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僕は故郷をすてたことなんてなかった
君のいないひだまりに泣いたこともないし
母の煩わしさを寂しく思ったこともない
だから、東京タワーが好きだった
赤く燃える東京タワーを
遠くからただ眺めているのが好きだった
星が見えないなんて気のせいだよ
君が孤独をこの街のせいにして
死んでいったゆめたちを悼んでも
僕にはなんの関係もない
君が見上げようとしもない狭い空の中
ビルに隠されてオリオンは欠けているけれど
今日も東京タワーと輝いている
死ぬなんて言うなよ
明日またここで会おう。
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