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雨雨雨

雨が降っていた。
君に、雨が、降っていた。

しとしとしと
しくしくしく

どうしてそんなに雨を降らせるのかと聞くと君は
『私がそれを望んでいるから。』
とだけ答えてまた雨を降らせた。

雨を水色に形容したのはどこの誰なのだろう。
こんなにも綺麗な無色なのに、どこかの嘘つきのせいで雨の色は水色となった。

君の雨に触れたくなって手を伸ばすとそれは暖かく透明だった。

僕も君の透明になりたい。
雨を降らせる君を邪魔する傘を僕が消そう。

しとしとしと
しくしくしく

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-08

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