心の海
手と手
たったそれだけのことだけど
どうしようもないくらい緊張して
たったそれだけのことだけど
心臓がありえないくらいあばれていて
ふと 君の手がどこか小さく震えていて
ねぇ少しだけ 本当に少しだけ
うぬぼれてもいいかな
願わくば、君が。
君は今日何を感じましたか?
誰と過ごして何に笑いましたか?
それとも何かに傷ついて泣いていたのですか?
何かに向かって頑張っていましたか?
願わくば
今日の君が何にも憂うことなく平穏に過ごせたことを
明日の君が今日より少し前に進めることを
記憶
粉雪舞い散る季節になると
あなたの横顔を思い出す
深い藍色の夜空を見ると
あなたの瞳を思い出す
霧のような雨が降ると
あなたの背中を思い出す
冷たい夜を迎えると
あなたの温もりを思い出す
桃の花が色づく季節になると
あなたの接吻を思い出す
嗚呼、神様
貴方は残酷です
会うことはおろか忘れることさえ許してくれぬのですか
嗚呼、愛しき人よ
あなたは残酷です
どこに行っても何をしていても「あなた」が多すぎて消えてくれぬのです
愛というもの
彼は私に「愛している」だとかそういう類の言葉を一度も言わなかった
ただいつも去り際に唇に少しの熱と
「信じている」と
ただそれだけを残していった
その言葉の響きと温もりの心地よさで
私はまるで「愛している」と言われたような気持ちになる
そして思う
「愛する」ということは「無条件にその人を信じる」ということだと
彼はいつも私に「信じている」と言った
だから今度は私が彼に「信じている」と伝えようと思った
単純に、簡単に。
あいつのこと好きなん?って
そんなん聞かれたら期待しちゃってもえぇやろ?
その後好きな人おんの?なんて聞かれて
アンタやって答えられへんアタシでも
期待ぐらいしてもえぇやろ?
アホみたいに好きで
でも気づかれへんように必死で
でもなんか気づいてほしくて
最近色々ぐちゃぐちゃやねんけど
アンタの存在を見つけるだけで
シンプルに好きやなぁって思います。
それでも君は
雨は降っていたし、君は泣いていた
昨日は晴れていたのに、今日は雨だった
嘘もついたし、本当のことも言った
君は信じたのに、僕は裏切った
本当は好きなのに、嫌いだと言った
僕が勝手で、ずるくて、弱くて、臆病なのに
それでも君は
こんな僕を好きだと言う
相性
あぁ、貴方はきっとそういう人なのね
頭でちゃんと論理的に処理されないと納得できないのね
あぁ、君はきっとそういう人なんだね
心で感じたもの全部に素直に従うんだね
貴方をいつも頭でっかちと言うけれど
君をいつも単純バカと言うけれど
貴方を
君を
間違いだって思ったこと
一度だってない
そんな人
私の隣にいる人は
心配症ですぐ拗ねて意外と甘党で
でも何故かチョコは苦手で
いつもはすましてるくせにたまにびっくりするくらい甘えん坊で
根は本当に優しいのに
でも優しくするとき照れて怒るから
大体の人に怖がられてる
それで、怖がられてることに傷ついちゃう人
でも意地っ張りだから弱さなんか見せない人
本当に、色々と難しい人
でも、そういうのも全部含めて
私の好きな人
日常
子どもの頃によく遊んだすべり台の色が思い出せなかった
どうしても気になって久しぶりに幼なじみに電話してみた
黄色だったよ
なんて、よく覚えてたな
とりあえず、今日も、平和だと思います。
世界のお人よしへ
あなたたちが
どうか必要以上に
傷ついたり、疲れたり、悲しんだりする
世の中にならないように努力します。
瞳
切なる願いを秘めた瞳よ
悲しみにも似たその光は
いったいいつ揺らめくのですか
涙さえも隠すその光は
いったいいつ消えるのですか
嗚呼、瞳よ。君よ。
切なる想いを秘めた瞳よ
恋しき人を求め続ける愛しき人よ
いったいいつ私を見てくれるのですか
素直になるって難しいけど
あのさ、そりゃ色々思うこともあるだろうけど
とりあえず、難しいこと何もいらないから
君の気持ちを教えてよ
頑張れって言葉は時に重たくて
頑張れってみんなに言われて
本当に励まされることもあるけど
もう、今はそれが重たくて
まだやれる、まだできるって言い聞かせてるうちに
だんだん全部しんどくなって
1人にしてほしいくせに、誰かに寄り添っていて欲くて
限界だって思ったし、逃げ出したいとも思ったよ
誰か見てくれてるのかなって、誰か認めてくれてるのかなって
ねぇ、私頑張ってるよ
それでもまだ頑張れって言うの
「頑張ろうよ」
あぁ、こんなにも
「一緒に頑張ろうよ」
こんなにも違うのか
使い方1つで頑張れって言葉はこんなにも変わるのか
あなたは一緒に背負ってくれるのですか
丸投げしたりしないのですか
あなたと一緒なら頑張れます
絶対に笑ったりしないから
何故逃げてしまうのですか
夢を追うことはそんなにかっこ悪いですか
何故隠してしまうのですか
堂々と語れる夢なのに
何故諦めてしまうのですか
まだ始めてもいないのに
何故泣いているのですか
勝手に終わらせたのはあなたなのに
傍から見れば
どんなに惨めでもかっこ悪くても
這いつくばって踏ん張って
絶対に笑ったりしないから
始めてみませんか
だから好きだと言っているんです
馬鹿ですか
私はあなたを好きだと言っているんです
そう言っている私を信じればいいんです
馬鹿ですか
私があなたを好きになる訳ないって
実際好きだから好きだと言っているんです
馬鹿ですか
一体何回言わせるんです
だからあなたが好きだといっているんです
僕の世界の中心は
君がいなければ生きていけない
君がいなければ笑えない
君がいなければ楽しくない
君がいなければ僕はここにいない
いや、そんな大袈裟なものじゃなくて
君がいなくても生きてはいけるし
君がいなくても笑えはするし
君がいなくてもそこそこ楽しいだろうし
君がいなくても僕は変わらずそこにいる
ただ、君がここにいてくれるから僕は明日も
僕の世界は明日もちゃんと回るんだ
君を中心にして僕の幸せな世界は回るんだ
二人、君と、僕と。
二人の心が一つになればいいと思ってる
そしたらもう不安になることなんてない
二人の道が一つになればいいと思ってる
そしたらもう寄り添いあって生きていける
二人の夢が一つになればいいと思ってる
そしたらもうその先ずっと同じ未来を見ていける
二人の愛が一つの大きなものになればいいと思ってる
そしたらもうそれだけで幸せだと思うんだ
母なるもの
どんなに疲れてても笑顔でお帰りと言って
どんなにしんどくても大丈夫と立ち上がって
どんなに怒っててもご飯はちゃんと温かくて
どんなに眠たくてもお父さんの帰りをちゃんと待って
年中無休です
ボーナスなんか出ません
この世で一番忙しくて一番大変で一番偉大です
いつか、いや、しばらく経って
私が貴女を口うるさく思わなくなって
私が貴女に少し追いついて
私が貴女と同じ立場に立ったその時は
お疲れ様と、ありがとうと、ごめんねと。
そう言いながら恩返しというものをしたいのです
希望
傷つけないで 壊さないで 失くさないで
終わらないで 終わらせないで 忘れないで
泣かせないで 泣かないで うつむかないで
ないほうがよかった いないほうがよかった
欲しくなかった 欲しくもなかった
いらないなんて いないなんて
そんな傲慢な そんな身勝手な
願うから 祈るから 叶うなら
泣かない君の、儚い夢と、死なない空を。
サベツ
嗚呼、だって何回言ったって分かってくれない。
どうあがいたって見てもくれない。
しがみついたら振り落とされるし、ひざまづいたら踏みつぶされる。
僕らを、僕等を、ボクらを
まるでないものかのように
無関心という名の壁。
それで一体何人殺してきた
嗚呼、頭上に降る少しの水がぼくらの目に溜まってくから、ぼやけて、霞んで、滲むから。
キミらの壁が大きすぎるから。
ぼくらはいつも五感を閉ざして空回り。
コトバ
ソレはとても簡単に人を傷つけるから
なんのブレーキもなしに使っちゃいけないよ
ソレはとても簡単に嘘をつくから
なんの疑いもなく信じちゃいけないよ
ソレはとても簡単に惑わせるから
なんの覚悟もなく聞き入れちゃいけないよ
なのに
ソレはとても簡単に
人を幸せにするし、嬉しくするし、舞い上がらせるし、救ったりするから
色々と難しいんだ
でも、要するに「使い方」しだいってことだね
ひと
自分が優しいってことは自分が知ってなきゃ意味無いし
自分が優しいってとこを誰かに教えてもらわなきゃ分からないし
誰かに優しくしてあげなきゃ優しくなれないし
誰かに笑ってもらわなきゃそれが優しいことなのか分からない
想いも、感情も、愛情もそういう「ひと」として大切なことはぜんぶ「ひと」と「ひと」の間に生まれるから
だから、「ひとり」では生きていけないんです
極限状態
なんて理不尽な言葉なんだろうと思った
「頑張れ」ってなんなの
「頑張る」のは私なんだよ
簡単に言うけど、苦しんで「頑張る」のは私なんだよ
じゃあお前が頑張れよって、思ってしまった私は
多分、きっと、限界だったんだ
明け方、一番星、好きだ。
明け方、君と山を登って朝日を見上げた。
綺麗だねという君を見て、本当に綺麗だねと言った。
一番星が光り出すくらいにようやく覚悟が出来たから、君の手を握って言ったんだ。
好きだ。
無意識に
目が合って、1度逸らして、また合わせる
近くにいると、いつもより声が高くなる
体育の授業中、一瞬で見つけれる
楽しそうなら、私も嬉しくて
気がつけば、目で追ってる
どうやら君が好きみたいです
大切なんだ、どうしても。
他人に何と言われようが
どんな目で見られようが
君さえいてくれればそれでいい
ただ、君だけは傷つくことがないように
僕がちゃんと守るから
他人に何を言われても
冷たい目で見られても
あなたさえいてくれればそれでいい
ただ、あなただけが傷つくことがないように
私もちゃんと背負うから
だから どうか そばにいてほしい
とある争い
とある国同士の闘いの中
戦場と化した国の城で
二つの人影が見えた
一つは追い詰め、一つは追い詰められていた
両手を上げる影か問うた
「何故、闘う。」
剣を向ける影が答えた
「守るために。」
すると、一つの影が地に膝をつけて首を折った
そして剣は弱々しく光り、とても力強く風をきって
その地を紅く染めたという。
君の瞳の全部をください
今日、君の目に映った私は
ちゃんと笑えてましたか?
前髪は跳ねていませんでしたか?
頬は紅くなってませんでしたか?
ちゃんと目を見て話せていましたか?
今日の私が君の瞳に少しでも綺麗に映りましたように
明日の私はもう少し頑張れますように
優しい優しい夜でした
君とのやり取りを読み返す
眠れない夜
午前2時
うん、だよね。
そっかぁ、僕が振り絞って言ったものも
君にとっては大したことないんだね
うん、あぁ、そっかぁ、あいつが適当に流した言葉は君をこんなに紅く染めるんだね
そっかぁ、仕方ないよね
うん、僕が君を勝手に好きで、君もあいつを勝手に好きで。
そっかぁ、仕方ないよね。うん、
そっかぁ。
お月様、おひとり様。
太陽はどうか月を照らし続けてあげてください
星はどうか月に寄り添い続けてあげてください
ただでさえ寂しい夜に
どうか1人にしないであげてください
惚れたら負け
どんだけ辛くても
どんだけ傷つけられても
どんだけ諦めようとしても
やっぱ最後はシンプルに好きだと思うんです
どうなっても痛いもんは痛いんだ
お願いだから私が強がりを言えるうちに
早くあの子と一緒になって
我慢できなくなって私があなたを困らせてしまう前に
早くあの子と一緒になって
私がまだちゃんと笑えているうちに
早くあの子と一緒になって
無駄な期待をしなくて良くなるように
早くあの子と一緒になって
恥ずかしそうにそれでも嬉しそうに話すあなたを見なくてすむように
早くあの子と一緒になって
散々そう願いました
何度も背中を押しました
嗚呼、きついなぁ。想像以上に。
隣でなんて幸せに笑うんですか。あなたは。
孤独な涙
あの日君がくれたあの優しさを
いつか君が辛いときに優しく返していきたいです
だからどうか
泣きたいときにほっといてって言わないで
痛くてたまらないその心を独りにしないで
聞こえないところで叫ばないで
泣き声押し殺して泣かないで
痛いって言っていいんだよ
辛いって言っていいんだよ
助けてって言ってよ
君が言うなら
何をしてたって何処にいたって誰に何を言われたって
君を独りになんかしないから
カミサマドウカ。
世界があまりにも繊細すぎるから
僕らは生きるのがこんなにも息苦しい
守らなきゃいけないことを作りすぎたから
僕らは生きるのがこんなにも堅苦しい
それでも朝日は昇ってくるから
僕ら生きるのがこんなにも精一杯
神様なんて幻想を語ったりするから
僕らは生きるのが普遍の原理
それでもこんな世界に生れ落ちてしまったから
守るべきものに護られているから
きっと明日の朝日も綺麗だから
神様どうか、明日も僕らを生かしてください
アリンナ
ハロー、ハロー、聞こえていますか。
いつも頑張りすぎて疲れていませんか。たまには休んだっていいんだよ。
ハロー、ハロー、聞こえていますか。
いつも笑っているけど見えないところで泣いたりしてませんか。
ハロー、ハロー、聞こえていますか。
どんな時でも輝き続けてくれてありがとう。
ハロー、ハロー、聞こえていますか。
今日だけ一緒に眠りませんか。今日は星たちがこんなにも明るい。大丈夫。夜には優しさの光が溢れるから。君が少し休んだって君が一番怖がる"真っ暗"にはならないから。
あぁ、ほら。月が優しく手を振ってる。
大丈夫。朝になったらまた会おう。
夜明け
寄り添ってしまえば温かったのに
少しの意地が邪魔をして心は冷たいままでした
笑ってしまえば離れられたのに
少しの寂しさが邪魔をしてそのまま引きずり続けています
愛してしまえば泣かずにすんだのに
少しの憎しみが邪魔をしてあなたを泣かせてばかりでした
それでも憎しみって些細なすれ違いで
まだやり直しはきくかもしれないから
寄り添いあって笑いあって愛しあって
まっさらな明日を目指すんです
深海
そうね きっと お互い苦しいくらいに
溺れていることに気がつけなくて
沈みきった世界が綺麗すぎて
代えられなかったのでしょう?
変わりたくなかったのでしょう?
少なくとも私は。
今のままで良かったの
陽の光の強さも
時計の秒針の触れ方も
少し寂しかった今日でさえ
何一つ変わらなくて良かったの
知らないことは罪だ
笑い方を知らないくせに
笑わせたくて必死になる
終わらせ方を知らないくせに
始めたくて仕方が無い
泣き方を知らないくせに
いま泣きたくてたまらない
愛し方を知らないくせに
愛してほしくて泣きそうになる
ヒト
嗚呼、残酷で静かで優しくて無責任で痛くて理不尽で愛しいんだから
この世界はホントに嫌になるね
矛盾だらけのくせにソコが正しいみたいに立ってるんだからホントに嫌になるね
君のせいで泣きたいのに君のせいで泣けないんだから嗚呼もうホントに嫌になるね
どうせ終わるものが多すぎて何を始めればいいのか分かんなくなるね
それでも終わらせたくなくてまた始めるんだからホントに奇妙な生き物だね
優しさの向こうの憎しみに気づいてやっと少し大人になれたね
憎しみの向こうの愛に気づいてまた少し大人になるんだね
コイノカタチ
私、オトコノコに生まれたかったな
って君は僕に零したね
馬鹿じゃないのって僕は心で思ったよ
言わなかったけど
君は本当に贅沢だなって心で思ったよ
言わなかったけど
オトコノコに生まれてたら当たり前にあいつの隣にいれるのになって君は僕に零したね
君は全然分かってないって僕は心で思ったよ
言わなかったけど
当たり前が何か分かってないって僕は心で思ったよ
言わなかったけど
君はオンナノコってだけで何の偏見もなくあいつの隣に立てる日がくるんだよ
君はオンナノコってだけで世界からあいつに恋することを認めてもらえるんだよ
君はオンナノコってだけで当たり前のように応援してもらえるんだよ
分かってくれなんていわないからさ
せめて知ってて欲しいんだ
少なくとも君の恋は赦されているってこと
僕の恋は赦されないってこと
ちゃんと知ってて欲しいんだ
優しさ求めて泣いてもいいですか
生まれ落ちた瞬間に僕は何よりも早く泣くことを身に付けたはずなのに
いつからだろう
上手く泣けなくなったのは
いつからだろう
こんなに上手く笑えるようになってしまったのは
涙が綺麗なものだと知ってすぐに綺麗なだけのものじゃないことを知った
何故しょっぱいのか不思議に思ったこともあったのに今はもうその味すらよく覚えてない
泣けなくなったのか
泣かなくなったのか
今はもうそれすらよく分からないんだ
それでも
それでもあの子が僕のために泣く度にあの子の涙を綺麗だと思うんだ
忘れ去ったあの味を微かに感じるんだ
泣くことに上手いも何もないことを今更思い出すんだ
だからさこんな僕だけどあの子が痛くて苦しい時くらいは寄り添って一緒に泣きたいんだよ神様
君が悲しいと僕も悲しいってあの子に分かってもらいたいんだよ神様
あの子が独りでしょっぱくないように隣で馬鹿みたいに泣いてみたいんだよ神様
こんなに優しい子に何で優しくしてやらないんだよって優しさ求めて泣いてみたいんだよ神様
ぼくのせかいのはなし
真紅と言うより濁った桃色
光と言うより激しい閃光
炎と言うより霞んだ陽炎
涙と言うより無機質な塩水
扉と言うよりドアノブのない飾り
引き出しと言うより隙間のある板
笑顔と言うにはそれは機械的すぎないかい
明日が打算的すぎて嫌になる癖に
試練の前ではまるでピエロ
今日くらい綺麗に生きてみたいと夢見るけれど
今更すぎて結局諦めるんだよ
明日の自分に馬鹿みたいに期待するんだよ
劇的な変化を夢見て眠りにつくんだよ
それでも朝日は相も変わらず眩しすぎて
目に刺さるんだ
それでもその光で生きてることを実感できるからどうしても嫌いになれないんだ
嫌いなのはその光が似合わない自分自身
暗闇の中でずっと子どものままでいたかったな
月明かりの中でバレないように陳腐な悪戯をしながら生きてみたかったな
星を掴もうとしてハシゴから落ちて死んでみたかったな
「そんな風にもう少し馬鹿でいたかったな」
未熟な果実は夢を見る
私の人生が私のものだってことを何度も何度も忘れちゃうの
選んだ道で後ろを振り返っても意味がないってことを何度も何度も忘れちゃうの
無理矢理上を見上げても涙は零れてしまうんだってことを何度も何度も忘れちゃうの
どれだけ焦がれても届かない人がいるってことを何度も何度も忘れちゃうの
頑張れない時に焦っても仕方ないってことを何度も何度も忘れちゃうの
一人で生きてきた訳じゃないってことを何度も何度も忘れちゃうの
その度に誰かを傷つけて生きてきた
そんな私なのにあなたはそばにいてくれた
あなたのために覚えていたいのよ
忘れる度に思い出したいのよ
もう誰も傷つけたくないのよ
この出来損ないの心と一緒にやり直したいのよ
丸ごと自分を愛してあげたいのよ
あなたが好きな私でずうっといたいのよ
人類がきっと僕等が思ってるよりも愚かで愛しいものだといい
僕等はいわゆるオマケにすぎない
あいつは君がいるから闘うんだよ
世界に君が含まれてるから救うんだよ
君が含まれてない世界なんてきっと見向きもしないだろうね
あいつは君がいる世界だから救うんだ
その世界にたまたま居合わせた僕等は君のついでに救われるんだ
あいつを救世主だと崇めてる連中はきっとそれを知らないほうがいい
だってそうだろ?
あいつは救世主なんかじゃないただのエゴイストだ
それでも僕等はあいつに救われるんだから結論的にはあいつは救世主に変わりないんだけど
だから結局モーセだって民衆の中に愛する人がいたから海を切り拓いたのかもしれないし
ペリーだって愛する人が日本に行きたいって言ったから黒船でやって来たのかもしれない
きっかけはちっぽけな恋だった
それでもそれが世界を変えたことだってあるかもしれない
「君がいる世界なら僕はどんなに理不尽でも赦してみせるよ」
傍らで聞こえたその言葉は I love you よりも愛に満ちていた
気づけばそこにあるからさ
お日様の匂いがする布団で寝ること
温かいココアを飲むこと
金曜日にちょっとだけ夜更かしすること
レモンの入浴剤の入ったお風呂に入ること
家に帰ると出来立てのご飯があること
自転車でお気に入りの川原を走ること
帰り道の夕焼けが綺麗だったこと
何となく出かけた先に好きな人がいたこと
お気に入りのアーティストが新曲を出したこと
今日も今日とてほんの小さな幸せに包まれて
少しの嫌なことは忘れてさ
いい日だったと
お月様に自慢しながら眠りたいね
「おやすみ、世界。僕は今日も幸せだったよ。」
サヨナラ
会いたかった会えなかった
言いたかった言えなかった
そばにいたかったいれなかった
嘘でも笑いたかった笑えなかった
涙を堪えたかった堪えきれなかった
好きだった大好きだった
それで良かったそれだけで良かった
それでも変わってしまった
ただ好きなだけじゃ駄目だった
気づきたかった気づけなかった
遅かった何もかも
それでも
貴方の瞳に映る最後の私はちゃんと笑えてましたか
綺麗にサヨナラできていましたか
貴方はいま幸せですか
切なる願いは誰を待つ
私が一番好きな人はいつだって私を一番好きになってはくれなかった
都合のいい女でも良かった
それでもそばにいたかったから
身体だけの関係でも良かった
それで繋がっていられるのなら
あなたのことしか見えなくなって
たくさんの人を失った
あなたがただただ好きで
たくさんの人を傷つけた
あなたが世界の中心だった
あなたを中心にして私の世界は回ってた
あなたが好きな音楽 色 ブランド アーティスト
全部知ってる
あなたが好きな女の子のタイプだって知ってる
あなたの為に髪を伸ばしました
苦手な料理も
初めてのメイクも
くしゃみをするのにも気を遣った
あなたの瞳に私が少しでも可愛く映るように
あなたが私のことを少しでも意識するように
あなたが私のことを好きになるように
「一生懸命頑張ってる子が好き」
そんなの頑張るしかないでしょう?
あなたがいるから頑張れたの
あなたが私の頑張る理由だったの
頑張れなんて言われたことないけど
私の頑張りをあなたが見つけてくれる度に頑張れたの
それだけで頑張ろうなんて思ったの
嗚呼それでもこの虚しさは消えなかった
一番になれないこの虚しさは
ねぇ私分かったの
笑ってるあの子のところから泣いてる私のところへは来てくれるけど
泣いてるあの子のところから泣いてる私のところへは来てくれないでしょう?
そういうことでしょう?
私が一番好きな人はいつだって私を一番好きになってはくれなかった
誰かの一番になるのなんて簡単なのよ
それでいい人はそれでいいの
でも私は私の一番の一番になりたいの
大事な人に大事にされたいの
世界で一番好きって言われて
私もよって返してみたいのよ
私が泣いてる時には真っ先にそばにいてほしいのよ
私を丸ごと愛してくれる
そんな人とずうっといたいのよ
愛しいと書いてかなしいと詠みます
大丈夫と聞くあなたは大丈夫ですか
泣かないでと言うあなたは泣けていますか
そばにいるねと言うあなたのそばにいたいのです
私が痛いときは私より痛そうにする癖に何故自分の痛みにはそんなに無関心なのですか
あなたの心は大丈夫ですか
心無い言葉と心無い人間に傷つけられたあなたの心は大丈夫ですか
誰にでも優しいあなたが好きで自分に優しくないあなたが嫌いです
強さの定義は知らないけれど
優しさと強さは表裏一体なんだとあなたを見て思ったのです
たとえば乗り越える前提で神様は試練を与えているのだとしたらちょっと不平等すぎませんか
あの小さな背中にこれ以上何を背負わせるつもりですか
もとから強い人間なんていなかった
強くならざるを得なかった
あなたの強さはそういうことでしょう?
強いねとあなたに言いました
本当にそう思ったから
そうだったら良かったのにねとあなたは言いました
本当にそうだったら良かったのにねとあなたは言いました
あなたの強さと弱さを見ました
どれほど昨日が非現実的でも明日はちゃんと日常でやってくることが救いようがなさすぎて笑えた
昨日と変わらない明日がやってくることにいっそ太陽が滅べばいいのにと思った
明日が、ある、ことで、救われる、人間、しか、いない、なんて、誰が、決めた。
昨日の夜に思った
神様明日なんていらないです
あの人が傷つくことが約束された明日なんていらないです
神様あいつなんていらないです
あの人を傷つけるだけのあいつなんていらないです
神様世界なんていらないです
あの人が傷つくだけの世界なんていらないです
神様あなたなんていらないです
あの人に優しくないあなたなんていらないです
嗚呼、もう
痛いんだろう?辛いんだろう?泣きたいんだろう?逃げ出したいんだろう?壊したいんだろう?殺したいんだろう?苦しいんだろう?終わらしたいんだろう?
なんで逃げないなんで受け止めるなんで傷つくなんで怒らないなんで終わらせないんだ
ごめんね
よく分からない
でもなんでって聞かれてしいて言えば
自分より愛せるあなたがいるこの世界が私は本当に好きなのよ
あなたがいる世界なら私は本当に愛せるのよ
あなたがいる世界なら私は赦せるのよ
馬鹿だ
と思った
三秒後に
愛しいと思った
お金よりも大切なもの
お母さんに何で勉強するのか聞いた
いい大学に入っていい会社に就職するためよ
大人になった時に困らないようにね
先生になんで勉強するのか聞いた
あなたの将来のためです
今やった分だけ未来の自分に返ってきます
友達になんで勉強するのか聞いた
よく分からないけどやっといて損は無いと思って
ホントはやりたくないけど
やらなかったら怒られるしね
お兄ちゃんになんで勉強するのか聞いた
俺は勉強を頑張らなかったから何も言えねぇけど
やっぱ社会出るためにはある程度の学力は必要だからじゃないか?
今結構苦労してるからさ
お姉ちゃんになんで勉強するのか聞いた
考えたことないけど
やっぱり夢を叶えるためには必要だったからそのためにやってきたつもり
おばあちゃんになんで勉強するのか聞いた
簡単だよ
人生の選択肢を増やすためにやんだよ
知識は財産だからねぇ
勉強ねぇ やれとは言えないけどねぇ
やっといたほうがいいねぇ
勉強しなきゃ良かったなんて聞いたことあるかい?
ないだろう?
そういうことなんだよぉ
全部正しいと思った
でも
僕をやる気にさせたのは最後の理由だけだった
知識は財産
一生ものだと思った
唯一無二の
悲しいから死なないでって言われた
うるさいって思った
死んだら全部終わっちゃうよって言われた
それでいいんだよって思った
あなたが死ぬなら私も死ぬって言われた
なんて迷惑だって思った
あなたが好きだから死なないでって泣かれた
僕は君を好きじゃないんだけどなって思った
死んだら後悔すらできないんだよって言われた
後悔だらけの人生だったよって思った
私と一緒に死んでくれない?って言われた
君には生きてて欲しいから僕は死ねないって言った
世界に絶望したその時は。
振られるために付き合った訳じゃない
愛されたくて愛した訳じゃない
お前のために優しい訳じゃない
誰かのために生きてる訳じゃない
笑うために泣いてる訳じゃない
別れるために結ばれた訳じゃない
こんな世界なら産まれてこなかった
こんな世界なら望まなかった
こんな世界なら捨ててしまいたかった
こんな世界なら終わらせてしまいたかった
嗚呼 でも
こんな世界でも君は相も変わらず綺麗だね
不条理で理不尽で自分勝手な怠惰に溢れたこんな世界でも君は本当に綺麗だね
崇高な理由はいらない
純潔の証明もいらない
少しの儚さと冷たいくらいの正義感で
僕は君と夢を見る
恋愛感情の有無よりもまず人として君が大好きだということ
道に咲く名もない花にさり気なく綺麗ねって話しかける君が大好きだ
ゴミ箱から外れたゴミを失敗した誰かの代わりに戻す君が大好きだ
断りきれなくていつもカバンにティッシュが3個以上入ってる君が大好きだ
譲るのに声かける勇気がないからって電車の座席には初めから座らない君が大好きだ
頼まれたら断れないけどそれでも頼まれたらやりきる君が大好きだ
人見知りの癖に話す時には目をちゃんと合わせる君が大好きだ
知り合いの誕生日を必ず忘れない君が大好きだ
自分の誕生日は忘れちゃう君も大好きだ
人前では絶対に泣かない君も大好きだ
下手くそな笑顔の君も大好きだ
独りで抱え込んじゃう君も大好きだ
限界がきて少し壊れてしまった君も大好きだ
人にたくさん傷つけられてそれでも人を愛せてしまうそんな君も大好きだ
僕を傷つけてから陰で独りで泣いているそんな君すら愛しいよ
世界に優しくしてきたのに世界は思ったより君に優しくなかったね
それでも1度愛してしまえば愛されてしまえば忘れることすらできないで
狭間で苦しむ君すら愛しいよ
どんな君でも僕は丸ごと愛せるよ
君の存在を僕は肯定し続けるよ
君に関わるもの全て
僕は肯定し続けるよ
世界が君を否定しても
僕は肯定し続けるよ
君という存在そのものが大好きだ
七色の天使
僕と君とで虹になりたい
境界線すら曖昧でいいんだ
溶け合う色が濁っててもいいんだ
嫌いな色があったっていいんだ
僕と君の居場所が端と端でもいいんだ
君と繋がっていられるのなら
少しの儚さくらいは構わない
雨上がりに少しの憂鬱と
ひとさじの勇気と
たくさんの愛をこめて君に会いにいくよ
青空に隠れちゃう前に君に会いにいくよ
僕と君とで虹になろうよ
世界を空から見てみたいんだ
空から幸せを届けようよ
喧嘩してるあの子にも
白い病室から出れないあの子にも
社会に疲れた大人たちにも
空から愛を教えたいんだ
だからまず
僕と君とで恋をしようよ
僕と君とで愛し合おうよ
僕と君とで幸せになろうよ
僕と君とで生きていこうよ
僕と君とで終わりを迎えたその時は
僕と君とで虹になろうよ
三月の終わりにあいつが死んだ
春の五月蝿さの三分前を思い出してる
冬の淋しさが縋るようにやってきて
やめときゃ良かったって走って逃げた
五月もまだだってのに何を浮き足立ってんだよ
まだ夜風は冷たいってのに何を焦ってんだよ
ほんの少し向こうからやってきたら暑苦しさに逃げ出すくせに淋しさに耐えられなくてどうせ自分から迎えに行くんだろ
勝手に抱いた幻想と一緒にどうせ自分から迎えに行くんだろ
少しの陽気にあてられて昨日の今日で変わろうとしてんだろ
明日の自分に期待しすぎて明日の今頃泣いてるんだろ
それでも一度抱いた幻想捨てきれなくてまたそれを繰り返すんだろ
愛しいくらいに滑稽で怖いくらいに純粋だ
イヤフォンで世界を遮りながらフラフラ歩く青年がいつかのあいつに似てて殴りかけたよ
勝手に抱いた幻想に裏切られた気分になって勝手に絶望して勝手に見下して勝手に諦めて勝手に死んだあいつに似てて殴りそうになったよ
だからこの五月蝿さが嫌いなんだ
全てを受け入れてるようで淋しさの名残りの陰で切り捨ててる
それが許せるこの五月蝿さが嫌いなんだ
明日の自分に期待する前に今日の自分でもうちょい頑張れよ
少しの苦しみで明日のお前が滅茶苦茶救われたりするからさ
明日の自分が昨日の自分を誇れるように
今日の自分でもうちょい頑張れよ
それでも幻に魅せられて死にたくなったら俺が殴って一緒に泣いてやるから勝手に死ぬなよ
間違ってもあいつみたいに幻想抱いたまま勝手に死ぬなよ
拳が割れるまで殴ってやるから勝手に死ぬなよ
みっともねえくらい鼻水垂らしながら一緒に泣いてやるから勝手に死ぬなよ
あいつみたいに安心したような顔で勝手に死ぬなよ
頼むから俺の許可なく勝手に死ぬなよ
俺の知らないところで勝手に死ぬなよ
勝手にありがとうって終わらせるなよ
いいか
死にたくなったら俺のとこ来いよ
一緒に血反吐はきながら生きてやるから勝手に死ぬなよ
なあ
明日の僕へ
明日と今日のうちに仲良くなって
明日に優しくしてもらいたい
昨日の自分を惨めに思う前に
頑張ったなって抱きしめてやりたい
何にもできなかった今日を消し去りたくて
明日に期待して眠るけど
目覚めた瞬間の今日に絶望して
堂々巡りの僕の毎日
でも昨日できなかったことが今日できるようになったんだ
昨日諦めたことを今日は諦めなかったんだ
昨日泣いたことも今日はさほど辛くないんだ
だからさ
ちょっとお願いなんだけど
今日は昨日より頑張ったんだ
だけど昨日より少し辛いことが多くてさ
明日はもっと辛いかもしれないけどさ
今日の僕はあんまり責めずにお疲れ様って言ってやってくれないか
今日の僕も明日頑張るお前のことを
馬鹿にしたりなんかしないからさ
お疲れ様今日の僕
明日の世界が明日の僕にとって少しでも優しくありますように
熱情
ショーウィンドウ越しの花柄のワンピース
テレビ越しで見た世界の絶景
SNSにあの子があげてたオシャレなカフェ
先行配信の音楽
ずっと観たかった映画
お気に入りの作家の二年ぶりの新作
あんなにワクワクしてたのに
あんなに求め続けたのに
あんなに手を伸ばし続けたのに
あんなに欲しくてたまらなかったのに
嗚呼
手に入ると色褪せる
届いた途端にぼやけて見える
なんて愚かで滑稽な
だから
この気持ちに「はじめの一歩」は必要ない
この気持ちに「終わりの合図」も必要ない
この情熱が色褪せるくらいなら
恋焦がれて燃え尽きたいの
手に入って棄ててしまうくらいなら
求め続けて終わらせなくていい
永遠なんて信じてないけど
できれば永遠に思い続けてみたいの
この恋情と一緒に死んでしまいたの
然すれば与えられん
追い詰めた先に何があるという訳でもないのに
誰も責めてはくれないから
自分で自分を傷つけるしかないんだ
遠回しに刺すくらいなら
いっそ正面から殴り飛ばしてくれたほうがどんなに楽か
思ったより狡猾な自分は誰かのために生きてる振りをして自分本位に命を消費してる
誰かのために生きれてるあいつを馬鹿にしてるくせに内心羨ましいだなんて素晴らしく滑稽だ
描いた未来の自分はあんなにも輝いていて
いまの自分の面影すらない
理想郷の錯覚に酔う度に陶酔しきった自分を殴り飛ばしては陰で泣いてる
ごめんな俺の中の「理性」ってやつ
あっちこっちにフラフラと大変だろ
のうのうと生きてる振りして大事なことは何一つ向き合ってねぇんだから大変だろ
それでもなけなしのお前がいてくれてよかったよ
まだ「人間」でいられそうだよ
ギリギリ「人として」いられそうだよ
「こんな人間でも」やっぱり「生きて」いたいんだよ
「こんな人間でも」やっぱり「夢見て」いたいんだよ
こんな人間でも「せめて」生まれてきて良かったなんて思いながら「死んで」みたいんだよ
「あわよくば」生まれてきてくれてありがとうだなんて言われてみたいんだよ
「願わくば」
あなたに、あなたに言われて、みたいんだよ。
そのデザイアに希望はあるのか
あいつにとっての正義が俺にとっての悪だったり
あいつにとっての愛が俺にとっての憎しみだったり
あいつにとっての神が俺にとっての天敵だったり
あいつにとっての生が俺にとっての死だったり
あいつにとっての悪が俺にとっての憧れだったり
あいつにとっての憎しみが俺にとっての恋だったり
あいつにとっての天敵が俺にとっての恩人だったり
あいつにとっての死が俺にとっての希望だったり
あらゆるものたちの定義がひとつしかなかったら
もっと楽に生きれたんだろな
大事なものがみんな一緒だったらもっと仲良くやれたんだろな
それでもきっとどこかで争いは生まれてしまうんだろな
大事なものを自分の手で大事にしたくて
争いは生まれてしまうんだろな
少なくともあいつと俺が仲良くやれる世界なんてないんだろな
世界は思ったより単純で
未来は思ったより早くやってきて
結末は描いたものよりも残酷だ
俺も思ったよりも単純で
あいつは思ったよりも近かった
反実仮想の世界で生きてみたかった
慣れない仲直りもしてみたかった
あいつの中の俺を見てみたかった
あいつの世界で生きてみたかった
俺の世界で生きて欲しかった
俺の世界を見せたかった
お前の世界を解りたかった
嗚呼
でも
きっと
対極にいるはずのふたりが交わることで
世界が壊れてしまうのならば
神はきっと「ソレ」を赦しはしないだろう
終わりのリズム
生き物が一生に打つ鼓動の数は決まってるらしい
どこかの偉い学者さんがテレビで言ってた
ぼんやりと
嗚呼 私はあの人に殺されるんだって思ったの
あの人に会う度にココが跳ねるの
あの人の声を聞くだけでココが震えるの
あの人の後ろ姿だけでココが揺れるの
きっと人一倍忙しないから
私はあの人に殺されるんだって思ったの
こんなに情熱的な終わり方を私他に知らないから
こんなに焦がれる想いを私他に知らないから
こんなふうに終われるならどんなに幸せだろうって
思ったの
この恋が燃え尽きてしまえばきっと私は生きていけないから
この恋と一緒に死ねるならどんなに幸せだろうって
それでもたったひとつ望むとしたら
あの人が私のせいで死ぬのならこれ以上何もいらないなんて我侭をあの人は赦してくれないかしら
二人お互いの命を燃やし続けて
二人お互いを恋焦がれて
二人一緒に終わらせたいなんて
あの人は赦してくれるかしら
不器用な愛の誓い
春になるまで待ってって
まだ凍えるような季節にはにかみながら言ったくせに
桜が散って君に似合う新緑も過ぎて君が苦手な夏が来たよ
灼熱の太陽なんて柄じゃないくせに
暑いのがホントに苦手なくせに
真っ青な空と入道雲をバックにしたら君は無敵だなんてホントに君はムカつく野郎だった
三ツ矢サイダーを飲む君の少し痩せた鎖骨を流れ落ちた汗に溢れる色気をきっと君は知らなかったでしょ
いったいその汗で何人の女を落としてきたんだ
春になるまで待ってって
肌を刺すような季節に耳を真っ赤にしながら言ったくせに
蝉の声も聞こえなくなって君が好きな秋が来たよ
イチョウの落ち葉を見ながら絨毯みたいだなんて真面目な顔で言ったから
随分詩的だねってからかったら読書の秋だからねなんて誤魔化したね
大の男が口を尖らしても可愛くなんてなかったはずなのにキュンと音をたてた私の心臓はそろそろ病気だと思った
杖をつく君とその絨毯の上をゆっくり歩き続けた
春になるまで待ってって
白い息が鮮やかな季節に目を逸らしながら言ったくせに
もうすぐ二度目の春がくるよ
白いベッドから見える白銀の世界が眩しすぎて君はそっとカーテンを閉めたね
世界を諦めてほしくなくて窓際に作った雪だるまを見て笑った君を見て泣きそうになった
骨張った手で私の頬をこれ以上ないくらい優しく撫でながらもう待たなくていいよなんて言うから
馬鹿じゃないのって言って君の頬を軽くつねった
そしたら少し困ったように笑いながら乾いた唇で私にキスをしたね
最期のキスは涙の味がした
もう待たなくていいよって
粉雪舞い散る季節に君が言ってから君がいない春がきたよ
散々待たせておいて勝手に一人でいっちゃうんだからホントに君は勝手な野郎だ
春になったら言いたいことがあるって君が言うからちゃんといい子で待ち続けたのに勝手に一人でいっちゃうんだからホントに君は勝手な野郎だ
まぁ でも
君の散らかった部屋で大事そうに飾られてたこの小さな箱の中身に免じて今回だけは許してあげる
死にたいあなたと 終われないわたし
傷つけないで 傷つかないで
失くさないで 忘れないで
終わらないで 終わらせないで
泣かないで 泣かせないで
壊さないで 壊れないで
ないほうがよかった いないほうがよかった
欲しくなかった 欲しくもなかった
求めてなんかなかった 求めたくなかった
いらないなんて いてほしいなんて
死なないでって 生きてほしいって
願うから 願わくば 嗚呼どうか
「生きられなくても生きたいと言って。」
「死なないくせに死にたいなんて言うな。」
さすらい
このまま何処かへ連れてってくれないかしら
宛先もないまま彷徨って
何処か名前も知らない遠くの地へと
このまま連れてってくれないかしら
ゆらゆらと流れるままに
何処かへ連れてってくれないかしら
あわよくば辿り着いたその先で
あの人と出逢えたりしないかしら
だいじょうぶ
まだいけるって何度も何度も繰り返して
あぁ 全然ダメだったって何度も何度も泣いた
繰り返してみたら記号にしかならないソレを懲りずに何度も繰り返すの
大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫
大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫
ねぇ もう ほら
コレが今の君だからきっと錆びれた機械みたいに心はボロボロで
使い古されたロボットみたいに頭も回ってない
ねぇ もう
大丈夫って言わないで
大丈夫じゃないくせに大丈夫って言わないで
大丈夫?って聞かないから大丈夫って言わないで
限界超えて大丈夫って言わないで
その歯車が狂う前に私のところにおいで
そのネジがなくなる前に私のところにおいで
あなたが壊れちゃう前に私のところにおいで
「タスケテ。」
嗚呼、 やっと。
ヨワムシ
後ろをついてくる自分の影すら鬱陶しかったあの頃
まるで世界が自分の敵のような気がして
弱さを認めたくないから
むやみやたらにあなたを傷つけた
ねぇ どうして
突き放してしまえば傷つかなかったのに
見捨ててしまえば楽になれたのに
いつでも終わらせれたのに
どうして私を受け入れたの
自分の影が怖くて前しか向けなかったあの頃
まるで世界に自分が独りぼっちな気がして
孤独を認めたくないから
君に依存して縋った
ねぇ どうして
傷つける君は私の何倍も痛そうにしてる
いつも泣きそうな顔して怒ってる
いくらでも傷つけて良かったのに
どうして君が痛そうなの
愛してしまえば楽になれたのに
結局意気地無しでどっちつかずのわたしたち
固有名詞のラブ・ソング
好きになってそばにいて伝えたい伝わらない今すぐ抱きしめて優しいキスをしてごめんねありがとう勇気がでない届いてほしい永遠の愛を誓うよ溢れ出す想い泣かないで君に会いたい貴方がほしい愛してる
ここらへんの言葉を上手に組み合わせたら
きっと世間一般の「愛の歌」になるんだろうけど
世間一般の「愛を歌って」君にちゃんと伝わるのかなんていつも思ってる
二人称だらけの「愛の歌」に固有名詞を重ねては夢を見る
ピンヒールが良く似合うあの女性も
よれたスーツのあのおじさんも
傷んだ茶色のパーマのあの大学生も
単語帳をひらいてるあの高校生も
「君」を「自分が好きな人」に重ねて
「愛の歌」に夢を見る
「愛の歌」に「愛」を求めるのは当然のこと
それでも「愛の歌」に固有名詞の「愛」はない
二人称の「愛」に浸って恍惚とするなんて滑稽だ
「愛の歌」の中の「理想の愛」を求め続けて何になる
気づいてないだろうから言っとくけど
「ソレ」はお前の「モノ」じゃない
他人の「ソレ」に自分の「ソレ」を重ね合わせて恍惚とするなんて滑稽だ
他人が叫んだ「ソレ」をまるで自分が吐き出した「モノ」みたいに大事に大事にするなんて本当に滑稽だ
世間一般の「愛の歌」だってもともとは誰かが叫んだ「愛の歌」だ
誰かが誰かに向けて叫んだ「愛の歌」だ
嗚呼 僕は嫌だ
「僕」が「君」に叫んだ「愛の歌」を「誰かのもの」にされるなんて絶対に嫌だ
だから僕は君のためだけに歌うよ
世間一般の不特定多数のその他大勢なんて真っ平ごめんだから
だから 「僕」は「僕」の「君」の「君のためだけ」のこの「愛」を歌うよ
だから どうか 嗚呼 どうか 届いてほしいんだ
響け
「僕から君へ君にだけの愛の歌」
馬鹿やろう
六月のおわりに女の子が産まれました
眉毛と鼻筋があなたにそっくりな女の子が産まれました
その小さな生命からでた大きな始まりの叫びと共に
六月のおわりに女の子が産まれました
あの叫びが梅雨の終わりの合図でした
あなたに似て天気を味方につけるのが上手なこの子は寝返りを身につけました
これでもう私をちゃんと探せるね
わたしが君から見えなくなっても世界の角度を変えれるね
ただでさえ人肌恋しい季節なのにいつもより肌寒いのはあなたのせいです
あなたに似てわたしの機嫌を探るのが上手なこの子はもう一人で立てるようになりました
地に足つけるようになりました
これでもうわたしが君から手を離してもちゃんと踏ん張っていけるね
道端の草花が鮮やかになってあなたが好きなオオイヌノフグリがいつもの公園で咲き誇っています
やっぱりあなたに似てこの花が好きなこの子だけどそれでもやっぱり女の子ね ピンクのハルジオンが1番好きみたい
最近つかまり立ちをするようになりました
たどたどしいその足取りに少し冷や冷やするけれど
それでも諦めないその姿勢をどうか忘れないでいて
私が君を支えられなくなってもどうか諦めないで踏ん張り続けて
死に遅れた蝉の声がまだまだ五月蝿いせいであなたがもっとこんくらい往生際が悪かったらなぁなんてどうしようもないことを考えています
あなたに似てお風呂があまり好きじゃないこの子はもうすっかり歩けるようになりました
よちよち歩きの愛しさをあなたはきっと知らないでしょう?後ろ姿ですら愛しいのよ?
地面の歩き方を身につけたこの子に社会の歩き方を私がちゃんと教えれるようにどうか見守っていて
あなたが死んだ六月半ばのことをよく覚えています
長期の出張って出て行って三ヶ月も帰って来なくて不安になって会社に問い合わせたら休職中だって
半年経ってひょっこり帰ってきて
ごめん俺ガンなんだって
手術したけど治らなかったって
余命も一年ないって
なんなんですか馬鹿やろう
私が泣くから言えなかったってなんなんですか
馬鹿やろう
泣くに決まってるだろ
馬鹿やろう
それでも私が泣いてあなたが傷つくなら我慢するに決まってるだろ
馬鹿やろう
お金がもったいないから入院しないってなんなんですか
馬鹿やろう
お願いだから生きようとしてって結局泣いちゃったじゃないですか
馬鹿やろう
毎日通わなくていいよってなんなんですか
馬鹿やろう
私が会いたいんですよ
馬鹿やろう
いつもごめんなってなんなんですか
馬鹿やろう
ありがとうって言え
馬鹿やろう
言おうか言まわいか迷って結局告げた新たな生命
見た事ないくらい号泣しながら
ありがとうありがとうってなんなんですか
馬鹿やろう
この子が産まれるくらいにあなたはいないんですよ
馬鹿やろう
絶対女の子だから名前はこれにするって
見事に女の子でしたよ
馬鹿やろう
なけなしの貯金をベビーグッズに費やしてあなたがこの子に使ってあげてほしかったのに
馬鹿やろう
この子がいるなら俺がいなくなっても大丈夫だななんて
頼むから追いかけようとするなよなんて
真面目な顔して言わないでください
馬鹿やろう
俺が死んだらクローゼットの上から2番目の引き出しを開けてほしいって
せめて一目この子に会いたかったなって
お前と結婚できて本当に幸せだったなんて
何勝手に終わらせようとしてるんですか
馬鹿やろう馬鹿やろう馬鹿やろう馬鹿やろう馬鹿やろう馬鹿やろう馬鹿やろう馬鹿やろう馬鹿やろう
六月の終わりに女の子が産まれました
悲しみ暮れる間もなく女の子が産まれました
きっとあなたが向こうで急かしたんでしょ
私が後を追わないようにって
早くあいつの傍にいってくれって
きっとあなたがこの子に急かしたんでしょ
お陰様で毎日生きるのに必死ですよ
ねぇ 私もう少しこっちで頑張るからこの子と一緒に頑張るから だから もう一度あなたに会えるその時は
よく頑張ったなって死ぬほど私を甘やかしてくださいね
if
ねぇ僕たまに君が憎くてたまらない時があるんだ
君に出会わなければ
こんな痛くて寂しくて苦しくてどうしようもない気持ちは知らなかったのになぁとか
こんなに自分が弱くて脆くて狡いやつなんだって知らなかったのになぁとか
きっと君に出会わなければ
僕はもっと僕らしくいられたんだろなぁなんて
たまに君が憎らしくて愛しくてたまらない時があるんだ
君にどれだけ触れててもやっぱりまだ足りないなんて僕の我侭だよなぁ
感じる体温が心地いいくせにいっそ身体も全部とっぱらって君の心に丸ごと触れたいなんて
僕の我侭だよなぁ
僕の身体も君の身体も全部とっぱらって
お互い心と心で一つになりたいなんて
きっと僕の我侭だよなぁ
ねぇ 私の生命とあなたの生命が天秤に掛けられたとき迷わず自分の生命を選んでね
あなたの生命を犠牲にして私の生命を選ばないでね
もしもの話で君が言うんだ
馬鹿だなぁ
僕の全部をきみにあげるって言ったじゃないか
僕の全部は君のものだから僕の生命も君のものなのに 私のために死んでって言ってくれてもいいくらいなのに
馬鹿だなぁ
あなたがいない世界なんてさして意味がないもの
生きていたって意味がないもの
そんなの僕だって同じに決まってるだろ
僕はさ君がいなくなったらもう大事なもの一つもないんだ
でもさ君は違うだろ
君は僕よりたくさん持ってる
きっとこれは生まれた世界の話だから今更とやかく言えないけど
君はちゃんと大事なものをたくさん持ってる
だからきっと天秤は君に傾くよ
僕のたった一つの大事な大事な君のために僕は僕を重くするものを全部捨てるよ
嗚呼 でも
愛されることで人に価値が生まれるのなら
愛されることで僕に価値が生まれるのなら
それで僕が重くなるのなら
きっとそれは君からの愛だから
それはそれだけは捨てられないなぁ
他になんにもいらないんだけど唯一大事な君からのものならどうしても捨てられないなぁ
君は君のせいで死んじゃうかもしれないよ?
もしもの話で僕が言うと
そうなれたらどんなに幸せでしょう
なんて本当に幸せそうに君が言うから
僕はびっくりして君を見たんだ
愛されることであなたに価値が生まれるのなら私の愛があなたの生命を救うことになるのよ
私の生命が犠牲なったように見えるのはただの結果にすぎないでしょう
あなたへの私の愛があなたを救った事実が遺ればそれでいいの
私があなたを愛したことがあなたが私に愛されたことが証明されればそれでいいの
君は 君は本当に素敵だね
そして僕は 僕は本当に幸せだね
いっそ憎らしいくらいの愛に出会えて僕は本当に幸せだ
そしてこれは僕の中のもしもの話
愛されることで人に価値が生まれるのなら
やっぱり天秤は君に傾くよ
愛されることで君に価値が生まれるのなら
僕は僕の全部をかけて君を愛するから
きっとそれは誰よりも君よりも大きな愛だから
やっぱり天秤は君に傾くよ
君が僕を愛したよりも僕が君を愛したことを証明しながら 僕は世界で一番幸せな死を迎えるんだ
セキララバイバイ
今日は僕のために唄ってよ
少し落ち込んだ今日だけど君と一緒ならきっとよく眠れそうな気がするんだ
今日は僕のために唄ってよ
明日がきっといい日になるように
今日は僕のためだけに唄ってよ
誰かのために唄い続ける君だから好きになったんだけどやっぱり僕のものにしたくてたまらない
あの優しい声が眼差しが心が全部僕に向けられたなんてやっぱり僕の我侭だよなぁ
こんな僕にも等しく愛を与える君を僕のものにしたいだなんてきっと世界は赦さないよなぁ
ああ今日も君の唄が聞こえる
大地は喜び鳥が歌い生き物たちは安らかに
気高さをしたためてるくせになんでこんなに優しいんだ
嗚呼 何故だろう
こんなにも視界が歪むのは
君の姿を目に焼き付けたいのに
涙が勝手にあふれて止まらないんだ
君の唄が優しすぎて涙が溢れて止まらないんだ
ありがとうありがとうありがとうありがとう
君のおかげで僕は今日も今日とて幸せな夜だったよ
この上ないくらい幸せな夜だったよ
ララバイセキララバイララバイバイセキララバイ
あなたが今日もぐっすり眠れますように
傷ついた心が少しでも癒されますように
怒りを彼方に悲しみをちゃんと涙に変えれますように
あなたのもとに少しでも多くの優しさが溢れますように
明日の世界があなたにとってちゃんと優しくありますように
明日のあなたが何にも憂うことなく笑顔で過ごせますように
あなたのことだけを想いながら誰かのために唄いましょう
あなたに届きますようにと誰かのために唄いましょう
あなたのための私の唄が誰かを救う唄になるのなら誰かのために唄いましょう
ララバイセキララバイララバイバイセキララバイ
ララバイセキララバイララバイバイセキララバイ
ララバイセキララバイララバイバイセキララバイ
バイバイ ララバイ
アガペー
もっと上手に生きたいなぁ
誰も傷つけずに自分も傷つけずに
もっと上手に生きていけたら
きっと僕もあの子も泣かないだろうなぁ
当たり障りなく生きていきたい訳じゃないんだ
何の不自由もしたくないなんて思ってない
ただ あの時こうしてたらこう言えてたらとか
たられば多すぎて嫌になって
結局誰かを傷つけないと自分を守れない自分が一番嫌いだ
あの子を傷つけないと生きていけない自分が一番大嫌いだ
あの子もみたいに誰かのために生きれるほど優しくないから
誰かを愛すること生きがいにはできないから
そのくせきっと中途半端に優しさを持ち合わせてる
ねぇ そんなに不特定多数の誰かに心費やして自分のための心は何処にあるの
愛してほしいから愛すのよ愛されたいから愛すのよ
独りぼっちが嫌だから寄り添うのよ
独りで泣きたくないから一緒に泣くのよ
仲間はずれが嫌だから寄り添い合うのよ
誰かのために生きれるほど私はきっと優しくない
自分のために誰かを愛して
誰かのために等しく愛を注いでいるように見えるだけ
だって上手に生きるってそういうことでしょ
自分を幸せにするために
ナニカの犠牲は必要で
犠牲になってくださいなんて面と向かっては言えないから
上手に愛して上手に満たされて上手に生きる
そうすればお互い幸せだもの
愛し愛され満たされ合いながらそこにホンモノはないけれどきっとお互い幸せだもの
上手に幸せに生きれるもの
嗚呼 じゃあ僕は上手に生きれなくてもいいなぁ
「上手に生きる」ってことがそういうことなら
僕はいっそ不器用ながらにボロボロになりながら生きてみたいなぁ
傍から見ればボロボロの其処にはきっとホンモノだけが光ってる
taboo
毎夜赦されるために祈って眠り
翌朝まるで赦されたつもりになって
また間違いを犯す
懺悔に近い祈りを繰り返す私を見て
きっと神様も指を指して笑っているだろう
禁忌の実の甘さを知ってしまえば
きっともう戻ることなんてできない
幻覚と誘惑 圧迫と専制を上手に組み合わせて
私を虜にするそれは
まるで麻薬
薔薇に棘があっても
傷つけば手に入ると同じように
傷つけば貴方を手に入れれると知ってしまった
その傷から入り込む毒にはまるで気づかずに
愛してほしくて愛することの虚しさを
できれば知らずにいたかった
それ相応の対価を求めて愛することの虚しさを
できれば知らずに生きたかった
秘密を共有することが私たちの愛の証だった
犯した罪を共有することで私たちは結ばれていた
嗚呼 アダムとイブ
背徳と劣情の世界
罪と罰の世界
禁忌を超えた愛の世界
理性と本能の世界
君たちの世界はなんて美しい
願わくば其処に生まれたかった
あの人と共に生まれたかった
血の繋がりすら超えて
あの人と共に愛に生きたかった
拝啓 神様
この恋をお赦しください
この愛を認めてください
祈りと共に今日もエデンの夢を見る
終末世界
死にたい
と言った三秒後に
本当に死んだ
という
夢を見た
願ったのは自分のくせに
突然きた終わりに勝手に絶望する
人って本当に勝手な生き物ね
なんてあの世で神様は怒ってるだろうか
正直で素直で素朴な神様
穢れなき孤高の存在
そんなあなたにはきっと分からない
死にたい くらいの しんどさに
逃げたい かわりに 死にたいと言う
それでも本当に 死にたい 訳ではなくて
なんていうか 助けて くらいのニュアンスなんです
人って本当に弱い生き物なのです
だから
勝手な解釈ではありますが
人類最高のSOSくらいに受け取って
世界の何処かから聞こえるその声に
少しの幸運と大さじ一杯の優しさと一つまみの愛くらいを恵んでやってくれませんか
馬鹿者。
神とて万能ではない。
74億のソレを一体どうしろと言うのだ。
いっそ、終わらせてしまおうか。
僕と君とで愛になれ
心が変わると恋になる
心を受けると愛になる
この違いはなんだろう
この気持ちはどっちだろう
僕に意味をください
この心に名前をください
君にとっての僕に意味をください
君の心の名前を教えてください
この心に恋をください
その恋に愛をください
そして
その愛に真っ青な心をください
Messiah
信じる方が容易いなど
この歪んで腐った世の中で
どうしてそう言いきれるのですか
己の私欲のために他人を貪るこの世の中で
どうしてそう言いきれるのですか
水滴が反射したように輝く瞳の
まるで穢れ一つないその輝きの
太陽を丸ごと持ってきたようなその眩しさを
直視できなくなったのは
私がくすんでしまったからでしょうか
貴方が洗礼を受けたからでしょうか
その眩しさに気付かぬまま
気付かぬにはいられぬはずではありますが
その眩しさに気付けぬ愚か者に
一体幾度傷つけられたかは
決してお忘れではないでしょう
それでも貴方は
まだ言うのか
信じる方が容易いなどと
己が傷つくほうが容易いなどと
貴方は幾分の迷いもないまま
まだ言い切るのか
その甘さ故に弱いと言われ
その優しさ故に苦しみ
その白さ故に穢れに弱い
嗚呼 それでも私は気づいてしまった
貴方を己の私欲のために利用しようと近づいて
骨の髄まで貪るはずで入り込んだのに
結局私は毒されてしまった
偽善者と吐き捨て
弱者と馬鹿にし
お人好しだと乏した貴方を
真に強いと気づいてしまった
いつかの私に言ってやらなければならない
いつかの私を殴らなければならない
この人は
弱い、故に、強い。のだと
己の私欲のために他人を貪るこの世の中で
嗚呼 まるで宝物のような
こんな優しさは知らない
こんな強さは知らない
それでも
誰かは
貴方を傷つけ貪ろうとする誰かは
きっとこれからも幾度となく現れるでしょう
それでも貴方は
懲りずに信じ続けるのでしょう
裏切られる度に傷つき
解り合えぬ憤りを溜め込んで
それでも信じ続けるのでしょう
それなら
“ 私が盾になりましょう ”
“ 貴方の代わりに疑いましょう ”
“ その痛み、引き受けましょう ”
と、声に出してしまうと
きっと貴方は困ったように笑いながら
じゃあ僕は君の盾になろうなどと
馬鹿げたことを言い出すだろうから
これは己に誓おう
一度穢れた罪の
二度と消えぬ戒めとして
これは己に誓おう
腐りきったこの世の中で
嗚呼 まるで宝物のような
潔く柔く強かな
この弱さ故の強さ
護るために生きましょう
この命貴方のために燃やしましょう
この巡り逢わせを運命と言えるのなら
これを私の天命と呼べるのなら
貴方のために死にましょう
後に神の子と呼ばれた人間を私は生涯護り続けた
好きすぎる故にいつも足りない
何となく好きっていうのも
ちゃんと理由だって分かってほしい
何処が好きと聞かれて
きっと答えようと思えばいくらでもあって
それでも持ってる言の葉の少なさにいつも少し嫌になる
口にしてみてはいつも少しの違和感が拭えなくて
足りない足りないと嘆いては
君のことで中途半端になるのだけは嫌だから
結局いつも何も言えない
君の全部が好きだなんて
君の全部を知ってる訳ない僕が
どうして言える
君のあんなところやこんなところが好きだと
思うのさえキリがないのに
君に会う度に
あぁ こういうところも好きだなぁ
って
会う度好きが増えるんだからもっとキリがない
それに比例して増えてくれれば問題ないんだけど
それでも僕の言の葉はいつも枯れそうだ
結局は僕の力不足には違いないんだけど
心配性で意地っ張り
寂しがり屋のくせに甘え下手
気の強いくせに変なところで自信がなくて
そんな君がいつも僕に聞く
私のどこが好き?
っていう君の質問に
いつも僕が
何となくだけど僕は君が好きだよ
っていう答えになるのを
どうかちゃんと理由だって分かってほしい
僕は君を幸せにしたい
僕は君の唯一になれるだろうか
貴方がいないと生きていけないとか
貴方以外何もいらないとか
貴方の全部が欲しいとか
そんな大仰なものでなくて
一人で生きると決めて縋りもしない
不安定な道のりを歩き続けては
転んだ傷には構いもしない
その傷を罰と掲げて進み続ける
そんな君が息をしやすいような
そんな唯一に僕はいつかなれるだろうか
雨が好きだと君が言う
多分嫌いな人のほうが多いだろうけど
雨のほうが好きだと君は言う
太陽は眩しすぎて痛いくらいだと
光の下は心許ないのだと
誰に対してと言うわけでもないけど
それでも誰かに申し訳なさそうに君は言う
どうして雨が好きなのかと聞くと
私の音を消してくれるから
冷たいフリをしてどこかさり気なく守ってくれてる感じがするから
少し 俯きながら歩いても赦してくれるから
これもまた誰かに申し訳なさそうに泣き始めた空を見上げながら君は言う
雨が 羨ましいだなんてきっと笑われる
神様の涙とまで言われているものに
到底人間の手が及ばないものに嫉妬するなんて
不相応すぎてきっと笑われる
あの傷だらけの手を守れるなんて羨ましい
あの頑固で優しい女の子の傍にいれるなんて羨ましい
来世はきっと雨になりたい
強くなる雨をぼんやり眺めながら
不意にポツリと
傘が好きなの
雨が好きなのは傘がさせるから
だから雨が好きなの
本当に独り言みたいに君が言った
どうしてと聞く前に君が言った
傘の下にいると安心するの
此処にいていいよって言われてるみたいで
安心するの
居場所があるみたいで安心するの
そしたら私生きててもいいかなぁって
生まれてきても良かったのかもなぁなんて
少し思えて
もう少し生きてみたいなぁって思うの
嗚呼 神様
さっきのお願い取り消してください
貴方の涙になりたいだなんておこがましい願いは取り消してください
もう二度と二度と言いませんのでどうか赦してください
その願いの代わりの
僕のお願いを一つだけ聞いてください
あの意地っ張りで優しすぎる女の子を
まるで僕の宝物のような女の子を
すっぽりまるごと包めるくらいの
強くて丈夫なからだをください
あの子に向かってくるもの全部優しく受け流せるくらいの柔らかいからだをください
あの子に怖いものがある時はその視界遮れるくらいのからだをください
こんなに強くて優しいやつを僕はひとつしか知らない
だから今の君の唯一は僕じゃない
生まれ変わって少し大きくなった僕で生まれてきても僕のままでそれに勝てるなんて到底思ってない
だから
来世はきっと になりたい
simile
比喩というのは大変便利な文学的表現ですが
自分勝手な感性に包んだ言葉で
一体誰にどれだけ伝わるかなんて
考えてしまえばキリがないのです
例えば私がチョコレイトが一番好きだからと言って
「君が好きだよ。
強いて言うならチョコレイトくらい。」
なんて告白しても
もし君がチョコレイトを普通に好きだとしたら
私が君を普通に好きなのだとしか伝わらないのです
一番好きだと君に分かってほしいのに
君にちゃんと伝わらないのです
勿論君の感性と私の感性がぴったり合わさっていればそれほど素晴らしいことは無いのですが
それでも私は君ではないし
君は私ではないので
それはきっと有り得ないでしょう
百ある内の一を求めて
百通りの愛を叫ぶのも美しいとは思いますが
綺麗事だけを並べ続けて
君にちゃんと伝わるかなんて
これまた考えてしまえばキリがないのです
では私に等身大でぶつかる勇気があるかと
問われれば胸を張ってはいと言いきれる訳ではないのです
等身大の自分の格好悪さは自分が一番分かっているので有りの侭の自分なんぞどうして君に見せられましょう
それでも人間というのはとうに弱い生き物なので
情けないところごと愛してほしいなど考えてしまうのです
「有りの侭の君が好きだよ」
聞き慣れた言葉ではありますが
この言葉の重みを知る人がどれ程いるかなんぞ
これまた本当に考えてしまえばキリがないのです
比喩というのは大変便利な文学的表現ですが
結局のところ
本物を伝えたいのなら本物で勝負するしかないのであって
包んだものはもう既に別物だと言うことに
見て見ぬ振りをするかどうかは
伝える相手によるものです
「大事なものほど難しい」
と言うのはよく言ったもので
本当にそうだなぁと君を前にする度に思うのですが
着飾った別物よりも不格好な本物のほうが君は喜んでくれる気がするのです
偽物を伝えるには君はやっぱり大事すぎるので
不器用なのは充分承知なのですが
私は私を私のまま伝えるので聞き苦しいとは思いますがどうか受け取ってくれませんか
ウソツキ
貰ってくれないくせに欲しいなんて言うな
止まってくれないくせに待ってろなんて言うな
帰ってこないくせに行ってきますなんて言うな
二度目なんてないくせにまた今度なんて言うな
触れる気もないくせにそばにいろなんて言うな
止めるつもりもないくせに泣くななんて言うな
目も合わせずにさよならなんて言うな
死ぬ気なんてないくせに死にたいなんて言うな
嘘でもいいから好きだと言って
生きられなくても生きたいと言って
逃げ道があるからと言って弱くなるわけではない
この小さな身体に
悲しいことがないようにと
ずっとずっと護ってあげたいと
一番最初に大きな大きな愛をあげました
まるで行かないで行かないでと言っているように
ギュッと繋いで離さなかったあの小さな手は
いつの間にか手を離れて
大きく大きく手を振るようになりました
行ってきますの大きな声と一緒に
少しの寂しさは嬉しさの後ろに隠しました
それでも
やっぱりお母さんは心配性なので
今日も心の中で
あなたが今日も平凡で変わりない毎日を過ごせますようにと
良いことは起こらなくていいから悪いことも起こらないでくださいと
元気にただいまと言ってくれますようにと
あなたの背中に祈ります
あなたが大きくなっていくのが
こんなにも嬉しいのに
お母さんはワガママなのでやっぱり寂しくないとは言えません
あなたが純粋無垢な心を見せる度に
どうか失くさないでと言わずにはいられません
あなたのお陰で思い出せた心
大人になると忘れちゃうって
子どもの頃に何処かで聞いたけど
大人は忘れたことも忘れちゃうんだってことも
何処かで聞いた
大事なものなのに勝手に要らなくしちゃってた
自分を護るために勝手に捨てちゃってた
あなたを護るつもりでいて
あなたに護られていたことに気づいた時には
あなたはもうすっかり自分で自分を護れるように
なっていました
強くなったね 大きくなったね
もう一人でも歩いていけるね
ただいまは少しお休みだね
それでも
この場所をどうか忘れないで
ここだけはあなたにとっていつも優しいから
この場所だけはどうか忘れないで
やっぱり世界は思ってるより優しくないから
あなたにとって痛いものたくさんあるから
きっと周りの大人たちは言うでしょう
我慢も大事だと
努力をしろと
逃げるなと
最後にいつも
お前を思って言っているんだ
と 付け加えて
ずるいでしょう?
自分を正当化しつつ自分の評価も上げれる
大人ってこういう言葉をいつの間にかたくさん知ってしまって
気づかない内に本音と建前が分からなくなることだってあるの
分からなくなったことだって分からないんだから怖いよね
それでも大人になったあなたの心に残った子どもの
面影はその言葉を信じて
ひたすらに
我慢して努力して逃げずに立ち向かって
満身創痍で日々を過ごすでしょう
そしてその努力の日々は
時には認められてまた頑張ろうとして
また認められてそんな成功の日々もあるでしょう
すこしの失敗と挫折も乗り越えられるでしょう
でもね
やっぱり世界って思ってるより優しくないから
努力ってどんなに取り繕っても限界はあるから
人って基本的に弱いものだから
やっぱり私はあなたのお母さんだから
我慢しなくていいよ
努力も大事だけど休息も必要だよ
ここにはいつでも帰ってきていいよ
ってあなたにとって絶対的に優しい場所があるってことをどうか覚えおいてほしいの
愛より金と言い切る世界に
綺麗事だけじゃ生きれない世界に
狡くならなければ生きていけない世界に
表面取り繕えば中身は真っ黒でいい世界に
見えなくても知らなくてもいいことのほうが多い
世界に
優しさが喰われる世界に
疲れてしまったらここにおいで
ここにはあなたにとって痛いもの一つもないから
生きるのに疲れてしまったらここにおいで
死にたくなったらここにおいで
あなたの素敵なところと
あなたが生まれた時の話と
あなたを私がどれ位好きかを
嫌になるくらい自惚れるくらい話してあげる
歩く力が戻ったら
また行ってらっしゃいって送り出すね
またひとまわり大きくなったその背中に
相変わらずの祈りを捧げながら
いつかのただいまを夢見ながら
お母さんは今日も今日とてあなたの幸せを願います
恋のぼやき
好きな人には条件なしでずっとずっと幸せでいて欲しいと思うけれど
できればその幸せの中に自分も含まれていて欲しいと思うのが本音です
愛してるの後に愛してたがくるくらいなら愛してるなんて要らない
嫌いだったものも好きな人が好きだって知ったら
好きになった
好きって無敵だ
あなたのこういうところが好きって
私は色んな人に声にして伝えたい
もしそこがあなたが自分の嫌いなところだとしても
私は好きだと声を出して伝えたい
あなたが嫌いなところ私は大好きだって
あなたが自分を嫌いでも私はあなたがホントに好きだって私は声にして伝えたい
何となく時計を見たら
あなたの誕生日だった
それだけなのにどこか嬉しい
メイクも髪型もバッチリな時に
あなたに会いたいからいつもは手を抜かないのに
今日に限って会うんだから
神様はホントにいたずらだ
それでも会えて嬉しいんだから
恋ってホントに厄介だ
あなたの移動教室と体育の時間割を把握してるくらいにはあなたのことを見てます
好きって言葉は一つしかないのに
好きって感情は色々あるからいつも迷うの
上手に恋がしたいって思ってた
馬鹿だなぁ
できるわけないのに
できるんならそれはきっと恋じゃないのに
大好きだったよじゃなくて
大好きだよって意地はらずに言えばよかった
最後くらい意地はらずに言えばよかった
あの時こうしてたらとか
あの時こう言えてたらとか
たられば多すぎていやになるね
私の黒いとことかずるいとことか
そういうの全部知っても
私がいいって言ってくれる人に
一生に一度でいいから出逢ってみたい
虹を見てすぐに君に知らせた
誰よりも早く君を思い出した
やっぱり好きだなぁって思った
ねぇねぇ
もうちょっとゆっくりでいいんだよ
気長にゆっくり回りなよ
もうちょっと太陽とお話してなよ
月とは喧嘩したんじゃないの?
あれ? してない?
まぁでも何にせよ
今日はゆっくりでいいんだよ
三ヶ月ぶりのデートだから
できるだけ長くいたいから
今日はゆっくりでいいんだよ
一生傍にいたいだなんて
そんな大それたこと思ってない
まぁでも
君が飽きるまでは傍にいたいって思ってる
恋をしてる私が
いつもの私よりちょっと好きだ
君たちの恋は君たちを救う
私はそれを祈りと言う
僕がね呪いをかけたんだ
嫌なこと何にも思い出さないように
あの子のなかで辛いこと全部無くなるように
僕が呪いをかけたんだ
それが救いじゃないのは分かってる
世の中でそれを現実逃避というのも分かってる
それでもあの子にとって世界が優しくないのなら
僕が優しい世界をつくってあげようって思ったんだ
僕があの子にとって優しくないのなら
あの子のなかから消えようと思ったんだ
僕が思ってるよりもあの子のなかの僕が大きくて
思わず躊躇ってしまったけれど
その大きさはあの子の傷の大きさを物語っていて
その大きさに躊躇いなんてすぐに消えた
だから僕は呪いをかけたんだ
全部全部忘れれるように
その傷が全て綺麗な瘡蓋になるように
勝手に呪いをかけたんだ
あの子が僕を想って泣いてくれることなんて
きっともうこれが最期だから目に焼き付けよう
できれば最期は笑顔が良かったけれど
泣き顔なんて最初で最期だから目に焼き付けよう
嗚呼 駄目だなぁ
泣かせたくなかったのに
ずっと笑っててなんて言ったくせに
あの子が僕を想って泣いてくれることが
こんなにも嬉しくてたまらない
そのくせ泣かないでなんて心底思ってる自分が
いるもんだから
なんてややこしいんだ恋情というものは
さぁ 夜明けのライオンが目を覚ました
ありがとう
その雄叫びは別れの合図には充分だ
旅立ちのリズムは淡々と
君の姿がぼやけるのは
果たして朝日か僕の涙か
嗚呼 ほら もう泣かないで
この呪いの仕上げをしよう
少しの下心を隠せなかったことを許して欲しい
あの子の瞼にそっとキスをして
暫しの別れを息で告げた
五つ数えたら目を開けて
そしたらもう君はきっと自由だ
僕の勝手を許して欲しい
この勝手な呪いを許して欲しい
きっと解けることはないだろうから
それでも僕は君に幸せになって欲しいんだ
さぁ もう 目を閉じて
静かに眠りな
五つ数えるまで決して目を開けてはいけないよ
ほら 早く そう いい子だ
ひとつ
ふたつ
みっつ
よっつ
いつつ
ピーターパンに憧れて
大人になるっていうのがそういうことなら
大人になんてなりたくないなぁ
諦めることが上手になるなんて
ちょっと空っぽすぎるなぁ
嘘をつくのが上手になるなんて
ちょっと虚しすぎるなぁ
出来ない約束に躊躇いがなくなるなんて
ちょっと勝手すぎるなぁ
笑いたくないのに笑えちゃうなんて
ちょっと疲れるなぁ
口先ばかりが上手になっては
本音なんてどこにもいない
真偽も正誤も他人任せなんて
ちょっとカッコ悪すぎるなぁ
どうしようもないことが増えるばかりで
仕方がないで諦めては
自分が傷つかないように
責任放り出して
誰かの光の影になる
ごめんな
あの頃の俺
お前の方が今の俺よりよっぽどカッコいいよ
そして戯曲に接吻を
ねぇ
何だい?
結婚って何のためにするのかしら
永遠の愛を誓うためじゃないか?
あなたって永遠なんてものを信じるクチなの?
僕は存外ロマンチストなんだ
どの口が言ってるのかしら
七夕の短冊を鼻で笑って破り捨てたのは誰?
君も存外根に持つタイプだね
私はねもう愛だの恋だのうんざりなのよ
所詮は独占欲と裏切りの塊よ
そんな綺麗なもんじゃないわ
君の歳でその恋愛観に行き着くなんて
余っ程の手練のようだね
そうね
でも恋に恋するような可愛い時期が
私にもあったのよ?
その頃の君に出会いたかったね
そして大人の恋愛ってやつを教えてやりたかったよ
あら残念ね
あなたの手ほどきを受けてみたかったわ
真面目に答えてもいいかい?
え?
さっきの質問だよ
僕なりの答えがふと浮かんだんだ
………聞いてみたいわ
もう一度訊ねましょうか?
是非お願いするよ
あなたは結婚は何のためにすると思う?
愛を形にするためさ
どう頑張っても他人の二人の確かな愛を
目に見えるものにしたいと思ったから
人々は愛を誓うんだよ
指輪にしたためた愛を形あるものにす
ちょっと!
何だい、人が折角真剣に答えてるところに水を差すなよ
あなたがふざけるからでしょ!
失礼だなぁ大真面目だよ
眉一つ動かさずに人を殺せる人が
そんなまともな恋愛観持ってる訳ないでしょ
のらりくらり躱すフリして本当は本音を晒すのが怖いだけなくせに
本当君には敵わないな
君の前では僕は格好つけることも許されないらしい
そういう男の勝手なプライドって女からすれば
本当に取るに足らないものだから
いいからさっさと本音を出せ
分かった 降参だ
君は本当にいい女だよ
知ってるわ
飽きるほど言われてきたもの
それでも私は何一つ本物は持ってないけれど
おや 今のは珍しく君の本音だね
本音を出せって要求してるのに
こっちのカードを隠すのは筋が通らないでしょ
………たまらないな
これ以上取り繕うのは無駄なようだね
それこそ無駄なプライドってやつだ
そうだね
僕にとったら結婚なんてもんはただの紙切れさ
誓いも約束も破るためにあるんだ
紙切れなんていくらでも破り捨てられる
そんな不確かなもので縛るくらいなら
肉体的に監禁でもしたほうがまだ確実だ
要求したのは私だけど
あなたって本当に救いようのないクズね
それは褒め言葉として受け取っておくよ
ただ 君と出会って
結婚に対する価値観に一つ変化があった
あら それは光栄だわ
私があなたを変えたってことね
身に覚えはないけれど
そうだね
僕が勝手に意識して僕が勝手に変わったんだ
それがどういうところか聞いてもいい?
結婚なんてね
本当に無意味だと思っていたんだ
してもしなくても意味の無いものだと
本当にただの紙切れだと思っていた
けどね
その紙切れごときで君に関する全ての事項に
僕が優先されるなら
どうしようもなく二人な僕等を傍から見れば
まるで二人で一つのようになれるのなら
その紙切れなんかに頼ってみたいね
ねぇ それってまるでプロポーズみたいよ?
みたいじゃなくてそうなんだよ
私別にプロポーズして欲しくて言った訳じゃないんだけど
あぁ そうだね でも僕は今言いたくなったんだ
本当あなたってクズね
君に何を言われても僕は喜べるよ
救いようがないじゃない
そうだなぁ 僕を救えるとしたら唯一君だけだ
ちょっと 微妙に噛み合ってないんだけど
イラついてる君も可愛いね
あなたってそんなに軽々しい人間だったの?
好きな女性を口説くのにどうして手が抜ける?
あら 今のは少しときめいたわ
光栄だなぁ
ところで一体君はどうなんだい?
何のことかしら?
君にとって結婚は何たるものか聞いてもいいかい
お嬢さん?
そうね
私も正直に答えるのが道理ってものかしら
たとえば
あなたがどこか遠くの地で殺されたとき
ちょっと待ってくれよ 仮定が物騒すぎやしないか
あら 十分に有り得る話よ?
こんな職業柄だもの
いつ殺されたっておかしくないわ
まぁそれはそうだけど
君が待っていてくれるなら僕は這ってでも
生きて帰るよ
あわよくば口説き落とそうとするのやめてくれる?
すまない
君の話を続けてくれ
たとえば
あなたがどこか遠くの地で殺されたとき
身元確認をした後に
そのあなたの言う紙切れのおかげで
私のもとにまず一番に連絡が来るって言うのは
まぁ 安心できるし
あなたがどこか遠くの地に私の目が及ばない所に
いてもその紙切れのおかげであなたを
繋ぎとめていれるのなら いい
一番を持たないあなたの一番になれるのなら
名字と私の人生くらいくれてあげる
参ったな
まるでプロポーズをされた気分だよ
もう最早男前の域だね 君は
プロポーズにはハッキリと返事を返すものよ
自称伊達男さん?
君の前じゃあどんな伊達男も形無しだよ
もちろん
喜んでお受けしましょう 僕の天使
いま この瞬間から あなたが僕の生きる意味です
あなたの天使になったつもりなんて毛頭ないけれど
そうね
私の加護であなたを護れるのなら
それも悪くないかしら
初めて会った時は君を本当に天使だと思ったけどね
最初は下手くそな口説き文句かと思って
無視するつもりだったのに
あなたがあんまりにも真剣に言うから
ついつい反応しちゃったのよね
忘れられないわ
あんな馬鹿みたいな台詞
おいおいそれは酷いじゃないか
僕は至極真剣に言ったのに
あら 正当な評価だと思うわ
まるで安っぽい戯曲のような台詞だったもの
人の人生なんて戯曲のようなもんさ
あら 珍しく真っ当なことを言うじゃない
君が幕を降ろすその瞬間まで僕が筆を握ってもいいかい?
三文芝居なんかにしたら許さないわよ
こんなにいい役者なんだから
もし納得のいかないストーリーだったら
その時は君が僕の筆を折ってくれても構わない
それは違うわ
私が代わりに筆を握るのよ
あなたに任せていられなくなったらね
やっぱり君は本当にいい女だよ
ねぇ
何だい?
あの台詞もう一度言ってくれない?
あの安っぽい戯曲のようなやつかい?
そうそれ
思い出したら聞きたくなっちゃった
いいよ
君の願いなら
たとえ星だって掴んでみせ
そういうのいいから早く
せっかちなプリンセスだなぁ
“ やぁ どうしたんだい? Kittyちゃん
こんな所にいると 風邪を引きますよ
今夜は冷えます さぁ立って
その可愛い顔を見せくれ
これはびっくりだ
可愛い子猫かと思ったら
まるで美しい天使じゃないか”
“ 天国から落ちる時痛くなかったかい? ”
この輪廻に花束を
前世で駆け落ちした男女は
来世で血が繋がって産まれるんだって
なにそれ迷信?
さぁ?
どっかで聞いたことあったなぁって
ふぅん
…生まれ変わっても傍にいたいってことなのかな
普通に生まれ変わったほうが絶対楽なのにね
うん、でも必ず出逢えるっていうのがいいよね
少なくとも他人のまま 出逢えないままじゃない
あぁそれはそうだね 余っ程いいよ
でもさ僕等の前世がそうだったとして
僕等がいま苦しくてたまらないのが
それのせいだったとしたら
やっぱり僕は出逢えて良かっただなんて
到底思えないよ
うん
だってその人たちは少なくとも結ばれたんだよ
祝福はなかったかもしれないけど
きっと普通の恋だったはずだ
神様には認められた恋だったはずだ
うん
ねぇ
なに?
もし もしその迷信が本当だったら
来世は僕等ちゃんと他人で産まれれるね
そうだね
きっと前世の名残で近くにいるよ
絶対出逢えるよ
俺がお前を迎えにいくよ
いつもみたいに見つけてあげる
だから迷子になっても大丈夫だ
うん 待ってる
ウロウロしないから
ずっと待ってるから
絶対絶対見つけてね
はいはい
兄ちゃんを信じなさい
お前は泣き虫だから出来るだけ早く見つけるよ
うるさいなぁ
兄ちゃんだって一人で泣いてるの知ってるんだから
うわぁ それは恥ずかしい
うん 隠してる方が恥ずかしいから
もう一人で泣かないでね
うん ありがとう
兄ちゃん
ん?
駆け落ちしよう
兄ちゃん
お願いそんな顔しないで
父さんと母さんはもう泣かせちゃったし
学校に噂は広まってるし
此処に居場所はもうないし
それでも僕は兄ちゃんと一緒にいたいし
それが不幸だとは思わない
兄ちゃんだけが悪いんじゃないよ
だからそんな顔しないで
あぁもう泣かないで
やっぱり兄ちゃんの方が泣き虫だ
ごめんな
お前を好きになってごめんな
でも
俺のこと好きになってくれてありがとな
うん ごめんって言われるよりそっちのがいい
僕からもありがとね
全部全部前世のせいだ
きっと余っ程情熱的で罪深い恋だったんだろうな
来世の業が重すぎるしな
それを言ったら僕等も大概だけどね
それもそうだ
お願いだから
もう勝手にいなくならないでね
馬鹿みたいだけど
僕もう多分一人じゃ生きていけない
この気持ちなくしたら生きていけない
あぁ 俺もだよ
約束だよ
死ぬ時も一緒だからね
死んでからもそばにいるんだから
そのくらいしなきゃ
あぁ そうだな
好きになった人が
たまたま血が繋がっていただけのことだった
ちゃんと普通の恋だった
それでも世界はそれを赦さなかった
常識という名の荒波は何度も何度も僕等をのんだ
命の根底にあるこの恋を一体どうして切り離せる
この気持ちなくして一体どうして生きていける
心中するような恋だった
それでもちゃんと恋だった
レンズ
窓の外の空が綺麗で
レースのカーテンを開けて
目を凝らしたんだけど
遠くを見ようとするほど
窓の格子模様や汚れに目がいって
いつまでたっても空は綺麗に見えなかった
気づくと日が暮れていて
あの空は僕のものにはならなかった
僕にはなにも残らなかった
みたらしだんご
吹っ切れたつもりだったけど
なんとなく見てた歌番組の
なんとなく聞いた歌の
「終わった恋にありがとう」
っていうフレーズが妙に胸に引っかかったから
まだありがとうって言えるまで吹っ切れてはないなぁとぼんやり思った
日常にあったものが急になくなっても
少しの違和感だけで日々を過ごせていたけど
日常にあったせいでこういう1コマで
すぐに引き戻されちゃうのが何とも言えない
終わったんだと終わってしまったんだと
何度も何度も頭が心に言い聞かせるのに
まるで反抗期のこどものように聞く耳をもたない
友達に戻ったはずなのに
フォローを返せないSNSも
いちいち喜んでしまう連絡の通知も
まだ消せてない2人の写真も
この四角い文明の利器がまんま私の未練みたいだ
日常に溶け込んだこの気持ちに蓋をして
息を吐けば飛ぶくらい軽い蓋をして
私は今日もあなたのいない日常に必死についていく
一世一代の大勝負
眼鏡を外したらOKだとか
シャワーから寝室に直行したら
誘ってるだとか
世間一般の素直なサインは
あまのじゃくな君にとって
きっと1番苦手なことなんだろうね
だからさ
僕が全部ちゃんと見逃さないようにするよ
あまのじゃくな君がちょっぴり出せた
素直なサインを僕がちゃんと受け止めるから
頑なに眼鏡を外さない時も
全然シャワーに行かない時も
眼鏡を外してキスをして
そのまま抱きかかえて浴室に行こう
ちょっぴり甘えたいだけならさ
そのままソファでゴロゴロしよう
素直になれなくてごめんねなんて
そんな素直な君が
僕は愛しくてたまらない
君はそのままでいいんだよ
僕が好きになった君のままでいてほしいんだ
だからそんなに悩まないで
落ち込む必要なんてないんだから
君は知らないかもしれないけど
ありのままの君がどれほど可愛いのか
君は知らないかもしれないけど
僕は君よりよく知ってるから
ひとつひとつ教えてあげるね
あまのじゃくで甘え下手で素直になれない三重苦
君はそんな自分が嫌いだとか
いつもこれでフラれてきたとか
前に言ってたけど
僕から言わせればそんなの
可愛い君の三大要素でしかないし
今までの男はなんて分かってないんだろうって
感じだね
君はいつも甘やかさないでなんて言うけど
実は心の中で君に勝負を挑んでる
ホントは口に出して正面から挑みたかったんだけど
きっと君はまた照れて相手にしないだろうから
僕はこっそり勝負をする
ルールは簡単
めちゃめちゃ甘え下手な君を
散々愛して甘やかして
この人は絶対自分を嫌いにならないって
愛されてることを自覚させて
君から甘えてくれるようになったら
僕の勝ち
時間は無制限
と言いたいところだけど君が僕を嫌いになってしまう可能性もゼロに等しくもゼロではないので
時間は(実質)無制限
に訂正
ちなみに僕が負けるすなわち君が勝つ条件は
僕がこの勝負を諦めること
つまり君に降参することなんだけど
まぁきっとこれは万が一にもありえないから
僕の勝率はほぼ100%
とんだ出来レースだけど僕の脳内でやってることなんだから僕に有利なのは当たり前だよね
この勝負を初めてから今日でちょうど3ヶ月目なんだけど最近やっと成果が出始めた
最近は頭を乾かしてもらうのがお気に入りみたいで
無言でドライヤーを持ってきてから僕の膝に座るのが日常になりつつあるから
僕の地道な努力も実を結び始めてる
長期戦なのは分かってるけど
やっぱり相手が君だから
僕はホントに楽しくて仕方が無いよ
まぁ最終的に君の左手の薬指に
このシルバーの輪っかをはめれたら
僕の完全勝利になる
だからその際はどうか僕の隣で大人しく
負けを認めて世界一の幸せ者になってほしい
心の海