エリザベート千秋楽

2004/12/11  『エリザベート』  梅田コマ劇場

トート=内野聖陽

フランツ=鈴木綜馬

ルドルフ=浦井健治

エルマー=藤本隆宏

とうとう2004年版『エリザベート』の内野さんの楽が来た!

ジャベールではないけど、追い続けたトートさま・・・(笑)  今日が最後か??・・・。

会場に入るとなんと作者ミヒャエル・クエンツさん、作曲のシルベスター・リーヴァイさんがいらっしゃった!日本版の『エリザベート』を見る為にわざわざ・・・(@^^)/~~~  会場の皆さんから大きな拍手で迎えられ前後左右に頭を下げてご挨拶をされていた。この二人が観ている、ということも有ってか今日は舞台のテンションが異様に高い!それが反って裏目に出てか、声がうわずる場面が何度か見られた。あのお二人に日本版の『エリザベート』は・・・、内野さん演じるトートはどのように映ったのだろか・・・?

勿論最後に舞台に上がって言われた言葉は「素晴らしい!」だったけど、これは社交辞令も入っているだろうし、作品全体のお褒めの言葉だろうから、 内野トートがどうだったか、本音のところが聞いてみたいなぁ?(笑) 恐らくこんなトートを観たのは初めてではないかしら・・・?(爆)

 ♪天使の歌は喜び?・・・、ややハスキーな声で始まった内野さん最後の「エリザベート」はもう辛口なんて書けませ?ん!(笑) 

今日は臆面もなくベタ褒めです!?(^o^)/

2004年春、帝劇で始まった新生エリザの内野さんのトートは観る度に進化して行った。

初演の時に見せた切ないトートは全く影を潜め、顎をぐっと引き目つきが怖いくらいに鋭くなったトートに何度も驚いた!時には髪型もあって

「般若の面」に見えたこともある。

でも歌はスゴク艶っぽくなったなぁ?!高音が楽々とはまだ言えないが高音へ移るとき一足飛びに高音を発声するのではなくて低音部から声を引っ張って声を切らずに高音部へ入る。だから返りが無くなったのではないかと思っている。私は歌の発声方法なんか全然判らないけどこれは回を重ねているうちに自分で会得した方法ではないかしら?

そして今日のキャストの中で只一人内野さんの声だけが、とても大きくて、迫力が有って、良く響く??!あの梅コマの広い劇場が隅から隅まで内野さん声で一杯になったような気がしたよ?(◎o◎)/!

チビルドルフに剣を突きつける時とマイヤーリンクで塔の正面から現れ、ルドルフを弄ぶトートはひやりとする冷たさを感じる。

動作も目つきも・・・死神だものね!それにしても、それを観客に確かに伝えられるのがスゴイ!

「闇が広がる」の浦井ルドルフとのコンビが素晴らしく良くなっていて、もう圧巻!!と言う他は無い!

独立運動の時のダンスはトーとダンサーに劣らず切れが良くピシッ・ピシッと決まる。もう少しダンスの場面が多く有れば良かったのになぁ?! そして舞台に登場している間中、内野さんの身体も、手も、目もジットしていることは無い。初演の時からやたらと身体を撫で回す仕草がとてもエロティック!と話題になったが、今回も健在だったその仕草さえ今日は自信に満ちているように見えた(笑)いや今回はどの場面も全て計算され尽くし、自信に満ち溢れたトートだった。 正にビジュアルなトートの極致?!!

私はその世界にどっぷりと嵌り、陶酔していたようだ。 

あっという間の3時間だった・・・。

♪今?こそ?お前を 黄泉の国に迎えよう?・・・。

あぁ・・・「エリザベート」が終わる・・・、途端にググッと胸にこみ上げて来るものがあった!涙が滲んだ! 今までに何度も楽日を見てきたが、これ程の感動を覚えたのは初めてだった! 恐らく内野さんの胸の中にも同じ様な思いが有ったのではないだろうか? 確かに目が赤くなっていた。

それでも歌い終り死のキスをしてエリザベートをお棺に収め振り返った時はもう普通の表情になっていたが、私の中ではこみ上げる思いは止まらない!

よくぞ此処まで・・・、よくぞ此処まで・・・そう思うと胸が一杯になり涙が出てきた!

思い返せば1999年の夏ごろ、それまでに新劇俳優として高い評価を受け、大きな賞を幾つも取っている内野さんが「ミュージカルに出演!」の衝撃ニュース!  何を勘違いしたのか??(爆)と信じられない思いのまま始まった帝劇初演の「エリザベート」だったが私達が抱いた危惧は諸に当ってしまった。   

初演の時「愛と死のロンド」の2番(此処からキーが半音上がる)の?♪その時お前は俺を忘れ去る・・・♪

「最後のダンス」の?♪この俺さ?あぁ?・・・♪  「闇が広がる」の?♪王座に?座るんだぁ?・・・♪

この3箇所が私が観た限りの全てで声が出なかった!このシーンが近づくと客席で身を硬くしてその時を待ち・・・、そしてダメだぁ?と落胆する・・・、胸が痛くなるような瞬間だった。その時の内野さんの悲鳴にも聞こえた声が今も耳に残る。観ている私達も辛かったけど何より本人の辛さ・苦しさは私達の比ではなかっただろう。声は出なくとも舞台は続く・・・その舞台に立ち続けた日々は針の莚のようだったろう。帝劇3ヶ月公演の終りに近づくにつれ段々と内野さんの頬は見た目に判るほど痩けていった。ネットの中でも散々こき下ろされ、又キーを下げた・・・、闇が広がるの出が遅れた・・・、トートが遅れたからルドルフまで遅れた・・・等と事実とは異なる事まで、それはそれは毎日毎日悪口の嵐・・・、ネットを見るのが辛かった??(涙) 当たり前だ、ミュージカルに出ている俳優が「歌えない、声が出ない」・・・、これでは反論の余地は無いものね?。おまけにWの片方は歌が絶品の山口さんだもの?。これと比べるなんて・・・。

(私達となっているのはこの辛さ・悲しさ・痛さを共有した仲間が居たのです?(^^)

だが声は出ないままだったが内野さんは自分が目指すトートを次第に高めていった! 

トートダンサーと共に踊る切れの良い激しいダンス、恋に身を焼く切ないトート、なによりその全身から発する妖しくもセクシーな香り・・。

公演の半ばを過ぎる頃から「歌の山口」「演技の内野」の評判が次第に大きくなり、かなりの人が内野さんが表現するトートに魅せられ嵌っていった!

しかしミュージカルへ出演する俳優として、歌えない!この辛さ・悔しさがバネに成ったと思う。恐らく陰で血の滲む努力があっただろう。その甲斐有って再演では「なんとか」高音が出るようになってライヴ版のCDまで出たが、実際の所歌はまだまだだと思った。だが2004年新生エリザで内野さんが造り上げたトートは完璧に成った?!素晴らしかった?!勿論歌は専門の歌手に比べれば当然違いはある。山口さんや鈴木綜馬さんの歌声を聴けばそれは歴然だ!でもミュージカルの舞台での歌としては素晴らしいと思う。評論家の誰かが言っていたが内野さんの歌は「音階のある台詞」だと・・・、その通りだと思う。山口さんにしても綜馬さんにしても、如何に歌が上手だとしてもこの点については内野さんには敵わなかった。

楽のカーテンコールでは2回目からは完全にスタンディングオベイション!3階の隅々まで観客が立って拍手を送っていた!出てきた途端にその光景を見て驚いた顔になった?(笑)

一路さんに、何か一言・・・、と促され、「一言と言われたが何も言う事は有りません。何も言うことが無い程にやった積りです・・・」

この言葉に万感の思いが込められていると思った。自分でも納得の行くトートが出来た!「文句があるなら言ってみろ??!」と言いたかったに違いない(爆) 

500回記念のとき村井さんに「努力という字を写真に取ったらこの人に顔に成る」と言われたそうだが、本当にそうだと頷けた。

楽の11日にはジョギングに出くわした人が声がかけられないほど厳しい表情で走っていたと会場前で話しているのを聞いた。

努力は報われたよ?!良かったね?!素晴らしかったよ?!私も手が痛くなるほどに惜しみない拍手を送った!

褒めすぎか?? 

いやいや、私、今日はメチャクチャ壊れていますでどうかお許しを・・・<m(__)m>

来年の9月ごろ又「エリザベート」が上演されるらしい、との噂があるが・・・、どうだろう? もし有ったとして内野さんが出演するかどうか・・・? 

でももし出られるのならもう一度観たい! 

だって今なら何の心配もなく酔える舞台だもの??(^o^)/

エリザベート千秋楽

エリザベート千秋楽

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-01-16

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