死に向かう僕らは

雨宮吾子

 そして死に向かう僕らは今日もハイウェイを北上する。オレンジ色の明かりが鼓動のように降り注ぐ。窓の外の空の上の奥の方の点滅する光。あれは飛行機だろうか衛星だろうかそれとも円盤だろうか。その答えが分からないうちにトンネルに入る。ずっと前にこの道を通ってきたような気がするけれどそうでないことに気付く。この世界に産み落とされたときのことがふと頭に浮かんだのだ。
 僕はどうしてこんなところにいるのだろう。どうしてこの世界に産み落とされたのだろう。きっとその答えは藪の中。僕らは後続車にせっつかされながら前へ前へ進むしかないのだ。それはとても悲しいこと。でもそれが運命なのだ。その先に待つのはあの優しいひとかもしれない。見ててごらんきっとそこまで行くからね。
 やがて死に至る僕らは今日もハイウェイを北上する。やがて死に至る僕らは今日もハイウェイを北上する。やがて死に至る僕らは今日もハイウェイを北上する。……

死に向かう僕らは

死に向かう僕らは

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-09

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