死を聴く

歌人・工藤吉生(くどうよしお)

くやしくてまた虫を踏み地になする季節のちょうど真ん中へんで


朝の陽のまぶしすぎれば回想のようで遠くに自転車のひと


庭を行くオレにちょうちょがついてきたように見えてた時間があった


カラオケは健康にいいと言い張ってカラオケに誘う男の声だ


楽曲が人間ひとりの一生と感じられればその死まで聴く

死を聴く