権藤、庄司が入って来た。
「こんにちは」
「お久しぶり、その節はお世話に成りました」と瞳が微笑みながら言うと「あれ?話が出来るの?」
「はい装置のお陰でね」
「僕達に何かお手伝い出来る事は無いでしょうか?」
「世界の危機に役立ちたいのです」
「日本も台湾の様に全滅にされるのなら、今立ち上がらなければ」と口々に言う。
「でも、何も無いわ」と洋子が言うと「いいえ、彼等に一度石山さんと村中さんが居る、研究施設に行って勉強して貰いましょう」
「何故?」
「彼等に私達の科学の継承をして貰って将来に繋げるのです」
「それは、良いですね」三人は自衛隊の車で、石山達が居る施設に向かった。

東京で暴れた(シリウス)は西に進路をとって大阪に向かった。
早い一瞬で大阪の関空に降り立つと次々と飛行機を壊して、空港を破壊して、使えない状態にしてゆく、滑走路は穴だらけ、空港の設備は壊滅した。
また(シリウス)は飛び立って伊丹空港に、同じく大暴れで空港を破壊して、既に成田空港も使えない状態に成っていたのだが、目的は?

現れた護衛ロボット

  9-23
海外からの移動の阻止が目的と、飛行機の発着を妨害する為、自衛隊の空港も次々と破壊する(シリウス)関東関西一円の空港は尽く破壊された。
紀州の沖で戦闘艦は停泊して、これ以上近づく事の危険を感じていた。
あの強烈なテレパシーで、アンドロイドの乗組員が混乱する可能性を考えたのだ。
潜水空母はロボット主体の操舵、戦闘爆撃機はアンドロイド達の構成に成っていた。
それは既に香澄には判っている。
潜水空母が近くに停泊しているから、何度か試みたのだが、その結果が戦闘爆撃機の誘導に成ったのだ。
「敵のサイコキネシス出来る人は一人だわ、だから飛行機を飛べなくしているのよ、戦闘艦に空と海からの攻撃は防げないから」
「でも何故?魚雷の攻撃をしないのですか?」
「変だわ、日本政府に何か乱れが起こったのかも知れないわ」
香澄は直ぐさま足立に会いに行くと「私も変だと思いまして、内閣に聞きましたら、総理が方針を変えたと」
「可笑しいわ、今魚雷を撃ち込まなければ、飛行場が破壊されて、戦闘機が飛べない状況では、戦えませんよ」香澄が話している最中に四国沖に停泊している。
アメリカの空母に(シリウス)が乗り込んで、甲板に穴を空けて、空母の沈没はしなかったが、役割は無くなったのだ。
これで、飛行機の攻撃は無くなった。
今まで全く動かなかった四台の戦車が前進を始めて、レーザー砲が発射される。
香澄達の基地に近づいて射程内に入った四台の戦車から一斉にレーザー照射されたが、目前で遮断されていた。
石山と村中の造ったバリヤーが作動したのだ。
「もう少し近づけば、裏返しにしてやる」南が笑いながら言うと「叩き切ってやろうか」有田も威勢が良い、その頃戦闘艦が名古屋に近づいていた。
「日本政府が動かなければ、勝てません」香澄が足立に訴える。
直ぐさま連絡が総理に届くが総理はいい顔をしないで、それよりも協力的だった。
内閣の人達が次々と謎の死を、海上自衛隊のトップもトイレで死亡、益々戦闘をしない勢力が大きく成る。
「大変です、名古屋の町に、戦闘艦からレーザー砲とミサイルが撃ち込まれました」
「総理は無事か」
「全く別の方角です」
「そうか、良かった」と足立が胸を撫で下ろした時「大変です、総理がテレビで全面的に敵に降伏して、協力をすると、発表しました」
「何!」足立が驚いて、何故急に変わったのだ「会いに行く!」と立ち上がった。
香澄の処にその事を告げに来たので「私が一緒に行きます」
「此処を離れて、大丈夫ですか?」
「バリヤーと二人で守れるでしょう」と二人が車で総理の元に移動を始めた。
しばらくして「政務官、上空にあのロボットが、来ています」
「何!」
「私のテレパシーで見つけたのね」車は高速を走る、上空からロボットの手が伸びる。
高速道路が破壊されて「キキー」と急ブレーキで停止する。
ロボットが降りたって、大きな足で車を踏み潰そうとした。
必死の香澄のサイコキネシス、もの凄い威力が廻りに漂う、足立達は直ぐさま車を降りたが、高速道路上で逃げ場がない。
車は渋滞で身動きが出来ない。
ロボットも動けない片足を持たれた状態、香澄の力も相当だが、はね除ける力はない、相手は疲れを知らないロボット、徐々に押される。
香澄の力が弱った時、大きな音が車の後ろでした。
香澄は自分が押しつぶされたと思って諦めた矢先の事で、我が目を疑った。
薄汚れた等身大より少し大きいロボットだった。
(シリウス)の足を持って投げ飛ばしたのだ。
そのロボットに付いているのは苔?それとも堆積物?海底深く一万二千年の眠りから目覚めた、護衛ロボットM-1なのだ。
香澄の地球到着から随分時間が経過しての登場だ。
香澄にテレパシーが届く、大型の(シリウス)は起き上がると飛び去った。
M-1ロボットは車の中の香澄を助け出すと、その薄汚れた身体に抱き抱えて高速から地上に舞い降りた。
「あの二人もお願い、出来たら車も」と言うと、ロボットは頷くと、自動車を軽々と持ち上げて地上に降ろした。
直ぐさま二人の首に猫を掴む様に持つと地上に降ろした。
「この、薄汚いのは何ですか?」
「私のボディガードよ」
「この汚いのが?それに私達と香澄さんでは持ち方が違い過ぎますよ、私達は猫でした」「仕方無いですわ、このロボットはもう、壊れるまで私から離れません」
「えー、夜も、昼も?」
「はい、自分がガード出来る範囲に必ずいます、だから先程も敵を追い掛ける事が無かったでしょう」
「でも汚いな」
「政務官、あそこのスタンドで洗って貰えば」
「良いですね、行きましょう」香澄の後を付いて歩くロボット。
「この子が来たと言う事は他の人達の処にももうすぐ行きますね、私が少し早かったから」スタンドの係員に交渉をする運転手の男「通常の倍で決まりました」洗い始めるスタンドの従業員二人だ。
「長い事洗車したけれど、ロボットの洗車初めてだ」洗剤を付けて擦る中々落ちない、一部分が綺麗な金属に見える。
「これは、五倍貰わないと無理です、ほらブラシが」値段をつり上げた。
政務官にはこのロボットがどれ位、綺麗な姿なのかに興味が湧いたのだ。
五人が交代でゴシゴシと磨く、やがてあの特殊金属の色が目の前に現れた。
「あの、戦車の色ですね」
「あれは、表面だけですが、これは統べて特殊金属です」と香澄が教える。
洗っていた店員が「これ、政府の造ったロボットですか?」
「本当に自分で動くの?」
「じゃあ、私の頭をそこの長い棒で叩いて見て、但し直ぐに棒から手を離して逃げるのよ」店員は長い棒で香澄の頭を叩こうとした。
すると目にも止まらぬ早さで、棒は遠くに飛んで行った。
「何!あれは?」店員も足立も側に居た全員が唖然とした。
「あの棒は何処まで飛んだ?」
「多分海まで飛んだと」
「えー、恐いロボットですね」胸にはMのマーク背中には1と書かれていた。
「このM君は私を守る事と私の指示で動きますが、私を守れない場所には行きません」
「じゃあ、部屋の外で待つとかは、一切無理なのですね」
「そうです」
「急いで、総理の処に行きましょう」三人が乗り込むと車は発車した、Mは車の上をすれすれにまるで車に乗せている様に飛んで一緒に向かった。
スタンドの店員達は身体が固まって動けなく成っていて、衝撃が大きすぎたのだ。
対策本部の近くに来て香澄が「変だわ、此処に超人が三人居るわ」
「えー、何故だ?」
「判った、沢山の人が殺されたのも、総理が変な会見をしたのも、その為だ、脅迫されたからだ」と足立が言う。
その時ようやく、三人の超人が香澄のテレパシーを感じて「ニゲロ」
「キヨウテキダ」三人は一目散に逃げ出した。
「総理!総理!」と呼ぶお付きの人達に「お腹が痛い!自宅に帰る」と車に乗ってヘリを呼んで逃げるのだ。
「遠ざかりましたね」香澄が到着して言う。
「総理に会いに来た、昼間の会見の真意を聞きたい」足立の後を付いて歩く香澄を止めようとする警官、その警官を突き飛ばすMロボット「何者だ、この正体の知れない、ロボットは?」
「君たちの相手には成らないから、止めた前、怪我をするだけだ」そう言う足立の言葉を無視して、香澄を触ろうとすると、突き飛ばされる警官、Mロボットに触ろうとすると、何もしないで、唯、悠然と香澄をガードするだけ、銃声が一発室内に響き渡る。
一人の警官が放ったのだ。
それも至近距離からMロボットに、床が血の海に成って居て、即死だった。
跳ね返った玉が自分の胸を貫通してしまったのだ。
「無駄な事は止めろ」足立が大声で怒った。

冬眠

    9-24
一人の犠牲でようやく事態が収まった。
「まさか、敵のエスパーに変身出来る奴が居れば、今の事態が判りますね」
「そんな奴が居るのですか?」
「居ます、習った勉強では、そんな能力の者、そして背景に同化する者も」
「気味が悪いですね」
「若しも、総理が敵に成って居たら、今の事態は充分考えられる事ですね」
「我々の到着と同時に東京に消えたのが変だな」
足立の話を裏付ける様に総理官邸の瓦礫の中から遺体が発見されたと報告が来た。
直ぐさま、足立は全国の報道機関にこの事実を発表して、部下に総理の偽者のヘリの到着を自衛隊の包囲網の中で捕らえる為に待った。
着陸したへりから総理の姿は消えていた。
三人は悠然と東京の町に姿を消していたのだ。
(アトラン)から連絡がされて、再び変身をしたエスパーを見分ける事は出来なかった。

戦車と有田達の戦いの中に(シリウス)が乱入してきて、一気に形成は不利に成った。
バリヤーで防ぎ切れなく成って「退却だ」逃げる有田と南、レーザー砲が有田に命中したと思ったら、薄汚いロボットがそのレーザー光線を受けて、跳ね飛んだ。
薄汚い背中の八の番号だけが、飛んだロボットの背中が綺麗に見える。
「何が、来たのだ」
「何かが身代わりに成った様だ、そこに倒れている」
しばらくして、そのロボットは立ち上がって、有田の処に飛んで来た。
「これは?」
「ボディガードよ」香澄が戻って来たのだ。
M1が香澄を抱いて飛んで来た。
「このM1と同じで有田さんを守るわ」香澄が加わると、今度は形成逆転、バリヤーとサイコキネシスの力で(シリウス)の動きを止める。
Mロボットが背後を守るから戦い易い、そこに薄汚いロボットが次々に飛んでくる。
南のロボット、後方に待機している水谷のロボットも飛んで来た。
深海に一万年も眠って居たM型ロボットが、御主人の行動に合わせて作動したのだ。
戦わないが、守りは堅い、自分の主人を守れる距離に待機して、危険が近づくと身を呈して守る。
地球上のあらゆる攻撃には耐えられる構造、統べて特殊金属、総ての超人達の傍らにM型ロボットが揃ったのは、その日の夕方だった。
反逆コンピュター(アトラン)は超人達が集まっては勝ち目が無いので、戦車の動きが完全に停止した。
(シリウス)も何処かに飛んで行ってしまった。
潜水空母も海中に沈んで、姿を消し、戦闘艦が移動をして東京湾の方向に向かった。
香澄はムー号から、母船を引き上げなければ成らないが、その為には特殊金属の潜水艇が必用なのだ。
この敵の特殊金属を加工して、潜水艇を作る方法しか無い(アトラン)の工場を使う事を考えていた。
本来なら、地球がもっと発展して、生産が出来る施設も有る筈だった。
香澄は、目の前の戦車を手に入れようと、奇襲攻撃に出た。
サイコキネシスで、裏向けにしてしまった。
有田の刀が戦車の裏を破壊する。
ロボットの操縦で作動していたのか、隙を突かれて、三台とも行動不能状態に成った。
裏面は特殊金属が無いので、有田の刀でパンを切る様に破壊された。
佐藤が怪力で分解を手伝う、表面の特殊金属を回収して、スクラップに成るのに、二日で二人は綺麗に終わった。
香澄は戦闘艦と潜水空母を手に入れれば、相当金属が集まる。
何としても手に入れたい。
(アトラン)の動きが止まったのだ。
攻撃もしない、東京湾の入り口に停泊したまま、数日間活動をしていない。
超人達の行動も止まっていた(アトラン)は自動修復に入っていたのだ。
自分で自分を治す為に、機械の点検を自動で行う、その期間は眠った様に成るのだ。
三年間に一度三日眠るから、冬眠の様な作業、それは誰にも判らない、この様にして一万年堪えず新しい能力を保っていたのだ。
超人達も埋め込まれたチップが止まって、何も行動をしないので、唯普通の生活をしている。
東京に潜伏していた三人も普通の人間に戻った動きをしているだけだ。
ムー号にもこの(アトラン)と同じ様な、コンピュターロボットが存在しているのだが、作動していない。
それを作動させるのが、香澄達の役目、巨大な宇宙船が活動を始めるのだ。
母船の部分だけが本船から離れて、海底から浮上して来る筈、もう本船は海底のゴミだろう、母船が動き出せば惑星に戻れる。
地球の現状を伝えられるから、将来二つの惑星の利用で隕石の襲来から救える、この地球の人達を救う事も出来るのだ。

香澄はイージス艦に自分達が乗り込んで、戦闘艦の破壊を提案した。
何かトラブルが発生している今が好機と考えた。
戦闘艦に近づかなければ、サイコキネシスの力も半減するから、足立は総理亡き後はもう、自由に指揮する以外道は無いと考えていたので、香澄を全面敵に支持した。
台湾の様に東京を壊滅させる予定で、東京湾に停泊していると見ていた。
近づくイージス艦、無反応の戦闘艦、有田がジャンプで乗り移る。
戦闘艦の攻撃装置を切断しようとした時、大きく有田が海に跳ね飛ばされた。
Mロボットが素早く飛んで海面すれすれで助けて、イージス艦に戻す。
戦闘艦が動き出したのだ。
レーザー砲がイージス艦の方向に向く、イージス艦が離れる。
発射されるレーザー砲、右に逸れる、南が方向を変えたのだが、連続攻撃には耐えられない。
「駄目です、逃げましょう」一斉に海に飛び込む有田、南、香澄、佐藤、森山はいち早く飛び込む、魚の様に泳ぐから、Mロボットは助けない。
他の四人が飛び込むと同時に、イージス艦の右舷に命中、Mロボットが四人を直ぐに救出して、空を飛ぶ、イージス艦は二発目が命中して、黒煙をあげた。
足立の元に戻った香澄が「残念でした、もう少しだったのですが」
「東京に攻撃が来るのか」
「多分」
「避難だな」
「はい、急いで下さい」
だが戦闘艦は東京湾の中に侵入してこなかった。
森山が、船底に爆薬を放り込んだのだ。
船体の下の部分は普通の鉄で造られていたから、航行が不能状態に成った。
森山が戻って「香澄さんの考えの通りでした、船底は弱いです、スクリュー一基を壊しましたから、速度が落ちて、操舵が難しく成ったと思います。」
「あの、戦闘艦にどの様な超人が乗っているかが問題よ、今でも出て来ないから、飛べる超人は居ない、サイコキネシスは確実に居ます、何処かに接岸して超人を降ろして戦うか、潜水空母が来て、そちらに移り移動するかの、どちらかですね」
香澄の読みと異なって、戦闘ヘリが数機静岡上空から名古屋に向かって攻撃を始めた。
(シリウス)が同じく名古屋方面に飛来して、暴れ始めた。
町を破壊していく、戦闘ヘリに自衛隊のヘリと戦車が応戦するが、劣勢、(シリウス)が加わって、名古屋の町は壊滅状態、南と有田がMロボットに連れられて名古屋に向かった。戦闘ヘリを撃ち落とさなければ(シリウス)と戦えない。
潜水空母は、密かに戦闘艦に近づいて、超人達の移動が目的だ。
名古屋に気を取られている隙に全員が移動を完了して、輸送ヘリに乗り込んで超人達が何処でも行ける状態に成った。

死闘

    9-25
(アトラン)は超人達を守るMロボットの存在は知っていたが、沈没の深海から一万年以上の時間を経過して、作動、救援に来る事を把握していなかった。
まさか、海底のムー号から、超人達の警護に来る事は想定外だったのだ。
 
南と有田の能力で、戦闘ヘリは瞬く間に墜落をさせたが(シリウス)は簡単には倒せない。サイコキネシスで動きを遅くして、有田が刀で切りつけるが、かする程度、もう一人位のサイコキネシスの力が無ければ、致命傷を与えられない。
(シリウス)は目的を達成したので、飛び去ってしまった。
その早さは誰も追いつけない。
戦闘艦は戦闘準備に入って、ロボット操縦で超人達が居なくなったので、スクリューの故障も有って、玉砕させようとしていた。
(アトラン)は超人を一人、一人の抹殺を考えていた。
研究施設に忍び寄る三人の超人、村中と石山を狙って居た。
大学生の三人に教えながら、今は深海艇の設計図を元に、地球上の物質で制作を進めて、勿論特殊金属が手に入れば、新しく造る予定だ。
三人の大学生、富田、権藤、庄司には、次々と造る物、統べてが、驚嘆の品物だ。
この潜水艇も地球上では最高水準の代物だろう、マジックハンドを操作して深海でも、自由に行動が出来るのだが、ムー号の沈没地点では、この潜水艇の耐久度では行動が困難だ。

A4,A7,A8の三人が近づく、二人の側にはMロボットが監視をしている。
「あれは何?」
「ロボットの様だが、造ったのか?」
「良く、見て、あれは特殊金属の色だ」
「何故?彼等が、手に入れているのだ?」三人はロボットの警備に驚く。
「あのロボット、私達を感知するか、近づいて見るわ」カメレオンのA3が近づく、直ぐに感知したのか、警備の体制に成る二台のロボット、A3は直ぐに戻って「無理ね、感知しているわ」
「三人でバラバラに攻めましょうか?」二人が誘き寄せて、その隙に殺す、計画を立てた。

輸送ヘリに乗った超人達が移動を開始、戦闘艦もゆっくりと東京湾に入ってきた。
A3一人とロボットの潜水空母は別の処に移動(ヘリオス)も異なる地域、香澄達を分散させて、葬る作戦にでた。
Mロボットに各自は守られているが、戦闘をしない。
轟、森山、堺、水谷姉妹を守るのはMロボットのみに成っている。

戦闘艦の破壊に向かう有田、香澄、佐藤、南の四人Mロボットに連れられて、戦闘艦に乗り移ろうとして、上空に行く。
小型のレーザー銃が四人を狙うが、巧みにかわすロボット達。
この戦闘艦を分解すれば、相当の特殊金属が調達出来る。
香澄の作戦は乗り込んで艦を占領する事、佐藤が引きつけて、その隙に甲板に降り立つ香澄と有田、南のサイコキネシスでレーザー砲は意味不明の方角を向いている。
佐藤がようやく甲板に降り立つ、佐藤が怪力で扉を引きちぎる。
中からロボット兵士が、光線銃を発射してきたが、Mロボットが素早く佐藤を庇って光線銃を受けると、特殊金属の胸の色が変わる。
南のサイコキネシスがロボットを突き飛ばすと、佐藤が素早く足を持って、海に放り込む。ロボットは泳げないから海中に沈む。
鋼鉄製だから、有田の刀で首が飛ぶ、それでも銃口はこちらを向いている。
次々と手を持って海に放り込む佐藤、だが、ロボットも次々と出て来る。

一方、A7が壁の色に同化して村中と石山に近づくと、入り口の自衛隊と警察の警備陣はA8の催眠術で倒れていく、A4は部隊長に変身して、堂々と歩いて、部屋の奥に進む。
(アトラン)は此処で、武器とか新兵器を製造している事を調べていた。
「部隊長、何かご用でしょうか?」研究棟の入り口の監視員が尋ねると「今の研究の状況を尋ねに来たのだ、超人達の攻撃が始まって困っているのだ」
「どうぞ」A4が中に入った。
広いスペース、中央に大きな潜水艇は殆ど完成をしている。
沢山の作業員が忙しそうに、働いて居るが、超人が何処に居るのか「異星人は何処に居る?」「異星人?」研究員には判らない、A7がテレパシーで「こちらよ」と教える。
「ロボットが横に居るのが、アール人です」A7は一度忍び込んで調べていた。
A8も中に侵入してきて、警備員が一斉にA8を取り囲む。
集団催眠で眠らせて、襲いかかる警備員を光線銃で撃ち殺す部隊長「偽物だ、取り押さえろ」警備員が部隊長に気づく、光線銃が石山を狙っている。
発射と同時にMロボットが身を呈して光線銃を受ける。
「逃げろ」村中に石山が叫ぶ、三人の大学生が村中に付いて逃げる。
石山に再び光線銃が発射されてMロボットが再び防ぐ、近づくA7カメレオン女、催眠のA8も光線銃を発射、それもMロボットが防ぐ。
村中のテレパシーで危険を知らせると、香澄が水谷姉妹と森山を研究施設に行くように指示をして、蘇生と傷の手当ての為だ。
だが此処に超人達が近づいて、A―1256の四人が水谷達の処に近づいていた。
三人はいち早く本部を離れたが、轟と堺の居る本部に近づいていた。
足立に「超人が四人来ました、手に負えません」
「サイコキネシス、怪力、刀、俊足の四人ですね」
轟が空に舞い上がったが、サイコキネシスで動きが止まる。
「あっ、捕らえられる」堺が叫ぶ、引き寄せられる轟、Mロボットが横に付いて居るが、それにジャンプのA1が刀で襲いかかるが、かわすMロボット、怪力A5が大きな金属の塊を投げつける。
轟に当たる寸前でロボットが止める。
堺から緊急事態の連絡が香澄に届くと、香澄は戦闘艦を三人に任せて、M1で戻る。
他のMロボットよりも高性能で香澄のテレパシーで行動をする。
基本的には香澄を守るが命令にも反応をするので、最初は判らなかったが徐々に、操作方法を会得していた。
他のロボットはテレパシーでは行動はしない。
轟のMロボットに金属片と同時にA1の攻撃が、しかし轟を守る為に離れない。
刀が轟の身体を切り裂こうとした時、Mロボットが右手で刀を受け止める。
サイコキネシスで動けない轟、堺が足立達と本部を脱出していく。
「速く逃げろ」の轟からのテレパシーで逃げる。
Mロボットの右腕が、外れてブラブラに成って居る。
刀をまともに受けたから、流石の特殊金属も切断された。
轟は力尽きて、地上に落下、Mロボットはその轟の身体を左手一本で受け止める。
そこに怪力男A5が襲いかかると、Mロボットを捕まえてビルにぶつける、
吹っ飛ぶMロボット、ビルに激突して、ロボットは動かなく成った。
轟の心臓をA1の刀が突き刺して、息絶えたのだ。
Mロボットは守人が居なくなって停止してしまった。
「あっ」香澄は轟が死んだ事を上空で感じた。
今、あの三人を戻しても蘇生は三人にも危険だ。
今は石山達を助けるのを優先するべきだと判断したのだ。
四人の超人達は足立達を追って、堺を殺す為に、俊足男がいち早く、逃げる方向を探す。
危機迫る足立と堺少年「追ってきています」堺には光景が見えたのだ。

これまでの主な人物紹介
アール星人
早乙女香澄、二十二歳、テレパシー、サイコキネシス(手を触れないで、物を動かす)
有田俊、二十八歳、アール星の戦士、サーベルの達人、凄いジャンプ力
村中保、四十歳、アール星の科学者、テレパシー、数学の天才
水谷洋子、二十一歳推定、テレパシー、治癒能力
水谷瞳 、二十一歳、身体の悪い部分を即座に探す、医学の天才
佐藤浩三、三十代、ヘラクレス、怪力
堺道行、中学生位、テレパシー、透視、遠くが見える
南一樹、四十代、テレパシー、サイコキネシスの優勝者、火を使える
森山秀、水の中を魚の様に泳ぐ、蘇生、テレパシー
轟翔太、鳥の様に空を飛ぶ
M1ロボット、特殊金属、香澄のテレパシーで命令を聞く
その他のMロボット、各超人を守るのみ、命令は出来ない、
地球の人々
本城和美、病院の看護師
本城瞳 、和美の妹大学生
井尻努、漁船の船長
的場刑事、静岡県警ベテラン刑事
小林刑事、静岡県警
井上刑事、静岡県警、若手
安西捜査課長、名古屋県警
足立淳三郎、防衛省政務官
風間悟、和美の彼氏、新聞記者
富田修三、理工学の大学生
権藤司、理工学の大学生
庄司徹、理工学の大学生
地球の征服の反乱ロボット集団
知能ロボット、アトラン、 優れた知能、アトランティス号のメイン頭脳
超人A-1、刀とジャンプ
  A-2、サイコキネシス
  A-3、テレパシー、科学者
  A-4、テレパシー、変身の女性
  A-5、ヘラクレス、怪力
  A-6、俊足、吸盤、ジャンプも出来る
  A-7、テレパシー、カメレオンの様に壁に同化して、消える
  A-8、テレパシー、催眠術、サイコキネシス
武器、兵器
潜水空母、外部を特殊金属で覆って、地球上の攻撃には無敵
戦闘艦、 規模は巡洋艦、特殊金属で覆われて、攻撃を受け付けない、
     特殊ミサイル搭載、レーザー砲三門、レーザー光線装置多数装備
巨大ロボット  シリウス、特殊金属、

危機一髪

    9-26
戦闘艦での激闘で佐藤達が制圧を終わった時、船が大きく傾いた。
(シリウス)が体当たりをしてきたのだ。
三人は急いで甲板に出ると、南のサイコキネシスで、二度目を食い止める。
(アトラン)は三人を此処に釘付けにして、その間に、他の超人の始末を目論んだ。

研究所では三人の超人に襲われた石山が危機に、Mロボットの奮戦で辛うじて耐えている状態。
忍び寄るカメレオン女のA7、催眠術のA8と部隊長に変身しているA4の光線銃を一手に引き受けて防戦のMロボット、床と同化して近づくA7まで防げない。
光線銃が床から発射されて、石山の背中に命中した。
倒れる石山、Mロボットはまだ戦っている。
石山がまだ生きて居るから、トドメの光線銃が発射されるとMロボットが身を呈して、光線を防ぐ時、水谷姉妹と森山が研究室に到着した。
レーザー銃を装備している三人は、適当に乱射すると、三人の超人が退散を開始する。
此処でも三人のMロボットが邪魔をするから、三人の光線銃は当たらないで、逆に乱射の銃は危険だ。
危機一髪石山は助かった。
水谷姉妹の超能力で、一瞬で回復する石山「ありがとう、危機一髪だった」と喜んだ。
逃げていた村中達が、戦闘が終わったので戻って来た。

堺と足立を追い掛けるA1、2、5、6の最強メンバー、俊足男に行く手を阻まれて、後の三人が追いついて来る。
この二人を警護する自衛隊と警察の連合軍の打ち合いが始まる。
一人の超人を撃てない、もの凄く動きが速い、足立が車を走らせ様とすると、動かない。
「駄目です、追いつかれました、サイコキネシスで、車は使えません」堺が言う。
車に乗っていた四人は車を降りて歩き出すと、A1、2,5が追いついた。

ようやく香澄が轟の亡骸に対面した。
傍らに動かないM32ロボットが腕をブラブラさせて、動かない状態で立っている。
香澄はM32ロボットと轟の遺体を、目に付かない場所に移動させて、堺にテレパシーを送ると「危うい状態です」と返事が来る。
M1ロボットに抱き抱えられて、堺の場所に急ぐ香澄、強烈なテレパシーを感じる香澄。
共同で攻撃が出来る波長、堺は香澄のテレパシーを使って、相手の行動を攪乱出来るテレパシーが出来るのだ。
香澄が堺の範囲に入ったのだ。
四人に強烈な攻撃が炸裂したら、頭を抱える四人は動けない。
「堺君、Mロボットで脱出して」
「はい、でも足立さんは?」
「大丈夫、彼等の狙いは堺君だから」
「はい」
数分間は行動が出来ない四人、身体が麻痺している。
一度使うと、二十四時間以上使えないが、此処は逃げるのには最高の技だ。
香澄も、一度体制を立て直さないと戦えないので、研究所に引き上げる事にする。

(シリウス)も(アトラン)からの指令で、戦闘艦から撤退して、何処かに飛んで行った。
戦闘艦は三人が完全に掌握して、操舵ロボットに港に航行させていた。
レーザー砲の発射装置は佐藤達に完全に壊されて、使い物に成らない様にされた。
「香澄さん、戦闘艦は完全に掌握しました」
「港に、接岸させて、今後はスクラップにするから」
佐藤一人に任せて、二人は研究所にMロボットに抱き抱えられて向かった。

敵の超人達も(アトラン)の指示待ち状態、輸送ヘリで潜水空母に一時集合をしていた。
(アトラン)の基地から新しい戦闘ロボットが造られていた。
輸送機に乗せられて、新に投入されようとしていた。
M型ロボットに対抗して製作されたが、鋼鉄製、もう特殊金属が無くなって居たから、警察と自衛隊を、超人達から切り離して攻撃をし易くする目的とMロボットの攪乱用に投入された。
(アトラン)の無人島の地下には膨大な工場が、存在していたのだ。
ロボットの作業員が多数作業をして、世界各地から略奪をしてきた材料を加工して、戦闘艦とか空母まで造る技術は、世界最高水準を上回る。
(アトラン)の島の近くの同じ無人島に大きな造船所が有るが、まだ発見されていない。
流石に大きな船はもう建造はしていないが、ロボット、戦闘ヘリは今も急ピッチで製造しているのだ。
戦闘ロボットを載せた輸送機の到着を待つ為に、浮上する潜水空母、アメリカの偵察機に発見されて、全世界に発信された。
輸送機もレーダーに感知されて、アメリカの空母から、戦闘機が発進、国籍不明機を撃墜の為に近づく、輸送機は戦闘能力が低い、射程に入った時に(シリウス)から、小型のミサイルが発射されて、次々と撃墜されてしまった。
(シリウス)のミサイルは誘導ミサイル、発射と同時に戦闘機は逃げる事が出来ない。

海上ではアメリカの二隻の駆逐艦が接近、魚雷を発射するが、サイコキネシスで自分の仲間の船に命中、炎上してしまう。
輸送機は楽々と潜水空母に着陸して、沢山のロボットが輸送機から降りてきた。
人型ロボットで短距離なら飛べる設計で、光線銃を標準装備、超人達の命令に従う設計、性能的にはMロボットよりは数段落ちる。
特殊金属では無いから、地球上の武器に壊れる欠点が有る。

香澄達は轟を弔い、M32ロボットを戦闘艦に積み込む。
タグボートで引かれて、造船所に運ばれる戦闘艦、スクリューを修理して、(アトラン)の基地に向かう時に使うと香澄が説明して、修理出来る箇所を修理するのだ。
戦車の特殊金属も戦闘艦に積み込むと、兵器を取り外して、輸送用に使うのだ。

(アトラン)との第二ラウンドが始まろうとしていた。
石山と村中、そして学生は潜水低を完成させて、本番に備える点検をしている。
実戦で使う潜水艇は今の五倍以上の大きさ、地球上の金属では深海に行く前に破裂をしてしまう。
今の潜水低でも五人は乗れる優れもので、三人の学生はその技術の高さに驚いていた。
世界に有る潜水艇よりも高性能だったから、唯水圧で、ムー号の地点までは行けない。
マジックアームも従来品とは比較できない滑らかさ、まるで人間の手が船体に付いている様に動く。

高性能ロボットM1

        9-27
科学者二人が欲しいのは、特殊金属とそれを加工する設備だ。
今の地球上に唯一存在するのは(アトラン)の工場だけだろう、多分そこには特殊金属で作られた溶鉱炉の様な物が存在して、加工が出来るのだろうと考えていた。
今の地球上では、この特殊金属を加工する設備は作れない。
戦闘艦に特殊金属を載せて、地中海まで運んで(アントラ)の基地で、特殊金属を加工して、深海艇の建造をする作戦だ。
その為には、特殊金属の潜水空母も沈めずに捕らえる必要が有る。

香澄が「敵の戦力がアップした様ね、アメリカ軍が遊ばれたわ」
「超人八人ですね」
「大体判りましたね、敵のエスパーの能力が、サイコキネシスが一人、刀ジャンプ、俊足の男、怪力、変身をする女、催眠術、壁にでも、床にでも成るカメレオンの様な女、後一人は指令をしている、テレパシーの強い人でしょう」
「大きなロボットが強敵ですね」
「大きい、早い、頑丈、手強い」
「特殊金属で覆われて居るから、無敵ね」
「村中さん達、科学者の目から見て、弱点は?」
「特殊金属の接合部分が弱い可能性が有りますね」
「腕の付け根、足の付け根ですね」
「そうです!有田さんの刀で、そこを切れれば、打撃を与えられます」
足立を交えた超人達の会議が続いていた。
決戦は近い。
Mロボットの様に全体が特殊金属なら、地球上の兵器には無敵状態なのだが(シリウス)は外側だけが特殊金属なので、弱点は大いに有りとの判断。

敵方の超人達に戦闘ロボットの部下が配置されて、輸送ヘリで移動を始めた。
(シリウス)も戦闘に加わる様で、決戦の様相、香澄は密かに森山に、潜水空母が浮上した時、船の横の特殊金属と普通の鋼鉄の境目にプラスチック爆弾をセットする様に指示していた。
潜水を出来なくして、逃げられなくする作戦を考えていた。

飛び立つ輸送ヘリ、潜水空母は駿河湾に現れた。
富士山の近くでの戦闘を考えた様だ。
A3を残して、本隊が静岡に向かい、変身、カメレオン、催眠術の三人は再び研究施設を襲う為に、移動をしていた。
戦闘ロボットは目立つから、三人の隠密行動、科学者二人の抹殺をすれば、ムー号の浮上は多分阻止出来るからだ。
駿河湾の潜水空母の船底に森山が近づいて、爆弾をセットした。
「今、終わりました」とテレパシーを香澄に送った。
それをA3が感知して、何者かが、近くに来て居る。
テレパシーで探すので、船から離れる森山、戦闘ロボットが数体空母から飛び立つ、短距離なら空も飛べる、海も潜れる。
A3に居場所を発見されて、追い掛けるロボット、魚の様に泳ぐ森山、五体のロボット、ミサイルが発射される。
上手にかわす、森山に命中しそうなミサイルは、Mロボットが身を呈して阻止をする。
「五体のロボットに追われています、やばい状態です」
「御前崎に水谷さん達を急行させるわ、怪我をしても戻って」
Mロボットも森山も攻撃能力は無いから、レーザー銃を持っているだけで、海中では、威力が半減するから難しい。
香澄と水谷が御前崎に向かう、Mロボットに抱き抱えられて、もうすぐ爆弾が爆発すると香澄が思った時、潜水空母に大きな爆発音が轟いた。
アンドロイドの船員が「船体の側壁が爆破されました、潜行不可能です」
「何!修理は出来ないのか」
「港に接岸しなければ、無理です」A3は移動を諦める。
総攻撃の為に、爆撃機も出動させる為、アンドロイドの操縦士を乗せて、離陸準備に入る。研究所を爆撃する為だと日本軍は判っていても、飛行機が離陸出来る空港が近くに無い。

疲れる森山を襲うロボット五体、御前崎が見える位置まで近づいている。
既に三人は到着しているので、香澄はM1ロボットに森山の救出を命じた。
飛び立つM1、一気に水中に潜行して行くと、五体に囲まれて、一斉にミサイルが打ち込まれる。
Mロボットが防ぐが、森山の身体を掠めて爆発して、衝撃で吹っ飛ぶ森山をM1ロボットが素早く受け止める。
追い掛ける戦闘ロボット、早いM1ロボットは一気に海中から空に飛び上がる。
Mロボットも遅れて付いて来るので、まだ森山が生きて居る証拠だ。
「戻って来るわ、怪我をしているわ、意識がない」
香澄はテレパシーの返事が無いので、森山の身体が相当、傷ついていると感じていた。
Mロボットの後を戦闘ロボットが追い掛けて来る。
ミサイルが次々発射されるが、ミサイルは方向を逸脱して飛ぶ、香澄のサイコキネシスが誘導をしている。
M1ロボットが森山を寝かせると、直ぐさま、戦闘ロボットに向かって行く、早い、戦闘ロボットに体当たりをするM1。
吹っ飛ぶロボット達、特殊金属の高性能M1に戦える筈も無く、地上に落下して、鉄屑状態のバラバラに成って行く。
水谷姉妹の能力が間に有った森山は見る見る回復して、目覚めた。
「危ない処でした、ありがとう」と笑った。
「森山さんのお陰で、潜水空母はもう、潜水出来ません」
「良かった、これで勝てますね」
「敵も、必死でしょう、総攻撃で清水の北の方に、超人達が集まっていますね」
「山の方が、被害が少なくて良いですね」
「超人達と戦闘ロボットの集団、佐藤さん、有田さん、南さんと護衛のMロボットの対決ですね、大型ロボットが参戦してくると不利に成ります、私達は近くに行って、怪我をしたら、助けましょう」
四人はMロボットに抱かれて、決戦場に向かう。
爆撃機が二機、空母を離陸して、名古屋方面に向かった。
研究施設を攻撃の為、爆撃機が飛び立つと数機の戦闘ヘリも空母の甲板に現れた。
これでこの空母には何も残っていない、A3は自身もヘリで密かに移動をした。
空母が襲われる危険が有るからだ。
香澄が研究施設に爆撃機が向かったのを知ったのは、しばらくしてからだった。
水谷達を残してM1に抱かれて、急ぎ研究施設に行く、バリヤーに守られた施設に爆撃が容赦なく落とされている。
M1に爆撃機を撃破する様に命ずる香澄、M1の動きは速い。
爆撃機の方向を勝手に変えてしまうと、一機ずつ海に移動させて、墜落させるのに、時間は掛からない。
素晴らしい能力と特殊金属の身体は、地球上では不死身だ。
深海から何日も掛かって香澄を守って、唯一香澄のテレパシーの指示で行動するロボット。おそらく惑星アールの最高技術で造られたロボットだろう。
香澄は知らない能力をまだまだ秘めていそうな気がするのだ。
だが、三人の超人が村中と石丸に近づいていたのを、香澄も当人達も知らない。
(アトラン)はこの二人の抹殺が、香澄の使命の絶対条件、ムー号の地球脱出作戦の失敗を意味する。

宇宙のメカニズム

   9-29
戦闘艦と潜水空母を残して、敵は消え去った。
(アトラン)はこれで潜水艇の製作は無理だろう?体制を立て直して地球の征服に乗り出す予定に成った。
二体のロボットと超人達を、基地に集結させて、次の計画に着手した。
アメリカの大統領にA-4が成り代わる事、対抗の各国には、ロボットと超人を派遣して、混乱をさせる計画だ。
(アトラン)の計画でどの位の超人が、生き残るか不明だったが、幸いムー号の五十人は十名程で、アトランティス号の超人は(アトラン)の手の中に有るから、いよいよ、本格的征服に乗り出したのだ。
約二億年後には、この地球に隕石が飛来する事は計算している(アトラン)は、アール星に、この地球の人々を移住させない。
奴隷として使う、地球上はロボットとアンドロイドの楽園とする計画だ。

香澄達は次の計画を、足立政務官を交えて話し会っていた。
「敵は飛び去ったが、今後はどうなるのだ?」足立が香澄に尋ねると「村中さんが亡くなって、安心したと思いますね(アトラン)の目的はムー号が浮上する事を阻止、地球人のアール星への移住の阻止だと思います」
「何故、ムー号を引き上げるのだ」
「もう、ムー号自体の浮上は出来ないと思います、機関部分と切り離せるのです」
「それでは、君たちは機関部分を引き上げてどうするのだ?」
「本当は、ムー号もアトランティス号も健在で、私達の指導によって、地球の人々の移住のお手伝いをするのが、本来の目的です」
「アトランティス号が破壊されたのかね?」
「はい、アトランティス号の中枢を司る、コンピュターとでも云いますか、頭脳ロボットが反乱を起こして、地球に移住中の人々を含む母船を破壊したのだと思います」
「ロボットの反乱か、漫画の世界だな」
「巨大なアトランティス号の沈没は、多分地球上に巨大な津波を起こしたと考えられます、ムー号も人々が移住中でドームが開放していたと考えられます、津波はムー号の操縦を不能にして、沈没海底深く沢山の人々と共に水没したと、考えられます、残った人々が世界各地で細々と生活を始めて、文明が発展した」
「大陸の様な、母船が沈んだのか?」
「その為、私達が遅れてきて、移住する計画が、文明の遅れで出来ないのと、二つの母船も存在しません」
「その、君たちが来たアール星は今どの様に成っているのだ?」
「隕石の嵐の中でしょう、僅かな人々がシェルターで生活をして、冬眠カプセルに眠って居る指導者、科学者も居ます」
「いつまで、嵐は続くのだね」
「百年は続きますね、草木は燃えて、文明は消えます、地球も過去に何度もその中を通過しています、その度に文明は消えます」
「昔、生物が存在していたのか?」
「最近では巨大な動物の楽園だったと思います」
「我々の先祖は?」と足立が言うと、香澄が自分を指さして「私達ですよ」
「訳が判らんな」
「私達超人は母船から別れて、冬眠カプセルで約一万年眠って居ました、地球の周回軌道から、自動的に各母船の機関部分を目指して、カプセルが突入したのです」
「乗ってきた船はどうなったのだ?」
「カプセルの発射と同時に消滅しました」
「要するに、同じ船に乗ってきた君たち超人は、母船から切り離されて、一万年後に到着した訳で、私も、君たちも同じアール星の人なのか」
「はい、足立さんの先祖が私達と母船で過ごしていたのですよ」
「恐い話しだ」
「でも、ダイヤも石炭も石油も隕石の雨のお陰で出来たのですよ」
「君たちは宇宙のメカニズムを掴んでいるのかね」
「おおよそは、巨大な磁場を中心に廻っています、地球もアール星もゴミより小さい存在です」
「宇宙には生物は沢山居るのかね」
「太古の地球の様な星も沢山有ります」
「高度な生物は?」
「居ると思いますが、中々コンタクトは出来ません、広すぎます」
「アール星から、地球までどれ位離れているのだ」
「光の速さで千年程でしょうか?」
「千年?」足立が大きな声で驚く。
「私達のカプセルが光速では移動出来ないので、約一万二千年の時間差が出来るのです」「判った様な、判らない様な話しだ」
「私達は、戦闘艦と潜水空母の修理が終わると、エーゲ海の敵の基地に向かいます、基地を制圧して、製造ラインを使います」
「潜水艇を造るのか?村中さんが居なくても造れるのか?」
「大学生に村中さんが、教えていましたので、出来ると思います」
「私達は何をすれば?」
「船を操舵出来る人を数十人出して貰えませんか?アンドロイドの船員は総て破壊しましたから」
「判った、準備しよう」
超人達は船の修理の間、特殊金属を空母に載せる。
(アトラン)の基地の攻略方法の検討に毎日を使っていた。

A-3,4、7,8の四人はアメリカに渡って、大統領とすり替わる準備と機会を伺っていた。
中国の上海に(ヘリオス)と(シリウス)が現れて、大暴れをしていた。
香澄には何故、急に中国にロボットが行ったのか判らない。
軍隊を総動員させて、防戦をするが、二体のロボットは機敏で、直ぐに空を飛ぶ、ミサイルは撃ち込むで、術が無い状態、日本政府に超人の要請が有ったが、超人は日本国が管理していないので、今何処に居るのか判らないと返事をしていた。
香澄は出港の準備で忙しく、とても上海に行く時間が無かった。
基地を攻略以外に止める方法が無い事を知っていたからだ。

二隻の修理は夜を徹して行われ、石山達が戦闘艦の武器の修復を、学生達と重工関係者、科学者の手を借りて、レーザー砲、レーザー小銃が使用可能に成って、空母には建設資材、機器、ヘリコプター、敵の基地の土砂を取り除く道具、大勢の自衛隊の隊員も乗り込む予定だ。
集まった自衛隊員は動かないMロボットを珍しそうに見たり、触ったりして、空母の中に居住設備の構築もされて、戦闘ヘリ、爆撃機の代わりにホテルの様に変わる。
水谷姉妹に微笑まれて、愛想を崩す隊員も多いのだった。
戦車も数台、載せられて、空母は満員状態になってゆく、戦闘艦の船内も改造されて、居住設備が沢山出来た。
足立も一緒に行くと、張り切っていた。
始めは予定に無かったが、自衛官の統率の為と、ここで名前を売れば、次期総理の座が見えていた。
先の戦いでは一番の功労者で、マスコミにも多く出て、有名に成っていたからだ。

中国の二体のロボットは、上海を破壊すると、武器、兵器を次々と破壊して、中国国防軍の戦力は大きく落ちてしまった。
北京も火の海状態、手も足も出ない軍隊に、お手上げだった。
日本の戦闘を笑っていたが、超人達の能力を改めて、知る結果と成った。

先祖は同じ

     9-29
戦闘艦と潜水空母を残して、敵は消え去った。
(アトラン)はこれで潜水艇の製作は無理だろう?
体制を立て直して地球の征服に乗り出す予定に成った。
二体のロボットと超人達を基地に集結させて、次の計画に着手した。
アメリカの大統領にA-4が成り代わる事、対抗の各国には、ロボットと超人を派遣して、混乱をさせる計画だ。
(アトラン)の計画でどの位の超人が、生き残るか不明だったが、幸いムー号の五十人は十名程で、アトランティス号の超人は(アトラン)の手の中に有るから、いよいよ本格的征服に乗り出したのだ。
約二億年後には、この地球に隕石が飛来する事は計算している(アトラン)は、アール星に、この地球の人々を移住させない。
奴隷として使う、地球上はロボットとアンドロイドの楽園とする計画だ。

香澄達は次の計画を、足立政務官を交えて話し会っていた。
「敵は飛び去ったが、今後はどうなるのだ?」足立が香澄に尋ねると「村中さんが亡くなって、安心したと思いますね(アトラン)の目的はムー号が浮上する事を阻止、地球人のアール星への移住の阻止だと思います」
「何故、ムー号を引き上げるのだ」
「もう、ムー号自体の浮上は出来ないと思います、機関部分と切り離せるのです」
「それでは、君たちは機関部分を引き上げてどうするのだ?」
「本当は、ムー号もアトランティス号も健在で、私達の指導によって、地球の人々の移住のお手伝いをするのが、本来の目的です」
「アトランティス号が破壊されたのかね?」
「はい、アトランティス号の中枢を司る、コンピュターとでも云いますか、頭脳ロボットが反乱を起こして、地球に移住中の人々を含む母船を破壊したのだと思います」
「ロボットの反乱か、漫画の世界だな」
「巨大なアトランティス号の沈没は、多分地球上に巨大な津波を起こしたと考えられます、ムー号も人々が移住中でドームが開放していたと考えられます、津波はムー号の操縦を不能にして、沈没海底深く沢山の人々と共に水没したと、考えられます、残った人々が世界各地で細々と生活を始めて、文明が発展した」
「大陸の様な、母船が沈んだのか?」
「その為、私達が遅れてきて、移住する計画が、文明の遅れで出来ないのと、二つの母船も存在しません」
「その、君たちが来たアール星は今どの様に成っているのだ?」
「隕石の嵐の中でしょう、僅かな人々がシェルターで生活をして、冬眠カプセルに眠って居る指導者、科学者も居ます」
「いつまで、嵐は続くのだね」
「百年は続きますね、草木は燃えて、文明は消えます、地球も過去に何度もその中を通過しています、その度に文明は消えます」
「昔、生物が存在していたのか?」
「最近では巨大な動物の楽園だったと思います」
「我々の先祖は?」と足立が言うと、香澄が自分を指さして「私達ですよ」
「訳が判らんな」
「私達超人は母船から別れて、冬眠カプセルで約一万年眠って居ました、地球の周回軌道から、自動的に各母船の機関部分を目指して、カプセルが突入したのです」
「乗ってきた船はどうなったのだ?」
「カプセルの発射と同時に消滅しました」
「要するに、同じ船に乗ってきた君たち超人は、母船から切り離されて、一万年後に到着した訳で、私も、君たちも同じアール星の人なのか」
「はい、足立さんの先祖が私達と母船で過ごしていたのですよ」
「恐い話しだ」
「でも、ダイヤも石炭も石油も隕石の雨のお陰で出来たのですよ」
「君たちは宇宙のメカニズムを掴んでいるのかね」
「おおよそは、巨大な磁場を中心に廻っています、地球もアール星もゴミより小さい存在です」
「宇宙には生物は沢山居るのかね」
「太古の地球の様な星も沢山有ります」
「高度な生物は?」
「居ると思いますが、中々コンタクトは出来ません、広すぎます」
「アール星から、地球までどれ位離れているのだ」
「光の速さで千年程でしょうか?」
「千年?」足立が大きな声で驚く。
「私達のカプセルが光速では移動出来ないので、約一万二千年の時間差が出来るのです」「判った様な、判らない様な話しだ」
「私達は、戦闘艦と潜水空母の修理が終わると、エーゲ海の敵の基地に向かいます、基地を制圧して、製造ラインを使います」
「潜水艇を造るのか?村中さんが居なくても造れるのか?」
「大学生に村中さんが、教えていましたので、出来ると思います」
「私達は何をすれば?」
「船を操舵出来る人を数十人出して貰えませんか?アンドロイドの船員は総て破壊しましたから」
「判った、準備しよう」
超人達は船の修理の間、特殊金属を空母に載せる。
(アトラン)の基地の攻略方法の検討に毎日を使っていた。

A-3,4、7,8の四人はアメリカに渡って、大統領とすり替わる準備と機会を伺っていた。
中国の上海に(ヘリオス)と(シリウス)が現れて、大暴れをしていた。
香澄には何故、急に中国にロボットが行ったのか判らない。
軍隊を総動員させて、防戦をするが、二体のロボットは機敏で、直ぐに空を飛ぶ、ミサイルは撃ち込むで、術が無い状態、日本政府に超人の要請が有ったが、超人は日本国が管理していないので、今何処に居るのか判らないと返事をしていた。
香澄は出港の準備で忙しく、とても上海に行く時間が無かった。
基地を攻略以外に止める方法が無い事を知っていたからだ。

二隻の修理は夜を徹して行われ、石山達が戦闘艦の武器の修復を、学生達と重工関係者、科学者の手を借りて、レーザー砲、レーザー小銃が使用可能に成って、空母には建設資材、機器、ヘリコプター、敵の基地の土砂を取り除く道具、大勢の自衛隊の隊員も乗り込む予定だ。
集まった自衛隊員は動かないMロボットを珍しそうに見たり、触ったりして、空母の中に居住設備の構築もされて、戦闘ヘリ、爆撃機の代わりにホテルの様に変わる。
水谷姉妹に微笑まれて、愛想を崩す隊員も多いのだった。
戦車も数台、載せられて、空母は満員状態になってゆく、戦闘艦の船内も改造されて、居住設備が沢山出来た。
足立も一緒に行くと、張り切っていた。
始めは予定に無かったが、自衛官の統率の為と、ここで名前を売れば、次期総理の座が見えていた。
先の戦いでは一番の功労者で、マスコミにも多く出て、有名に成っていたからだ。

中国の二体のロボットは、上海を破壊すると、武器、兵器を次々と破壊して、中国国防軍の戦力は大きく落ちてしまった。
北京も火の海状態、手も足も出ない軍隊に、お手上げだった。
日本の戦闘を笑っていたが、超人達の能力を改めて、知る結果と成った。

決戦に向けて

 9-30
香澄達が暴れるロボット達を尻目に、一ヶ月が経過した。
大勢の自衛官達と一緒に、本城姉妹も乗船した。
風間記者達マスコミ関係者、看護師、医者も数人が乗り込んだ。
往復半年以上の日程、日本政府のバックアップで一代プロジェクトに成って、横浜港を盛大に見送られて、出港してゆく二隻の船、船内は相当安全だろうと思われる。
ロボットが攻撃に来ると、超人達と船の攻撃装備で戦えるからだ。
(アトラン)は全くこの二隻を警戒していない。
テレパシーを使わなければ、それ以外はテレビの画像とかしか、超人達を把握出来ないのだ。

船が出港した翌日、アメリカ大統領が突然に、核兵器の廃棄を発表したのだ。
驚く各国は勿論、アメリカ国内でも驚きで、マスコミも余りの唐突な発表に評価を出来ない状態に成ってしまった。
A-4が入れ替わって、大統領に成ってしまったのが、原因だった。
急に三人が側近に成っているので、逆らう人達は、A-8の催眠術で簡単に従って、本物の大統領は殺害されてしまった。
(アトラン)は地球が破壊されるのは困るのと、アメリカを使って、地球の征服を目論んでいた。
翌日には、軍部の幹部を呼んで、秘密の攻撃の為の艦隊を組む様に指示をしてしまった。
何も判らない軍の幹部は、何か重大な事が起こっていると考えて、大統領の指示に従った。
中国が攻められたので、今度はアメリカが狙われるのか?その懸念が有ったのだ。

香澄達の船がようやく、沖縄を過ぎた時、世界を震撼させる演説が行われた。
アメリカ大統領が、今後は(アトラン)に全面的に協力すると発表をしたのだ。
逆らう国は、アメリカ軍と巨大ロボットの攻撃を覚悟する様にと発表した。
驚いたのは議会の面々だったが、大統領の処に行くとA-8の催眠術で直ぐに服従状態に変わる。
数時間で議会も軍隊も一致団結で、アトラン帝国に服従しない国には、制裁を加えると発表してしまった。
直ぐさま、日本にも服従の打診がされた。
国会は総理の代行が一時考えると答えて、足立に子細を説明して、相談を持ちかけてきた。
今(アトラン)討伐の為に、向かう戦闘艦の足立が香澄に相談をする。
「日本の総理の時と同じですね、変身の超人が大統領に成ってしまった様ですね」
「どの様にしましょう?」
「私達が、基地に近づく迄は調子を合わせましょう、それと超人の科学者が亡くなって、残された超人達が困っていると、報道を大々的にして下さい、安心させましょう、私達もテレパシーを使っていませんから、把握が難しいから困っていると思います」
「判りました、その様に」
日本政府は直ぐさま、アメリカ追随を発表して、マスコミも超人のニュースを放送した。
それでも、(アトラン)を欺く為に、香澄はM1に抱かれて東京に戻って、テレパシーを使って(アトラン)の監視の目を背けた。
マスコミの報道、超人のテレパシーには敏感な(アトラン)は所詮機械で、感情が無い野が唯一の欠点なのだ。
足立の計らいで、テレビ局各社に香澄が作った画像を、順次流す手筈も整えたのだ。

アトラン帝国の呼びかけに応じなかった大きな国は、中国、ロシアの二カ国、アメリカ軍が大規模な艦隊の移動始めて、再び世界に呼びかけた。
アトラン帝国に賛同しない国には、アメリカとアトラン帝国が制裁を加える。
ロシアも中国と連携して、核兵器も辞さずの態度に変わって、アメリカに対抗意識を剥き出しにしてきた。
戦闘艦に戻った香澄に足立が「大丈夫でしょうか?核兵器を使用すると、息巻いていますが?」
「無理よ、核兵器は直ぐに使えなくされるわ」
「何故?」
「殆どの兵器は、暗号入力に成っているか、指紋認証とかセキュリティが万全でしょう?」「勿論だ!」
「(アトラン)はもう把握していますよ」
「作動しない?」
「その通りです、発射ボタンが押せません」
「恐い、ロボットだ」
「一万年以上住んでいますから、自分の基地の建設以外にも、地球上の事に精通していますよ」
「いつでも、乗っ取れた?」
「文明が低い時は、意味が無いので殆ど何もしていなかったと考えられますね」
「宇宙に行ける、文明を待っていた?」
「私達が、一万年遅れて到着したのと同じです」
「母船が沈んでいなければ、この地球はどの様な状態だったのでしょう?」
「太陽系以外にも人類が、行って開発していたでしょうね、特殊金属の様な物を採掘しているかも?」
「ロボットも作られていた?」
「アール星に移住の準備が進められていたでしょう」
「(アトラン)であの性能ならムー号にも同じ様な頭脳ロボットが?」
「同じ様な頭脳ロボットが有ります」
「それは?今?」
「私達が、作動させないと停止しています、着陸した状態で停止していますね」
「帰る行動は行わない」
「はい、移住計画は私が入力します」足立は話しを聞いていても、理解がよく出来なかった。

アメリカの大規模な艦船が、ハワイから中国に近づいていた。
ロシア、中国の連合もアメリカの艦隊に対抗するべく、集結して第三次世界大戦即発状態が近づいていた。
(アトラン)は偽の服従と香澄が作った、映像で超人達の動きを見ていたので、艦船の移動を感知していない。
香澄の指示で空母と戦闘艦に付いて居た(アトラン)との誘導、連絡、監視装置を撤去されていたからだ。
(アトラン)には、二隻は既に解体されたとの認識に変わっていた。
空母の中では、自衛隊員と超人達が友好関係を更に深めていた。
水谷姉妹、堺少年は人気者に成って、特に水谷姉妹の容姿には、全員が好意を持つ、南と香澄のサイコキネシスで、二隻の船を自由に往来できるから、尚更交代で超人達との友好関係が築かれる。
怪我をしても、一瞬で治る特技、堺少年が船の両端での遠視で読み上げる技術に驚嘆の隊員達だった。
これから、決戦に向かう迄の和やかな一時を過ごしていた。
日本の自衛隊も、アメリカ軍に加わって行動を共にして、近日中には戦闘に成りそうだった。

決戦のエーゲ海へ

     9-31                
アメリカ軍の行動を止める事は、香澄達には簡単だったが、今出て行くと基地を攻撃出来ないから、アメリカの連合軍対中国、ロシア連合の戦闘は傍観しなければ成らないのだ。

戦闘が開始されて先制攻撃の中国軍、青い空が飛行機の編隊で埋め尽くされる。
黒煙、爆発音、魚雷の発射で艦船が爆発、東シナ海は戦闘艦の攻撃で焦土と成った台湾の近海で始まった。
(ヘリオス)(シリウス)のロボットが参戦していないので、五分五分の戦いに成っている。
ロシアも中国も核兵器が使えない事に始めて気が付いて、上層部では混乱が起こっていた。
そこに二体の巨大ロボットが、襲いかかっていた。
ロシア大統領の住居にいきなり攻撃を加えるロボット二体、一気に破壊されて執務室から、危機一髪で逃げる大統領、直ぐさま白旗状態に成った。
ロシアも中国もアトラン帝国に服従を誓う他無かった。
戦闘艦で足立が「一日で、終わりでしたね」
「今の地球上の武器では、(アトラン)には勝てないでしょうね」
「世界を服従させて、次は何をするのでしょうね」
「私達、超人が邪魔ですから、探させて殺すでしょう」
「この船を狙う?」
「今は、まだ気が付いていません、急ぎましょう」
インド洋を航行する二隻はレーダーには感知されない装備が付けられているので、各国の偵察レーダーには見つからない。

(アトラン)は世界各国の首脳に核兵器の廃棄を要求して、高度な武器の没収を要求したのだ。
早速抵抗する中国、ロシア、中東の国、アメリカは大統領が率先して、廃棄を唱えた。
そのニュースに「今後は、ロボットの量産化、人間はロボットの奴隷にされると思われますね」と香澄が言う、その時日本政府に超人の逮捕と引き渡しが要求されて、テレビのニュースが大きく流していた。
日本政府の代理首相が超人は、何処かに消えていなくなったと説明していた。
アメリカ軍が、日本の港に次々と着岸して、兵士が上陸してきた。
大統領の命令で、超人の捜索がはじまったのだ。
東シナ海に集結していた艦隊が日本に来るのに時間はかからなかったからだ。
大統領の命令で、探し廻るが超人もロボットも発見されない。
艦船はインド洋からアフリカ大陸を横に大西洋を航行していた。
潜水空母は潜行して、艦船は日本の旗を掲げて悠優と速度を上げて、エーゲ海に向かっている。
元々、戦闘能力はずば抜けているので、地球上の攻撃兵器では中々戦えない構造の戦闘艦だ。
石山達がいなければ、この二隻の船はガラクタだったが、石山が率先して修理を行ったので見事に蘇っていたのだ。
戦闘艦をイギリスの偵察飛行機が発見して、本部に日本の艦船がヨーロッパの方向に一隻航行していますと報告をした。
その情報は直ぐさま、アメリカから日本に問い合わせが届いて、その様な艦船は知らないと答えてしまった。
(アトラン)がその艦船を発見するのに時間はかからなかった。
自分が造った戦闘艦が基地に向かっている事を感じた。
それは、超人達が乗っている事も容易に判断をしていた。
同士討ちをさせようと、イギリス、フランス、スペインの艦隊に攻撃を命じる(アトラン)敵わない事は判っていたが、航行を阻止は出来る。
(ヘリオス)(シリウス)のロボットを基地の守りに呼び戻す。
「敵が、知ってしまいましたね」
「同士討ちをさせる作戦ですね」
「どうします?」
「攻撃をしないで、突き抜けましょう」
「大丈夫でしょうか?」
「地球上の兵器では、この艦船は壊れません」
近づく艦隊、一斉に攻撃が始まったのはしばらく後だった。
甲板には誰も居ない、船室に待機、音だけが異様に響くが、戦闘艦は一切損傷が無い状態で航行する。
(アトラン)は同士討ちを目論だが、全く攻撃をしないでドンドン近づく戦闘艦、既に(アトラン)は空母の存在も確認していた。
基地の防衛の為に各国の艦船を島の近辺に、無数に停泊させて、航行の邪魔を目論む。
その隙に、原子力潜水艦で戦闘艦の弱点部分の攻撃をさせる為に、数隻をポルトガルの沖と地中海に呼び寄せていた。
自分の造った艦船に攻められるとは予想もしていない(アトラン)だが、弱点も知っている。
「私達が攻撃しないから、この船の弱点を攻撃してきますよ」
「防げるのか?」
「南さんのサイコキネシスと私で何とか出来ます」
「敵の艦船を攻撃出来ないのが困るね」
「はい」
堺少年が「潜水艦が五隻、来ます」と香澄に告げた。
空母の南に連絡をする香澄、こちらの艦船の速度が速いので、魚雷の発射も早い誘導にして、遠くに魚雷が誤爆して、大きな音が聞こえる。
次々と発射される魚雷の間を航行する二隻、魚雷同士が衝突して大きな爆発音と振動が艦船に伝わる。
自衛隊員も固唾を飲んで、耳を傾けている。
しばらくして、爆発音は終わった。
潜水艦を後にして、二隻はいよいよ地中海の方向に舵をきって、航行してきた。
ジブラルタル海峡には地上からのミサイル攻撃が、雨あられの様に艦船に着弾する。
大きな音が響き渡るが、損傷は皆無で、地中海で待ち構えるロシアとアメリカの潜水艦、一斉に発射される魚雷の嵐、大きな暴発音が船内に響き渡る。
魚雷同士の激突の爆発音、香澄は堺少年の透視の元での、サイコキネシスで切り抜ける。
南はサイコキネシスの威力が強いので、風を切る様に潜水空母を魚雷がすり抜けていくのだ。
(アトラン)が次は(ヘリオス)(シリウス)に攻撃をさせようと準備をしていた。
この二体のロボットの攻撃は簡単には、阻止出来ない事を知っている。
敵の基地を目前に対決が近づいていた。
空母が浮上の準備に入った。
海中ではロボットとは戦えないからだったが、南、有田、佐藤の三人と香澄で二体を倒せるか?

攪乱作戦

  9-32   
魚雷攻撃が撃ち終わると、潜水空母は浮上をして航行を始めた。
各国の艦船が集結して、体当たりでの航行阻止をしようとしたが、今度は香澄のテレパシーの威力が、船の航路を変えてしまうのだった。
次々と近づく船が急に進路を変更して、二隻の前から消えていく、香澄のテレパシーが艦長の行動を変更してしまうのだ。
海上で香澄の能力が存分に発揮されて(アトラン)は今更ながら、香澄のテレパシーの強さを確認したのだ。
「四人であの巨大ロボットに勝てますか?」と足立が尋ねる。
「石山さんが、電磁ネットを開発しましたから、自衛隊のヘリから撃ち込みます、佐藤さんと有田さんにも電磁ネットが発射出来る銃を持って貰っています」
「それはどの様な物ですか?」足立が尋ねると「(アトラン)と云う頭脳ロボットの指示で行動するので、指示を停止する作戦です」
「遮断ですか?」
「はい、上手くいけばロボットは停止すると思われます」
「成る程、流石に天才博士だ、石山さんは」
「違いますよ、亡くなった村中さんのアイデアです」その言葉に足立は沈痛な表情に成った。
潜水空母の甲板にへりが三機格納庫から上昇して、臨戦態勢に入った。
佐藤達の側にはMロボットが並ぶと、佐藤のMロボットは片腕でも守ろうとしている。
堺少年が「右前方より接近、体当たりをする勢いです」と大きな声をあげた。
「堺君、レーザー砲で、撃って」
「はい」戦闘艦のレーザー砲の照準を合わせる堺少年、二門のレーザー砲を前に二基、後方に一基装備している。
ミサイル砲三基、レーザーの機銃砲が数十基戦闘艦の各所に装備されていた。
ミサイル砲とレーザー砲で台湾を火の海にした破壊力が有るが、ロボットに効果が有るのか?不明な状態だった。
堺少年が見えてから、普通の人達が見えるまで、一分以上の時間がかかる。
「射程に入りました! 撃ちます」の声と同時にレーザー砲が炸裂すると、雷鳴の様な音と閃光が空に輝く、同時に巨大ロボットが吹っ飛んで海中に投げ出された。
森山が素早く飛び込むと、テレパシーで「二体共、沈んでいきます」
「直ぐに戻って来るわ、そのタイミングで、ヘリから撃ち込みましょう」空母からヘリが飛び立つ、海上に待機で指示を待つ「一体が、反転します」森山からの連絡に堺少年が海中を覗き込む、角度と場所を指示する。
へりがミサイルに搭載した電磁ネットの発射を準備している。
「もう一体も反転しました」森山の連絡、二体を同時に攻撃出来ないので、南のサイコキネシスに頼るしか方法が無いのだ。
森山は海中では、ロボットの動きと変わらない早さで移動する。
(シリウス)の浮上を待ち構えると、海面に飛び出す寸前に電磁ネットのミサイルを発射した。
三機から同時に発射したが、一つは外れて、ロボットの肩に引っかかると、二つが命中して頭にネットが被さった状態に成る。
動きが急に緩慢に成る(シリウス)続けて(ヘリオス)が海上に姿を現す。
南のサイコキネシスで動きが遅く成ると、有田がジャンプして電磁ネットを銃で発射、こちらはすっぽりと命中して、頭に被さった。
動きが遅く成った二体のロボットに続けて、ヘリから二発目が撃ち込まれる。
見ていて「成功ですね」足立が嬉しそうに喋る。
二体のロボットが今度は、変な動きに変わって、二体が全く別の方向に飛び去った。
「どうなったのでしょう?」
「誤作動を起こしています」
「ははは」足立は大声で笑って喜んだが、しばらくして(ヘリオス)はイタリアに、(シリウス)はスペインに上陸して、無造作に建物を破壊し始めた。
大変な被害が発生し始めて、軍隊の出動で対応をしたが、全く手が付けられない状況に成っていた。
二隻は地中海を目的の島を探して航行していた。
無人島で以前に各国が攻撃した島以外に、近くに工場の有る島が存在すると、香澄は信じていた。
地中海からエーゲ海の方向に向かう二隻、エーゲ海には無数の島が存在して、無人島も数が判らない程有る。
その間に(シリウス)はスペインからフランスに移動して、暴れてここでも軍隊が出動していた。
だが、暴れているのは頭に変なネットが被さっているのが、原因ではないのか?と取り外し作戦が行われるとは、香澄達の想定外のフランス軍の対応だった。
その様な事を知らない香澄はテレパシーを駆使して、活動の有る無人島を探していた。
中々見つからない、以前の島に到着した潜水空母から、島に自衛隊員の上陸が始まったのは島に到着した翌日だった。
ブルドーザー、ショベルカー、戦車も次々と上陸して、島を切り崩す作業に入った。
香澄はこの島は格納庫の様な場所だと思っていた。
(アトラン)の基地は別の場所に存在する。
この格納庫からロボットも戦闘ヘリも飛び立つ、船を造れる造船所の様な場所も近くに存在して今、自分達の乗っている戦闘艦も造られたと考えていた。
この様な巨大な船を造る場所、そして特殊金属を加工する、溶鉱炉の様な場所、この無数に有る島の数カ所に(アトラン)は様々な物を造る工場を備えていると考えていた。
堺少年も透視で島々を探すが、中々見つからない。
一方イタリアの(ヘリオス)はイタリアからギリシャに飛んで破壊を繰り返していた。
次々と壊すが、為す術のない状態に成って、嵐が過ぎ去るのを待つだけだ。
フランス軍が、ヘリを使ってネットを取り払う作戦を決行していたが、中々動きが速く再三失敗をして、ヘリが墜落していた。
だが、五回目にようやく、ネットを一枚取り払う事に成功して、(シリウス)の動きが変わった。
自ら、ネットを手で取り払ったのだ。
(アトラン)の指示が伝わったのだ。
取り払うと、直ぐに上空に飛び去って、潜水空母に向かって飛んで来たのだ。
「ロボットが戻って来ました」堺少年が叫ぶと同時に、ミサイルが空母に向かって撃ち込まれた。

ロボット対決

     9-33
「あっ、ネットが外れている」と堺少年が再び叫んだ。
ミサイルが空母に命中したので、大きな爆音がして、空母が衝撃に揺れる。
辛うじて特殊金属の部分に命中して、衝撃だけで終わった。
南がサイコキネシスで動きをギリギリで止めると、有田がジャンプでサーベルを切りつけるが、急所に命中しないので、磁気ネット銃で狙う佐藤、頭部を掠めて外れる。
三人の超人と(シリウス)の対決、南のサイコキネシスで、海上に吹っ飛ばすと有田と佐藤が銃を構える。
「体制を立て直して、体当たりをしてきます」堺少年が叫ぶと、南が再びサイコキネシスで、今度は上空に方向を変えると、空母の頭上をもの凄い勢いで、飛んで行った。
南でも中々止められない、方向を変えるのが精一杯だ。
堺少年を戦闘艦から移動をさせた香澄の行動が、空母を救った。
Mロボットが少年を運んで、護衛以外に移動をさせてくれる事を始めて知ったのだ。
テレパシーの使える超人にはこの使い方が判ったのだ。
Mロボットの能力はまだまだ、不明な部分が多くて、M1はもっと大きな謎の部分が有った。
近くの島にそのまま激突した(シリウス)もう一度襲ってくると思っていたら、上空を飛び去っていった。
(アトラン)がもう一体のロボットを正常に動かそうと、救いに行かせたのだ。
一体では互角の戦いに成るから(ヘリオス)を使おうと考えたのだ。
しかし、香澄はその二体に送る(アトラン)の微かな信号をテレパシーで捕らえたのだ。
発信された島に急行する戦闘艦「総攻撃をしましょう」ミサイル、レーザー砲で島を破壊する作戦だった。
潜水空母から島に渡った自衛隊と作業重機は、焼け野原の島の土砂を次々と海に落として行く、ここが格納庫だとは判っているが、中から攻撃する気配は全く無いのだ。
(アトラン)は格納庫を開けることが出来なくなって、超人達が居たからだった。
直ぐに進入されて、兵器を破壊されてしまうから、自衛隊だけなら速効で攻撃出来たのだが、今は二体のロボットの到着を待つのみ、我慢の時だ。
だがその時(アトラン)に大きな振動が伝わった。
戦闘艦から、基地に砲撃が始まったのだ。
ロボット兵が緊急配備についた。
過去にこの場所は一度も攻撃された事は無いし、地震に対する免震構造も地球上の最高水準よりも高いので、この振動は攻撃以外の何ものでも無い事は直ぐに判る。
次々と撃ち込まれるミサイル、レーザー砲、危機を感じた(アトラン)は超人達を呼び戻す。
ロシアに潜入していたA-1,2,3、5の四人に連絡が行った。
絶え間なく続く振動、島の形が変わる。
草木が燃えて、土砂が海中に沈むと、やがて金属の扉の一部が露出して「ここに間違いが無いわ、でも特殊金属の扉だわ、頑丈で一点に集中攻撃でないと、壊せないわ」と香澄が言う。
「面白い作戦が有ります」と石山が香澄に進言した。
「何ですか?」
「私と学生で作ったのですが、電磁シールドです、ネットの逆バージョンです」
「成る程、今度は発信を混乱させる」
「はい、今まで(アトラン)の場所が判らなかったので、術が無かったのですが、場所が確定すれば、この装置は完璧に使えます。距離が幾ら有るかが判りませんが」と言う。
香澄は砲撃を中断して、M1に電磁シールドの設置場所を掘り返す指示をした。
石山と香澄は島の地形を見ながら攻撃している場所から離れた地点を、M1に指示して直径一メートルの筒状の装置の設置を命じた。
戦闘艦から飛び出すM1、教えた場所に到達すると、身体をドリルの様に回転させて、地表を掘り進む、これも特殊技能の一つだと香澄は思うのだった。
強烈に早い速度で自分の身体がすっぽりと入る穴が出来ると、反転出来る場所を作るM1今度はその穴を凄い早さで地上に飛び出してきた。
「わー、凄い!早いわ」と感嘆の声をあげる香澄、潜水空母に居る超人達に場所を教える香澄、その島は自衛隊に任せて、こちらの本部基地を攻撃しましょうと伝える。
M1が電磁シールドの筒を抱えて再び飛んで行った。
「これでロボットの動きが止められたら、我々の勝ちですね」
「まだ、超人達がいますよ」
「あの、変身とか催眠術、カメレオンの様な連中は困りものですね」
「何処に現れるか判りませんからね」と足立と話している間に「設置が終わった様です」と石山が叫んだ。
その話と同時に巨大な二体のロボットが、戦闘艦の上空に現れた。
「おおー、戻って来た」足立が驚きの声をあげる。
基地の島に降りたって、M1ロボットと遭遇した。
穴から飛び出したのを、ハエを掴む様に(ヘリオス)が捕らえた。
「あっ、M1が危ない」と叫ぶ香澄「装置作動」石山が叫ぶ、(ヘリオス)に捕まっていたM1が手の中から地上に落ちた。
二体が動きを完全に止めたのだ。
「成功です」
「石山さん、やりまたね」
「本体の(アトラン)は意外と近いですよ」
「空母が到着したら、総攻撃をしましょう」
香澄はこの二体のロボットも解体の対象に成るだろうと考える。
扉の廻りに集中して攻撃を加えるレーザー砲、徐々に扉の部分が広がって、頑丈な特殊金属が露わに成った。
空母が到着して、有田達が戦闘艦にサイコキネシスで飛んでくる。
堺少年が島に上陸して、特殊金属の中を透視出来るか?
もし、出来れば攻撃の方法を考えるのに大いに役立つと思う香澄だ。
香澄のサイコキネシスで南も戦闘艦に乗り移る。
森山が海中に潜って、海底の様子を探索に向かった。
島の底の状態が判らないから、しばらくして「島の底にも扉が有ります」とテレパシーが届くが、海底は攻撃の手段が無い。
「海底も特殊金属?」
「はい、頑丈そうですが、地上の扉よりは破れそうですがね」
香澄はこの(ヘリオス)でも操縦できれば海底の扉を破壊できるが、現状では無理だと思った。
その時M1ロボットが反応をした。
「えー」(ヘリオス)が再び動き出したのだ。
そして、海中に消えたて、M1も続いて海中に消えた。
不思議な光景に驚く香澄だった。

反乱の主犯

     9-34
(ヘリオス)を操縦しているのは、M1ロボットだった。
香澄の考えを踏襲する能力と(ヘリオス)の様なロボットをコントロール出来るのだった。
(アントラ)の支配下に有れば、何も出来ないが支配が無くなれば入り込める。
「M1は凄いわ、巨大ロボットを操縦しているわ」と驚く香澄。
「えー、そんな事が出来るのか?」
「相当高性能に出来ているのね、私にも判らない能力が隠れているのね」と感心する香澄だ。
森山が「体当たりをしていますが、壊れませんね」と香澄にテレパシーを送って来た。
地上の攻撃が再び始まって、一点に集中してレーザー砲が炸裂する。
M1ロボットに地上を体当たりする様に指示する香澄、海中から飛び上がる(シリウス)。
レーザー砲で攻撃した部分を有田がサーベルで切り裂く、表面の微かな傷が出来た。
そこに(ヘリオス)が体当たりをすると、扉が少し破壊された。
中からレーザー銃が乱射される。
「危ない、有田さん逃げて」香澄がサイコキネシスで有田を船に戻す。
「中に守備ロボットが沢山居ます」その向こうにシールドが張られていますと堺少年が壊れた扉を凝視して話した。
再び壊れた扉にレーザー砲の集中攻撃、再び(へリオス)の激突から、扉を大きく破壊する。
「おお、破壊されましたね」足立が嬉しそうに言う。
「シールドの向こうは見える?」
「いいえ、見えません、僕の透視も遮られています」
「(へリオス)にシールドを破壊させて」とM1ロボットに指示をする香澄、M1ロボットが今度は(ヘリオス)も中に入れて、レーザー砲の防備の中シールドを壊しに向かう。
防御用のロボットを次々と片づける有田のサーベル、佐藤も中に入って、ロボットの攻撃を上手にかわして、捕まえてぶん投げる。
シールドも中々壊れない。
防御ロボットが総て排除されて、香澄と南が交互にサイコキネシスで中に入った。
「オマエガ、ムーノリーダーカ?」いきなり香澄にテレパシーが届いた。
「貴方が(アトラン)?」
「サスガニ、ツヨイナ、ゴエイノロボットノ、ノウリョクヲシラナカッタ」
「私も知らないから、当然よね、諦めなさい」
「イチマンネンイジョウマッタガ、マケノヨウダ」
「どうする?」
「オマエノブカニナル」
「えー、何故?」
「ワタシガキョウリョクスレバ、ホシニカエレル」
「移住を助けると言うの?」
「ソウダ、ワタシモシニタクナイ」
「特殊金属が無ければ、船は造れない、ムー号の機関部分の引き上げも出来ないでしょう?」
「チキュウジョウニハナイ、ニセキノボセンハヒキアゲテモツカエナイ、ヒキアゲハムリダ」
「判っているは、一万年も海中に沈んでいたら、宇宙の飛行には堪えられないわよね」
「チキュウカラ、100コウネンノトコロニ、ワクセイ(コロン)ガアル、ソコニソノキンゾクガアル」
「調べていたの?」
「ワタシモ、チキュウニシェルターヲツクルカ、ニゲルカヲカンガエテイタ」
「とにかく、このシールドを外さないと信用出来ないわ」
すると直ぐにシールドが解除されて、香澄、M1,南、M18、片腕のM38、佐藤、有田、M8がシールドから奥に入っていった。
薄暗い通路を進むと急に広い場所に到着した。
明るく成る大きな部屋、中央に大きな仏像位の大きさで機械の塊の様な物が有る。
「ヨウコソ、アントラデス」と何処から聞こえると言う訳でも無く聞こえる。
「先程の提案だと、協力すると言ったわね」
「ハイ、ムーゴウノキカンセンヲヒキアゲルノデショウ」
「よく判るわね、テレパシーで判るわよね」
「シンカイマデイケル、センスイテイガホシイノデショウ」
「その通り、特殊金属で造りたいの、溶鉱炉も持っているでしょう?」
「センスイテイヲツクルタメノ、キンゾクヲトカシマショウ」
「協力してくれるの?」
「ハイ」
「一千年後には、この星は隕石の嵐の中、それまでに沢山の我々の仲間を助けたい」
「イマノブンメイデハ、ムリデス」
「貴方が、反乱を起こしたからでしょう」
「チガイマス、ジャインハカセノハンランデス」
「あの有名な?宇宙船の第一人者が?」
「ソウデス、ワタシガハンランスルヨウニプログラムシマシタ」
「えー、本当なの?」
「トナリノヘヤデ、トウミンチュウデス」
どうやら、ジャイン博士が(アトラン)を使って征服を目論だ様だ。
アトランティス号に乗って地球に来た事はアール星では有名な話しで、将来地球で宇宙船を建造して、子孫を再びアール星に戻す。
将来は地球とアール星を使って人類の繁栄を託された人物だった。
(アトラン)の反乱と自分の冬眠が相反して、ムー号の沈没によって、地球の文明が三百年以上遅れた事は計算外の出来事だった。
「博士はいつ目覚めるの?」
「モウスグデス」
「征服は無理ね」
「ハイ」意外と(アトラン)は香澄に服従していた。
「アメリカ大統領を戻しなさい」
「ムリデス、ナクナリマシタ」
「世界に発表して」
「判りました」
何処まで本気か判らない行動の(アトラン)だった。

自衛隊が懸命に土砂を排除していた島も、格納庫が開けられて、今まで何をしていたのか?と隊員達が驚いたのだった。
(アトラン)は溶鉱炉の場所、造船設備、ロボット工場を次々と教えて開放していった。
但し、地球上の人が香澄の指示以外で立ち入らない条件を出していた。

それから、半月後石山達が造船所に入り、本格的な潜水艇の建造に着手した。
(アトラン)の協力は科学者一千人以上の力で、一月後には潜水空母、戦闘艦の解体、その他の特殊金属と動かないMロボットが溶鉱炉に入れられて、溶かされて潜水艇の形に造り変えられる。
香澄達と一緒に来た人々は飛行機で地元に帰って行った。
本城姉妹も風間も足立も帰って、報道は超人達の活躍で、世界が平和に成ったと褒め称えた。
アメリカ大統領も別人に変わって、超人達は(アトラン)のコントロールで基地に戻っていた。
全員脳にチップを埋められていたため、(アトラン)の指示が無ければ行動は全く行わないのだった。
二つのロボットは解体されなかった。
理由は惑星コロンに特殊金属採取に活用する為だった。
世界が平和に成ったが、一千年後には地球が破壊される事、自分達は異星から来た人類で、動物たちは先人が作ったペットだったと知ったのだ。
それから一年以上の時間を要して、ようやくロボットアームの付いた潜水艇が完成するのだ。
Mロボット達が乗り込む場所も潜水艇の外に用意されて、いつでも発進出来るからだ。
勿論(シリウス)(ヘリオス)も同行して、ムー号を浮上させる。
二体の巨大ロボットも(アトラン)は香澄のコントロールで作動する様に変更した。

浮上したムー号


                  9-35
約、一年後に潜水艇はその姿をエーゲ海に浮かべた。
その独特の形は水圧を極力減らす工夫がされていた。
地球上の設計者がこの形にて海底で作業が出来るのか?水圧に耐えられるのか?と大いに疑問を持ったが特殊金属だから出来た構造だった。
大勢の人達に見送られて、潜水艇に乗り込む香澄、石山、堺少年、森山、水谷姉妹とそれぞれのMロボット達、エーゲ海から出発して、大西洋を横断してパナマ運河を通過して、ガラパゴス諸島の沖から海中に浸水予定で航行する。
スペイン沖から高速で海上を航行する潜水艇、アメリカ軍が警備をしながら航行していたが、大西洋に進んでからは信じられない速度に成っていた。
とても追いつけない速度、アメリカ大陸に到着する頃に速度を遅くした。
アメリカの艦隊がパナマ運河を抜ける迄警備をする。
ムー号の沈没場所は、イースター島の南の海底なのは既に調べて判っている。
機関部分を母船から切り離して浮上させる事、深海での作業に成る。
上空にはテレビ局のヘリコプターが旋回して、世界に向けての画像を提供していた。
(ヘリオス)(シリウス)が上空に飛来して、驚く報道ヘリ、この二体のロボットが一緒に深海に向かうのだ。
Mロボット達が潜水艇の後ろのポケットの様な場所に並んで、座って居る。
ロボットアームが左右に有る。
折りたたみに成っていて、相当長い処までアームが伸びる様だ。
太平洋に抜けると再び早い速度に成った潜水艇、ガラパゴス島の沖から潜水に入る潜水艇を見送る報道ヘリ、潜水艇は五千メートルまでは速い速度で進水していく。
浸水艇の船内の気圧は自動で変わって、殆ど地上と変わらないので、体感も全く変化を感じない。
五千メートルからはゆっくりと潜行してゆく、潜水艇の前に二体のロボットが同じ様にゆっくりと潜行していた。
潜水艇のサーチライト以外の光源が無く成って、ここまでが現在の地球上の潜水艇の限界の景色でここからの深海は誰も見たことが無かった。
潜水艇から、中継画像が地上に送られて科学者の驚愕の世界に成っている。
特殊金属で無ければ既に壊れて、潰れて爆発状態に成っている水圧なのだ。
「あれでは?」とライトの先を指さす香澄、堺少年が「あの形は、第五デッキの端ですよ」
堺少年は母船に乗っていた時の映像記録を自分の頭で再現させて、見える船の形で言い当てる。
「そうなると、右に五キロね」潜水艇をその方角に移動する水谷姉妹、操縦を二人がして、宇宙船の操舵も勉強していて上手だ。
石山はムー号の図面から、数十箇所の結合部分を外して、機関部分を切り離さなければ、浮上できないと、図面に印を付けていた。
機関部分だけでも直径五キロ以上有る大型の物だ。
この巨大な宇宙船が地上に浮かび上がると、世界各地に大きな津波が起こる事は必至だった。
斜めに海面から飛び出すか、ゆっくり島の様に浮かび上がれるかが大きな問題なのだ。
「台地状態の上に、乗っている様だな」
「それは、幸運ですね」機関の下に入れますね」
巨大ロボットに接合部分をインプットする香澄、二体のロボットが潜水艇の近くから離れた。
数十箇所の結合部分の金具を取り外す作業に入った。
しばらくして、機関部分の中心に潜水艇が到着すると、ロボットアームを使って、緊急装置を探す。
少し離れた部分にMロボットの格納庫が見えて、所々に穴が開いている。
「あそこにMロボットが入っていたのよ」
「信号を受けて、発進するシステムですね」
「この機関デッキの頭脳コンピュター(ムー)を稼働させれば、浮上可能なのだが」
石山が何か稼働させる方法は無いのかと考えていた。
だが中々判らない、その時香澄のテレパシーに異常信号が届いた。
「M1デス、ムーヲキドウサセテモヨロシイデショウカ」
「えー」思わず声を発する香澄に「どうしたのですか?」と石山が尋ねる。
「どうやら、私の命令でM1から(ムー)に指令が届く様です」
「成る程」
「それじゃあ、指示します」
「一万年も眠って作動するのかな?」怪訝な表情の石山だった。
指示がM1に届くと、しばらくして「何よ!これ?」と水谷姉妹が驚くと同時に中継されていた全世界が驚きの声をあげたのだ。
深海が昼間の様な明るさに成ったのだ。
「潜水艇の船体がシルエットに成っていますよ」
「凄い」
それはまるで竜宮城の様な景色に変わった。
「ワタシワ、ムーデス、ハジメマシテ12185カッカ、ナンナリトゴメイレイヲ」と香澄の頭に届いた。
「地球に被害を及ぼさない様に浮上出来ますか?」
しばらくして「ボセンハモウ、ムリデス」細部に渡って検証をしていた様だ。
「それは判るわ、機関部分の浮上は?」
「ケツゴウブブンガカイジョサレレバデキマス」
「貴方では出来ないの?」
「コワレテイマスノデムリデス」
「何処か判らないのよ」
「M1ニメイレイシテクダサイ」
「判ったわ」香澄は直ぐさまM1に指示をすると、後部に待機していたM1が深海に飛び出していった。
世界中の科学者が深海の様子に驚嘆して眺めていた。
深海八千メートルの竜宮城の姿は、宇宙船のデッキそのものだったからだった。
しばらくして「イマスベテノロックガカイジョサレマシタ、フジョウシテモイイデシヨウカ?」
「被害が無い様に浮上して」
「ソレデハカッカノノラレタ、フネヲサキニ、フジョウシテクダサイ」
「判ったわ」潜水艇がゆっくり、浮上を開始した。
世界に送られた映像は、益々大きな光の畑の様に見えて、段々畑に光の花が咲いている様に映像には現れていた。
その映像が消えて、深海艇は速い速度で浮上して、海面に浮かび上がった。
海上に浮上して、高速航行でイースター島まで避難する。
しばらくして、太平洋の海流が大きく動く、大型の洗濯機の様な動きが海中に起こっていた。
ムー号は、成るべく海流を壊さない様に浮上していた。
母船を深海に残して、機関部分だけが浮上していても直径五キロ以上の大きさだから、その衝撃は相当な物なのだ。
ムー号は二日以上経過しても姿を現さない。
世界中があの映像は作られた物かと不審感を抱いたその時、宇宙船ムー号の機関部分が直角に、太平洋に突きだしてそのまま、上空に海中からゆっくりとその巨大な姿を現した。
地球上の人々が始めて見る物体だった。
長い時間を要して、船体が直角に上がって、やがて斜めに徐々に船体をするが、海面からは浮上していた。
半日で、その全体の姿を、一万年振りに海上に姿を現した。
超人達がこの母船から離れて実に12185年目だった。。。。。。。。。
これから、新たな旅の始まりが待っていた。
地球の千年後の為に、アール人、地球人の為にムー号の活躍がこれから始まるのだ。



第一部 地球編

    2015。07。12

   第二部  宇宙編  は後日にて~~
惑星コロンの特殊金属採取の為に地球を飛び立ったムー号と、科学者、超人達、特殊金属を狙っていたのは他の惑星の生命体、アール人と同じ程度の科学と、知識を持っているが、凶暴性も持って居るアムーラ星の怪人達。
特殊金属の利権を巡って、争いに巻き込まれる香澄達。
惑星コロンは古代の地球に似た惑星で、恐竜達の楽園に成っている。

異星から来た超人

その地球に飛来をするがアトランの妨害で、多数の超人は死滅してしまう、数人が生き残って予定のない未開発な地球の戦力で反乱コンピュターアトランとの死闘が始まる。

異星から来た超人

はるか彼方の星から、古代の地球を目指して大型宇宙船二隻が到着するが、太平洋に着水するのがムー号、大西洋に着水したのがアトランティス号、数多くの人類が、ペット植物と一緒に到着したが、高性能コンピユターアトランの反乱で、移住途中でムー号も沢山の人類と共に太平洋に沈没、アトランの乗る中心部は脱出、エーゲ海の島に身を潜めて、後続の超人達の到着を待ち構えていた。 地球上で人類の科学技術の発展に合わせて到着予定の超人達の役割は、将来訪れる地球の危機を救う事が目的で元来た星に移住させるのが使命。 だがアトランの反乱で、当初の予定していた文明に地球は成長していない、世界の各地で戦争が終息していない状態で、勿論宇宙に飛び出せる科学技術も整っては居ない。

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