ほんとの強さは1人では手に入らない

今日も美味しいパンで贅沢な朝食。最近はなんか食にお金を費やし過ぎている。でもお家に帰りたくなかった。体調の悪い彼氏に優しく出来なかった。駅の中の最近お気に入りのパン屋さんに入ると、となりに座っていたのは平日だというのに小学生の娘と母親だった。サボりか体調不良か何かだと思っていたが、話を聞くとインフルエンザによる学級閉鎖だということが分かった。母親は明るい髪色で目つきも悪い。娘の付き合いもだるいのかと思っていたが、私が見下し過ぎていた。「歯医者がなければディズニーランドでも行きたいね」その一言ではは娘の関係がもう分かってしまった。口は悪いが母親の言葉一言一言には愛が感じられた。娘だってもちろん、母親が今の生活で一番大切な存在であることなんてすぐに分かる。きっとこの先大切な人は沢山できるけど、それは変わらないんじゃないかな。
私が彼氏に優しくできなかったのは、彼氏の家で飼っている猫と彼氏の間にある愛情関係に嫉妬していたからだ。私は愛を向けれても、それほど大きい愛を受けることができない。それが淋しくて悔しいのだ。
いつだって愛が欲しい。そしてそれは出来るだけ絶対的で確かなものがいい。動物を飼うこともいいけど、子どもが欲しい。でも私は今それが出来る体ではない。一時の過ちが一生を苦しめるなんて私は何をしているんだろう。1年も経てば感情だって生き方だって全然変わる。でもあの時の私にはそれが分からなかったのだ。こんな気持ちになれるなんて、愛を信じられるようになるなんて、全然知らなかった。二十歳で分かる人の方がどうかしているのかもしれない。二十歳なんてまだまだ知らないことの方が多いなって今だから分かる。1人で生きていけるのが強いことではない。守るべき存在が出来た時、本当の強さを手に入れれる気がする。

ほんとの強さは1人では手に入らない

ほんとの強さは1人では手に入らない

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-04

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