セルライト兄弟 2016.1.20

二人「はいどうも〜!」
井上「ライト井上です。よろしくお願いします」
佐藤「ライト佐藤です。ボクのラードは世界一♪」
二人「セルライト兄弟です。よろしくお願いします」
井上「ってなぁ、ボクのラードは世界一♪って何?」
佐藤「背油の方が良かった?」
井上「ラードとか背脂とか要らんのちゃう? しかも世界一って誰認定なん?」
佐藤「そら、有名なラーメン店とかトンカツ屋さんとかで作る世界豚の脂協会の皆さんなんちゃうかな〜?」
井上「そんな協会あんの!?」
佐藤「知らんけどな」
井上「知らんのかい!」
佐藤「知らんし、別にボクを評価してもらったこもないから、結局自称世界一やね」
井上「まさに虚偽申請!」
佐藤「いやいや、虚偽ではないよ。申請してないだけやから、ちょっとした誇張、デフォルメやと思って」
井上「デフォルメってここで使う言葉? むしろ佐藤くんの似顔絵が豚やったらデフォルメやろうけど」
佐藤「それはあかんよ。全国のファンが怒るよ」
井上「佐藤くんにそんなにファンおった? ファンレターとか来てるの見た事ないよ」
佐藤「ちゃうちゃう。豚ファンやがな」
井上「豚ファンからの叱責! 佐藤が豚でムカつく!!的な?」
佐藤「そう、的な。よう考えてみてください。日本全国の豚ファンと佐藤ファンどっちが多いですか?」
井上「かわいい豚のグッズなんてのは雑貨屋さんに行けば10や20はありますからね、やっぱり豚ファンですよね?」
佐藤「そうですよ。佐藤なんて、所詮、、所詮。。。(涙)」
井上「もうええよ。自虐の時間はここまで」
佐藤「ありがとう井上くん。君、優しいなぁ。今度スペアリブ世界一決定戦に応募しておいてあげるな」
井上「要らんわ!! なんでこのあばら骨周辺で世界一を目指さなあかんねん」
佐藤「しかも、食用な」
井上「ホンマに競う相手がちゃうがな」
佐藤「そうやな。もっと強敵でなければ!」
井上「ちゃうちゃう。その前にまず前提として人間と勝負しましょ」
佐藤「あかんわ〜」
井上「何があかんの?」
佐藤「そんなん勝ち目ないやん。試合前から不戦敗ですよ」
井上「そんなんやってみないとわからんことでしょ」
佐藤「いや、大体わかりますよ」
井上「なんで?」
佐藤「スポーツ、芸術、勉強。井上君何か1つくらい自慢ができる実績がありますか?」
井上「ボクは中学高校と柔道部でしてね。地区大会では優勝経験もありますよ」
佐藤「え!?」
井上「なに、その素の「え!?」は??」
佐藤「いや、今度からサン付けで呼ばんと楽屋裏で締められるかもしれへんと」
井上「そんなことせーへんよ。相方やん。それに格闘技とはいえ、スポーツと暴力はきちんと区別せなあきません」
佐藤「良ぇこというな、この井上よ!」(肩を強く叩く)
井上「痛った〜。何すんねん。」
佐藤「スポーツマンはこのくらいでは…」
井上「(声のトーンを落として)佐藤くん。スポーツマンでもキレる時はキレんねんで。気をつけや。特に暗がりではな…」
佐藤「めっちゃ怖いやん!!」
井上「まぁ、冗談はともかく。人間何か1つくらいは他の人にはちょっと自慢できるようなものがあったりはするわけですよ」
佐藤「ホンマですね。聴いてみなわかりませんな」
井上「そういう佐藤くんは、なんかある?」
佐藤「ラード世界一!」
井上「それしかないんかい! もう良ぇ〜わ。」
二人「Flying!!」
佐藤「重量over!!」

セルライト兄弟 2016.1.20

セルライト兄弟 2016.1.20

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-20

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