記憶 -第1話-
「ゆうにぃ!ただいまっ!!」
ボクはいつもの様に小学校から帰って、家の玄関で靴を脱いだ。
ゆうにぃは父さんが死んで、母さんが働きに出始めたころからずっとボクの面倒を見てくれている、ボクの大好きなお兄ちゃんだ。
かっこよくて、頭が良くて、すっごく優しくて、いつも笑顔で、駄目なことは「ダメだよ」って怒ってくれたり注意してくれたりする、大好きなボクのお兄ちゃん。
いつもボクが家に帰ると、「お帰り」って笑顔で言ってくれる。
・・・いつもは。
「・・・ゆうにぃ?」
おかしいなぁ・・・。
いつもは「おかえり」って声が聞こえるのに・・・。
「・・・ゆうにぃ・・・何処・・・?」
買い物にいっちゃったのかな?
ボクはそう思いながら、リビングにつながるドアを開けた。
「ゆうに・・・・え?」
ドアを開けた先にあったのは、ゆうにぃの真剣な顔でも、怒った顔でも、あの優しい笑顔でも何でもなかった。
身体中から血を流し、無表情で倒れているゆうにぃだった。
「ゆう・・・にぃ・・・?」
ボクは、何が起きているか分からなかった。
「・・・ゆうにぃ、ゆうにぃ・・・起きて、起きて・・・よ・・・っ」
ボクはゆうにぃにそう問いかけながらゆうにぃに触った。
「う・・・そ・・・」
ボクの目から涙がこぼれた。
ゆうにぃの身体は、冷たくなっていた。
「そん・・・な・・・」
ボクの頭は真っ白になった。
少しあたりを見回してみると、テーブルの上にある紙とペンがボクの目に留まった。
『ゴメンネ ママより』
「う・・・嘘だ・・・嘘だ嘘だ嘘だうそだうそだうそだぁーーーっ!」
ボクは雄たけびを上げた。
なんで?なんで母さんがゆうにぃを・・・。
なんでゆうにぃをコロシタの・・・?
どういうことなの・・・?
ボクの頭の中は混乱していた。
そしてそのまま、ボクは意識を失った・・・・・・。
そして10年後・・・ボクは今、感情を失っていた・・・・・・・・・・・・。
-つづく-
記憶 -第1話-
こんにちは。
今回は、ずっと頭の中で描いていた物語を書くことにして、試行錯誤しながら遂に投稿ができました。
実はボクもまだこの物語の最終回の内容を知りません。
この物語の内容は、この主人公達に任せようと思います。
なので、ボクもすごく楽しみです。
みなさんも、どうぞ主人公達の言動などをお楽しみに!
『待て!しかして期待せよ!(神永学)』
それでは^^