There are you in the sky

There are you in the sky

高度5000m君がいた場所。
そこにはもう君はいない。
昔はたくさんいた。
君や、君の兄弟たちがたくさん。
でも君はもう役目を終えた僕が見る君の姿は、何もせずただ地上にいる君の姿。
君は飛ぶことが目的なのに、君の最後を空で終わらせてやることができないのは非常に悲しいことだ。
だが君を見たいものがいる。
君が、君のすべてが終わる前にその姿を見たいものがいる。
僕たちが負けて、残ったのは君ぐらいだ。
だから君の姿は人々の目に留まる。
空に身を置き、悠々とあの空をまっていたあの君の姿に。
だが君は飛べない、飛ばない、君にはまだ翼が残っている、機体も燃料も飛ぼうと思ったらすぐに飛べる。
だが君は飛べない、飛ばない、もうあの空は君のいるべき場所ではなくなったから。
もうあそこに君の居場所は無いのだから。
だから託すんだ僕に。
僕はまだ飛べる、飛ぶ、君のいた場所よりもずっと高く速く。
君のいた時間より長く、先へ。
僕はEagle。
君はZero。
僕が空にいるとき君はもういない。
君が空にいたとき僕はまだいない。


時代は過去には戻らない。
飛行機は後ろに飛べない。
なぁ君もわかってるんだろう。「Zero」
この空が平和であることに。

There are you in the sky

There are you in the sky

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-25

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