刻む

 白い足跡を 少しだけ残す
 不甲斐なさを描きながら
 「何もない」と呟きながら
 何となく刻まれていく時

 私の自由は ビルの中にはなく
 薬に頼る 依存する
 眠りさえ管理する感覚に
 孤独を落とした

 雪の綺麗な 空気の澄んだ
 星空の下 火を灯して
 少しだけ呼吸 吐息
 言葉では表現しきれない

 何をみて 何をきいて
 何を失って 何を得た
 何度も傷つけて
 無を手にした

 だけれども
 色のない世界はやはり息苦しい
 陸にあげられた
 海豚のように

 「虚しくならない?」

刻む

刻む

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-30

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted