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明日についての詩を書いてと君が言った
ふゆだった
明日は天気が大荒れで
ゆきが降るらしい
よくあるどこかの出来事だった
君がいまその銃声に震え上がって
剥いていた果物を落としてしまっても
世界は変わらない
明日はゆきがふるらしい
嘘か本当かは今日にならないと
わからない
君がいま愛する人の体温を惜しみながら
目を閉じてなにもわからなくなったとしても
世界は、やっぱりなにも変わらない
空だけが色を変えていく
どうやったら青から灰色になるんだろう
わたしはその絵の具の作り方を知らなかった
明日ゆきがふるらしい
ふゆだった
明日についての詩を書いてと
君が今日わたしに言った
1601151610
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