黒水

暗い浴室。
そこにあるのは、薄ぼんやりと光を放つ給湯パネルと、月明かり並みのそれに照らされた水面だけだった。
ケチって少なめに入れたお湯は肩まで浸かることができない。ただそこにあるマグネシウム色の凪をじっと見つめてた。
冬の寒さに、張り詰めていた僅かしかない筋肉は、42℃の黒を極めた湯に解され身体中から吐息が漏れる感覚を味わう。

黒水

【2018年1月30日添削】

黒水

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-08

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