無駄に無題
ハンバーガーがつがつします。味むっちゃ濃いです。たまりません。
「ヨッシー! どこだべさヨッシー!」
菅沼の声です。呼ばれました。姿を現しましょう。
「呼ばれて飛び出て」
「じゃじゃじゃじゃーん」
「イエーイ」
「イエーイ」
ハイタッチしました。ハグしました。キスされそうになったので蹴り飛ばしました。
「私超痛てェ!?」
「ええ、それが痛みです」
食べ終わったので包みをくしゃくしゃにしてお空にポイしました。そして念力で燃やしました。
「出たー! ヨッシー先輩の十八番、パイオツキネシスだー!」
「そうですね。ではそろそろ行きますか」
「魔物の棲み処だね! 今回は洞窟? それとも洞穴?」
「稲村ヶ崎製菓(株)です」
間。
「……(株)ォォォォォォ!?」
「さっさと行きますよ」
という訳で、僕たちはかっこいいバイクに乗って稲村ヶ崎製菓(株)にやってきました。
「着きましたね」
「先生ー! 先生はおやつに入りますかー?」
「すいませーんすいませーん」
大声で呼びかけると、工場の中から太ったおじさんがやってきました。
「どうしたんだい少年少女」
「工場を見学したいんですけど」
「ほー、歓迎するよ。どうぞ、こっちだよ」
そう言って歩き出す太ったおじさんに、僕は背後から日本刀で斬りかかりました。
「ぐぁーー!!」
太ったおじさんは叫びながら本当の姿、魔物の姿を現し、そして倒れました。
「その程度で僕たちを欺こうなんて思わないことですね」
「ヨッシー早くいこう、あっちから甘ったるい匂いがするよ!」
「はい」
僕たちは工場の中に突入します。並んで走っている菅沼を見ると、おっぱいがすげぇ揺れてました。
通路を歩いていた何人かのおじさんを蹴り殺しました。みんな魔物でした。
何やら広い場所に出ました。ベルトコンベアがたくさんあります。お菓子がたくさん流れています。
「ペロッ……これはチョコレイト! ペロッアンドパクッ」
菅沼は虫歯になればいいと思います。
ここにもおじさんたちがいました。忙しそうですがどこか楽しそうです。
「だが魔物DEATH」
僕はサイクロプスを召喚しました。おじさんたちを次々と捻り潰していきます。
何かに足首を掴まれました。視線を下ろすと黒染めっぽいおじさんでした。
「おじさんたちが何をしたって言うんだぁ!」
「魔界の瘴気を込めたチョコレイトを作っていますね。おじさんたちが全員魔物ってのもわかってますよ」
「それは誤解だ! 確かにおじさんたちは魔物かもしれないが、真面目においしいチョコレイトを作ってるだけなんだ!」
「え、ホント?」
やばい、勘違いだったらどうしよ。
「見るんだ! あのおっぱいの大っきなお姉ちゃんだってピンピンしてるじゃないか」
「パクモグバリ、呼びました?」
特に能力とかも無いただの人間である菅沼があれだけチョコレイトを食べても平気……ということはまさかいやでも、ホラアレ、あれ。
「見たか! おじさんたちは無実……」
「パクモグうぐっ」
バタッ。
「あ」
「あ」
おじさんにファブリーズのスプレーに入れた溶解液を吹きかけて殺しました。
裏地球へのゲートを開いて、そこに菅沼の遺体を投げ込みます。
……十秒後、ゲートから匂坂が飛び出しました。
「呼ばれて飛び出て」
「じゃじゃじゃじゃーん」
「イエーイ」
「イエーイ」
ハイタッチしました。ハグしました。キスされそうになったので殴り飛ばしました。
「痛い死ぬー」
「耐えてください。それによって貴女はより強くなります」
匂坂は高校時代囲碁部で部長でした。
「あー、チョコレイトがいっぱいあるー。モグモグ」
「匂坂が魔力耐性持ちで助かりました。では帰りますか」
「帰ろー。そうだシミっちー、BD借りていこうー」
「いいですよ」
無駄に無題