他人

どうせ他人だから、は魔法の言葉
嫉妬と執着心で息が詰まっていた私は何処へ
何にも興味を持てない、フリをしているのか 分からないけど
思春期なのである
他人との距離がうまくつかめなかったり
自分とは、何故存在しているのか
考えては 廻って堂々巡り
好きな人だって、私に何の影響を与えることはできない。気にするだけ無駄
そうやって、強がっているだけなのかもしれない
しかし、私は本気である
優しくしないでよ
離れていくくせに
気まぐれで、思い出したように、話しかけないでよ
その繋がりに縋ってしまうから、期待してしまうから
どうせ他人だから、ほら、もう他人だ
ああ、内緒話をしないで、全部悪口に聞こえる
ああ、足音をたてないで、近づいてくるようだ
耳をふさいだって、足音が聞こえる、声が聞こえる
私を助けてくれる、心配してくれる、幻想が
やめて、期待したって傷つくだけだって、そんなの、わかってる、わかってるよ
周りから一歩下がってみているようだが、それは同じ輪の中のこと
平凡であり非凡であり、ずれているようでずれていない、違うのに同じで、同じなのに違う
ありきたりな文字を並べて、誤魔化して、消化して、いつまでも みじめなだけだ
それでも、ただ、どこかに、この気持ちを、ぶつけられたら
こんな自分を引きずって歩くのだって大変だ
嫌われるのが怖いから、嫌いになってよって、あ、私のこと見えないのかな
冷たくしないで、怒らないで、もうなにも言わないで、1人にして、ねえ、頭の中からでていってよ、何も考えたくないよ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい

他人

他人

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-05

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted