2月14日

小学生の時初めて手作りをした。
いつも一緒にいた、友だちのあの子にあげるため。


あの子の喜ぶ顔が見たかった。






中学生になった。
仲の良い友だちに手作りのチョコを渡した。


あの子には渡せなかった。






高校生になった。
友達とクラスメイトに市販のチョコを配った。


あの人にも「義理チョコ」なんて言って配った。






大学生になった。
会った友達に手作りのチョコを渡して歩いた。


あの人には会えなかった。










残されたチョコは、


役目を果たすことなく
私のお腹の中へと消えていった。








社会人になった。


いつも想っていたあの人を
思い出す日がやって来た。

2月14日

2月14日

彼女にとって特別な日。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-14

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