オトナ

甘くて美味しいお酒の味。

甘い甘いオトナの味。

覚えたのはいつだっけ?

きっとこれはあの飲み会ね。

貴方が連れてってくれた

最初で最期の飲み会。

酔ってる私を見て

可愛いなんて言わないで

酔ってる自分は嫌いなの。

あんたなんか大っ嫌いだから。


苦くてきついタバコの味

めちゃくちゃ苦いオトナの味。

ああ…オトナの抱える苦労は

計り知れない。

なんで子供の頃オトナに

なりたかったんだろ。

ほらあの子がこっちを見てる。

羨ましい?私が?嘘でしょ?

「やめときなよ、汚いよ…オトナなんて」

吐いた言葉に吐き気する。

私はもう汚いオトナの仲間入り


未来

将来

希望


あの頃見ていた光の数々。

もう見えないよ聞こえないよ。

ここはもう誰も助けてくれない

保護されない場所。


ねえ、誰か助けてよ。

オトナだって認められたいよ。

褒められたいよ…。

オトナ

オトナ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-18

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