ふたりの絆(27)

メリークリスマス

年の瀬も近いある日、ヒカルの家に小包みが届いた。

宛名はヒカルになっていた。

(誰からだろう・・・。)

ヒカルは差出人の欄を見て驚いた。

アカリからだった。

ヒカルは今までにアカリにプレゼントをしたことはあるのだが、

貰ったのは初めてのことだった。

(僕の誕生日でさえ、何も無かったはずだよな。)

ヒカルはそう思いながらも包みを開けた。

中には、男物の手袋と、なぜかチロルチョコが大量に入っていた。

(なんだ、このチョコは?)

困惑するヒカルである。

手紙が入っていた。

かわいい便箋に書かれたアカリからの手紙である。

「ヒカル、遅れましたがクリスマスプレゼントだよ。手袋は私が選んだんだ。」

「選ぶのにとっても大変だったよ(笑)チョコは疲れたときでいいので食べてね。」

アカリらしい発想である。

ヒカルはアカリにメールを入れた。

「ありがとう、アカリ・・・何も言葉は出ないけど、ずっと仲良しだからね。」

ヒカルの精一杯の感謝の気持ちである。

きっとアカリには届くと信じている。

ヒカルは届いたばかりの手袋を両腕にはめた。

そして、大量にあるチロルチョコの一つを口に入れたのである。

いつもなら甘いだけのチョコなのに、なぜかほろ苦く感じた。

少し遅めのクリスマスに感謝するヒカルである。

                               →「由加里お姉ちゃん」をお楽しみに。 1/20更新

                               ホタル:遅めのクリスマスプレゼントをもらったヒカルの気持ちが
                                   とても純粋で、そして幸せそうですね。
                                   クリスマスってとても素敵なイベントだなって思います。

                          -27-

ふたりの絆(27)

ふたりの絆(27)

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-20

CC BY-NC-ND
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CC BY-NC-ND