王道ラブコメなんて信じない9

昨日、あの3人と集まって今日依頼を1つ解決した訳だよな…。そんなことよりも
「はぁ、探偵部か…。案外つまらなくもないな」
これは本音だ。学校には勉強する為だけに通っていたようなものなので毎日が退屈だった。しかし、探偵部を設立したら、あぁ青春してるんだなって思うようになった。でも、そう思うのは今日で終わりだな。早速飽きてきた。小説と現実はこうも違うのか…。俺は暇つぶしにパソコンを開いたらスカイプの通知がきていた。このあとの会話はスカイプのチャットだ。
《海斗。探偵部始めたんだね。早速だけど依頼いいかな?》
足尾からか…。あいつにはまだ話してないのに盗聴でもしたのか…。まぁ、今回はこのやり取りだけで登場は次回なんだけどな。
《依頼って何?》
《隣町の桜庭学園っていう学校知ってる?》
桜庭学園って言えば姫とか呼ばれる女がいる噂を2ちゃんねるあたりで読んだことがある。
《名前くらいなら知ってる。ヤンキーばっかのバカ高校だろ?》
《うん。そこを調査したいんだけどうちらの面子があまり良くないから頼まれて欲しいんだけど》
足尾の調査隊は全員女だからな…。確かに分かるが…。足尾の調査隊は隠密作業とか諜報活動は出来るけど戦闘能力は高くないからな。てか、足尾調査隊は忍者かよ。マジでなんなんだよ。
《は?面倒な事持ち込むなよ》
と、本音で返す。
《部員に樫村と橋本がいるでしょ?》
金髪と不良のことだな。
《まぁ、いるけど》
《二人に付き添って貰う様に頼んでおいた》
頼んでおいたの?早くない?執行猶予無し?拒否権は俺にはないのか?鬼畜すぎだろ。
《仕事早くないか?まぁいいや、調査内容は?》
《そこの生徒会の副会長を桜庭学園の校門まで連れてきて欲しい。副会長はひと目で分かるから苦労はしない》
副会長ってなんだよ。会長じゃないのかよ。そして、ひと目で分かるとかどんな見た目してるんだよ。マジで気になってきた。しかし、問題が1つ浮上したので聞いてみた。
《そもそも、入れないんじゃね?そこの高校の制服無いし》
《桜庭学園は私服登校だから制服は必要ない》
《了解。そこの高校は土曜もやってるのか?》
《やっているよ》
《了解。明日調べてくる》
《任せた》
スカイプのチャットはここで終わりだ。
2つ目の依頼をこうやって、承諾する事になるとは…。折角金曜だから明日はダラダラしたかったのにな…。ガッデム。
丁寧に集合場所まで送ってきた。仕事早すぎ。

王道ラブコメなんて信じない9

王道ラブコメなんて信じない9

偶然と言う名の必然により集まったひねくれ者とその仲間達が起こす不思議な学園ストーリー

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-02-01

CC BY-NC-ND
原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC-ND