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もっとちゃんと汚れて
明日ぐらいに世界から絶望されたかった

いつも見ている橋の手触りを
知ることもないまま大人になって
知っているふりをすることが
いつの間にか増えていた

許されたかったような気もするし
許したかったような気もする

逃げる覚悟がないから
ただひたすらにことばを失っていった

本当は何もなかったんだよね
笑ってそう言えたらきっと
きっとふたりは今まで通りにいられたんだよ

知らないふり
知らないふりで
世界を忘れていく

ごめんね
数えきれない傷みを
お金で精算できたら良かったのに

そんなこと君は望んでなかったかもしれないけど


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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-07

Copyrighted
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