メインキャスターⅢ
美しき獲物
15-1
「結局、大した罪には成らなかったな」
「そうでしたね、罪を統べて、加藤女医に被せてしまったから」
「でも、不思議ですね、あの二人に、良い弁護士が付いていたのには、驚きでしたね」
佐山と一平が刑事課で話して居る。
伊藤純也は妻の久美に先日子供が産まれて、実家に戻って居たのを迎えに行く為に今日はお休みで、本人曰く可愛い女の子が産まれたと自慢している。
佐山の家の英子ももうすぐ産まれる。
こちらは男の子、刑事課はおめでたが続く。
経済情報番組 (藤堂冴子のクイック11)は好調そのもの、深夜としては破格の視聴率、日経平均株価も右肩上がりに成って、益々需要が伸びている様に思える。
玲奈はアシスタントから、街角、企業の取材を茂木沙紀と担当して、コーナーを持っていた。
新規上場の企業訪問もそのひとつ、毎日忙しく飛び回って居る毎日。
アシスタントには宮本美咲が入って、華やかな雰囲気に成って居る、
この美咲は(オフィス冴)が採用したタレント一号、二十一歳北海道出身、身長165のスタイルも顔も素晴らしい、清楚な女性。
一人の募集に応募が三千通、番組の中で募集したので大反響に成った。
条件が大変厳しい、二十五歳未満、短大卒以上、最低英語が喋れる。
身長160センチ以上、清楚、容姿端麗、それでも三千通も応募が来たのには驚きだった。
書類選考で二十人、面接で一人が選ばれたのだ。
十月の番組改正から、登場に成った。
玲奈と美咲、そして冴子が揃うと華やかそのものに成る。
大阪の丸田雄三は警察には逮捕されたが、玲奈の長い黒髪と紙に包んだ陰毛は大事に保管していた。
フェチ仲間には自慢の品、誰もそれが偽物とは疑わない、何故なら、刑務所に入っていたから、これ程確かな証明は無いのだ。
仲間の中では五百万とか、それ以上の価格が平気で付く。
藤堂冴子なら、その倍だ、いや若しも刈らせて貰えて、切らせて貰える。
剃らせて貰えるなら、幾らでも払うと云う変な男達も沢山居るのだ。
その様な変なグループにも丸田を凌ぐ地位も、お金も有る人物も混在しているのだ。
人の性癖は判らない、女装する髭の濃い男性、同性愛は無いが女装がしたい、その逆も有る。
最近はネット社会、丸田が見るサイトも会員制の毛フェチサイト、此処では平気で売買されている。
物を売る会場案内、中には犯罪なのでは?と思われる売り込みも存在している。
丸田も刑務所を出てから暫くは大人しくしていたが、時間が経過すると我慢が出来なく成って、サイトの中を覗き見る毎日なのだ。
冴子は、雅治と本格的に付き合いを始めて半年以上が経過していた。
意外とSEXは殆どしない、それは雅治が冴子に気を使っていた。
犯罪に巻き込まれての、SEXだったから、強制的に結ばれたと云う拘りがどうしても消えない。
冴子も心の繋がりは感じられるのだが、自分からSEXを求めるのに抵抗が有った。
そのまま半年が過ぎていた。
軈て成り行きで結婚をするのだろう、とは考えるのだが、もう一つ雅治にはコンプレックスが有る。
それは冴子の会社と個人の膨大な資産、会社経営の能力、相場能力どれをとっても、ピカイチの冴子にコンプレックスを持っていたのだ。
財産は会計士だから、直ぐに判る。
毎日雪だるまの様に増える資産、会社は順調に伸びている。
雅治には蚤の夫婦の様に感じる程、余りにも大きいのだ。
人の不幸に付け込んだ様で後ろめたい、何か冴子に勝る物が欲しい雅治。
冴子はそんな雅治に不満は無かったのだが、SEXには不満が有る。
忙しいから殆ど考えないのだが、ふと時間の空いた時にその様な事を考えるのだ。
冴子も玲奈も新しく入った美咲も同じ様な清楚系で統一して、番組に臨んでいた。
小出が最近少し派手に成ったかも知れないが、美咲が入って小出の雰囲気が浮いている感じがしている。
早速
「藤堂君、視聴者から、小出君が最近イメージから外れていると、クレームだよ」
小堺が冴子に相談をするのだ。
何もかも相談してくる。
小堺は公私とも冴子で儲けていたから何事に置いても冴子にお伺いを立てる。
「一度話して見て、駄目なら変更ですね」簡単に言う冴子、話すのは下田部長の仕事。
小出はタレント事務所だから、契約を切れば終わりだが?
他のテレビ局もこの時間帯には困っていた。
何とか藤堂冴子を自分の局に招くか、反対に蹴落とすか、スキャンダルを探すか、作るかだ。
ECAの野村孝三も再三に渡って冴子に交渉をしていた一人だ。
だが冴子は首を縦には振らない、育てて貰ったので、今の局から、要らないと言われない限り、経済番組で他社への出演は有りませんと丁重に断っていた。
茂木と玲奈の今週の取材は来月新規上場の会社BOOLD。
三回に一度は東田塔子と一緒に取材に行く。
今回は取材の場所が北海道の牧場、それも先方の社長の招待。
川上信樹と云う四十代後半の社長で、今回新興市場に上場の運びと成って居た。
川上は競走馬が趣味で、月に一度は必ず北海道に来るのだ。
育成牧場に預けた自分の馬を見る為に、それと若駒の購入目的、目標はG1獲得、本業以上に競走馬に力を注いでいた。
この川上のもう一つの隠れた趣味が丸田の御用達のフェチサイトだ。
全く素振りを見せないが、実は相当なお宅、サイトでは馬野郎にニックネームで登録して居て、仲間の間では、謎の人物として有名、お金の使い方が半端ではなく、よくサイトに出る実演の券を買うので有名だった。
鴨居も仕事柄、このサイトは見ている。
その為、馬野郎の話題はこのサイトでは有名人。
此処のサイトにもう一人、ECBの野村孝三も登録して居た。
仕事柄若い時から、女優達の変身を見て、美容室とかメイクの現場に出入りをする間に、好きに成ってしまったのだ。
彼の口癖は、髪の長い女優とかタレントに君はシヨートが似合うよ、をいつも云うので、ショートの野村と渾名が付いている。
川上は競走馬にカワノを冠に付けて走らせていた。
三人は千歳空港にやって来た。
十一月の北海道の朝夕は寒い、日暮れも早い、三人を明日の昼に競走馬のトレーニングセンターに呼んで居た。
今宵は空港の近くのホテルに宿泊、明日川上に会って夜は札幌で郷土料理をご馳走して貰う予定だ。
競走馬
15-2
翌日「空気が美味しいわね」
「牧場は気持ちが良いですね」
「此処、広いですね」
「私は始めてよ、牧場は、塔子は?」
「私も始めて」
「私は二度目かな、この前は日高だったわ」
暫く待っていると、ジープに二人が乗って一人は川上だと判る。
「お待たせ、川上です、こちら牧場の調教師の麻生先生です」
「初めまして、茂木沙紀です」
「東田塔子です」
「藤堂玲奈です」
川上は直ぐに玲奈の横に行って「牧場は広いでしょう」 と話しながら玲奈の黒髪の匂いを嗅ぐ仕草を見せる。
誰もそれには気づかない、塔子も沙紀も茶髪で、パーマと塔子が今はボブにしている。
川上には玲奈以外に興味が無い、案内をして厩舎から一頭の栗毛の馬を係が連れて来た。
「どうです、良い馬でしょう」
「綺麗ですね」
「ピカピカに輝いていますね」
「可愛い目をしていますね」
「来年デビューする、私の一番の期待の馬です、一億ですよ」
「わー、凄いですね」
「藤堂社長は、馬は持たれないのですか?」
「競走馬は、姉は興味が無い様です」
「こんなに、可愛いのに競争に成ると、足が折れていても走る闘争心は凄いですよ」
カメラマンが撮影をしている。
地元のカメラマンを雇って居るので、三人は何も持たずに観光気分出来たのだ。
「カワノホマレと云うので良血馬です、ホールの中にこの馬の交配から、現在に至る迄の記録を撮影しているのです、見て下さい」
「記録を撮影されているのですね」
「将来G1勝馬だと信じて、記録を残しているのですよ」
「成る程、期待が大きいのですね」
部屋に入ると、大きなスクリーンに画像が映し出された。
「これが父馬です、何度もリーディングサイヤーを獲得している、名馬です」
画面が代わって
「これが母馬です、この馬の子供は既にG1を三勝している、私の馬の全兄が居ます」
「兄弟なのですね」
「そうです、両親が同じだから期待されているのです、全兄はダービーの後故障で引退をしましたが、 無事ならもう少しG1を獲得していたでしょう」
画面が種付けのシーンに変わる。
「あれ?何?」と沙紀が言う。
「あんなに、大きいの?」塔子が言う。
画面には雄馬が大きなペニスを出している。
「こんなの、始めて見た」
雌の背中に乗る種馬、係が雌の膣に入れる。
「わー」
「凄い」
「変に成りそう」と口々に言う、玲奈はお腹を押さえていた。
自分に入ったらと考えてしまう、川上は態と見せたのだ。
玲奈の反応を見て楽しむ為に 画面は出産シーン、子馬が一人で立ち上がる瞬間は感動する三人、元気に牧場を走り回る姿、母馬の側を離れない。
軈て子馬が引き離されて、トレーニングに鞍を着ける練習、そして競馬の模擬練習まで、進む。
川上は自分の趣味の姿を取材して欲しかったのだ。
実際の仕事はネットで資材、工具の部品を販売する会社を経営している。
競馬とは全く関係が無いのだ。
競馬の話しの後の本業の話しは簡単に終わる。
玲奈に 「社長に、一口馬主に成って、競馬場で会いたいと伝えて下さい」
そう言って、競走馬の一口馬主の権利を五口玲奈に渡した。
「この、馬も期待できますよ、全く売れていませんがね、百九十五口買ってあげて下さい」
「えー」
「調教師の、為末宏さんの厩舎に入る事だけ決まっているのですよ」と笑う川上。
「高いのですか?この馬」
「五万で二百口ですから、一千万ですね」
玲奈には高いのか安いのか判らない。
すると麻生が「高くはないですが、育成牧場での動きは、中々良いのですよ、馬は値段では走りませんから」と自分はとても気に入っているのに、馬主が決まっていないと言う。
夕方から、車で札幌のすすきの迄川上の車で向かう。
大きな外車、金を持っている、を誇らしげにしている。
この社長に比べると、お姉ちゃんは質素だ。
とても何百億も持っているとは思えない。
木崎さんの車も国産車、遊びにも行かない。
行けないのだが、洋服も買う必要が無い、新藤に貰った服を順番に着ている。
使うのは投資、全く贅沢をしない冴子。
両親には旅行に行く様にと旅行券を贈って、美味しい物、珍しい物を贈る。
社員には株主優待の色々な物を抽選で、与える程度。
川上信樹には弟信之が居て、実質の経営はこの信之が行っていた。
父が亡くなって、兄弟が会社を継承したのだが、弟が、これからはネットの時代だと、業績を伸ばして行った。
社長の椅子には座っているが、 競走馬を持って派手な遊びをするだけ、趣味でフェチ遊びも行う。
勿論独身、弟の信之には子供も二人居る。
信之は兄の性格を知っていたので逆らわない。
妻も子供も居ないので、軈ては自分の子供が会社を継承するから、遊ばせている。
四人は、北海道の漁師の経営する、料理屋に入る。
予め予約をして有るので、部屋に案内される。
此処でも信樹は玲奈の横に、間髪を入れずに座る。
玲奈の黒髪は長く伸びて、冴子と殆ど変わらない。
ストレートの黒髪を今夜は束ねずに自然に梳かしていた。
信樹にはたまらない興奮の一瞬が来る。
玲奈が器を取る為に、信樹の前に手を伸ばすと、髪が信樹の頬に微妙に当たる。
興奮をする信樹、食べ物は殆ど覚えていない。
三人は雲丹、イクラ、ホタテ、毛蟹、ホッケと次々と並ぶ料理を満腹に成るまで食べ尽くす。
「最高ね、秋の味覚は」
「本当よ、美味し過ぎよ」と三人は絶賛、お酒も入って、リラックス。
今夜は近くのホテルに泊まって、明日の昼の飛行機で東京に帰る予定。
玲奈だけを連れ出そうとする信樹だが、結局全員付いて来る。
カラオケBOXで再び盛り上がる四人、信樹も諦めて一緒に騒いだ。
これでいつでも会えるだろう、東京で会えたら、色々と方策を考えよう。
この取材の紹介は一週間後の予定、編集をして、テレビ放送に成る手筈。
週に三回の玲奈、沙紀、塔子のコーナーが十五分の枠で放送されるのだ。
冴子は、この会社の投資について、疑問を投げかけていた。
それは社長に問題が有るとの調査が出ていた。
競走馬、夜の遊びがお盛んで、嫁も子供も居ないのが不審感に成っていたのだ。
会社の業績は良好、でも冴子は投資が出来ないと決めていた。
玲奈が一口馬主のパンフレット、 五口の権利を貰って来たのには驚いたのだ。
全く競馬は知らない冴子、兎に角お礼を言わないといけない、手土産に二十五万は多すぎた。
お礼の電話をすると、
「実は、妹さんにも話しをしたのですが、差し上げた子馬、買い手が無くて、私が五口だけ、協力したのですよ、残りを買ってあげてくれなせんか?」
「えー、私は全く競馬をしませんので」
「馬券を買う訳では有りませんよ、馬主です」
「馬主も興味が有りませんのよ」
「妹さんは競走馬が気に入った様ですよ」
「折角頂いたのですから、大事に致します」
「一度その、封筒の中に入れてある住所の調教師さんに、連絡してみて下さい、手続きの方法とかを教えてくれると、思います」
「判りました」
電話を終わって冴子は、強引な男だわと思った。
だがそのままには出来ないので、一度電話をしてみる事にする冴子。
すると調教師為末宏は一度お邪魔して説明がしたいと言い出した。
冴子には全く知らない競馬の世界に少しだけ興味が有った。
相場もギャンブル、 冴子の身体にその様な物に興味を示す何かが存在していたのかも知れない。
闇サイト、ヘアー&ヘアー
15-3
冴子は土曜と日曜日は時間が有る。
調教師の為末は土曜と日曜は競馬が有るので忙しいので、結局二人が暇な祭日に為末が事務所に来る事で一致した。
あの悪運の強い加藤女医と友田看護師は、横浜の病院を抜け出して、関西に逃亡していた。
頼るのは過去に親交の有った人物達、大人のおもちゃの甲斐社長、彼は多分警察が来るから、私では駄目だ。
全く警察の知らない人が良いと同じ仲間の簑田慎次を紹介していた。
簑田も同じ様な仕事で、大人のおもちゃの販売を手がける会社を経営していた。
自らも好き者で、色々なネットにも会員登録をしている。
この簑田がふとしたことで、知り合ったのが川上信樹だった。
サイトの書き込みが競馬野郎だったので、簑田自身も大の競馬好き人間、その為に探し当てたのだ。
唯、信樹の身分を内密にする約束で付き合いが始まった。
その中で加藤の存在を紹介した。
加藤女医は予め簑田から信樹の趣味を聞いていたから、興味の有る話をしたのだ。
目を輝かせて聞く信樹、ネットに自慢の様に書いている。
玲奈の髪の毛と陰毛も実は加藤の手助けで実現されたと聞いて、もう興奮は最高で、加藤はこうして信樹に身柄を保護されていた。
仲間の弁護士も信樹が裏から手を回して、工作をして刑が軽く執行猶予に成ったのだ。
このやり手の弁護士、富岡丈二も競馬仲間でSM愛好家、年齢が近い事も有って、仲が良い、信樹の話に興奮の富岡だったのだ。
信樹と富岡は加藤女医の話に興奮をして、自分もその様な遊びをしてみたい。
そんなに感度の良い女は今まで巡り有った事が無い。
特に自分のフェチを満足させる条件を統べて満たしている、髪が黒髪で長い、感度が抜群。
陰毛が濃いのを剃られて悶えて感じると聞いたから、この加藤女医達を匿って、助手の看護師達を助けてやろうと乗り出したのだ。
その手始めに、妹玲奈を態々北海道まで招待して、懇意に成ろうと、自分のもう一つの趣味の競走馬を見せて、引きつけ様とした。
テレビ局に売り込んだのも信樹自身だ。
小堺に話題性が有るからとか、北海道の牧場に招待するとか、他の上場企業の様な、自社の製品のCMの様な物では無いので、視聴者には新鮮ですよと売り込んだ。
小堺は取材費の先方持ちと他社には無い社長のイメージで企画にしたのだ。
祭日に為末調教師が冴子の事務所を訪れた、手土産まで持参して、自己紹介が終わると為末が意外な事を冴子に話した。
「川上さんの紹介で来たのですが、今藤堂さんにお会いして、決心が付きました」
「何の、決心でしょう?」
「本当は、調教師の私が言うのはいけないのですが、川上さんの様な馬主さんは嫌いです、有力馬主さんの紹介で紹介されたのですが、お金に物を云わせて、馬を買い漁る、走らない馬は直ぐに見切りを付ける、他人の馬を妬む、最低です」
「それは、良くない方ですね」
「今回の藤堂さんに何故?一口馬主の権利を五口渡したのか判りません」
「私も競馬は一度もしていませんし、馬主何て考えた事が無かったのです」
「失礼だと思ったのですが、一応藤堂さんの事を調べさせて頂きました、誠に素晴らしい経営能力と財力をお持ちで感服致しました」
「お恥ずかしいですわ」
「藤堂さんなら直ぐにでも個人馬主で登録が可能です、それで本日お願いで参りました次第です」
「えー、私に馬主に成れとおっしゃる為に来られたのですか?」
「はい、あの様な馬鹿な馬主を懲らしめる為にも是非お願いしたのです」
「意味がよく判りません」
「藤堂さんに差し上げた馬の値段が一千万は嘘です」
「嘘?」
「川上さんがクラブに手を廻して、登録馬にしただけで、普通はその様な事をクラブはしないのですが、何故か一千万の値段で売り出したのです、一般にはクラブはこの馬の販売はしていません」
「それでは、この馬は幾ら位ですか?」
「血統も良くない、馬体も貧弱で買い手が無かったのですよ、昨年はね!」
「値段が無い?」
「はい、殆ど」
「それなのに、私に馬主に成れとは、益々判りませんが?」
「それが、今年の夏の調教から、めきめきと良く成って来たのです、私の目に狂いが無ければこの馬は必ず走ります、彼の一億以上の馬より私はこの馬が出世すると確信しています」
「でも、一千万でしょう?」
「藤堂さんが買われるのなら、二百万程度で交渉出来ます、川上さんは何が理由か判りませんが、藤堂さんを競走馬の馬主にさせる事が目的の様な気がします」
「何故でしょう?」
「それは、判りません、自分の馬の活躍を見せたい、見栄の塊の様な男ですから」
冴子は、この調教師為末の言葉を信じてみようと思った。
馬主に成る気持ちは全く無かった訳でも無かったから、産まれ持った勝負の世界が好きだったのかも?
冴子に為末は粗方の説明を聞いて理解した。
「来年の春には、馬主登録が終わりますよ、デビューには楽々間に合いますよ、名前を考えて下さい」
為末は必要書類を置いて喜んで帰って行った。
「社長、馬主に成られるのですか?」干野が驚いて言う。
「少し夢を!って、感じかな」
「でも二百万程の馬が走りますかね?」
「今度株式を新規上場する、BOOLDの社長の馬は一億以上するらしいわ」
「一億と二百万の対決ですか?」
「栗毛の綺麗な馬だったわよ」
「名前シャインドリームとでも名付けますか?」そう言って笑う。
「良いじゃない、それでいきましょう」
簡単に決める冴子、輝く夢悪く無いわと思う。
為末から、冴子が一口馬主を止めて、個人馬主の登録をしたと聞いて、競馬の世界に少し頭を突っ込んで貰って、自慢の予定が、あの駄馬を買って馬主に成った?
もう少し賢いと思ったが馬鹿だったのか?
当初の目的は達成されたから、第一段階は通過だと喜ぶ信樹なのだ。
番組は宮本美咲が番組に出演してから、若者にも人気が出て、相場に関係の無い世代にまで視聴者が増えていた。
ファンレターが多数届く、美咲は北海道から単身で来ているので、一人マンションに住んで居る。
セキュリティの万全な処で誰も知らない筈だが、自宅にファンレターが数枚は届くのだ。
今はネットの社会で、何でも操作が出来る。
沢山の人がクリックするサイトも作られた物も少なくない、特に形の無い物の評価は、真意が全く判らないのが現状だ。
誰かが、美咲を見たと投稿すればたちまち、噂が広がる。
此処のマンションの住人が書き込めば直ぐさま暴露されてしまう。
恐い、中には悪意を持って見て居る人も少なくない。
丸山達のサイトの人間も、宮本美咲の噂が出始めていた。
北海道の出身はテレビで紹介しても現住所は云わない、けれどフェチサイトでは、既に知られていた。
闇サイト、その名もヘアー&ヘアーと成って居る。
主催者が誰なのか、判らない。
一番人気は人気女性グループのY、二番は同じくK三番人気に藤堂冴子が入って居るのだ。
十番目に玲奈、そして美咲がランクインしたのは、最近の事。
唯、人気グループのYとKは整形している?
昔は遊び廻って居たとか、アンダーヘアーは手入れして妙味が無いとサイトの中では囁かれていた。
手入れをしていると値打ちが下がるのがこの世界。
輝く夢
15-4
何処で調べるのだろう?噂は結構正しいのだ.
美咲は処女で、殆どナチュラルだとの噂が早くもヘアー&ヘアーの中では囁かれていたのだ。
事実、美咲は勉強の明け暮れで彼氏を作らなかった.
東京に仕事で行くのが夢で、その実現の為に語学も勉強して、学業以外の習い事もこなして、短大を卒業していた。
このサイトで人気が出る条件は清楚、黒髪ロングが絶対条件.
丸田の様に狂っている男性が多い、時たま女性も変な人が居たのだが、それはサドの部類に入るのかも知れない、綺麗な髪に嫉妬する.
そんな女性のひとり山形勝代も数少ないこのサイトの常連だ.
四十五歳これが美容師だと云うから驚きだ.
渋谷の一角に店を構えて、従業員も雇って居る.
従業員はこの勝代の趣味は知らない.
唯、お客の髪を時々オークションで販売して金を稼いでいる事は知っていた。
斉藤医師の罪は偽病院の開業と再びの強姦容疑に成って当分は刑務所暮らしが確定して、鈴木と亀井は釈放されて、保護観察の人が居るので、しばらくは大人しくしている事にする。
二人、生活費は加藤が口座に振り込むので支障はなかった。
「今度の、雇い主は上場企業の社長よ」
「良い人捕まえましたね」
「それがね、丸田と同じ様な趣味よ」
「毛ですか?」
「そうなのよ、闇サイトにヘアー&ヘアーって、のが有るのよ、そのサイトの連中よ」鈴木に電話で話す加藤。
「先生、冴子達の事を上手に売り込みましたね」
「その通りよ、髪の毛は長くて綺麗なのは見れば判るでしょう、冴子は剃毛プレーが好きで、濃いですよと話したら、匿ってくれたわ、お金も沢山有るから最高よ、
仲間の中に女性のフェチが居るのよ、社長はその女性に目を付けて居る様よ」
「何故?ですか?」
「もう暫く待っていて、大人しくしていないと、警察に見張られるからね、私から連絡するから、貴方達からは連絡しないでね」
「はい」
加藤の予想通り、信樹は次の計画に着手していた。
局では去年好評だった、正月の特番を今年も計画をしていた。
冴子と玲奈には悪夢の事件が起こったのだが、局の人達は知らない。
事件は公に成って居なかったから、冴子と玲奈は着物を着なくても良いのなら、大丈夫だと答えた。
とても着物が着られる心境では無かった。
しかし、着物が無かったら、正月らしさが無いと、言われて、冴子と玲奈以外は着物で決着がついた。
今年の目玉を何か考えないといけないと思う小堺常務。、
三時間の放送の為に、討論会だけでは、視聴者が飽きてしまうから、冴子にも何かアイデアを求める小堺だった。
為末は電話で十二月の始めには、馬主申請をしますので、四月には正式な馬主に成れると連絡をしてきた。
時間が空いたら、一度北海道に行きませんか?と打診された。
冴子は一度競走馬を間近で見たい、それと二百万の馬と一億以上する馬の違いも見たいと思う冴子。
忙しい日程の中、宮本美咲を連れて行こうと考えて居た。
彼女も故郷に帰りたいだろうと思ったからだ。
信樹はネットで知り合った仲間に、山形勝代の事を調べさせて、弁護士の富岡と共に勝代の美容院に行った。
勝代は怪訝な顔で二人を見て、自分はそんな変なサイトは関係無いと、云う。
「大丈夫ですよ、我々も同じサイトの仲間ですよ」
「えー、直接買いに来られたの?」
そこに客がやって来たので、少し待つことにする二人。
セミロングの女性が「先生が進めて居た様に、私ショートにするわ」
「ああ、そうなの、その方が似合うわ」
いつもこの手法で、若い女性の髪を集めて、ネットで販売しているのかと二人は苦笑していた。
勝代は二人に気を使いながら、女性の髪を大胆に切り取り、丁寧にしまっている。
暫くして、二人の処に来る勝代
「どの様なご用件でしょうか?」
「貴女に、別の場所で公然とフェチの仕事をして貰いたいのですよ」
「えー、どう言う事でしょうか?」
「この店の数倍のお店を作って差し上げようかと思いまして」
「この店より繁盛しそうな場所を提供して、フェチの人達の為に働いて欲しいのですよ」と弁護士の富岡が言う。
富岡の説明では、一階は普通の美容室。
地下にはフェチ専用の美容室が作られて、フェチの人に見せて、触らせて遊べると説明した。
一階は自由に商売に使って貰えば構わないとの話しだった。
勝代の心配は、犯罪には成らないのか?富岡が成りませんよ、地下室は誰にも見られません、と断言した。
勝代の店は渋谷の外れで小さいお店だから、数倍の大きさの店が貰えるのは大きな魅力、場所も原宿だと云う。
二階から上には勝代の住まいと、事務所が入るから、他人がビルに入る心配は皆無だと云う。
フェチの人が、気兼ねなく遊べる場所を作るのだと言われて、承諾をする、勝代だった。
ビルの目星は出来て居た。
地下一階地上五階のビル、既に甲斐社長に地下の設計から設備の用意を頼んでいた。
ビルは新築、外観は完成、地下の工事に色々と注文を付けていたのだ。
「上手くいきましたね、あの女もサドだから、喜ぶかも知れない」
「私達は、丸田の様な失敗はしませよね」と笑った。
三ヶ月後にはオープン出来るだろうと考えていた。
二人が帰ってから、頬を抓る勝代
「痛いから、夢ではないわね」と微笑む、従業員の坂上奈菜が「良かったですね、同じ様な趣味の人で」
「でも、秘密を守れる従業員集めるのが大変だわ」と喜びの中にも不安を覗かせていた。
十一月の半ばに、冴子と美咲は北海道に向かった。
為末と三人で、美咲の自宅は小樽、北海道に到着したら、自宅でゆっくりしてと、言われていた。
冴子は空港の近くの育成牧場に行って馬を見て、今夜は空港の近くに泊まって明日早く東京に帰る予定だ。
美咲は月曜の夜に東京に戻る事に成って居た。
為末は、冴子と二人に成って嬉しそうだ。
五十代の為末には冴子は眩しい位、綺麗で素晴らしい女性だったからだ。
係の人が冴子の馬を連れて来る。
「これが、藤堂さんが買われた馬です、一億の馬も直ぐに連れて来ます」
一頭だけだと判らないが、側に来ると、馬体も色艶も見劣りが感じられた。
「川上さんの馬が良く見えますね」
「だから、高く売れるのです、見かけでは馬は走りませんよ、藤堂さんの馬は抜かせない根性が有ります、本当に宝の山を掘り当てたかも知れませんよ」
「本当ですか?」と微笑む冴子。
「二頭共、順調に行けば、夏から秋にはデビューに成ります」
「あの、白い馬は?」と冴子が指を指す。
「あれも、川上さんの馬ですよ、此処には五頭預かっています私の厩舎にも三頭居ますが、統べて未勝利です、現実は中々、勝てないのですよ、未勝利が多いのですよ、川上さんは諦めが早いから、今年中に三頭とも処分するのでは?」
「えー、何歳ですか?」
「まだ二歳です、晩成型の血統馬を買って、辛抱出来ないのですよ」
「私の馬は、どの様な血統ですか?」
「中長距離で、早くから走る可能性が高いですよ、外で走るのを見ますか?」
「あの馬の名前、シャインドリームって決めたのですよ、変ですか?」
「良い名前ですね、走りそうです」と為末は微笑んだ。
競走馬
15-5
外で軽く走る馬を見て、冴子は競走馬の魅力に、取り付かれていた。
大きな瞳、走る姿の美しさ。
「先生、川上さんが要らなく成った三頭はどうなるのですか?」
「一頭は私の知り合いの地方競馬の調教師の口利きで、地方に転厩しますね、他の二頭はまだ決まっていないのですよ」
「私がその二頭買っても良いのですか?」
「名前が変えられないから、川上さんには直ぐに判りますよ」
「構いません、安く譲って貰えば嬉しいわ、走れるのでしょう?」
「私は、来年初めには勝てると思うのですが、川上さんはもう処分を考えているのですよ」
「地方に行けない馬は?」
「乗馬クラブは表向きで殆どは馬肉にされてしまいます、子馬で産まれた馬が天寿を全う出来る確率は一%ですから」
「可哀想なのですね」
「中には保険金目的で怪我とか殺す人も居るそうです」
「恐いわ」と驚きの表情に成る冴子、何処の世界にも裏が有るのだと改めて感じた。
為末は喜んで、明日にでも川上に連絡すると話した。
唯、冴子の馬主登録は春過ぎだから、それまで、どの様にするのかが今後の課題に成る。
変な切掛けで馬主に成った冴子。
この後思いもしない事が冴子の人生を変えるとは、この時の冴子には判らなかったのだ。
火曜日に成って信樹が冴子の事務所に電話を掛けて着た。
「藤堂さんが、僕の馬を買ってくれるのですね、びっくりしました」
「先生がこれから走るとおっしゃったので、それと行く所が無かったら殺されると聞いたので、可哀想に成って」
「藤堂さん、競走馬は走らなければ、ゴミですよ、哀れみで買っていたら、破産しますよ、でも藤堂さんが買ってくれるのでしたら、有り難いです」
「はい、その予定ですが、まだ馬主登録が終わっていません」
「私の名前で走らせて下さい、売買手続きは先生にお任せして、兎に角ありがとう」
信樹は喜んで電話を切って、また冴子に一歩近づけた気がしていたからだ。
冴子は競馬の事を勉強して多少は知識が出来た。
G1競争を中心に三歳馬がクラシック競走に出走出来る事。
牝馬が桜花賞、オークス、牡馬も牝馬も出走出来るのが、皐月賞、ダービー、菊花賞、その他GI競走は沢山有る。
古馬の出走出来る昔から伝統の天皇賞、春、秋、有馬記念、比較的新しいのが宝塚記念。
二歳のG1がジュベナイルフィリーズと云う牝馬の競走、フューチュリティステークスが牡馬。
三歳牝馬のG1が秋華賞、古馬の牝馬のGIにビクトリアマイル、エリザベス女王杯。
ダートは砂のレースだがこれが、フェブラリーステークスとチャンピオンズカップ。
障害のGIが中山グランドジャンプ、中山大障害。
スプリンターのG1が高松宮記念とスプリンターズステークス。
マイラーの為の競走がマイルチャンピオンズカップ、安田記念。
三歳のマイラーの為のG1NHKマイルカップ。
海外の招待競走としてジャパンカップ、近年出来たG1競走で充実の番組に成って居る。
昔はG1競走が少なく、強い馬は出走の機会が極端に少なく苦労をしていた様だ。
レースの格としては、今ではジャパンカップ、日本ダービー、有馬記念がトップスリーで、天皇賞春、秋、続いて宝塚記念の順だ。
一国の総理に成るより、ダービーの馬主に成る方が難しいと昔から云われている様に大変難しく名誉な事なのだ。
日本では約一万頭の馬が毎年産まれている。
その中でダービーに出走出来るのは十八頭、競走馬が一生に一度しか走れないのがダービーを始めとしたクラシック競走なのだ。
冴子は競馬のシステムを知って、面白そうだと思う反面、可哀想な残酷な物だとも感じていた。
川上の様に、見栄と名誉だけで生きて居る人間には一部分だけしか見えていないのかも知れないと思う冴子だった。
来年の特番の内容が決まって、小堺から発表された。
目玉はアメリカからの生中継で、アメリカの大手投資ファンドの会長のインタビュー。
アメリカの現状を取材と生中継で四十分間、これには英語の堪能な玲奈と塔子が起用された。
日本の若手、経営者、特に新規上場を果たした社長に、スタジオで討論会をして貰う事に成った。
去年も好評だった新春討論会、各証券会社の女性に参加をして貰って、華やかに行われる。
若手経営者の中に川上信樹も入って居た。
冴子は正月から会いたく無い気分だが致し方ないと思う。
為末の話しを聞いて、生き物に対する考えが嫌いだった。
玲奈と塔子は大喜び、年が明けた二日に成田を出発する。
玲奈は初めてのアメリカに興奮をしている。
川上も冴子に電話で、正月から、お会い出来るとは大変嬉しいと話してきた。
冴子は嫌な気分の電話だ。
正月は久々に、雅治と初詣に行く約束をしている。
電話は週に二、三度会うのは月に一、二度、旅行に行くとかSEXをするのは殆ど無くて、あの事件以来無かったのだ。
一度疎遠に成るとお互いが言い出し難い状況に成るのだ。
それが続いていたのだ。
冴子も二十八歳に成って、番組は相変わらず好調な視聴率をキープして、冴子の推薦銘柄も相変わらず、上昇する。
最低でも一割以上は上昇するが、中には倍、三倍、五倍の銘柄も出るから、投資家もついつい買ってしまうのだ。
山形勝代の店舗の地下の工事が始まって、毎日の様に甲斐社長が泊まり込みで陣頭指揮をしていた。
地下の工事が粗方終わって、山形の店の内装、自宅の工事に成る。
地下は完全密閉で外部からは隔離された空間にする予定で、加藤女医も変装をして、時々見学に来ていた。
病院でも無い、美容院でも無い、フェチの人とSM愛好家の為の施設、闇サイトヘアー&ヘアーの中の一部の人の楽しむ場所として作られていた。
加藤は友田と見学しながら、此処でまた何人かの犠牲に成る女が出る訳だとサドの血が騒ぐ加藤だ。
新年の特番の打ち合わせに、十二月の半ばに若手社長五人が局にやって来た。
座談会の様な形式で打ち合わせに成った。
小堺の進行で冴子を中心に、若手の社長の打ち合わせの席に、コーヒーを持って玲奈と美咲が入って来た。
「ご存じだとは思いますが、一緒に番組を進行しています、藤堂玲奈と宮本美咲です、宜しくお願いします」と小堺が紹介して二人が一礼をして、コーヒーを各社長に配った。
二人の清楚な黒髪に信樹は冴子と共に、この二人も自分の物にしたい、の願望が芽生えてしまった。
信樹は帰ると早速、加藤に藤堂姉妹と同じく宮本美咲も対象に入れて欲しいと頼んだのだ。
加藤には始めて聞く名前だった。
思い出すプレー
15-6
山形勝代の入るビル、原宿川上ビルの構造は、地下がSM,フェチの部屋。
一階が勝代の、美容室、二階が勝代の住まい。
三階が事務所、四階五階が倉庫に成って居るが、此処は、住める状態に成って居る。
此処に女性を閉じ込める為の設備とSEXをする部屋。
エレベーターは三階で終わり、三階からは別のエレベーターが秘密の入り口から上がれる。
階段から四階、五階に行けるが、そこには、業務用のエレベーターが有って、会社の商品の倉庫に成って居る。
中々、普通では見つからない構造に造っていたのだ。
弁護士の富岡の友人で同じ趣味の建築会社の社長畑山和人が工事をして、図面も和人の友人、奥田隆明が書いて、内装を甲斐と知り合いの関西の会社で小池栄介が担当した。
この男も同じ様な趣味の男だ。
フェチとSM愛好家が設計して造った。
愛好家が造った愛好家の建物の様相、まるで蜘蛛が大きな巣を張って、獲物を待つ様に造られていた。
弟の川上信之は、兄には妻も子供も居ないから、好きに遊ばせれば良い、軈ては自分の物に会社は成るから、兄に逆らって怒りを買うと何をするか判らない。
乱暴者だから、競馬と趣味で機嫌良く遊んでくれれば、それで良かったから、成るべく本業に目を向けて欲しく無かったのだ。
新年に成って、冴子は雅治と初詣に出かけた。
普通に話しをして、参拝、食事、仲が悪い訳でも無い。
二人共、結婚、SEXの話しはしない、タブーの様な雰囲気に成っていた。
雅治は悪夢を思い出したくないだろう、配慮の連続が遠慮に変わっていた。
冴子も忙しさも有って、付き合う時間も少ない、SEXも普通の状態の時は一度も無かったから、相性が良いのか?悪いのか?が判らない。
今日も夕食を食べて、妹が明日早くアメリカに行くから、用意を手伝うと言って別れていた。
雅治にはそれ以上止める理由も無かった。
翌日玲奈が旅立つと、冴子は久々に一人でゆっくりと露天風呂に浸かった。
お手伝いの二人も今日と明日はお休みに成って、お風呂で久々に思い出していた。
三月の末の忌まわしい記憶を。。。。。。。
加藤女医に言う冴子
「貴方方にいたぶれるなら死んだ方がましよ」
「そんな、簡単には死ねませんよ、冴子さん、今日は思い切り楽しんで貰いましょう、腰が砕けるまでね」
両方の腕を掴まれて、鈴木が後ろから、隙を見て口に布をねじ込もうとする。
口を背ける冴子、斉藤が頭を押さえて、鼻を摘む。
「舌を噛まれると困るからね」
鼻を摘まれて口を開けると、布がねじ込まれた。
ゴムのマスクを上から被せると声が出ない。
長い黒髪を束ねた後頭部でマスクを留めた。
暴れる冴子を三人がかりで、カーディガンを脱がせて、手枷を鈴木が手首に着けると、両手を万歳の姿で、上のパイプにチェーンで引っかけて固定した。
「冴子さん、これで逃げられないわね、充分楽しんで貰うわね」
「うぅ」睨み付ける冴子。
「良く聞こえるでしょう、いつもは此処で意識が飛ぶ薬を使うのよ、今日は貴女に噛みしめて貰おうと思ってね」
「うぅ」
「今の注射はね、感度が上がる薬よ、気持ち良く成るわよ、身体が暑く成って来るからね」
「うぅ」冴子は動けない身体を動かそうとして、意識はしっかりしている。
「さあ、観客がお待ちかねよ!始めましょう」
スカートのベルトを、友田が外すと、スカートのホックを外してジュパーを下げる。
ストンと床に落ちる淡いブルーのスカート、足元から取り去る。
鈴木がブラウスのボタンを外すと、いきなりブラジャーの上から乳房を掴む。
「うぅ」
「感度はどう?」
「良い、様ですよ」
背中のホックを外すと白い乳房が、服の間にチラチラと見える。
「恥ずかしいだろう、今からもっと恥ずかしい事をしてやろう」
ワゴンに、剃毛プレーの用具が並べられて持って来られた。
手動のバリカン、日本剃刀、シェイビング用のカップに刷毛それを見て首を振る冴子。
「お前は、このプレーが大好きなのだよ、いつもは意識が無いのよね、今日はよく判るわよ」
「うぅ」と首を振る、束ねた黒髪が外れて揺れる。
「早く、脱がせてくれと言っているよ」
友田がパンストを脱がした、つま先から抜き取る。
今度は白のパンティに指をかけて、一気に脱がす足から外すと、冴子は両膝を合わせている。
白い長い脚、黒々とした陰毛を隠すように、足を絡ませて、身体を屈めようとする。
斉藤が皮の太いベルトを持って来て、その絡ませた左の膝に巻き付ける友田、チェーンを金具に取り付ける。
冴子の左足が膝からあがって、片足で立つ、陰部が大きく開かれて、窮屈な体制。
「うぅ」
今度は右の膝にもベルトが巻かれて、チェーンが、冴子の身体が宙に浮いて、下腹部が大きく広げられて、吊された。
「どう、気持ち良い?素晴らしいスタイルよ、鏡で見せてあげるわ」
「うぅ」
大きな鏡を冴子の下に持って来る。
「沢山生えているわね、これから綺麗にしてもらうのよ、嬉しいでしょう、よく見たわね、でも恥ずかしいからね」と言うと鈴木が冴子にアイマスクを着けてしまった。
見えない事で一層感度をあげるのだ。
動けない冴子の手架せを外して、ブラウスとブラジャーを外して全裸にして、胸に皮のベルトを巻く、乳房だけが出るベルト、両手と胸が一緒に固定されて体重を支える。
「素晴らしい姿だな」
何も見えない冴子にも想像は出来たM字開脚の宙づり、これから時間を掛けて、バリカンプレーをするのだ。
「うぅ」と唸る冴子。
亀井がバリカンを下腹部に当てると刈りだした。
「ジョキ、ジョキ」と音がする。
陰毛が床に落ちて、指で皮膚を引っ張って刈るのだが、最初だけで、後は中々刈れない。
それでもプレーとしては面白いのだ。
感じる冴子の陰部に光る物が見えている。
見えないので、感度が上がる。
バリカンが何度も動く、「ジョキ、ジョキ」冴子の感度は益々上がっていく、床には少しの陰毛が落ちている。
軈て、バリカンが終わる頃には、冴子は気持ちが良く成っていた。
まばらに生える陰毛、刈れてない部分の方が多い、そこに友田が刷毛でシェイビングクリームを大袈裟に塗る。
刷毛の先でクリトリスを突く、膣を撫でる。
「うぅ」「うぅ」と反応をする冴子。
「良い反応でしょう、」
「最高の感度と身体だ、たまらん、早く入れたい」
鈴木が剃り始める「ジョリ、ジョリ」「うぅ」と反応が早い、細かい部分に成ると、「ジョリ、ジョリ」「うぅ」「うぅ」と剃刀に合わせて反応をする。
「剃毛プレーが好きなのですよ」
時間を掛けて剃りあげると、つるつるのマンコが露出して、膣から愛液が流れて落ちた。
必用な陰部の刺激に冴子は興奮したのだ。
「見せてあげましょう」とアイマスクが外された。
瞳が暗闇から慣れる間に、鏡が前に置かれて「ほら、興奮して綺麗にして貰ったでしょう、これがクリよ」そう言って触る。
「うぅ」友田が両方に広げる。
「これが尿道、これが膣」そう言って指を入れる。
「うぅ」と首を振る冴子、長い髪が乱れる。
感じているが意識も有るので恥ずかしい、
それがまた刺激に成っていた。。。。。。。。。
思い出して股間に指が此処を剃られる快感を思い出す冴子、加藤は嫌いだが、プレーは好きな冴子が居た。
見栄の塊
15-7
翌日、アメリカから玲奈が嬉しそうに電話で到着と取材の事を話す。
地元のテレビ局の女性と友達に成ったと話す、その女性のエスコートで取材をするらしい。
キャサリン河野と云う日系人で地元のアナウンサー、二十三歳の美人だとメールで送ってきた。
確かに、日本人好みの顔立ちで美形、髪は金色、色白、体型が日本人で髪の色がアメリカ人、今日から放送が終わっても、アメリカのウオール街の取材を現地の田代さんと四人で取材して、帰国は八日の予定に成って居る。
去年と同じく、新春特番は、冴子の年間特選銘柄と通常特選銘柄の発表。
新規上場の若手社長の座談会、証券会社の女子社員と評論家の討論会。
アメリカからの現地生中継と盛りだくさんで構成されて、プログラムを順調に進める冴子。
今夜は洋服で髪だけ、正月らしい感じに整えていた。
スタジオで自分の出番以外は見学する、信樹。
その信樹が見ているのは、冴子と美咲だけだったが、アメリカ中継では、目の色を輝かせて見ていた。
玲奈が長い黒髪をストレートに梳かせて、風に靡く髪。
取材の風景、一緒に塔子とキャサリンが映って、金髪のロングの髪に眼差しが止まってしまう信樹。
客席には今年は馬籠が両親と一緒に見学に来ている。
勿論冴子の両親も一緒に五人で話しながら和やかに見ていて、、両親の間では、二人の結婚は近い、を感じさせる。
正月特番も無事に終わって、信樹が加藤に相談をしていた。
先日のスタジオで見た感想と今後の計画を話し合っていた、
その中で、信樹は先日のスタジオで、改めて冴子が良かった事。
そして妹の玲奈、新人美咲、意外と外人のキャサリンに興味を持ったと話した。
加藤も放送は見ていたが、確かに髪が金髪以外は信樹が好みそうな、顔立ちとスタイルだとは思っていたが外人まで餌食に考えるとは、獣に近い本能だと思う加藤。
昔から頭の狂った人に刃物を持たせると恐いと云うが、この信樹には狂った男にお金だわ、と心で笑う加藤。
「この前は、冴子の事務所の女の子を味方にして情報を得て居たから、成功しましたが、今回は居ないので、情報が入らないので、どうしたら良いか、思案中です」
「それは、困ったな、一度富岡に相談をしてみる、来月にはビルが完成するから、いよいよ始動だからな」
「社長の今月の予定は?」
「月末から、北海道に三日程行く、予定だ」
「ああ、競馬ですか?」
「そうだ、カワノホマレの様子を見に行く予定だ、みんなには一億と話して居るが、本当はその倍の馬だから、気合いが入るよ」
「えー、二億?何故?半分に?」
「走らない時、恥ずかしいからな!」
「そんなに、高くても走らないのですか?」
「値段では走らないからな、難しい」
「冴子さんも馬主に成るのでしょう?」
「あの馬は一千万って、話したけれど本当は二百万程の安物なのだよ、競馬の世界に引きずり込む為に与えたのだよ」
「何故?」
「共通の趣味が必要だろう、夫婦は?」
「えー、夫婦?」
「そうだ、女医に冴子の事を色々聞いて、俺にぴったり合ったのと、あの相場の技術だよ、調教して、俺好みの女に仕上げるのだよ、相場と競馬で楽しく生きられるだろう」
「会社は?」
「弟にやれば良い俺は興味が無い」
「えー、会社を捨てるのですか?」
「冴子の方が良いに決まっているだろう、彼女の資産何百億だろう?」
「そんなに!」
加藤は株の知識も会社の経営も判らない。
冴子の資産を聞いて、唯、驚く加藤、新藤さんが破産した様に、冴子の資産も泡の様な物だと、見せかけの財産だと加藤は考えていた。
信樹は調査をして、知っていた。
(オフィス冴)の現状と冴子の資産の状況を、それを知って、尚更、信樹は冴子に興味を抱いたのだ。
「冴子は、俺が捨てる馬まで買ったのだよ、笑えるだろう」
「それは、競馬に興味を持って?」
「違うよ、俺が、捨てた馬の引き取り手が無かったからだよ」
「何故?」
「引き取り手がないと、馬肉にされるから、可哀想だと言ってだよ、そんな事に哀れみを持っていたら、競走馬は持てないよ」
「そうなのね、優しいのね」
「それは、優しいとは言わない、馬鹿と云うのだよ」と笑う信樹。
為末調教師が冴子に会いに来て「一応、二頭の馬を譲り受けました、カワノリズムは牝馬で血統が良いので、走らなくても繁殖に上げれば良い子供を出しますよ」
「牝馬は繁殖に行かないのですか?」
「血統が良い馬か、自分の牧場が無ければ、中々繁殖には成れませんよ」
「じゃあ、私が牧場を持っていないと、無理なのですね?」
「この馬は血統が良いので、
これから競走をさせながら、牧場を探しますよ」
「成る程」
「まだ、明け三歳ですからね、もう一頭のカワノニシキは障害の練習をさせたら良いかも知れません」
「障害?」
「そうです、子馬の時によく柵を跳び越えたと先日牧場の人に聞いたので、練習させてみたら、上手なのですよ」
「面白そうですね」
「今から、練習して春先にはデビュー出来ますよ」
「楽しみだわ」
「今月末、また川上さんが北海道に行くそうですよ」
「そうですか、好きなのですね」
「今年は五頭の二歳馬を預けていますからね、中でのカワノホマレが気に成るでしょうね、先日牧場の人が、二億で売ったと話して居ました」
「えー、一億では?」
「勝てなかったら恥ずかしいから、一億にした様ですよ」
「見栄張りの典型ね」
「育成牧場では、冴子さんの馬は見せるなと話しておきました」
「何故?ですか?」
「驚くからですよ」
「?」
「身体が日に日に立派に成って、根性も凄いので、見たらショックだからです、見る目が無くても、判りますから」
「そんなに!良く成ったのですか?」
「はい、育成場でも驚いていますよ、
だから彼が来たら、軽い怪我をしている事にして、見せません」
「ほほほ」冴子は思わず笑ってしまった。
二億の馬が二百万の馬に負けるの、何て素晴らしいのでしょう、もし現実に成ったら、競馬の世界にのめり込んでしまいそうだと、思う冴子なのだ。
「馬主の登録が終わった頃、私の厩舎に迎え様と思っています、それまでに見に行かれるとか、馬を買われるのでしたら、ご同行致します」
「二歳馬?」
「いいえ、明けの当歳馬の買い付けとか、これからは今年産まれた馬の買い付けですかね」
「面白そうですね、時間が出来て、暖かく成ったら是非」
為末も冴子と話すと楽しいので、色々話しをしてしまうのだ。
月末信樹は予定通り、育成牧場を訪れていた。
一番寒くて雪の多い時期にと半分笑って応対をしていた。
職員に「カワノホマレの状況は?」
「順調に成長していますよ、流石は良血馬ですよ」
「そうか、順調か?楽しみだな、他の馬は?」
「カワノサクラも中々ですよ」
「そうか、桜花賞狙いだな」
「はあ、カワノポパイ、カワノプレミア、カワノチャンプは
血統的には奥手でしょうね」
「二歳戦は無理か?」
「いいえ、秋にはデビュー出来そうですよ」
「おお忘れていた、あの美人の馬はどう成っていた?高額馬」そう言って笑う。
「残念ですが、故障で休ませています」
「病気は?骨膜炎ですね」
骨膜炎(ソエ) - 前肢の第三中手骨(管骨)に起きる骨膜炎が主。
成長途上にある若馬が発症し、患部である骨の表面が炎症を起こし強い痛みを伴う。
患部を冷やして強い運動を避ける事で徐々に治る。
「骨膜が悪くなったか、残念だな」
「はい、高額馬では無いので」
「そうだ、走らなくても仕方が無い、競馬は甘くはないのだよ」と満足そうに笑う信樹。
蜘蛛の巣城
15-8
北海道から帰ると信樹は富岡と加藤が話していた。
冴子の情報を掴む方法を検討して、盗聴器を自宅と、事務所に設置する事を提案した富岡。
早速知り合いに頼んで、自宅には何カ所かに取り付ける。
会社には、電話の検査員を装って、受話器に取り付ける事にする。
自宅はお手伝いの二人が一人の時を狙って、漏電の点検だと言って侵入して、富永は何も疑わない電力会社の人が来たの認識だけだった。
二月の十日には両方の場所に盗聴器が設置されて、翌日から近くに車を止めて、録音、自宅は休みの日だけ、殆どが役に立たない会話だが、スケジュールは把握出来た。
二十日にビルが完成して、三月一日に山形の美容院(シャイン)がオープンに成る予定だ。
この名前は信樹が冴子の馬の名前から盗用していた。
勝代は気に入ってそのまま使った。
もう一つ信樹に嬉しいニュースが入った。
三月の五日にあのキャサリンが日本に来るのだ。
玲奈を訪ねて初めての来日だ。
日本語は出来るので、心配は無いと曾祖母の故郷を見たいのと、玲奈に会うのが目的なのだ。
盗聴の成果で、五日の昼に成田空港に到着する事が判る。
玲奈が迎えに行くと約束をしているので、これは絶好のチャンス、初めての獲物が外人の美人に成るとはと喜ぶ信樹。
信樹のビルの地下に入るには一度三階の事務所に行ってから、地下に降りる。
上に行く場合も同じ様に三階から、秘密のエレベーターで移動する。
普通のエレベーターは一階、二階、三階、四階、五階に成っている。
だからこのビルには二基のエレベーターが設置されているのだ。
加藤、友田、亀井、鈴木、甲斐、簑田、富岡、鴨居、碕山、丸田、野村、畑山、の面々が招待をされて見学に来ていた。
地下室を見て、驚きの顔で帰って行った。
此処で繰り広げられる様々な事を頭に描いていた。
中央に美容椅子のセット、過去に玲奈が捕らえられた椅子の改良版だ。
隣の部屋には多目的診察台、そこには、色々な責め具が所狭しと、並んで居る。
四階と五階には監禁調教が出来る部屋が造られて居る。
恐ろしい設備、此処に捕らえられると逃げ出せないと面々が思った。
鴨居と碕山は普段、山形の美容院で働く事が決まっている。
お手伝いで亀井と鈴木も此処で働く予定だ。
保護観察が付いて居るので、自由がないから、此処で働けば観察員を騙せるからだ。
山形の自宅が二階に有るが彼女自身は独身だから、此処に二人は住み込み、女が碕山を含めて四人で生活をする事に成って居る。
他の美容師は通いで来るのだが、この男達も関西から連れて来た。
鴨居達の知り合いの美容師、三人の美容師で営業を始めるのだ。
男性の美容師が菱田雅夫三十五歳、女性の美容師が猫田好子四十歳、菱田はイケメンの美容師だが、直ぐに女性に手を出して、問題を起こす男だ。
猫田は山形と同じ数少ないヘアー&ヘアーの女性会員、完璧な、趣味の布陣で構成されている。
信樹はNCNテレビに美容院の割引券を、アナウンサー部には招待券を配布した。
特に割引券は出入りの業者、タレントでも利用出来る様に大量に配布したのだ。
小野専務が早速、「おしゃれな、美容院が出来た様ね」
「理容師も居るから、男性も大丈夫だな」
「招待状貰ったから、私行こうと思うのよ、特にアナウンサー部に沢山の招待券置いて帰ったわ、みんなにあげて下さい」
「はい、判りました」
「割引券も沢山置いて帰ったから、出入りの人にも差し上げて下さい」
「専務、割引は喜びませんよ」
「何故?」
「一割とか二割じゃあ、恥ずかしくて渡せませんよ」
「何、言っているの、半額よ」
「えー、半額の券をこんなに沢山?」
「そうよ、口コミで有名に成りたいのよね、私が試してくるわ、予約して置くわ」と小野専務は嬉しそうだった。
アナウンス部に招待券が下田部長の手から各人に渡された。
「沢山有るから、これ事務所に持って帰って」と沙紀に手渡した。
「こんなに沢山、喜ぶわ」そう言って事務所に持ち帰る沙紀。
事務所で全員の机に置く、沙紀、
「木崎さん、干野さんは使わないわね、丁度二枚ずつ有るね」そう言って配り終えた。
冴子がやって来て「これ何?」と尋ねた。
「今度オープンする、美容院の招待状です、原宿ですね」
「一人に二枚も?」
「局にも一杯着たみたいですよ」
「儲からないわよね、無料なら」
「口コミで客を獲得が目的だと、小野専務もう予約入れたとか」
「まだ、でしょう」
「予約は受け付ける様ですよ」
招待券を読んで「本当ね、携帯で予約出来るみたいだわね」
「私も、行こうと思っていたのよね、美容院、予約してみよう」と電話をする沙紀。
「五日の夕方予約出来たわ」
「混んでないのね」
「社長も予約しましょうか?」
「私は、揃えるのとシャンプー位だからまた今度にするわ、感じを教えて」
「はーい」沙紀は嬉しそうに返事をした。
冴子は五月の連休に北海道の馬産地を為末と廻る予定を計画していた。
当歳馬を買うのと牧場探しも目的のひとつ、それは冴子の希望だった。
自分が所有した馬には人生を全うさせてやりたいと思う気持ちが有った。
所詮夢の話しなのだが、為末はそれを叶えても良いと考えたのだ。
綺麗で大金持ちの女性の頼みだからかも知れない。
三月に成って、いよいよ原宿の美容院(シャイン)がオープンした。
予約客のみの受付に成っているから、開店を知って予約に来る人も居た。
受付を亀井がしているのが何とも変だ。
普通なら若い女性の筈が、何故か今日は亀井がしている。
此処にもし冴子とか玲奈が来れば暴露されてしまうが、予約が無いのでその心配は無かった。
亀井は受付で、美人のみの受付をしていたのだ。
ヘアー&ヘアーに将来使える可能性が有る女性のみの受付を三日間はする予定だ。
その後は、若い女性に交代する。
半額チケットと無料券で五日までは満員状態に成っていた。
特に局関係の人にはサービス満点で、三人を誘い込む作戦だ。
初日に東田塔子がやって来た。
この様な事には目敏いのだ。
「東田様、当店では、理容師が、隣で、お客様の顔剃りをサービス致しておりますが?」
「無料ですか?」
「勿論です」
「じゃあ、お願いするわ、化粧の乗りが違うのよね」塔子は満足で帰って行った。
カールの茶髪には全く興味が無い、ヘアー&ヘアーの連中。
勿論小野専務も初日の予約をしていて、顔剃りから、好みの髪型にして貰って大満足で帰って行った。
メイキャップのサービス付で「自分でも見違えるわ」と言って帰って行った。
噂はもう翌日には局内に広がって、局員が次々と予約を入れる。
無料とか半額だから、早い、出入りの業者もタレントも予約をする。
目的が違う事を誰も知らないから、
「こんなに、安くして、儲からないわよね」
「私、気に入ったから、自腹でも行くわよ」と小野専務はご機嫌だ。
金髪の美人
15-9
五日のキャサリンの出迎えに塔子と玲奈が空港まで行く事にしていた。
キャサリンは塔子の案内で京都、奈良の観光に行く予定。
玲奈はテレビの仕事が有るので週末の土日に東京から日光の見物。
五日は玲奈の自宅に宿泊六日から塔子と京都に二泊三日で旅行に行く予定。
一日休んで週末に東京から日光の見物その後一日ゆっくりして帰国の日程。
この計画は統べて、信樹達に伝わっていたのだ。
六日に誘拐の予定を立てている。
朝からいきなり、偽のタクシーで冴子の自宅に乗り付ける予定だ。
塔子の家が駅に近いので、タクシーを迎えに行かせると話しをしていたのを、利用する計画なのだ。
地理が判らないキャサリンを連れ去るのは簡単な事だと、信樹は初の獲物の捕獲に自信を持っていた。
美容院(シャイン)は毎日大忙しで、丸田迄もが洗髪に参加して、嬉しい顔をしていたのだ。
フェチには至福の時、今日は沙紀の予約の日、浜中と二人で予約をしている。
美容院も仕事の一環、浜中は沙紀の付き人、その特権で一緒に予約をしていたのだ。
気持ちが良かったと、東田塔子が言ったので、期待の気持ちで来たのだ。
丸田がシャンプーを担当すると、柔らかいタッチで舐める様に触る。
中々上手よね、男の人も良いねと半分寝ていた。
その頃、成田空港にキャサリンが到着して二ヶ月振りの再会に三人は抱き会って喜んで居た。
車で来ていた二人は、荷物を積んで一路、冴子の自宅に向かう。
「明日、タクシーを迎えに行かすからね、私の家に来てから、一緒に東京駅に行こう」
「八時に迎えに行くと思うわ」
「予約終わって居るの?」と玲奈が聞くと「二日前に予約したから、大丈夫よ、何度も使っている、タクシーだからね」
「おーけーよ」キャサリンは笑いながら言う。
今日は玲奈がキャサリンを自宅で接待をする。
庭園露天風呂に入ると驚くだろう。
冴子は午後から局で、夜迄仕事だから、キャサリンに会えるのは京都から戻ってからに成る。
自宅の山田には、今夜は日本の味、すき焼きをご馳走する様に手配をした冴子。
昔、新藤が冴子に会う為に牛肉を持って来た事を思い出す。
あの日お互いの愛を確認したから、もう四年も昔の事なのだと時間の経過を感じる。
沙紀と浜中は顔剃りからメイクまでして貰って上機嫌で事務所に戻って良かったを連発する。
「私も行こうかな?」事務の小宮が言う。
「社長も、玲奈さんも、美咲さんも行ってないわよね」
「三人ともロングの髪だから、揃えるだけだからって、行ってないのよね」と話している時に美咲がやって来た。
「何の話?」
「今日ね、沙紀さんとめぐみさんが、例の美容院に行って今帰って来たによ」
「どう?綺麗?」と言いながら、めぐみが廻って見せた。
「綺麗わ!」
「でしょう、顔剃りの理容店が付いて居て、それも無料よ」
「嘘みたいね」
「だから、沢山の人に宣伝してあげないとね」
「沙紀さん、私達も無料券持っているから、宣伝に成りませんよ」
「あっ、そうだった、局で吹聴してこよう」沙紀は嬉しそうに出て行った。
「私、正月の着物着る時に、襟足の産毛が多いと言われたのよ」
「美咲さんは色が白いから、目立つのよ」
「でも、アップに出来ないわ、これから暑くなるから、ロングは大変なのよ」
「いっそ、ショートにすれば?」
「社長に叱られるわ、でもアップの為には良いかも知れないわ、あの美容院」
「予約が必要みたいだわ」
「岸田さんと行こうかな」
「喜びますよ、希さんも」
「じゃあ、再来週の土曜日、聞いてみて」
「はい」小宮が直ぐに電話をすると、「三時に取れました」
「意外と簡単に取れるのね」
「始めはどちら様と混んでいると言いながら(オフィス冴)の、宮本美咲と岸田希だと伝えると、急に態度が変わって取れました」
「局の関係だからかな?」
「多分そうだと思いますよ」と微笑む小宮。
亀井が早速加藤に電話で「来週の土曜日に、ターゲットの一人、宮本美咲が美容院を予約しました」
「そう、川上さん達喜ぶわね」
「岸田と云う女性が一緒ですけどね」
「その女は何とか出来るわよ」加藤は二人目の獲物にご満悦。
明日の準備に忙しい、翌日はフェチの連中も沢山見学に来るだろう。
外人が日本に観光に来て行方不明になる。
事件として取り上げられるまで、時間が懸かるだろう。
それまでに調教をして、従順な性奴隷に作り上げてやろう、唯、髪フェチの男が雇い主だから、困るのだ。
一目で判ってしまう、髪を切りたがる奴、剃る奴も居るからこれが困る。
陰毛は何度剃っても見えないが頭髪はよく判る。
それの対策も必要だから、一応数種類の鬘を用意しているのだが、あの狂った丸田に輪を掛けた男達だから、加藤も恐い気持ちだ。
問題は宮本美咲だが、誘拐をしてしまうと、警察が動く、玲奈も冴子も警戒をしてしまう。
彼女らに悟られず、どの様にすれば良いだろう?
捕まえて、放すと警察に駆け込まれると終わりだ。
美咲がこちらの言いなりになれば、統べては解決するのだが、勿論玲奈も冴子も捕らえ易く成るがと考え込む。
これは捕らえて解放するまでに一日程しか猶予は無いだろう。
その時間内に美咲を説得出来る材料が有るか?
加藤は総ての計画の責任者的な地位に居たのだ。
キャサリンは玲奈と塔子と三人ですき焼きを食べて、露天風呂に一緒に入って大いに楽しんだ。
露天では「キャサリン、髪は金髪なのに、下は黒いのね」
「上はアメリカ、下は日本ね」と笑いはしゃいでいる。
日本酒、ビールを飲んで三人は楽しんで、十一時過ぎに塔子は自宅にタクシーで帰って行った。
「明日、寝過ごさないでよ」と笑いながら、明日からの準備をバッグに詰めて、、翌日の恐怖を知らずに準備万全で二人は眠った。
冴子が戻ったのは深夜の二時前「お帰りなさい」と山田が今宵は当番で起きていた。
毎日交代で富永と起きて待って居る。
「盛り上がっていた?」
「はい、三人で大いに、露天風呂が気に入った様で、明日も入ると言われて、そのままです」
「そうなの?私も入ろうかな」
「どうぞ、どうぞ」
「山田さん、もうお休み下さい、適当に入って寝ますから」
「それでは、おやすみなさい」
「おつかれさま」
冴子は真夜中の庭園露天風呂に一人で入った。
もうすぐ彼岸、新藤に会いに行こうか?盆と秋には行かなかった。
忘れる為に、そうしなければ雅治と結ばれない気がしていたから、でも今は異なる考えに成っている。
雅治と結ばれるには新藤は切り離せない存在だと思い始めていた。
この彼岸にはその事も確かめる為に行こうと決めていた。
三月半ばの深夜の露天風呂は時々冷たい風が頬に当たる。
今、自分は何を求めているのだろう?愛?お金?そんな事を考えながら、星空を眺める。
星が東京の夜空でも見えた空気が澄んでいるのだ。
今日昼間、為末調教師が、馬主登録が来月の初めには完了すると連絡が有った。
馬主にも何故か興味が湧いた冴子、自分で何を求めているのか困惑の時だった。
金髪美人の裸体
15-10
翌朝、冴子が夢の中の時に、キャサリンを迎えのタクシーが自宅に到着した。
運転しているのは信樹の雇った元タクシーの運転手寺島均、よりリアル感を出す為に、友人の個人タクシーを盗んで来ていた。
キャサリンは玲奈に見送られて、車に乗り込んだ。
玲奈は個人タクシー使っていたかな?と不思議に成ったが、それ以上気にしていなかった。
手提げのバックには二日分の着替えと化粧品を詰め込んで、手を振るキャサリン笑顔が可愛い、金髪のストレートの長い髪、スプリングコート、黒のスラックス、ブラウスに春物のセーター、朝日が車の窓越しに当たると、金髪が綺麗に輝く。
「場所、聞いていますか?」と流暢な日本語で話しかけるキャサリン。
「はい、大丈夫ですよ」そう答える寺島、安心した様に窓の外の景色に目をやるキャサリン。
暫くして、車が、人気の少ない場所で止まる。
両方の扉が開いて、女が二人乗り込んで来る。
「貴女方は誰?」と驚くキャサリン、一人の方を向くともう一人が、ハンカチでキャサリンの口を覆う。
振り解こうと暴れるキャサリンをもう一人が押さえる。
暫くして、気を失うキャサリン、マスクを取り出して、キャサリンの口に着けると、ぐったりとした時に車は動き出した。
友田と鈴木が、寺島に「ご苦労様、車を交換の場所に行って」
公園の駐車場に、車椅子を載せられる車が置いてある。
廻りを見渡して、タクシーから降りると白衣に着替える二人、車から車椅子を降ろして、キャサリンを車椅子に乗せる。
寺島は車を乗り換えて、ワゴン車で三人を載せて、公園の駐車場を発車した。
この公園には監視カメラが無い事を確認していた。
友人は直ぐに気が付いて、警察に言う事を予め想定している。
タクシー仲間で蟹を食べに行っているのを知っていたから盗んで、明日までは判らない事も調べていた。
ワゴン車は原宿川上ビルの前に到着する。
二人が車椅子をワゴン車から降ろすと、毛布を掛けられたキャサリンの頭髪だけが見える。
友田と鈴木がビルの横のエレベーターに車椅子を載せると、寺島はワゴン車で走り去った。
廻りの誰も車椅子を押す白衣の人を不思議だとは思わない。
このビルに住んで居るとしか思わないのだろう。
そこそこ、通行人が多くても簡単に運び込んで三階に行くと、隠し扉の奥にエレベーターが、そこに載せられて地下に向かう。
既に加藤を始めとして、信樹達が到着を待ちかねて居た。
エレベーターから出て来た車椅子を見て全員が拍手をした。
毛布が取り払われて、キャサリンを見て「おお、綺麗な金髪だ、最初のお客だ」と信樹が喜びながら、早速金髪を触る。
「髪が金髪と云う事は、あそこも?」と丸田が嬉しそう。
「早速脱がせて、調べて見ましょうか?」
加藤がみんなの期待を感じて友田と鈴木に指示をして、マスクを外す。
「暴れない様に、一本注射をしておきましょうか」
腕を捲り上げて、注射をする加藤。
「これで、気が付いても、自分が何をされているのか、よく判らないから、自由ですよ」
「感じないのか?」
「いいえ、感度は良くなっていますよ、みなさんはこの綺麗な金髪と此処に興味が有るのでしょう」とキャサリンのスラックスの中央を触った。
涎が出そうな丸田、狂った目の信樹に加藤は恐怖さえ感じる連中だと思う。
この様な連中に入れ替わり立ち替わり責められたら、狂うのではと思ったから、その為にもこの注射は必要だと、判断したのだ。
媚薬効果と感度は良くなるが、夢の中の気分で自分が何をされているのか判らないから、この連中は必ずこの綺麗な金髪を狙うだろう。
早く性奴隷に仕立てなければ、冴子の様に感度が良くて、プレーが好きなら簡単なのだが!と考える加藤の前で、衣服を脱がされているキャサリン、色白の肌が露出する。
スラックスを脱がし始めると目覚める様子を示すと、全裸にして、美容椅子に寝かせる様に信樹が指示をする。
直ぐにキャサリンが大きな瞳をトロンとさせて目覚めた。
「キャサリンさん」
「。。。。」
「キャサリンさん、」
「はーーい」と漸く返事をする。
薄いピンクのブラジャーとパンティ姿にされて、友田がブラを外すと綺麗なピンクの乳首と白い乳房が飛び出した。
その場のみんなの目が一点に集中している。
信樹が身体を支えて、友田が一気にパンティを脱がせる。
今度は金髪の陰毛を期待した視線が失望に変わった。
「黒か!」
「頭髪とは違うのだな」
「それに、濃くはないな」と残念そうに言う。
椅子に全裸で寝かせて「薄いけれど、剃りたい人は?」と加藤の問いに丸田が手をあげる。
大きく足を開かせる加藤、頭は洗髪台に長い金髪が、足を膝で固定して、手も台の脇に固定されて、信樹が金髪にシャワーを掛けてシャンプーの体制に、丸田が陰毛に刷毛でシャボンを塗る。
「うぅ」と反応をする。
キャサリン目はトロンとして、白い乳房をライトに照らされている。
「オーノー」と大きな声をあげるキャサリン、丸田が指でクリトリスを触ったのだ。
信樹はシャンプーを始めて恍惚の表情、それを見て加藤は、この輩は同じなのか?と気味が悪い雰囲気を感じている。
キャサリンは気持ちが良いのか目を瞑ってうっとりとしている。
丸田は陰毛が薄いので剃りあがるのが早いので、残念そうに終わってしまった。
「猿轡を噛ませて、中を調べて見るわ」加藤が言うと、鈴木がキャサリンの口に布をねじ込むと、ゴムの猿轡をはめる。
信樹がシャンプーを洗い流している。
腰にベルトを巻いて身体の動きを止めて、加藤がクスコを挿入すると、両方の足先が伸びる様に反応をしている。
「少ないわね、胸に刺激を与えてみて」
側で見ていた富岡が、乳房を揉み出す。
キャサリンは目を見開いて、反応を始めた。
クスコの中にローターを一つ、二つと入れていく、身体が大きく反応を始めたが、それでも洗い続ける信樹。
塔子が待ちかねて「玲奈!キャサリン来ないのよ、タクシーに乗ったの?」
「もう、随分前に乗ったわよ」
「タクシー会社に聞いてみるわ」
「個人タクシー頼んだの?」
「いいえ、違うわ、事務所から頼んだから、会社で使うタクシー会社よ」
「じゃあ、個人タクシーが来たのは変ね、タクシー会社に問い合わせてみて」
「直ぐに聞くわ」
事務所の盗聴器で会話が聞かれていたとは思わない二人、玲奈は一生懸命タクシー会社の名前を思い出そうとしていた。
暫くして塔子が「「私が予約して、直ぐにキャンセルの電話が有ったらしいわ」
「えー、それって、どう云う事なの?」
「キャンセルしてから、そちらに行くわ」塔子の慌てた様子が判る電話だった。
塔子が予約して信樹がキャンセルを直ぐにタクシー会社にしていたのだった。
警察
15-11
日本にそんなに多くの知り合いは居ないキャサリンが自分から何処かに行く理由が無い。
個人タクシーは偽物、それなら誘拐?キヤサリンの事を知っている人は日本には少ない。
誰が誘拐したの?玲奈が考えていると、冴子が目覚めて、「どうしたの?」
「大変なの!キャサリンが誘拐されたのよ」
「誘拐!」冴子の声が裏返った。
「何が有ったの、今日から京都と奈良見物でしょう?」
「此処にタクシーが迎えに来たのよ、それが偽物だったのよ」
「えー、警察に言わなければ駄目ね」
「今ね、私、タクシー会社思い出そうとしているのだけど」と話して居るとお手伝いの富永が「タクシー会社、浅見タクシーって書いていましたよ」
「えー、良く覚えていましたね」
「私の旧姓だったので」
「そうなの、助かるわ」
「何処の、警察に言う?」
「知り合いが良いわね、誘拐なら慎重に探さないと」
「でも不思議よ、計画的な誘拐なのに、今日京都と奈良に行く事知っている人少ないわ、塔子、お姉ちゃん、私、タクシー会社、事務所の数人でしょう」
「静岡の野平さん達に聞いてみよう」
直ぐさま電話で詳細を話した冴子、野平は上司と相談して、連絡すると言った。
その頃キャサリンは髪を乾かす信樹、陰部を責める加藤、肛門に媚薬を注入されて、クリトリスに電マを当てられて、逝かされていた。
項垂れるキャサリンの髪をドライヤーで乾かし終わって、櫛で髪を梳かす。
また恍惚の表情、それを羨ましげに眺める丸田の顔、気味の悪い連中だ。
「先生、SEXがしたいのだが、いけるか?」
「ゴムを着ければ」
「何故?」
「若しもの場合です、過去に体液で警察に捕まりましたから」
「判った」
信樹が友田に手渡されて、ゴムを装着している。
信樹がSEXをすれば、此処に来ている人も次は自分だと考えている人も多い、やはりスポンサーが一番だから、遠慮している。
台を調節して、キャサリンの腰が台から突き出した様に成った。
以前の椅子を改良して、女性の身体の位置を変えずに台が、キャサリンの両足を大きく上に持ち上げて、挿入をし易い角度に成る。
勃起したペニスを挿入すると、項垂れていたキャサリンが目を開けて、仰け反り「うぅ」と猿轡の中で呻く、腰の動きが速く成って、信樹が発射して終わる。
疲れた様子のキャサリン、待って居たかの様に、畑山がズボンを脱いで、ゴムを着ける。
行動が早い、待ちきれない状態だったのだろう、直ぐにキャサリンに挿入する。
早い動きで一瞬のうちに果てる畑山、結局四人が連続レイプして終わった。
「これも、手術すれば、もっと良く成りますよ」とキャサリンのクリトリスを指さす加藤。
「一週間は出来ませんがね」
「もう少し、調教してからだな」
「はい、判りました」
キャサリンは全裸のまま毛布を被せられて、睡眠薬で眠らされた。
足は普通に戻されたが、固定されて大きく開いた状態、身体は腰と手を固定されて、全員が地下室を出て行った。
美容院に戻る鈴木、丸田、四階に行く加藤、富岡、友田、丁度昼飯が出前で届く、キャサリンの話で盛り上がる。
他の人達は仕事に戻って行った。
満足をして、これから、第二、第三の獲物が捕らえられると楽しみにしていた。
冴子が連絡して十五分後に電話が掛かって「警視庁から、本宮刑事と女性の本間美弥子刑事が伺いますから、一応経緯は話しておきました」
「静岡からは何方も?」
「明日、内の美優がお邪魔します、一応管轄外なので、すみません」
「はい、判りました」
「美優は、私よりも優れていますから、これまでも数々の事件を解決していますから、安心して下さい」
「はい」とは返事をした冴子だが不安が募る。
暫くして本宮均と本間美弥子刑事が冴子の家を訪れた。
塔子が来るのと殆ど同時だった。
二人共若い、美弥子は今年か、去年に警視庁に入った感じ、
本宮で三十歳手前だ。
応接間で、塔子と玲奈が事件の経緯を説明すると「一応、成人の場合は自分から逃走と云う事も考えられますので」
「日本語は話せるけれど、外人さんよ、有り得ないわ」と怒る玲奈、本宮は玲奈の美しさに見とれて居る。
キャサリンの写真をプリントアウトして、冴子が入って来た。
普段着だが綺麗なので尋ねる本宮「藤堂さんって?あの藤堂冴子さん?」
「はい、そうです」
「僕、見ています、ファンなので、いやー光栄だな、こんなに間近で見られるなんて」と興奮気味だ。
「私の、正月の番組で知り合ったのよ」
「ああ、思い出しました、アメリカからの中継ですよね、美人さんですよね」と写真を見ながら言う本宮。
いかにも新人の美弥子は、セミロングの髪を後ろで束ねて、頷いて聞いているだけ、警察よりアイドルグループに居る様な感じだ、頼りないと冴子は思う。
「一応、浅見タクシーは手配しています、キャサリンさんの物でDNA鑑定が出来る物、残って居ませんか?」
「調べてきます」
玲奈が出て行く、暫くして櫛を持って来る玲奈。
「これで」と手渡すと「金髪ですね」とハンカチで包んで、美弥子が鞄にしまい込む。
携帯が鳴って、話し始める本宮、終わると「この近くの公園にそれらしき、タクシーが見つかりました」
「えー、この近くですか?」
「現場に行って確認をして下さい」
「はい」
刑事二人と塔子と玲奈が行く事にする。
冴子は局に行く準備を始めなければ成らないので行かなかった。
現場のタクシーにはキャサリンのバックが残って居たので、この車に間違いが無いと断定されたが、持ち主の浅見吉三は仲間と温泉旅行に行って留守。
自宅は一人住まいで娘が近くに嫁いでいるので時々来るらしく、警察が電話をした時もその娘が居た。
本人の携帯番号で連絡をすると、北陸に遊びに行っている事が確認された。
誰かが盗んで誘拐に使った事が実証された。
「この辺りの聞き込みをしてみます」
「昼間だから、誰か目撃者が居るでしょう」
二人は玲奈達と別れて捜査に向かって、玲奈と塔子はタクシーで戻る。
冴子も準備して出掛ける寸前「お姉ちゃん、誘拐よ、バックがタクシーに残って居たから」
「そうなの、玲奈も気を付けてよ」そう言うと木崎が迎えに来て、事務所に向かって行く冴子。
「でも、不思議ね、キャサリンの来日を知っていて、旅行の時間とか、迎えにタクシーで来るとか、知りすぎだわ」
「まるで、推理小説の世界ですね」
「そうなのよ」
「小説なら、此処で名探偵が現れますよ」と笑う木崎、冴子は笑えなかった。
夕方警察の聞き込みで、車椅子に載せている三人を見たとの聞き込みが有った。
本宮が本庁に帰って「この事件、あの有名な藤堂冴子さんの家から載せたタクシーで起こりました」と報告をしたから、先輩刑事の内藤保が「何!あの藤堂冴子さんの家?」
「はい、間近で見てきました、化粧していませんでしたが、綺麗でした」
「俺も担当する、これは大事件の匂いがする、課長に掛け合って来る」と急いで出て行った。
刈り取られた金髪
15-12
夕方まで眠らされたキャサリン、流動食を飲ませる友田と鈴木、まだ半分眠って居る。
上半身を起こされて、食べさせる二人 「まだまだ、頑張らないとね」
「栄養はたっぷりよ」
「ワタシ、ビョウキ?」
動けない身体を動かそうとする。
「カエル、ワタシカエル」と英語で言う。
「お腹が空いて居るでしょう、食べないと元気が出ないわ」そう言われて飲み込むキャサリン、確かに空腹だった。
食べ終わると、友田が、注射器を持って 「さあ、続けて楽しみましょうね」毛布を捲る。
「あっ」と驚くキャサリン、 乳房が丸見えに成ったから、動かない腕に注射がされる。
同じ薬で意識が朦朧と成って、感じ安く成る。
富岡、信樹、加藤の三人がやって来て 「どう?食事終わった?」
「はい、今終わって、注射が効く頃です」
「じゃあ、そろそろ、この綺麗な髪を貰おうか」そう言って金髪を撫でる。
「カミ?」と虚ろな目で言うキャサリン。
「その代わり、腰が抜ける程、逝かせてやる」と笑う信樹。
「呼んで来てくれ」と鴨居を呼んで来る様に言う。
毛布を取り払われて、全裸で腰を掛けた状態、 足は左右に大きく開かれて、 椅子に腰掛けた加藤の目の前に綺麗な陰部を曝している。
電気バリカンを用意する友田、 半分眠った様な眼差しのキャサリン、 今から、綺麗な金髪を刈り上げ様としている。
首の処に、柔らかい輪が出てくる。
玲奈が昔刈り取られた時に使った改良版、 頭が動くのを防ぐ為に、顎が固定出来る。
「これは、中々良い物だな、むち打ちの治療の様だ」 そう言う信樹に見せる様に、いきなりクリトリスを小型の電マで刺激する加藤。
「ああー」と声をあげるキャサリン、身体が多少動くが頭は全く動かない。
「これは面白い、逝かされながら、刈られるのも良いだろう、なあ、キャサリン」 と髪を撫でる狂った信樹。
「鴨居さんは今、客の顔を剃っているので、少し掛かるそうです」
「そうか、薬も効いているから、先生始めてくれ」
「はい、始めましょう」加藤が、膣内に媚薬を注入する。
バイブを持って、挿入する。
「ああー」 「NO,NO」と大声をあげるキャサリン。
信樹が電気バリカンを持って一段高く成った処に上がって、 キャサリンの額を触ると、バリカンをいきなり額から滑らせる。
頭の中央から刈り取られる金髪、鈴木が刈り取られた金髪を集めている。
「ああーNO、NO」と大きな声が続く、 刈り取られる金髪、逝かされてぐったりと成った時、 総てを刈り取って信樹の目が狂っていた。
そこに、鴨居がやって来て 「お待たせしました、おお、もう刈り取られたのですね」
「今、終わったよ、綺麗にしてやれ」
「はい」
鴨居が項垂れたキャサリンの頭にシェイビングクリームを刷毛で塗る。
満遍なく塗り終わると、剃刀で剃り始める。
目が虚ろに開き始めるキャサリンの股間に再び太いバイブが挿入される。
「ああーNO,NO」と大声で叫く、 淡々と剃りあげてゆく鴨居、軈て気を失うキャサリン、 暫くして、青く光る頭に出来上がった。
「おお、綺麗に成った」と喜ぶ信樹。
「富岡さん、四階で遊んでやって下さい、 先生の物なら、外人も気絶しますよ」
キャサリンの身体を抱き抱えて、車椅子に乗せる三人、 エレベーターに載せて、連れて行った。
キャサリンは四階でこのまま閉じ込められる予定だ。
富岡にレイプで遊ばれてから、簡単な服を着せられて、 毎日加藤達の責めを受けるのだ。
信樹は金髪を綺麗に束ねて鈴木に渡されて、満足顔で 「一人目完了だな、次は宮本美咲だ」
「彼女は坊主には出来ませんよ」
「どうしてだ!」
「玲奈も冴子も欲しいのでしょう?」
「勿論だ」
「それなら、美咲は切るだけにして、楽しみは後に」
「どう言う事だ」
「ショートなら、イメージチェンジですが、 坊主なら帰せませんから、直ぐに警察が来ますよ、 見つからないでしょうが、冴子達は無理です」
「私は、美咲は処女と云う噂は本当だと思いますので、 昔使った方法で効果が有ると思いますわ」
「どの様な?」
「辱めるだけ、辱めて、ビデオに撮影して、脅すのですよ」
「それで、効果が有るのか?」
「有ります、多分想い通りに成るでしょう」
「流石はその道のプロだな、 加藤さんは、任せるよ、女医さんに従うよ」 信樹は加藤の悪知恵に舌を巻いた。
翌日、冴子の家に子供の声がして、 美優が美加を連れて、やって来たのだ。
まさか子連れだとは思っていなかったので、 玲奈と冴子は迷惑そうな顔をする。
「すみません、子守が居ないので」
「可愛い、お嬢さんね、お名前は」
「野平美加です」と言ってお辞儀をする。
「賢いわね」仕方無く褒める冴子。
事件の経緯を聞いた美優が 「最近、電話の点検とか電気例えば、 漏電の検査に誰か来ませんでしたか?」
「山田さん達知っている?」
「はい、数週間前漏電の検査に来ました」
「それです、盗聴器が有ります、探して下さい、 会社もそれらしき人来ていませんか?」
会社に掛けようとすると 美優が「携帯に掛けて下さい」と冴子を止めた。
「受話器の中に入って居る可能性が有ります、そう伝えて下さい」
「は、はい」冴子が干野の携帯に美優に言われた事を話す。
暫くして「社長、受話器の中に、盗聴器が見つかりました」
「美優さん、盗聴器が見つかったそうです」
その結果を聞いて二人が美優の能力を高く評価して、 態度が百八十度変わった。
「この家も手分けして探しましょう、電話機も」
山田が「電話機の中に有りました」と持参して来た。
一時間を要して探して、三個の盗聴器が見つかった。
「まだ有る可能性が有りますが、注意して喋って下さい」
「これはどうしましょう?」
「警察に渡して下さい、何か判るかも知れません」
「キャサリンさんを誘拐した目的は何でしょう?」
「多分、目的はキャサリンさんでは無いでしょう」
「えー」
「偶々、キャサリンさんが網に掛かっただけなのでは?」
「何が目的ですか?」
「冴子さんか?玲奈さん?」
「えー、私達!」
「会社と自宅に盗聴器を置くのは、その証拠です、二人を狙っていますよ!気を付けて下さい」
「何が目的?」
「判りません、共通するのは美人?髪が長い?」
「そう言えば、キャサリンも長い髪です」
「他にも何か有るかも知れませんね」
「富永さんと山田さんはもう一度隅から隅まで探してみて」
暫くして「ママ、こんなの、机の下に有ったよ」 と美加が盗聴器を持って来た。
「わー、凄い」と驚く玲奈。
それから、また色々な場所を探す五人だった。
キャサリンは翌日も、薬を注射されて、食事を食べて、 加藤達の調教が始まっていた。
今日は電気治療器を使用しての 攻撃に、もう腰が抜ける程の快感を、感じていたキャサリンだった。
信樹の興味が無くなると、廻りの人間が交互に来て、 キャサリンとSEXをして楽しむ、狂気の館だ。
キャサリンは毎日SEXの道具の様なものに成ってしまっていた。
薬が無くても求める迄調教をするのが加藤だ。
だが数日後キャサリンは生理に成って調教が休みに成ると、 我に返ると自分の身体を見て泣きだしてしまう。
全裸の美咲
15-13
警察の捜査も全く進まない十日が過ぎた。
アメリカから母親が来日して、大使館を通じて日本の警察に抗議をしたが、公園からの消息が全く判らない。
美優も自宅で一平に「キャサリンさんは全く判らないの?」
「アメリカ大使館に言われて、困っているのだが、公開捜査に成るかも知れないな」
加藤達は公開捜査が予定に無かった。
もう、一週間見つからなければ公開捜査で結論が出たのだ。
一平は管轄外でそんなに積極的に捜査に関与は出来ないのだ。
本間、本宮、内藤の三人は何度か冴子の自宅を訪れて、色々聞いて帰ったが、進展が無い。
そんな時、本宮と本間が事務所に盗聴器の事で訪れた。
取り付けの日時、来た人間の特徴を調べに来たのだ。
大使館が絡んで居るので、必死に成っていた。
「すみません、私、今から美容院なので」と岸田が美弥子に言う。
「少しで良いので、お願いします」
「じゃあ、宮本さんに連絡しますわ」
岸田が宮本に電話で(シャイン)の話しをしていると「えー、(シャイン)の予約よく取れましたね、私二回断られました」
「そうですか?此処には、無料券有りますよ、それに事務所の名前で予約すれば簡単ですよ」
「えー、本当ですか?」
「沢山有りますから、一枚差し上げましょうか?」
「えー、宜しいのですか?私も早く行きたくて」
「此処から、電話すれば多分取れますよ、提携しているからかも?」
「じゃあ、明後日休みなので、十五時にお願い出来ますか?」
「おいおい、本間、仕事を忘れて、美容院の予約を頼むとは」と怒る本宮は直ぐに電話で自分が少し遅れる事と予約をした。
「ほらね、簡単でしょう」
「有難うございます」と嬉しそうな美弥子、それから岸田が質問に答えていた。
宮本美咲が美容院に到着して「予約していました、宮本ですけれど」鈴木と亀井の顔色が変わった。
「お待ちしていました、こちらにどうぞ」
「奥のテーブルで、客の要望を聞く」
「ご希望は、同僚がサービスで顔剃りをして貰ったと聞いたので、お願いしたくて、それとシャンプーと揃えて貰いたいのですが」
「はい、判りました」
「これから、暑くなるので髪をアップにしますので、襟足もお願い出来ますか?」
「それでは、隣の理容の方に」亀井が案内する時に加藤に連絡をする。
理髪台に横たわる美咲のメイクを落とす碕山。
顔に刷毛でシェイビングクリームを塗る鴨居。
綺麗な女性だな!まだ若いもう暫くしたら、違う場所に刷毛で塗られるとも知らないで、と苦笑いをしながら、綺麗な顔を剃りだした。
暫くして顔が終わると長い髪を掻き上げて、襟足を剃り始める。
「濃いでしょう、毛深くて困りますのよ」
「色が白いから、目立つのですよ」
「そんな、事有りませんわよ、足も困っていますの」
「脱毛エステには行かれないのですか?」
「少し抵抗が有ります」
「長いですね髪、切られるのですか?」
「いいえ、切るのはもう少しして、イメージチェンジの時ですわ」話しをしている間に剃り終わる。
「美容院の方、混んでいますので此処でシャンプーします」と碕山が言う。
理容の方は仰向けでなくて俯せだと思っていた美咲に「あちらに、どうぞ」と奥の方に案内した。
理髪の奥にシャンプー台が一台有った。
「こんな処に有るのね」
「はい、美容院満員の時に使いますので、どうぞ」と言われて座る美咲。
「倒しますよ」
椅子が後ろに倒れると身体に薄い布を被せる。
「失礼します」顔にタオルが被せられると、タオルの上からガスが噴射されて、直ぐに気を失う美咲。
そのまま椅子は奥に移動して、エレベーターで地下に降りた。
荷物用のエレベーターで降ろされた美咲のタオルを取り払う加藤。
直ぐに目を覚ますから、撮影を始める。
今夜は奥田がカメラを写すらしい、信樹と富岡、甲斐が見ている。
シャンプー台から友田と鈴木、亀井の三人で抱き起こすとワンピースの背中のファスナーを一気に下げる。
帰りに着せなければ行けないので丁寧に脱がす。
上に羽織っていた服を碕山が持参して、マジマジと見ている。
ヒールを脱がせて、スリップを脱がす、パンストを脱がすと、白いブラジャーとパンティ姿。
「全部脱がせて診察台に、もうすぐ起きるわよ」ブラジャーを外すと白い乳房が現れた。
今度は鈴木がパンティを脱がす。
「おおー濃いな」と嬉しそうな信樹。
多目的診察台に全裸で寝かすと「うぅー」と声がすると一気に身体をベルトで縛る三人。
膝を金具に固定して準備が終わると同時に目を覚ます美咲。
「お目覚めね」と言う鈴木。
まだはっきり判らない美咲の気が付いて身体を動かす。
「あー、これは」
「病院よ」
「放して」と身体を動かすが動かない。
「今から貴女の身体調べるのよ」
「いやー、放して」
「じたばたしても無駄よ、カメラに写されているからね」
「えー、やめてーー」と大きな声を出す。
「元気ね、いつまで元気かな」
台が上昇を始めて足が大きく左右に開かれた。
「いやー、いやー、やめて」
「見られた事ないのだろう、今日はゆっくり、見てやろう」
「ダメ、見ないで」
加藤が美咲の陰毛を触ると「いやー、やめてー助けて」
亀井が猿轡の準備をしている。
口を開けると同時に布の猿轡が口に填められて、長い黒髪の後ろで結ばれた。
「うぅ」
「大人しくしないからよ」そう言って美咲の陰部を調べる加藤。
「さあ、アップで写して貰いなさい」
「うぅ」と首を大きく振る美咲。
「お前は男を知らないのか?」
大きく頷く美咲、予想していた通りだと思う加藤女医。
「気持ちよくして貰いなさい」と言うと友田が美咲の乳房を揉む。
「どう?良い」と聞くと首を振る美咲。
「直ぐに気持ち良く成るわよ」と言いながら亀井が注射を美咲の腕にすると首を振る美咲。
「これは、いつもの薬か?」と信樹が聞くと「違いますよ、媚薬と感度が上がる薬です、濃い毛を剃って下さいよ、信樹さん」
「そうか、楽しみだな」
「もう少しすると感度が上がりますから、この子手術した方が良いですよ」
「何故?」
「SEX出来ませんが、後の楽しみが大きいですよ、剃れば判りますよ」
二人の会話が聞き取り難い美咲、乳房を揉まれて神経が集中していた。
今度は吸う友田「うぅ」と表情が変わってきた美咲。
「薬が効いてきた様だわ」
小型のバリカンを手に持つ信樹、美咲の陰部に当てて剃り始める。
シェーバーの音が反響する。
「先生、この子大きいな」
「そうでしょう、だから、今から手術するのよ、十日程は使えないけれど、良く成るわ、それに、生理近いわよ」
クリトリスの廻りにバリカンが当たる。
「うぅ」と首を動かして反応をする美咲。
「貴女のあそこをこれから手術してあげるからね、生まれ変わるわよ」
「うぅ」と首を振る美咲、友田に乳首で遊ばれて感じているのが判る。
顔を赤くして、目を閉じたり開けたり、動きが多い
「撮影も綺麗にしているからね、もうすぐ、マンコの中まで見える様につるつるに成るわよ」
加藤は美咲の羞恥心の増幅の為に言葉でいたぶる。
美咲を羞恥心で自由に操る方法を考えている加藤。
信樹が刷毛にシェイビングクリームを付けて、陰部に塗り出すと「ほら、クリームが付いたわ、綺麗にして貰おうね」と頭を撫でる加藤、鈴木が電マで乳房を責め始める。
「うぅ」と首を振る美咲。
陰毛に剃刀が「ジョリ、ジョリ」と聞こえる。
マイクで音を拾って、スピーカーで美咲に聴かせている。
「大きい音ね、綺麗に成っているのよ」
信樹が皮を指で引っ張りながら剃りあげる。
口から涎が無意識で流れている信樹。
それを見て加藤が完全に狂っていると思うのだ。
信樹は完全にお漏らしをして、興奮がそうなった。
処女の美人の陰毛を剃りあげていると考えていたから、信樹はもう自分の世界。
美咲の顔は鈴木に電マで責められて興奮の表情に変わっていた。
キャサリン解放
15-14
遅れてきた岸田が「あの?宮本さんは?」
「あの綺麗な人、急用で出て行かれました、また直ぐに戻ると云われていましたよ」
「そうですか、じゃあ、私お願いします」
岸田は疑いもせずに理容の顔剃りに行った。
キャサリンは、四階の部屋に閉じ込められて、日々を過ごしていた。
テレビを見る以外する事がないのだ。
最初は逃げようと試みたが、全く無理だと知って諦めていた。
此処が、何処なのかも判らない、その時テレビに自分の顔が出て、捜索願が公開捜査に成ったのだと知った。
美咲は剃毛の後、加藤によって小陰唇の切除とクリトリスの皮を剥かれる手術を受けていた。
陰部に麻酔を注射されて、涙を流す美咲
「泣く事無いのよ、貴女は知らないのよ、貴女の性器は形が悪いのよ、だから先生が治して居るのよ、恥ずかしいけれど、我慢するのよ」
亀井が涙を拭く、動けない美咲は一度も見られた事の無い、陰部を剃りあげられて、メスで手術をされている恥ずかしさと屈辱は美咲には耐え難い事だ。
意識が有るので、統べて見えるし、カメラで撮影のもされている。
一時間程で手術が終わった。
「終わったわ、汗が出たでしょう、髪を洗って貰って帰ると良いわ、二週間後にまた此処に来るのよ」加藤が言うと、猿轡を外す友田、大きく息をする美咲。
「こんな事をして、無事で済むと思っているの?」
「綺麗にしてあげたのに、怒るとは、必ず二週間後の三時に来る事よ」
「嫌です」
「此処で、撮影された物がテレビに出るけれどそれでも良いの?」
「「えー、卑怯な人達ね」
「素直にすれば、何も無いわ、貴女の性器は形が悪かったのよ、治してあげたのよ、感謝してよ、此処での事を喋ると、局にも貴女の故郷小樽にも流れるわよ」
「えー、小樽」
「そうよ、調べて有るのよ、両親が泣くわよ」
「困ります、それは許して下さい」
美咲の強気は壊れて台が降ろされて、手も足も固定を外される。
「判ったら、服を着て台に座って、綺麗に髪をして貰いなさいよ」
「判ったわ」手渡された服を着る美咲。
いつの間にか男達は部屋を出て行った。
美容椅子に座ると、髪を洗う丸田が降りて来て、丁寧に洗い始める。
「明日に成れば、シャワーも使えるわ、一週間は陰部を触らない事よ」屈辱の美咲は悔し涙を流していた。
岸田は眠らされて、髪を綺麗にされて、本人は気持ち良くて寝たと感じるだろう。
二人は暫くして一緒に帰って行った。
機嫌の悪い美咲を見て「不機嫌ですね」
「別に」
「髪は全く切ってないのですね」
「そうよ、顔剃りとシャンプーだけよ」
「何処か用事で行かれていたのですね」
「そうよ、少し急用でね」
頭の中では地下室の出来事が走馬燈の様に蘇っていた。
この美容院は恐ろしい場所だと言いたいが、言えば自分の統べての事が暴露される。
そう考えると言い出せない美咲、小樽にでも知れたら、両親は恥ずかしくて生きて行けない、とても、言える心境では無かった。
ニュースでキャサリンの事を知った信樹は、このビルの事は判らないだろう。
関西に帰る途中で解放して欲しいと甲斐社長に頼んだ。
日本人では無いから、地理が判らない、眠らせて、運べば判らないだろう、調教は中止、公開捜査は想定していなかった。
闇サイトでも誰が見ているか判らないから危険だ。
もう少し調教をして、遊べると思っていたが危険を感じたのだ。
翌日、衣服を着せて、鬘を被せれば、日本人に見える。
睡眠薬を飲ませて、夜遅く車椅子に乗せて、甲斐は原宿を出発した。
途中警察の車両が多く、怯える甲斐、途中の高速の検問を見て慌ててサービスエリアに、何処かでキヤサリンを降ろすのが、得策だと思った。
監視カメラに注意をしながら、車椅子を降ろして、サングラスに帽子で人相を隠しながら、多目的トイレに放置して、慌てて車に戻って発車した。
大使館絡みの大規模な捜査に驚きながら、検問を突破する甲斐。
翌日、報道各社はキャサリンの無事を伝えたが、身体の異常には触れなかった。
生理が有って、調教が途中で中断された事で精神の異常には至らなかった。
見つかった場所が静岡県警の管内だったので、直ぐに佐山達から、冴子に連絡が伝わった。
日曜日で冴子と玲奈が急いで静岡県警に向かった。
キャサリンは病院で治療を受けて、母親と過ごしている。
二人は県警に足を運んで状況を聞いて、玲奈が「私と似ていますね、私は剃られて居ませんが、変質者の仕業でしょうか?」
「サービスエリアに不審な男が車椅子を押す画像が残って居ました」
「誰だか判りますか?」
「カメラを知っていたのか、方向が」
「指紋とかは?」
「今照合しています」
「SEXの回数も多いので複数の男性に強姦されたと考えられます」
「他には何か?」
「陰毛も剃られていました」その言葉に微妙に反応する冴子。
「二、三日で退院出来るでしょう、アメリカに戻られるそうです」
「悪い、日本の印象に成ってしまいましたね」
「明日、私病院に行って来るわ」
「それが、良いわ、謝って来なさい」
キャサリンのニュースがもう少し詳しく宮本美咲に伝わっていたら、加藤達の犯行だと判ったのだが、外人の女性が行方不明で数日後無事に見つかったとだけしか、知らなかった。
翌日玲奈が見舞いに行って、その数日後事情聴取の終わったキャサリンが帰国した。
キャサリンは恥ずかしいので、殆ど喋らなかった。
その為、加藤の事も県警には判らなかったのだ。
男数人に乱暴されて、髪を切られて剃られた。
刈る人も剃る人も専門家だったが、恐くて顔は覚えていないと言うと、変態の犯罪者の写真を見せたが該当がなかった。
「一緒にお風呂に入ったけれど、キャサリンの陰毛は薄い方だったわよ」
玲奈に美優からの質問の電話でその様に答えていた。
美優は一番に加藤達を疑ったのだ。
これまでの犯罪歴から似ていると思ったから、だが警察にはキャサリンは男性でプロだったと答えていたから、女性では無い、落ち着けば色々話すだろうが、
異国の地で恥ずかしい事に遭遇したので、簡単には話さないだろうと思う。
信樹達は自分達に疑いが及ばない事を確信した。
十五時に本間美弥子が美容院を訪れた。
「オフィス冴で予約していました、本間ですが」
亀井が応対して、丸田が髪を洗い始める。
刑事にしては美人の部類、髪はセミロングで束ねているが、普通にすると、女らしくなって可愛く見えた。
気持ち悪い程丁寧に洗う丸田、今日は信樹が居ないので、これ以上何も出来ないが、また来る様にサービス満点で美奈子を帰した。
勿論撮影もして、携帯で会員登録もさせていた。
美優はキャサリンの事件が気に成る。
夜一平に「あの、看護師達って今はどうしているの?」
「看護師って捕まった二人か?」
「そうよ」
「保護観察官が付いて居るから、直ぐに判ると思うよ」
「一度、調べて見て」
「どうしたのだ?」
「先日のキャサリンさんの事件ね、加藤がちらついて仕方が無いのよ」
「美優は、あの連中に痛い目に有ったからな」
「そうじゃあなくて、この事件に絡んでいるのではと考えてしまうわ」
「明日、聞いてみるよ」
気に成る事には熱心な美優だった。
誘拐された冴子
15-15
冴子は今週の休みに、新藤の墓参りに行こうと考えて居た。
忙しい時は思い出さないが少し時間が出来ると考えてしまう冴子、身体の寂しさも感じる自分が時々居るのも事実だ。
加藤女医の責めを思い出してしまう、異常に興奮していた自分を、そんな時は必ずオナニーをしてしまう冴子、それは加藤に責められたい願望にも似ている。
自分は変態に成って来たのかと思う時も有るのだ。
加藤が言った「お前は、この剃毛プレーが大好きなのだよ」の言葉は本当なのかもと考える様に最近は成っていた。
翌日夜、一平が「あの、二人今は真面目に美容院で働いて居るらしいよ」
「美容院?」
「東京の最近出来た(シャイン)と云う美容院だそうだ」
「あの、キャサリンさんって、藤堂さんとはどの様な関係?」
「アメリカからの中継の時、親しく成って日本に遊びに来たと話して居た、キャサリンの髪が無かった事と美容院は関係が有るのか?
考え過ぎか?」美優の推理が次々と広がる。
「私、一度見てきても良いかな?兄貴の家に行く時に」美優は好奇心で話す。
「構わないけれど、更正している邪魔に成るのは良くないよ」
「そうだね、私が行くとダメだよね」
「警視庁に探りを入れて貰おうか?」
「お願いしても、良いかな」
「話して見るよ」
美優は自分で確かめたかったが更正の言葉で思い止まった。
翌日警視庁に電話で尋ねた一平に本宮が「その、美容院なら既に我が課の女子が先日行って来て、最高だったと、他の署員に吹聴していましたよ、
全く変な事は有りませんよ、念の為、経営者を調べて置きますよ」
「お願いします」
だが、美弥子の吹聴で警視庁の人間が予約をしている事が加藤達の耳に入った。
「これは、キャサリンの件で探りを入れているのでは?」
「違うだろう」と意見が分かれていた。
加藤女医はこれまで、何度か冴子を調教してきて、若しかして、彼女の身体が自分の調教を忘れられなく成っているのでは?との想定をしていた。
加藤が「川上さん、冴子を誘拐しましょうか?少し調べて見たい事が有るので」
「えー、そんな事が出来るのか?調べる?」
「はい、気に成る事が?でも、捕らえて置けませんよ、直ぐに警察に捕まりますから」
「どう言う事だ」、
「この美容院に警視庁の連中が来ているのをご存じですよね」
「知っている」
「だから長時間は捕らえられません」
「此処は使えないな」
「そうです、その為に別の場所で冴子を誘拐するのです」
「どうする?」
「私が、狙っていると思わせますから、二、三人男を貸して下さい」
「私は、行けないのか?」
「辞めた方が良いです、緊縛出来る人が良いです」
「面白そうだ、見せて欲しい」
「絶対に近づかないのなら」
「そんなに、簡単に誘拐出来るのか?」
「今週の木曜日に元恋人の墓参りに多分行きます、その時が狙い目です」
「そのまま、捕まえて此処で調教はダメか?」
「警察直行が良ければ、私は嫌です」
「判った、サイトの仲間に聞いてみる」
「誘拐が終われば、消える約束で」
加藤は昔冴子を襲って連れ込んだ無人の家を使う計画を立てて、翌日下見に友田と向かった。
「昔のままだわね、此処なら外から見えない」
「加藤先生も悪い人ですね、墓参りを狙うなんて」
「でもね、冴子も身体が疼いている筈よ、私には判るのよ」
「本当ですか?」
「道具を用意して、車に積んで置きます」
「ライトも忘れずにね」
「でも、これで私達がキャサリンの犯人だと判るのでは?」
「大丈夫よ、逆に関係無いと思うわよ」
「あの、新人の美咲は喋って居ない様ですね」
「私の考えた通りね、絶対に喋らないわ」
「土曜日に来ますかね」
「来るわ、今度は調教に成るわね」
「あの社長髪欲しがりますよ」
「坊主は無理よ、テレビに出られる状態で終わらなければ」
「シヨートカットですね」
「それで我慢して貰うわ、変態社長にはね」と笑う加藤女医。
祭日に成って「木崎さんが来たら、墓参りに行って来るわ」
「はい、お気をつけて」
花と線香が玄関先に用意されて、黒い服を着た冴子が待って居ると木崎がやって来た。
「お待たせしました」
「行きましょうか」
二人が車で出掛けて行った後、玲奈が起きて来て「お姉ちゃん、墓参り?」
「はい」
「馬籠さん来たの?」
「いいえ」
「あの二人、大丈夫かな?」と心配顔の玲奈。
小高い墓地に、住職が待っていて、離れた場所に数人の墓参りのグループが見えるが、加藤達で車椅子でお参りなのだと見える。
お経、が終わって住職が帰って行く、気を利かして、木崎もその場を去る。
冴子が新藤に話し掛け様とした時、車椅子の集団が近づいて来た。
すれ違うと同時に背後から冴子の口にハンカチが当てられる。
「うぅ」と暴れるが暫くして意識が無くなった。
身体を抱えて車椅子に座らせて、マスクを着けて、ストールを頭から被せて、墓地を降りて行く。
友田もサングラスに大きな帽子を被っている。
木崎が待っている自動車から離れた場所にワンボックスが止まっていて、車椅子を積むとそのまま走り去った。
「上手くいきましたね」
「計画通りだわ」
「この人、藤堂冴子に似ていますね」
「他人の空似よ、あの様な有名人誘拐したら大変よ」
「恋人を取られた復讐を頼む何て恐い時代ですね」
「ご苦労さん、そこで良いわ」
「それじゃあ」三人の男は帰って行った。
友田が運転をして、無人の屋敷に到着して、中から二人の男が出て来た。
「連れて行って」
「はい」
冴子を抱き抱えて、奥の部屋に連れ込むと、信樹が待って居て、「おお、成功か!」
「見ている約束ですよ、声も出さないで下さいよ」
「判った、マスクを外すと、直ぐに気が付きます、今日は冴子が剃毛プレーを好きだと云う事を見せるだけですから、それ以上を望まない様に」
「判った」
「でも何故?」
「冴子が我慢出来なく成るのが恐いのですよ、もう身体が疼いて居るのですよ、私には判ります」
「本当なのか?」
「もう、オナニーでは我慢出来ない状態に」
「何故そんな事が?」
「何度も調教してきましたから、抜いてやらなければ、変な行動をする恐れが有ります」
「そんな事が有るのか?」
「服を着せなければ成らないから、上手に脱がせて」
「はい」
友田が黒の上着を脱がす。
「全裸にしますか?」
「それの方が、汚れないから、良いわ」
スカートを脱がせて、ブラウスを脱がせて、側で男が縄の準備をしている。
パンストを脱がせるとブラジャーとパンティ姿に成った。
「ほら、はみ出して居るでしょう」と指を指すと、黒い陰毛がパンティに透けて見える。
「これを、綺麗にされるのを待って居るのよ、」
友田がブラジャーを外すと男が冴子の腕に手架せを付ける。
両腕を万歳にして、鴨居から垂らした縄に結び付けると、冴子を立たせた。
身体は倒れかかって居るが辛うじて立っている。
友田がパンティを脱がせると、白い太股の間に黒い陰毛が沢山生えている。
「おお、楽しそうだ」
「社長には地下室で存分に楽しんで貰いますから、マスクを外しますから、喋らないで下さい、顔を隠して下さい」
そう言われて今度は信樹がマスクとサングラスに帽子のスタイルに変わる。
足枷を片足に付けて、それに縄を巻き付けると加藤が注射を冴子の腕にした。
友田がマスクを外す、廻りには剃毛道具、バリカン、剃刀、シェイビングカップ、バイブ、電マが並んで居る。
流石に随喜は無い、随喜を使うとSEXが必要に成るから、此処では中々難しいだろう。
「うぅ」と声が出る冴子。
「気が付くわ」
その時ライトが冴子を照らした。
ライトの奥に居る信樹が冴子からは殆ど見えないのだ。
「何?これ?」
「お目覚めね」
「貴女は加藤」
「お久しぶりね、助けに来たのよ」
冴子は自分が全裸で立たされて居る事が漸く判った。
冴子はマゾ?
15-16
「もう、身体が疼いているでしょう?」
「何を、言っているの?何故私を狙うの?」
「貴女程、感度が良くて責めるのが楽しい女性はいないからよ」
「馬鹿な事は止めてよ」
「此処が何処か覚えているかい?」
廻りを見廻す冴子。
「あっ、此処は」
「思い出した様ね、今日は此処で久しぶりに天国に送ってあげるわね」
「いやー、帰して」
「そうかしら?もう待っているでしょう?」
「違うわ」
「ダメよ、上の口は嘘を言うが、下の口は正直よ」
指示をすると、左足が引っ張り上げられて、片足立ちで、陰部が広がった。
加藤が冴子の陰毛をかき分けて「いやー止めて」と言う冴子に構わず指を膣に挿入した。
「うぅ」
「もう、濡れて大変よ」
「いやー」
「そうなの?」そう言いながら指を動かす。
「ああっ」と声を出す冴子。
「ほら、溜まっているでしょう、大人しく私に任せなさい、天国に行けるから」そう言いながら指を大きく動かす。
「ああー、ダメ-」
「もう、逝きそうなの?」
「いやー、違うわ」指を抜く加藤、「ふぅー」と溜息の冴子。
「此処を綺麗にしないとね」
「いやー、止めて」
「嘘でしょう、これが良いのでしょう?」とバリカンの手動式を見せる。
「身体が痛いわね、丸椅子を持って来て」
右足の縄も引っ張り上げて尻を小さな丸椅子に座らせた。
友田が、バリカンを冴子の目の前で見せる。
「やめてーいやー」そう言うのを構わずにバリカンが冴子の陰毛を咥えて「ジョキ、ジョキ」と音を立てる。
加藤がアイマスクを感度をあげる為冴子に着ける。
暫くして加藤の問いかけに「どう?感じる?」
「は、はい」
「素直に成ったね」
もう、観念して、感じ始めた冴子、これを待って居たのだと、違う冴子が囁きだしたのだ。
ほらね、と信樹に目で言うと信樹の顔は完全に狂った眼差しに変わっている。
サングラスを外して、冴子の陰部を凝視しているのだ。
何度も冴子を調教している加藤には冴子の身体に火を点ける事をすれば、燃える事を知っていた。
しかし、信樹の為にいきなりビルに連れ込む事は自分にも危険な事を加藤女医は充分知っていた。
自分から進んで来るなら、安全だが、今回の誘拐でも最初は大きく拒絶する。
上手く事が運ぶと、我慢が出来なく成って従順に成って来る。
この前の病院の調教から随分時間が経過しているが、身体は快感を覚えている。
今の冴子の状態を見て、加藤は自分の考えが正しかったと確信をしていた。
これからは、自分が冴子をコントロール出来ると思ったのだ。
「さあ、バリカンの次は、剃毛よ、帰りたいかい?」
「早く、剃って下さい」
「そうなのかい」
もう完全に薬が効果を現して、快楽だけを要求しているのだ。
感じ易い身体がそれを求めている。
信樹はもう、口から涎が溢れ落ちているのが気づかない程、一点に集中している。
友田が刷毛にシェイビングクリームを刷毛に付けて、塗り出す。
「あぅー、感じるわ」と言う冴子、友田が何度も刷毛を動かすと、小さな椅子にシェイビングクリームが流れ落ちている。
両手を上に上げて縛られ、両足をU字に吊り上げられた姿は、卑猥そのもの、後ろに束ねた長い髪が今にも外れそうに成っている。
白い両足の付け根がクリームで一杯に成っているのを、友田が剃刀で剃り始める。
「動かないで」と太股を押さえる。
「うぅ」と感じる冴子「ジョリ、ジョリ」と剃刀が動く。
「これから、大事な部分よ、動くと使えなく成るわよ、判った」と加藤が強い言葉で言うと「は、はい」と返事をする冴子。
完全にマゾの状態が見られる。
普段社長業で叱られない冴子、この感覚は男性の社長にも多々有る現象だ。
これから、冴子はマゾが進むのでは?加藤が思った。
以前も自分から「先生、入れて」とか口走っていたから、久々の剃毛プレーに気持ちが飛んだのかも知れないと思った。
これなら、従順にマゾ調教を進められるのでは?
自分から、あのビルに来る日もそう遠くは無いのでは?
「あっ、いいーわ」とアイマスクの口から言葉が出る。
剃り終わる友田、時間を充分に掛けて、綺麗な無毛の陰部、赤いクリトリスが光って見える。
「終わったわよ、天国に送ってあげるから、口を大きく開きなさい」
そう言われて、ゆっくりと開く冴子、加藤がカラーボールをその口に放り込む、後頭部で強く縛る。
「うぅ」と目も口も塞がれた状態、
二人の男は、外の車で待機しているから、実際の冴子の姿を見せて貰えない。
電マが乳房を刺激すると「うぅ」と口から、涎が流れ落ち出す。
頭を動かして、束ねた髪が振り乱れて、白い肩に流れた。
それを見ていた信樹が下着の中で無意識に発射していた瞬間だった。
濡れた膣にバイブが挿入されて、仰け反る冴子「あーあー」「だ、だめー」と聞こえる。
クリトリスにも電マ攻撃、もう冴子は髪を振り乱して仰け反ると、そして失神した。
「終わったわ、外して」
友田と加藤が縄を外していると、信樹が来て、一緒に冴子を抱えて降ろすと、タオルで身体を拭くのも手伝う信樹。、
ぐったり横たわる白い裸体、唾液で濡れたカラーボールを口から外して、加藤がクロロホルムのマスクを着ける。
友田が衣服を冴子に下着を履かせて服を着せる。
荷物を片づけるのに外からも二人の男が呼ばれて車に荷物を積み込む。
一人寝かされた冴子のマスクを外して、全員が空き家を消え去った。
暫くして、目覚める冴子、夢で無い事は判っていた。
加藤に誘拐されて、遊ばれた事、そして、自分が感じてしまった事を思い出していた。
久々の快感が身体を支配して、満足感が残って居たのだ。
木崎に連絡をして「ごめんなさい、急に昔の家が見たくて、来てしまいました」
「社長、急に消えられて、探し廻って居ました、そんな場所に行かれていたのですか?もう少しで警察に連絡する寸前でしたよ、携帯も切れていましたから」
「ごめんなさい、心配をさせて、昔の家に来てくれますか?」
冴子はタクシーで、新藤の別宅前に来ていた。
今はまた、空き家に成っている。
暴力団の会長が逮捕されて、売りに出されて、今では税務署が管理している様だ。
悪夢か快楽か判らない新藤の墓参りから、冴子が自宅に戻ったのは夕方も遅かった。
自分の部屋でお風呂に入って、加藤達に辱められた事を思い出していた。
いつの間にか快感に変わっていた自分が恐かった。
身体の自由を奪われて、陰毛を剃られる快感、バイブで逝かされる気持ちの良い疼き、加藤女医に強く命令される時の気持ち、統べてが、良く成っている自分が恐い冴子なのだ。
その時冴子は、加藤の調教で自分が変わっている事に気づいて無かったが、コントロールされていた。
その調教をこれから受ける事に成る宮本美咲は憂鬱な週末を迎えていた。
「美咲さん、土日は何処か行くの?」
「明日は、先日の美容院に行くのよ」
「えー、お気に入りに成ったの?」
「大胆な、イメージチェンジをして、沙紀さんを驚かせたりしてね」と笑う美咲だが、心は憂鬱、手術の後毛が生えて来て、チクチクする、赤く成ったクリトリスは下着が当たっても感じる。
良い事は何も無い、手術の失敗?
確かにビラビラは綺麗に成って、性器は満足していたが、他の事は最悪な気分。
切られた美咲の髪
15-17
本当は行きたく無い美咲、若しも行かなければ、故郷の小樽にも、あの映像が流れる。
そう考えると行くしかないのかと項垂れる美咲、あの女医に陰部を見られるのは確実だ。
この前とは比較に成らない事が待って居るとも知らずに、タクシーを止める美咲なのだ。
「どう?満足出来た?」加藤女医が冴子の携帯に掛けてきた。
「卑劣な方法を使って、私を辱めて楽しいのですか?」
「ご挨拶だわね、良い声を出して喜んでいた時と違うわね」
「変な薬でおかしく成っただけです、早く自首しなさい」
「私が、捕まると冴子さんを満足させる人いませんよ、今の彼氏では無理でしょう」
「。。。。。。」
「ほら、図星でしょう、もう貴女は私が必要なのよ」
「馬鹿な事言わないで」と電話を切る冴子。
加藤は局に届け物をしていた。
母親の名前を使って、局のみんなと冴子用に栄養カプセルを、毎日深夜のお仕事でご苦労様と云う触れ込みで送り付けていた。
冴子の薬以外は、普通の健康サプリメント、冴子の薬は少し異なっていたのだ。
下田部長は喜んで職員に手渡した。
冴子の分だけ、月曜日に渡そうと考えて、何故?他の玲奈達の分が無いのかは気にしなかったのだ。
美咲が美容院を訪れたのは、十五時丁度だった。
「宮本美咲ですが」
「はい、お待ちしていました」
「今日は、どの様な感じをご希望でしょうか?」
「別に、希望は有りません」と暗い。
「それでは、美容師にお任せ?でしょうか?」
「はい」と頷く美咲。
此処からまた連れて行かれて、あの女医に調べられるのだと考えている美咲には信樹の顔を忘れている。
信樹は美咲の髪を切りたい気持ちで一杯だった。
加藤から、切りすぎると警察が来ますよと固く言われていたから、我慢をして切る予定だ。
「お待たせしました、こちらへ」椅子に案内する女性坂上奈菜、変ねと思いながら腰を掛ける美咲にカットクロスを巻き付ける猫田好子。
櫛で髪を梳かす信樹、いつ眠らされるのだろうと考えている美咲の髪を持って、ハサミがばっさりと切った。
「えー、何するの?」と急に切られて驚く美咲。
信樹の手には美咲の髪が束に成って持って居る。
「何故?切るの?それも沢山」
「お客様、先程お聞きしましたら、お任せとおっしゃいましたので」
「誰が、こんなに沢山切れと」
「もう、元には戻りません、美容師にお任せに成られた方が、宜しいかと思いますが」山形が慰めに行く。
「鏡を見て下さい、これでは、ショートにする以外に方法は無いと」
「じゃあ、似合う様にして下さい、仕方が無いわ、私もお任せって言ってしまったから」
「ありがとう、ございます」
美咲は髪より、この美容室ではなくて、隣の理容店が怪しいのかと間違えていた。
猫田は「宮本様、切られた長さに、合わせませんと、バランスが合いませんので、少し短く成りますが宜しいでしょうか?」
「仕方が無いですね、似合う様にお願いします」
「お綺麗ですから、どの様な髪型も似合うと思いますよ」
この猫田もサドの闇サイトの人間、美咲の一部切られた髪を切り揃えるのに、再び切って、ショートボブに仕上げた。
「宮本様、短く成りましたが、これでご勘弁を」
「仕方無いわね」
意外と似合う髪型を満足そうに鏡で見て言うしか美咲には術が無い。
「襟足をサービスで剃りますので、隣に」
ほら来たわ、忘れかけていたのに、呼ばれた美咲、覚悟を決めて付いて行くと、碕山が奥のシャンプー台に案内した。
座ると下に降りるので、此処から下に行くのか?と思う美咲。
「おお、可愛い感じに変身ね」
「私が希望したのでは、有りません」
「そうなの?お似合いよ」
「こちらに、来て、診察を受けるのよ」
男性が二人居るのに躊躇う美咲。
「この前、総てを見せた人達だから、気にしないで」
でも衣服を脱がない美咲
「仕方が無いわ」富岡弁護士が美咲を後ろから押さえる
「いやー、止めて」友田がスカートのベルトを外して、ファスナーを降ろして脱がす。
今度は鈴木がパンストとパンティを一緒に一気に脱がす。
「いやー、やめてー」と暴れるが、もう下半身が露出しているので、ブラウスを脱がす鈴木。
「大人しくして、診察して貰わないと、痛いわよ」と「バシー」と頬を叩く亀井、暴れるのを止めた美咲は恐怖の表情に変わる。
直ぐにブラジャーも外されて、全裸に富岡と看護師達に身体を持ち上げられて、診察台に載せられる。
両手、両足を直ぐさまベルトで固定する。
四人が一斉に作業をするから早い。
「大人しく、していたら、痛い目に合わないのよ」
「さあ、注射をしましょうね」
「いやー、やめてー大人しくするから、注射はしないで」
「大丈夫よ、気持ちが良くなるからね」そう言うと腕に注射の針が突き刺さる。
ライトが点灯されて、美咲の身体が光沢を放つ、全裸で手足を固定されて、台が上昇して足が大きく開かれる。
「いやー、見ないで」
「もう、生えて来ているね、後で綺麗に剃って貰って赤ん坊の様に成ろうね」
「いや、もう手術はしないでしょう」
「今日は、貴女の中を見てあげるのよ」
「止めてーいやー、何処も悪く無いわ」
「気分が乗らないでしょう、先生乳房をお願いします」
富岡が、美咲の乳房をいきなり掴んだ。
「おお、柔らかい感触だ」揉みながら吸い出した。
「ああー、ダメ、止めて」揉んで吸われて「うぅ」と声が変わる美咲。
信樹がまばらに生えた陰毛にシェイビングクリームを刷毛で塗る。
クリトリスに当たると「ひーぃ」と声を変える美咲、感度が大きくあがっている。
男性経験の無い美咲には、乳首を吸われる感覚に、薬の効果も重なって、陰部も触られているので、身体が暑く興奮してきた。
「もうすぐ、大人の女性に成るのよ、嬉しい?」加藤が耳元で囁くと、美咲の表情が強張って「いやー、いやー、やめて」と騒ぎ出した。
加藤はそれを面白がる様に聞いている。
暴れ様と身体を動かすが、身体は動かない、信樹が綺麗に剃り終わって拭き取った。
「富岡先生、譲りますよ」
「えー、社長宜しいのですか?」
「私は、これが好きですから」と髪の束を手に持って見せて、それは美咲の長い髪の束なのだ。
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
上着を脱ぐ富岡弁護士、友田がコンドームを富岡に手渡すと、「先生まだですよ、慌てないで」と加藤が微笑みながら言う。
加藤女医が剃り終わった美咲の股間の前に座って鏡を持って「ほら、見せてあげるわ、綺麗でしょう」
友田が美咲の頭を持ち上げて見せると「いや、やめてー」
「よく見なさい」と背ける頭を亀井が持って見せる。
「やめてー」
「これが、先日手術した、クリトリスよ。綺麗でしょう」鏡を鈴木に持たせて、指で触る加藤。
美咲は恥ずかしさと、指で触られる感覚で「ひー、やめてー」と騒ぐ。
今度は手術で綺麗に成った小陰唇を左右に広げる。
「ほら、此処は始めて見えるでしょう、上が尿道、光っているのが膣口よ、今から、先生に大きいのを入れて貰うのよ、先生の大きいから、痛いかもね」
「止めてー、恐い、お願い許して」
「そうね、気分が乗らないわよね、クスコ取って」
鏡で見せるのが終わると美咲は泣き出した。
「お願い、許して」と言い続けている。
美咲の処女は巨根が貫く
15-18
美咲の膣にクスコが挿入される。
「いやー、痛い」と興奮する美咲。
ライトでクスコの中を見る加藤が「小型のカメラで写して」とクスコの中に入れて撮影をする。
「記念写真が撮れたわよ、終わってから、また撮ってみましよう」
「何を、しているの、止めて」
「そろそろ、大人しくしてもらおうか」
友田が美咲の口に布を丸めて、隙を見て詰め込む。
「うぅ」素早くゴムの猿轡を上から被せるとボブの髪の後頭部で留めて「暫く五月蠅いの我慢してね、でも痛いから判らないわね」と髪の毛を撫でる。
加藤がクスコの中に、媚薬を注入すると、小さな電マで赤いクリトリスを刺激した。
「うぅ」と大きく首を振る美咲、友田が乳房にも電マで刺激を与える。
鈴木に交代して、今度は美咲の肛門にも媚薬の注入をする加藤。
「これで、気分が良く成ります」
一斉に刺激を受けて、頭が大きく揺れる美咲、加藤がその場所を富岡弁護士に譲る。
ズボンを脱いで下半身裸でペニスが大きく直立状態、加藤が見て、この人何か入れているの?と思う歪な形だ。
富岡はシリコンを注入して、その為、長くて太い、SM遊びの相手は、殆どが百戦錬磨の女性だから、中々面白くなかったので富岡が自ら手術をしていたのだ。
この子壊れるかも?と思ったが既に、挿入の体制に成っていた。
気分が乗っていた美咲の表情が変わる。
「あっーー」と口走って、痛みが顔に表れる。
仰け反るボブの頭、富岡が奥まで押し込むと、美咲は痛みで気絶してしまった。
「あら、大きすぎたのね」と加藤が言う。
富岡は少し腰を動かしたが、反応が無いので止めてしまった。
鮮血がそのペニスに着いて、美咲の痛々しい股間にも流れでている。
処女には大きすぎたペニスだった。
加藤が股間を見る為に場所を変わる、クスコを入れて「相当、傷ついたわね、処女膜は完全破壊ね」
カメラで撮りだして、終わると股間を友田が拭いた。
「痛み止め、打たないと歩けないわよ」と注射をする加藤はこの子はSEXが嫌いに成るだろうと思った。
事前に調べて置くべきだったと後悔をしていた。
美咲は夜に成って自宅に送られて帰ったが、完全に憔悴していた。
痛み止めの薬を加藤から貰って、マンションの部屋に倒れ込む様に入って、そのまま翌朝まで眠ったのだった。
日曜日に冴子の実家に、娘さんの番組のスポンサーを装って加藤女医が、
「スタッフのみなさまに、お母様からの差し入れとして、健康サプリをお贈りしました、深夜の番組でお疲れですので」
「何故?私から?」
「メーカーから贈りますと支障が有りますので」
「あっ。そう言う訳ね、判ったわ」と何も疑わない母直実、加藤の悪知恵が冴えている。
月曜日に局に行った冴子に下田部長が「これ、君の分だ」と袋を手渡した。
「お母様が、スタッフの皆様と君に健康サプリを贈ってくれたのだよ、私達はもう貰って飲んでいるよ」
「えー、母が?珍しいですね」
「深夜の番組が続くし、これから暑く成るから、バテない様にじゃあ?」
「そうなのですね、母に聞いて見ます」
冴子は紙袋を受け取ってから、携帯で母の直実に電話で尋ねた。
「お母さん、サプリ贈ったの?」
「ああ、届いたかい、冴子も深夜まで毎日大変だから、身体に気を付けて頑張るのよ」
「ありがとう」
不思議に思ったが、間違い無い様だと母の気遣いに感謝した。
夕方局内が騒然とした、宮本美咲がロングの黒髪から、シヨートボブで暗い顔で来たからだ。
「どうしたの?凄いイメージチェンジね」
「ええー、少し切りすぎたので、思い切って短くしました」
「似合うわ、可愛いわよ」
「そうよ、可愛い」
「番組で取り上げないと、視聴者が驚くわね」
冴子が笑いながら言う、でも美咲は顔が笑って居るが暗い。
何か有ったのかも、知れないわと冴子は思ったが、それ以上の詮索はしなかった。
玲奈も美咲を見て「可愛いわね、私もイメージチェンジしちゃおうかな」と笑っていた。
冴子は自宅に戻って、玲奈には無いのかな?と包みを開けると、(天然由来の成分とローヤルゼリーで自家製の為簡易包装をしています。
容量を間違わずにお飲み下さい。
続けて飲まれると効果が表れて、健康な活力が産まれます。和泉養蜂場)と書かれていた。
蜂蜜由来なら簡易包装で小さい会社だわね。
カプセルが二種類、二つのプラスチック容器に入っている。
毎日一錠ずつ朝飲むのか、沢山有るわね、二ヶ月分かな?と机の上に置き、そのまま飲むのを翌日も忘れる冴子。
月が変わって、為末が「馬主登録が終わりました、これで出走出来ますので、早速来週の土曜日のレースに二頭共に出走させます」
「先生、もう走れるのですか?」
「登録を待って居ましたから、是非競馬場に来て下さい」
「残念だわ、その日は講演会なのよ、玲奈に行かせるわ」
「そうですか、残念です、二頭共勝ち負けしますよ」
「えー、勝てるのですか?」
「確実では有りませんが、この時期の未勝利戦は弱いですからね、それとカワノニシキは落馬が無ければ勝てると思いますよ」
「楽しみですね、場所は東京ですか?」
「千葉の中山競馬場ですよ」
「はい、玲奈に話しておきます」
冴子は競馬を忘れていた。
先月は色々有ったから、と冴子は競馬に気持ちを切り替える。
冴子は、最近講演が続いて疲れていた。
自分の机の上のサプリの容器に気が付いて、そうだった。
お母さんが買ってくれたのに飲むのを完璧に忘れていたわ、と思い出した。
今日から飲もう、また、「調子はどう?」と聞かれそうな気がして、二週間遅れで飲み始める。
加藤のこの薬は媚薬効果の薬と精神的に我慢が出来なく成る作用が有る薬、性的理性の崩壊の起こる薬、加藤は冴子が自分から求めて来る様に仕向けた。
前回の誘拐で潜在的欲求を確かめたので、仕掛けたのだ。
美咲はショートにしてから暗い、ショートにすると美容院にも良く行かなければ成らない。
今日もこれから、三度目の美容院、加藤からの呼び出しに応じる。
行かなければ今までの画像を公開されるから、それは困る美咲は仕方無く行く。
土曜日の三時に店に入ると、いつもの様に席に座らされて、信樹が美容師の服装で近づくクロスカットを巻く猫田が小声で「お任せよね」と囁く。
「えー」と言うと「素直にしてないと、また痛い目に合うわよ」と脅される美咲。
「宮本様はショートがお気に入りの様です」
信樹が気持ち良さそうに、ボブの髪を梳かすと、いきなり切る「あー」と声を出す美咲。
前回と同じく後頭部の髪を切られて、続けてまた切る。
「これ以上、短く切らないで」と美咲が我慢出来ずに言うが、不思議と客は美咲だけだった。
「短い方が似合うから、素敵よ」
「もう、これより短いのは困ります」
「それじゃあ、地下に行きましょうか?」
「いやーよ、帰るわ」
「今までの写真が世間に出ますよ、宮本美咲の処女喪失ビデオとかね」
「やめてー」
「さあ、行きましょうか」
項垂れて、隣の理容店の奥に行く美咲。
マドンナ玲奈
15-19
地下に降りると、加藤が「変な髪型で来たのね、綺麗にして貰いなさい」
三人の看護師に身体を押されて、美容台の方に向かう美咲。
「全部脱ぐのよ」
「えー、」
「決まっているでしょう、此処で服を着られると思っているの?」
「そこの、テレビ見てご覧」
そこには、美咲のこの前の失神の映像が流れている。
「キヤー、止めて」
リモコンを操作して、今度は、キャサリンの裸でつるつるの頭の画像が流れる。
美咲が食い入る様に見る。
「これは、キャサリンさんね、彼女は此処で」
「そうよ、逆らったから、身体中の毛を剃られて、数人の男に強姦されたのよ、貴女もそれを選ぶ?」
「いやー、いやーです」
「じゃあ、大人しく、綺麗にして貰って帰るのよ、もうあそこも生えているでしょう」
「強姦はされないでしょうね、坊主にしないでしょうね」
「あの、男性のペニスは大きすぎたね、坊主にすると、テレビに出られないからね、今度ね、玲奈を連れて来ると、約束する事」
「私の事が事務所に知られてしまうわ」
「そんな、心配は要らない、大丈夫だ」
「さあ、早く、脱いで」
「猫田さん、呼んで来て、綺麗に整えてあげるから」
美咲はゆっくりと脱ぎ始める。
この美容台が素晴らしい性能だと知らないで。女性四人しか今日は居ないので、多少の安心も有った。
統べて脱ぎ終わると胸と陰部を手で押さえて、椅子に横に成る。
歯科医の診察台と間違う様な造り、背もたれが倒れて、亀井が美咲の手を胸から除いてパイプを持たせる。
右手も鈴木が持たせると、手が動かない「あー」と声をあげる美咲の首を固定する。
「これ、何」
「ははは、これでお前の頭は動かせないのよ」
「えー、約束を守らないの」
「つるつるにはしないよ、安心して」
猫田が降りてきたのと同時に、信樹が来て居る。
「おお、中々良い姿だ」
「助けて、下さい」と涙目。
「この台は、面白い事が一杯出来るのよ、上の毛も、下の毛も同時に剃れるのよ」
足の固定を始める亀井と鈴木。
「さあ、大きく開くのよ」台が動いて、美咲の両足が一杯に広がる。
「いやー、助けて、お願い、髪を剃らないで」
加藤が、ボンベから繋いだマスクを美咲の口にそっと当てると、時間を見て外す。
美咲の目がトロンとして、精気を失った。
もう夢の中に美咲は入ってしまった。
友田が生えかけの陰毛にシェイビングクリームを刷毛で塗る、
「あっ、あっ」刷毛の動きで声を出す美咲、猫田が美咲の髪を襟足から、電気バリカンで櫛を使いながら、刈り上げてゆく、横で信樹が真剣に見ている。
ボブの髪型が男性の後頭部の様に短く成っていく。
友田に陰毛を剃られて気持ち良さそうな声を「うぅ」「あっ、あっ」と出す美咲、陰毛は少ないので直ぐに剃り終わる。
細いバイブを挿入して、先日の富岡の時の痛手を診る加藤「あっ、あっ」と反応をする。
「これなら、好きに成るわ」とバイブのスイッチを入れて、電マをクリトリスに当てる。
「ああーー」
「だめー、」と無意識に発すると、薬の効果が感じる身体を作り上げている。
美咲の前髪も綺麗に切られて、男の子の様な髪型に成った。
先日までの黒髪ロングから、ベリーショートのボーイッシュな女性に変身して、首の固定が外れた。
身体を倒して、「ああー、だめーいくーー」と大きく頭を仰け反せると、乳房を信樹が揉みながら吸い上げる、。
もう、何度か逝かされている美咲に「これで、終わりね」
長いバイブを持った加藤「Gスポット攻撃よ」と挿入すると、大きな振動を与える。
「ああー、だめーいくーー」と大声をあげて仰け反る。
身体が痙攣を起こすまで、何度も何度も続ける加藤、サドの真骨頂。
気を失った美咲に「服を、着せて、帰しなさい、身体が覚えているから、呼べばまた来るわ」
月曜日、局で美咲を見た全員が「わー、美咲さん、大胆」
「でも、素敵、イケメン俳優みたい」
「先日までのロングが信じられないわ」
「凄い決断ね」
美咲は身体が、何度も逝かされて、気分爽快に変わっていた。
先日の富岡に処女を奪われた時とは雲泥の差で、自分でも女に成った実感に溢れていたのだ。
玲奈がその髪型を見て「良いな、私も挑戦してみようかな?」
「軽いわよ、これから暑いから涼しいわよ」と口では言ったが、本当は強引に刈り取られたとは言えない美咲。
「私、此処まで短くすると、直ぐに美容院行かないと、伸びて変に成るのよね、玲奈さんも一緒に行く?」
「美咲さん程、勇気が無いわ、でもロングも飽きたしね、昔一度坊主にしたのよ」
「えー、いつ頃?」
「三、四年前かな」玲奈は思い出して言ったが、刈り取られた時の記憶は殆ど無かった。
処女を奪われた時に刈られたから、髪の事は覚えてなかった。
後で驚いて、泣いて過ごしていたのだ。
「今度、一緒に行きましょうよ」
「そうね、考えて置くわ」
その後冴子が美咲を見て「大胆な女性だったのね、驚いたわ、でも似合っているわよ」と褒めた。
金曜日に冴子が「玲奈、誰と行くの?競馬場」
「塔子と一緒に木崎さんの車で行くわ、始めてよ、競馬場」
「二頭も出走するけれど、弱いから二レースと四レースだからね、早く行かないと、終わって居るわよ」
「お姉ちゃん、日曜日の夜でしょう帰り?」
「そうよ、勝ったら、驚きよね」
「勝たないわよ、八回走って最高七着でしょう、カワノニシキ、牝馬は五回走って最高六着でも八頭しか出てないレース」
「でも、先生は勝てると話してくれたわ」
「カワノニシキは印付いているよ」
「玲奈、それ専門誌ね、いつ買ったの?」
「昨日よ、一応馬主ですから、でも名前が人の馬みたいよね、騎手の服だけ違うから、変な感じね」
「夏から走る、シャインドリームが本当の最初の馬って気がするわ」
「それって、安い馬でしょう」
「馬は金額では走らないって先生が話していたわよ」
「まあ、明日応援してくるわ」
「お願いね」
冴子は明日から仙台に講演で行くのだ。
机の上のサプリを飲んで容器を旅行のバックに放り込む。
最近少し身体が火照る気もするが、それを冴子は薬で元気に成っていると解釈していた。
媚薬は効能が早いが、片方の薬はゆっくりと効果を表すのだ。
冴子に眠るマゾの本能と感じ易い身体、媚薬で一層活発に成る可能性を秘めていた。
翌日、玲奈と塔子、木崎の三人は中山競馬場に九時前に到着、馬主席に入る三人。
「良い気分ね、お金持ちって感じ」
「場所も良いわね」と話して居ると、為末調教師が挨拶に来て「今日は、よろしくお願いします。」
「はじめまして、妹の玲奈です、友達の東田塔子さんと木崎さんです」と紹介して挨拶をすると「カワノニシキは落馬が無ければ勝てると思いますから、記念撮影の予定をして下さい」
「えー、本当ですか?」
「はい」
「塔子、勝ったら、撮影だって、舞い上がりそう」
「もう、興奮しますね」と二人はわいわいと喋る。
「失礼ですけれど、藤堂玲奈さんですか?」と同じ馬主席の若い男性が声を掛けてきた。
「は、はい、そうですが?」
「いつも、テレビで見ています、私、前田貢と申しまして、玲奈さんのファンですよ、今日は親父の代わりに来たのですよ、玲奈さんに会えるなんて、最高です」
「馬主さんですか?」
「今から、親父の馬が走ります」
「何番ですか?応援しますよ」
「二番のマエノインパクトですよ」
「そこそこ、の人気ですね」
「はい」
そう、話していると、レースが始まると、立ち上がって応援する。
マエノインパクトが外から追い込んで、同時に入線した「勝ったかな?」
「勝っていますよ」玲奈と貢はいつの間にか一心同体で応援をしていた。
写真判定に成って、掲示板に着順が表示される。
二着で着差ハナと出た「残念」「勝ったと思ったのに」と仲良く話す二人。
天才障害馬誕生
15-20
「玲奈さんはどの馬?」
「次のレースのカワノリズムです」
「えー、この馬って川上さんって人の馬では?」
「昔はね、姉が可哀想だって、買ったのです」
「そうだったのですか?」
「五番人気だわ、十二頭も出ていて、五番人気って凄いわ」
「休養明けですね」
「姉の馬主登録が今月だったので」
「何頭、持たれているのですか?」
「三歳馬が二頭と二歳馬が一頭です、安いボロ馬らしいですよ、二歳馬は」
「馬名は?」
「シャインドリームって名前です、姉の初めての持ち馬です」
「僕も、親父に云われて、今年から二頭持ちました、ビオイナズマとビオライデン」
「強そうな名前ですね」
「申し遅れました、」と名刺を差し出した。
前田産業専務、前田貢と名刺に書いてある。
塔子達が、馬券を買いに行くので、一万円単勝で買う玲奈、初めての馬券だ。
貢はタブレットで「僕も、応援します」
「ありがとう」二人はお互いが意識していた。
貢は玲奈のファンだから、玲奈も好青年だと感じていた。
「前田さん、毎回テレビご覧に成っているのですか?」
「はい」
「今週から宮本美咲さん、大胆な髪型でしょう?どう思われますか?」
「これまでと、異なってボーイッシュで素敵だと思いますが?何か?」
「私も、大胆な髪型にしてみようかと、思いまして」
「玲奈さんはお綺麗ですから、似合いますよ」
「ありがとう」
二人の楽しい会話の中
「はい、これ玲奈の分」と単勝馬券を差し出す塔子。
「木崎さん、勝負師よ!三万も買っているのよ」
話して居ると、貢が「リズムってダート始めてですね、走るかも知れませんよ」
「ダートって何ですか?」
玲奈がキョトンとした顔で聞く、貢は笑いながら「目の前に見えるのが、芝生でその向こうの砂の処がダートですよ、今、ゲートの後ろに集合してきたでしょう」
「そうなのね、あそこがダートね」と、納得した様に言う玲奈。
「わー、興奮するわ、走るわ」
ファンファーレが高らかに鳴り響くと五番のカワノリズムがゲートに入る。
「黄色の帽子よ、頼みます」と玲奈が言う、一つ前の席で木崎が、お祈りの様な仕草をする。
ゲートが開くと立ち上がって大声を出す木崎、普段では絶対に無い光景、カワノリズムは三番手を追走する。
貢は今までと全く異なる位置のレースだと新聞を見て思う、ダートの走りが違うと感じていた。
四コーナーを廻ると先頭に並び掛ける。
「いけー」「よしー」と大声の木崎、塔子も五千円の単勝馬券を握り締めて応援する。
玲奈も拳を上げて興奮、三、四頭がゴールに流れ込んだ。
「勝ったか?」と木崎が振り返る。
「判らないわ」
「微妙よね」
貢が「最後は出ていた様な気がするよ」と冷静に答える。
最後は六番人気で十八倍のオッズが付いて居た。
ターフビジョンに映し出される映像に「判らないな、馬の陰に成っているから」と貢が言うと、着順掲示板には写のマークが出る。
誰も喋らなく成って、軈て掲示板に五番が一着で点滅を始める。
「わーーーー」四人が同時に大声をあげる。
「勝った!」と玲奈は半分泣き顔、すると係が駆け寄って来て「記念撮影しますから、下に降りて下さい」と連れに来た。
「記念撮影だって、凄い、行きましょう」
「行こう」
「行きましょう」と三人が係の後を付いて行く、貢が笑いながら見送る。
為末が「おめでとう」と玲奈に握手を求める。
「騎手の瓜生さんです」と紹介して「あっ、藤堂玲奈さん」と言って握手をする。
「僕、ファンなのです、サイン下さい」
「えー」と驚く玲奈、今日は私の日?と微笑みながら、恐々三人はカワノリズムの口取りをして記念撮影をした。
沢山の人の中から「玲奈――!」と聞こえると、声が次第に大きく成って「玲奈!玲奈!」の合唱に成っている。
「わー、私、スターの様だわ」と興奮の中、馬主席に戻ったのは三レースが発送された後だった。
「どうでした?口取りの気分は?」
「最高よ、天にも昇る気分だったわ」
木崎と塔子は馬券の換金に行って、まだ戻って居ない。
「次のカワノニシキは先生が落馬さえ無ければ勝てるとおっしゃいました」
「そうなの?初障害で五番人気ですね」
「私、先程のお金で十万買いました」
「人気の馬が一本被りで二倍ですから、二十五倍も付きますね」
「私には判りませんから」と微笑む玲奈の笑顔に貢は眩しさを感じる程、玲奈も好感を持っていた。
可愛い、性格も良いと貢は競馬以上に興味をもってしまった。
二人が馬券を買って戻って来た。
「私も十万買いました」と木崎が笑う。
「私は三万」
「倍率が少し下がりましたね、二十倍に」
「落馬しなければ、勝ちますよ」とご機嫌の玲奈、余程先程の口取りが気に入った様子。
軈てレースが始まると、十五頭立ての一枠一番のカワノニシキ、ゲートが開くと前に行く、障害で一気に差がつく。
「上手い、飛越」と貢が言う。
三人は馬が飛越の度に頭が上がる。
貢がその光景を見て、思わず含み笑いをしていたが、レースは飛越の度に差が広がる。
場内がざわめく程の差が本命馬と開いて行く。
「これは、大物だよ」と貢が独り言の様に言うが三人は聞いていない。
相変わらず飛越の度に頭がリズム良く上がる。
二番手の本命馬が鞭を打って追い掛けに入ったが、カワノニシキは既に最後の直線を、騎手が手綱を持ったまま、悠優とゴールを駆け抜けた。
場内の歓声がもの凄い、障害のヒーローの誕生を祝う様な拍手が凱旋のカワノニシキに贈られる。
掲示板に大の表示がされて「あれは?何のマーク?」と玲奈が貢に尋ねた。
「大差の大ですよ、二着に十馬身以上の差が有ると、表示されますよ」
「えー、強いのですね」
「いやー、凄い馬を買ったかも知れませんよ」
「本当ですか?」
「馬運が有るのかも知れませんね」
すると係が迎えに来て「行ってきます」と嬉しい三人は、係員の後を付いて行く、足取りは軽い。
「予想はしていましたが、これ程上手だとは思いませんでした」と為末調教師はニコニコして玲奈に握手を求める。
「ありがとうございます」と喜ぶ玲奈に場内から「G1とれるぞ!」
「障害の天才馬だ」と声援が飛ぶ、思わず場内に笑顔で手を振ると「玲奈!可愛い」
「玲奈!玲奈!」の合掌に成る。
口取りを二回も出来るとは思わなかった玲奈はもう舞い上がっていた。
木崎も大金を掴んで、興奮して、記念写真に収まる。
冴子にメールを送る玲奈、講演会の始まる前に届いたメールに仰天の冴子。
「嘘、二頭共勝ったの?」と独り言を言う。
元の馬主川上信樹はこの二頭の馬はもう記憶にも残っていなかった。
唯友人が、電話で「おめでとう、凄い馬当てたね」とかけて来て「何が?」
「君の馬、今日のレースで、歴史に残る着差で勝ったじゃないか?」
「何?」
「カワノって付くのは君の馬だろう?」
「はい、そうですが、今日は走っていませんよ」
「えー、カワノニシキって障害馬だよ」
そこまで言われて、始めて気が付く信樹、頭は今度の獲物は玲奈だと、考えているだけなので頭に無かった。
美咲が加藤に来週の土曜日またはその次に、玲奈を連れて行くと連絡をしていた。
牧場へ
15-21
「障害に出たのか?」
「お前自分の馬なのに知らないのか?今日歴史に残る着差で勝ったと話題だ」
「その馬、売り飛ばしたのだよ、走らないから」
「えー、誰に?」
「藤堂冴子だよ、ニュースキャスターの、馬肉にされる、可哀想だと言って買ったらしい」
「馬肉より、種馬が近いよ」
「そんなに、凄いのか?」
「JRAの記録らしい、着差の記録が」
「そんなに、凄い馬だったのか?」昔の会話を思い出す。
確かに、為末調教師が以前、信樹に「カワノニシキは障害を走らせたら、大成するかも知れませんよ」
「いや、平場で走らない馬は要らない、俺はダービーが欲しいから」
その時カワノリズムも「芝より、ダートが走りますよ」
「桜花賞かオークスに出られないなら、要らない」と断っていたカワノリズムも勝った?
信樹が早まったと悔しがるのはこの後の事だ。
翌日の競馬欄にはこの珍事が玲奈の笑顔と共に掲載されたので、世間に藤堂冴子の馬だと大きく知られてしまった。
翌日の講演会でも「藤堂さんは凄いね、株だけじゃあないのだね」と冷やかされる。
「ご存じの方もいらっしゃる様ですので、発表しておきます、今月から、頼まれまして中央競馬の馬主に成りました」拍手が起こる。
「始めて持たせて頂いた馬が、とんでもない記録を早速出した様で、スポーツ紙に大きく報道されてしまいましたので、冒頭ご報告申し上げます」と講演会の最初に切りだした。
講演会は慣れた物で、株の話しだけでは中々場が持たないので、この話題は良かったのかも知れない。
その日の夜遅く帰ると玲奈がもう興奮で、話がしたくて、したくてたまらない状況だったのだ。
冴子に、競馬場の話しを面白可笑しく話す。
その中で前田産業の息子前田貢の話しを熱心にして最後に「貢さんがね、玲奈さんも美咲さんの様なショートにすれば、可愛いって言うのよ」と付け加えた。
美咲が短くして、人気が有ると聞いたのと、今週か来週誘われているから、行きたい玲奈はその時切りたいからだ。
「そうなの?良かったわね、もう大人だから、好きにしたら良いわ、番組に迷惑の掛からない髪型なら」
「お姉ちゃんも一度切れば?若返るわよ」
「まるで、お婆さんの様に言うのね、大胆なスキンヘッドとかにするかな」と笑う冴子。
現実にそれを狙う信樹達が居る事を知らない二人だった。
数日後、時間が空くとオナニーをする回数が増えている。
この頃の冴子、薬の影響とは知らない、薬を飲み始めて三週間が経過していた。
加藤はもう一ヶ月以上飲んでいるので、多少は変化が出て来ただろうとカレンダーに印を入れている。
二ヶ月飲めば効果が相当出る予定だ。
自分からマゾの血の騒ぎを押さえに来ると決めている加藤女医。
この前の誘拐調教が彼岸、丁度一ヶ月以上経過しているから、薬の影響も出て来て居るだろうと考える。
その冴子はこの連休に北海道に、為末と牧場めぐりの予定だ。
旅行の準備をする冴子、雅治とは、相変わらずメールと月に一度のデートのみの付き合いで進展は無い。
競走馬まで持って、その馬が記録を出したと知って、益々溝を感じてしまう雅治。
連休も北海道に行くと言われて、気を付けてとしか言えないのだ。
二泊三日の予定で、羽田空港で待ち合わせ。
当日、冴子はサプリを忘れそうに成って戻る位、真面目に飲んでいた。
母からのプレゼントだと思っていたから、何日間か途切れると効果が半減するのが母の誠意が途切れると思う冴子だ。
性的な我慢が出来なく理性の崩壊を生むサプリを飲み続ける冴子。
そんな、冴子に加藤女医が電話を掛けて着たのは、空港に着いた時だった。
「久しぶりね」
「貴女は加藤女医ね、まだ捕まってないのね、何かまた企んでいるの?」
「身体は大丈夫?」
「当たり前よ、今度は警察に逮捕して貰うわ、電話しないで下さい」と切る冴子に変だわね、効果が無いのかな?
何か対策が必要だわね、美咲を使うか?私がサドで彼女がマゾ、喜ぶ関係なのだがな。
為末が来て「三日間宜しく、お願いします」
「こちらこそ、宜しくお願いします」
「先生先日は大変な話題に成りましたね」
「本当です、あんなに上手だとは思いませんでした、普段の練習でも上手だったのですが、あそこまで引き離すとは」
「次回はいつ走らせるのですか?」
「京都のハイジャンプを使おうかと、考えています」
「京都ですか?」
「ダービーの前日です、GⅡ競走です」
「いきなりですか?」
「多分、勝てるでしょう」
「凄いですね」
「川上さんにも一度は勧めたのですよ、無視されましたけどね」と笑う為末。
「二頭共勝とは思いませんでした」
「リズムの方もダートが良いと進言したのですが、無視されました、あの方は競走馬を持つ人では無いのですよ」
「でもカワノホマレは良い馬でしょう」
「まあ、良い馬ですね、まだ育成牧場ですがね」
「私の馬は?」
「もう厩舎に着ていますよ、来月の三週東京の新馬戦に使う予定です」
「えー、意外と早いですね」
「仕上がりも早いのですよ、四百六十キロ位の馬体重で行けるでしょう、見物ですよ、時間を空けて是非見に来て下さい」
「そんなに、期待できますか?」
「長年の勘ですがね、」そう言って笑う。
「練習で馬体が幾ら良くても、実戦では全く走らない馬も居ます、馬混みに入ると戦意を喪失する馬、その逆の馬も居ますから、ドリームは後者の方ですね」二人は機内でも競馬の話しに明け暮れた。
日高の馬産地には明日行く事に成っている。
町田牧場と云う個人の牧場に為末は目を付けて居る。
最近は大規模牧場に押されて、個人の牧場の経営は大変なのだ。
為末はこの町田牧場に冴子の資金を投入してあげれば、馬の生産能力には定評が有ったので、冴子と合えば最高のコンビに成ると考えていた。
明日の夜、町田の牧場に宿泊させて貰って夜の便で東京に戻る予定。
為末は連休も土日は競馬が有るから忙しい。
千歳空港に到着すると、早速牧場の人が迎えに参上している。
当歳馬、今年生まれた馬の買い付けに来たと言われたら、牧場の人は動きが速い。
最初の牧場に行くと早速、一歳馬を数頭冴子に見せる。
為末が説明するが専門用語で良く理解出来ない、綺麗とか、元気そうだわ、とかしか判らない冴子。
それを話すと、それも大事ですよ直感です。
値段では走りませんと何度も言う為末。
白い馬を見て「白い馬も綺麗ですね」
「これは、大人に成ると真っ白に成りますよ、今この年齢でこの白さなら」
「この馬の血統は良いのですか?」
「繁殖牝馬には良いですね、良い子供を産むでしょうね」
「まだ、走ってないのに?」
「良血ですからね、これは高いですよ」
「お幾ら?」
牧場の人と話している為末。
「安くして、九千万ですね」
「高いですね」
「でも、牧場が有れば元は取れる馬ですよ」
「先生は走ると思いますか?」
「見た感じでは走ると思いますがね」
すると冴子が「可愛いお嬢さんね、競馬で走る自信有るの?」と頭を撫でると、急に「ひひーん」と嘶く。
「わあー、返事しましたよ、この馬」そう言って、大はしゃぎをする冴子を見て、為末は若い女の子だなと笑ったが、次の瞬間笑いが消えた「買います」と威勢良く言う冴子、約一億の馬を一回の嘶きで決める大胆さに驚く。
冴子の牧場
15-22
「今回の購入の予算は?」
「決めていません、気が向けば買いますが」と笑う白い歯に為末はこれが相場の世界で生きて居る女性の姿なのだと思う。
冴子達は次の牧場に行くが、そこでは何も買わない冴子。
三番目の牧場で、三日前に生まれた黒い子馬を見て「この馬良いわ、血統は?」
「良血ですよ、この母馬はG1勝っていますからね、今年が初産駒です、黒鹿毛の雄」
「これって、母馬と一緒に買うのですか?」
いきなり爆笑の質問をする冴子。
「この母馬と一緒なら高いですよ」
「幾らなの?」
「少しお待ち下さい、今受胎していませんから、安いですよ」
「そうなの、子馬だけ買うと可哀想だから」
意味不明の話しに驚く関係者達だ。
「この子馬が高いのでイチゴでなら」
「それは高いですね」
「でしょう、走らなければ損ですからね」
「でも十五億も出して元取れますか?」
「えー、一億五千万ですが」
「びっくりしました、十五億って聞いて」
「二頭も買って一億五千万なら買います」
「えー、本当に、牧場が無ければ、牝馬育てられませんよ」
為末が「大丈夫です、買う予定です」と言ったら今度は牧場主が「牧場を買うのですか?」と驚きの顔をする。
「藤堂冴子さんって知っているでしょう?」
「何処かで見た人だと思っていました、あのテレビのニュースキャスターで投資家の藤堂さんでしたか、綺麗な方だと見とれて居たのですよ、そうしたら先生、先日の記録の馬の馬主さん?」
「そうそう」
「タイムもレコードでしたよね、障害にスター誕生ですね」
「次回は京都を走らせ様かと思っていますよ」
殆ど競馬を知らない冴子、勿論馬の生産から育成も判らない。
唯、可愛いからとか綺麗で買うから、為末もこれは天性の勝負師の勘なのかも知れないと思う。
今日の日程が終わって夕食を食べて、そこでもカワノニシキとシャインドリームの話題に終始した。
ニシキは春後一走の後は休養で九月の新潟で秋の始動。
ドリームは新馬を勝てば新潟のオープン特別から、新潟二歳を使うか予定だと聞かされた。
リズムはダートのレースを中心に成長を待つと言った。
冴子にはよく判らないので、殆どお任せ状態だ。
翌日も二カ所の牧場を廻って夕方、目的の町田牧場に到着、丁度子馬が産まれた処に遭遇した。
感動する冴子、必死に立ち上がる子馬に感動して涙を流して、拍手をする冴子。
その様子を見ていた牧場主の町田正隆は以前から為末に打診されていた牧場の件を、冴子に牧場を委ねても良いのではと考えていた。
実は正隆は反対をして、自分の親父の代からの牧場の経営権を譲るのには反対の立場だった。
正隆には三人の子供が居て、長男が雅夫、次男が正次、長女が久子、もう三人共に結婚をしてそれぞれの妻も旦那もこの牧場で働いている。
典型的な家族経営の牧場、最近の大手の牧場に押されて、経営状態は苦しく今回の為末の話しに子供達は乗り気だった。
牧場も繁殖牝馬も統べて買って貰えて、自分達も雇って貰えたら最高だが、無理なら転職も仕方が無いと考えている。
正隆は自分の牧場を守りたいので、何処かの金持ちの道楽で手放すのが悔しかったのだ。
「初めまして、藤堂冴子です、よろしくお願いします。」とお辞儀を丁寧にすると、各自が自己紹介をする。
正次の嫁が飲み物を持参して来て「わー、綺麗な方ね、テレビで見るより綺麗ですね」といきなり言う。
「こら、失礼だろう」
「僕の妻の和代です、藤堂さんのファンなので、喜んでしまって、すみません」
和代はまだ若い、二十歳を少し過ぎた位だ。
そこにもう二人の女性と男性が菓子をお盆に載せて入って来た。
「紹介します、娘の久子とその旦那の藪幹雄君、その横が長男の嫁の有紀さんです、みんなこの牧場で働いて居ます」
「よろしく、藤堂冴子です」とお辞儀をする。
広い応接間兼居間に全員が座ったので、妻の節子を正隆が最後に紹介した。
そして開口一番「藤堂さんに譲りますわ」と正隆が言ったので一同が驚きの表情に成った。
今朝まで大反対だったから、仰天発言に驚いたのだ。
驚く人達に為末が「誤解が有る様ですね」
「えー、何が?ですか?」
「こちらの、藤堂さんはこの牧場を買う為に来られたのでは無いですよ」
「違う?何を希望なので?」
「この牧場を応援したいと、来られたのですよ」
「応援?益々判らない」
「最近、小規模の牧場は何処も経営が大変です、良い繁殖牝馬が中々手に入らない、種付け料も半端で無く高い、種牡馬を付けても不受胎なら大きな損失だ、。
規模を大きくするにも資金が無い」
「その通りです、では?何をお望みで?」
「実は此処に来るまでに、牧場を数カ所寄って来ましてね、その中で繁殖牝馬とその子供、当歳馬を一頭買ったのですよ」
「はい」
「この母馬が二、三日前に子馬を産みまして、あのキヌサクラの子供と一緒に買われたのですよ」
「えー、あの良血の母馬と有名種牡馬との子供を?ですか?」
「そうですよ、それでお願いは、藤堂さんがお宅の牧場に出資されますので、母馬と一緒に子馬をお預かり頂きたいのです」
「何と、驚きの申し出ですな」と一同が怪訝な顔と良血馬がそれも子馬も来ると云われて、話し声が広がる。
「それと、私の所有した馬を此処で、余生を過ごさせて欲しいのです、それで株式会社に変更して頂きたいのです」
「株式会社に?ですか?」
「先日のカワノニシキも藤堂さんの馬ですよ」
「本当ですか?凄い記録ですよね」
「その為には近くの土地も牧場に買って頂いて、広げて頂きたいのです。カワノリズムも良い血統ですので、繁殖牝馬には良いと思いますよ」
「それで、幾ら程?」聞き難そうに言う雅夫。
「資本金は一千万程で、私が四百五十万で町田さんが五百五十万で、役員貸し付けで、十億程で如何でしょう?」と簡単に言う冴子に全員が生唾を飲み込んだ。
個人の小さな牧場に十億の大金、高価な繁殖牝馬、その場に居た人々は鳩に豆鉄砲状態に成っていた。
「先生、あのキヌサクラに一番合う、種牡馬と種付け後に此処に入れて下さい」
「は、はい」
金額を聞いていなかった為末も驚いて声も出ない。
その夜は、遅くまで競馬談義で盛り上がったので、誰も自宅に帰らない、冴子もお酒を飲んで、全員が今後の期待に胸を膨らまして、町田牧場が輝くと期待した。
新しい会社はサンシャインに決まった。
「牧場も同じ名前にしますか?」
「良いですね、お父さん別に町田には拘らないよね」
「何でも良いよ、実に今夜は楽しい、藤堂さん明日は馬に乗って牧場を一回りしませんか?」
「私、乗れませんわ」
「教えますよ」正次が嬉しそうに言う、飲み会は深夜まで続いて楽しい時間だった。
翌日本当に馬に乗る練習をして、牧場内を走り回れて大喜びの冴子、牧草の上に寝そべると都会の雑踏を忘れる冴子、つかの間の休息だと思う。
雅夫と有紀夫婦が冴子達を車で空港に送ってくれた。
別れ際に手土産と感謝の握手で別れた二人、機内に入って「藤堂さんには、本当に驚かされます」
「そうですか?今後とも宜しくお願いします」
「いやーこちらこそ、京都には是非、妹さんと一緒に来て下さい」
「都合が付けば、行かせて頂きます」二人の楽しい牧場巡りは終わった。
翌日の金曜日、朝から楽しそうな玲奈
「玲奈、楽しそうね」
「うん、今からデートなのよ」
「誰と?」
「先日、競馬場で会った人よ、二日前には食事に行ったのよ、今からね!ドライブよ、富士山迄」
「親密に成ったのね」
「まだよ、何もしてないからね」
「何を言っているの、馬鹿ね」と笑う冴子。
「どんな人?」
「先日話した、前田産業の専務よ」
「大きい会社ね、良い人?」
「私の事、前からファンだったのよ」と嬉しそうな玲奈、急いで準備をして出掛ける。
玲奈のボブ
15-23
こんな、長い休みは正月と五月だけで、今週は放送が無いので長期休暇に成っていた。
今日は相場が有るのだが、今週は何もしない冴子、今は休みたい心境だった。
玲奈が出掛けると一人で、露天風呂に入る冴子。
思わず自分で乳房を掴む冴子、最近オナニーが多いが、SEXもしたい気持ちに成る事が多く成っている自分を感じていた。
男性が恋しいのと、時々虐められたい衝動にも成る。
その時に浮かぶのが加藤女医なのだ。
拘束されて、無茶苦茶されたい、もの凄く恥ずかしい事もされたい、勿論腰が抜ける程責められたい。
そんな事を考えて居ると股間に手が、慌てて我に返る冴子、それがサプリの影響だと知らない。
風呂をあがると、「社長、電話です」
「誰?」
「宮本さんです」
「はい、直ぐに行きます」
電話に出ると「実家から、社長に小樽ワインを贈ったそうです、お召し上がり下さい」
「それは、どうも、ありがとう、最近雰囲気変わったわね」
「髪もの凄く短くしたからですね」
「本当に短いから驚いたわ、ボブでも驚いたのに、もっと短いから」
「社長も短くされたら、軽いですよ」
「玲奈が、貴女の影響で短くするとか話して居たわ」
「明日、行くのですよ」
「そうなの、これから暑いから良いかもね」
ワインか、気を使ったのねと思う冴子。
本当は加藤が痺れを切らして送って来た、サプリの強力版が混入されたワインだった。
暫くして、ワインが届くと、「美味しそうね」と言っただけで、冷蔵庫に入れる様に山田に言った。
薬の効果が無かったので加藤は焦っていた。
第二弾を送ったのだが、冴子が飲むとは決まって無いのに気が付かない。
夜帰った、玲奈が「美味しそうなワイン、小樽の?」
「美咲さんの両親が送って来たのよ」
「少し、飲んでも良いかな?」
「良いわよ」
「お姉ちゃんも飲む?」
「私は、ビール飲んだから要らないわ、山田さんが飲みたいって話して居たわ」
そう言われて、玲奈は山田と飲んでしまった。
次の日、玲奈はもの凄くSEXがしたい気持ちに成っていた。
薬の効果で、朝から前田を呼び出して「今日、私髪を切るのよ、変身した私とデートしたくない?」
「夕方なら、時間有るよ」
「決まりだ!原宿の美容院(シャイン)に迎えに来て」
「判った」
電話が終わると嬉しそうな玲奈。
貢を驚かせてやろうと薬の影響の悪戯心が出ていたのだ。
山田も朝から変な気分に成って、自分が好意を持っている男性に電話をして、断られて怒りを露わに富永に愚痴を言うのだ。
冴子は、朝から来週の銘柄研究をしている時、美咲がタクシーで迎えに来た。
「美咲さん、美味しかったわ、ワインは私とお手伝いさんでご馳走に成ったのよ」
「今日の玲奈さん、ハイですね」
「気分が良いのよ、悪いけれど美容院に迎えが来るから、一人で帰ってね」
「は、はい、彼氏?」
「野暮な事を聞かないで、それでね、今日は短くしてびっくりさせてやるのよ」
「えー、本当に切るの?」
「そのつもりよ、バッサリいくわよ」
威勢の良い玲奈の言葉に驚く美咲、到着すると、玲奈が知っている丸田を始め、亀井も鈴木も姿を消して美容院には居ない。
「こちらに、どうぞ、お待ちしておりました」と坂上が美咲を案内する。
「何処に行くの?」
「顔剃り」
「そうなの」
「藤堂様はお待ち下さい」美咲が奥に消えた。
地下に行くと「玲奈を上手に連れて来たな、褒めてあげるわ」
「あの、玲奈、私の様な髪型を希望していますよ」
「ほんとう?それなら、何も考えなくて良いわね」
「それと、加藤さんに頼まれたワインは玲奈さんが飲んだ様ですよ」
「えー、玲奈が?」
「それと、彼氏が迎えに来ると話して居ました」
それを聞いて美容院と電話で話す加藤女医。
美咲は友田にいつもの様に衣服を脱ぐ様に言われて、大人しく脱ぎだした。
二週間から三週間の間隔で、調教をされているので、慣れてきていたのと、美咲自身も快感を感じ始めていた。
注射をされて、気持ちが良くなる事も自分から進んで腕を出す美咲。
全裸で診察台に横たわると、目を閉じる軈て快感が身体を包む。
今日は甲斐社長と畑山が美咲と遊ぶ為に来ているので、身体を解すと四階に送る事に成っている。
もう意識が無くなって悶える美咲、エレベーターに乗せられて、四階に鈴木と亀井が連れて行った。
二人に交代で抱かれて、身体を洗って衣服を着せて帰らす予定だ。
玲奈はシャンプーを信樹にされていた。
信樹は恍惚の表情、この後この長い髪を切れる。
刈れると思うと興奮で目が何処かに行ってしまっている。
気味の悪い感じで玲奈の髪を洗っている。
殆ど、切るから意味が無いのに丁寧だ。
終わると宝物の様にタオルで包んで髪を持つ、起き上がる玲奈、怪訝な顔で信樹を見るが別にそれ以上考えない。
玲奈は完全に悪戯心と貢に会いたい、SEXがしたいに変わっている。
加藤の薬の影響が玲奈をその様な気持ちにさせていた。
すっかり、乾かした髪を梳かす信樹、
「どの様な髪型にしましょうか?」坂上が聞くと「大胆にバッサリお願いします」と言う。
「はい、判りました」と聞く坂上が怖く成る。
クロスカットが首に巻かれる。
四十センチ近い綺麗な黒髪を前に、ハサミを持つ信樹のマスクの中は涎で一杯に成っている。
玲奈の髪を持ってハサミで切り出した。
手に持った髪を下に落とさず台に並べる信樹に変な感覚に成る玲奈。
この男美容師では無いのか?丸田を思い出していた。
「私、女性の方が良いわ」と突然言い出した。
もう信樹は自分の思った髪は切って居たので「判りました」と猫田に代わる。
切った髪を大事そうに集めて布に包んでいるが、玲奈には見えない。
猫田が暫くして、ショートボブに仕上げて「これで、如何でしょうか?」と言った時「もっと、大胆な感じが希望だった」
「そうですか」と猫田が言ったら、「玲奈さん、素敵ですよ」と貢が声を掛ける。
鏡に貢の姿を見つけると「あっ、早いですね」
「変身ぶりを見たくて、早く来てしまいました」
「ありがとう、これでいいわ」と直ぐに椅子から立ち上がって「宮本さんに行ったと伝えてね」と言うと支払いを済ませて「お待ちどう様、行きましょう」と自分から腕を組んで、玲奈は嬉しそうに出て行ったのだ。
「何処に行く?」
「ホテルで食事が良いな」
「じゃあ、行きましょう、その髪型素敵ですよ、お似合いです」と褒められて「そう、ありがとう、嬉しいわ」と車の助手席に乗り込む、高級外車が走り去った。
美咲は意識の無い中で二人の男に交互に抱かれて、完全に雌に成っていた。
亀井と鈴木は身体を洗いながら「この子、こんなにSEX好きな子とは思わなかったわね、」
「ほんと、人は判らないものね」
「冴子は中々、感度の良い体なのにSEXに填らないよね、加藤さんも困って色々作戦立てているわよね」
「でも、間違い無くマゾよね、ワンマンの社長もマゾ多いからね、ハイヒールで踏まれて喜ぶとかね」
「あの子は剃毛プレーとバイブは大好きよね」
「マゾなら、自分からお強請りするよね」
「その内見られるのかも知れないわね」
「今度は、捕まらないわよね」
「此処は、安全よ」と疲れて眠る美咲に服を着せて、「今回は、ここ剃られなかったのね」
「社長の為に残したらしいわ」
「変態だわね」二人の会話の処に信樹が上がって来たので驚く二人。
玲奈の性体験
15-24
玲奈はホテルの食事の時にお酒を飲んで、酔った芸をして、貢を困らせていた。
「気分が悪いの?」
「ええ、少し横に成りたい」
「困ったな」
「部屋取って貰ったら、一人で明日帰りますから」
「困ったな、少し待って、尋ねて来るから」
上手く行くかな、と舌を出す玲奈。
暫くして「部屋とれたよ」
「。。。。。。」今度は寝た振りの玲奈「起きて」と言われて目を開ける。
「行こう、部屋に」
酔った様に歩く玲奈、部屋に入るとベッドに倒れ込む。
「困ったな、帰るよ」と言うと「嫌-、抱いて欲しいの?」と甘えた様に言い出す。
「酔っているから、辞めよう」
「酔ってないもの」
「酔っている、女性とベッドを共にする男は卑怯だから今夜は帰る、今度酔ってない時なら」
そう言う貢に、急に起き上がって、「ご免なさい、貢さんの気持ちを知らずに、私酔ってないのです、今夜抱かれたかったので、酔った振りをしてしまいました」
「いつも、その様な事をするの?」
「違います、私、今まで男性と一度もホテルには行っていません」
「本当?」
「昔、私レイプされて、処女を失いましたが、それ以外一度も有りません、男性恐怖症にも成りましたから」と言うと泣き出す玲奈。
貢がハンカチを差し出して「そんな事を、よく話す気持ちに成りましたね、僕は本気で玲奈さんを好きに成りました」と肩を抱いてキスをする貢。
正直過ぎる玲奈に惚れてしまった貢、絡み合う舌、興奮の玲奈、薬の威力か本心か、貢の背広を脱がせる玲奈、貢が玲奈のワンピースを脱がせる。
下着姿の玲奈が「お風呂に入りたいわ」
「そうだね、汗を流そう」
恥ずかしそうに下着を脱ぐ玲奈、貢も脱ぐともう下半身は隆起している。
シャワールームに二人で入ると、またキスをして
「洗ってあげる」と玲奈がボディシャンプーで貢の身体を洗うが、肝心のペニスを触れない玲奈を見て先程の話が本当だと確信して、貢が今度は玲奈の身体を洗い始める、綺麗な身体だ。
中々こんなに綺麗な肌の女性は居ないと背中から乳房に手が「あっ」と感じる玲奈、新鮮に感じる貢。
風俗の女の感じ方とは異なる本当の初々しさに益々興奮の貢。
陰部に手をやると「いやー、恥ずかしい」と身体を捩る玲奈、全く処女の様な仕草、シャワーを浴びてベッドに二人は倒れ込む。
玲奈に自分のペニスを持つ様にすると、恥ずかしそうに持つ、事実玲奈には初めての経験だった。
いつも薬で意識朦朧で強姦されていたから、貢が玲奈の乳房を揉んで、乳首を口に含むと「あっ」と嗚咽が出て、もう一つの手で陰部を触る。
意外と濡れて居るのに驚く貢、それが薬の影響と知る筈もない。
貢は思い切って、玲奈にフェラを要求した。
「これを、舐めるの?」と大きなペニスを持って躊躇う。
「舐めて、咥えるのだよ」と優しく言うが、玲奈には抵抗が有る。
薬の影響が無かったら絶対に出来ないだろう、玲奈だが思い切って、舌を出して舐めてみる。
「良いよ、上手だよ」と貢に言われて、口を大きく開いて咥えた。
すると貢がボブの髪を両手で持って動かす「うぅ」と苦しそうに続ける玲奈、
貢も感じ始めてフェラを終わると、玲奈に覆い被さって、指を膣に挿入する貢。
「あっ、あっ」と嗚咽が出る玲奈の膣に今度はペニスが挿入される。
「うぅー」久々の挿入の玲奈、少し痛みが有ったが、貢の動きに「ああー、ああー」と声が大きく成る。
足を一杯に開いて受け入れている
男性に抱かれて始めて感じる玲奈、シーツを両方の手が握り締めているが力が入る。
激しく腰を動かす貢に合わせて声が「だめー、だめー、いくー」
「ああーああー」と言った後仰け反る頭、ボブの髪が乱れる。
貢が果てるのと、玲奈が逝くのが殆ど同じだった。
貢は相性も良い感じだと満足をする。
放心状態の玲奈に「どう?良かった?」
「うん」と頷く玲奈。
暫くして喜びに溢れた様子で湯船に浸かる玲奈、
忘れていたお姉ちゃんに電話をして、今夜は帰らないと言わなければと思って居たら、貢が入って来て、また乳房をさわられて、「うぅ」と感じる玲奈。
浴槽の縁に座らされて、今度は玲奈の股間を舐める貢にまたまた、嗚咽をあげる玲奈「あっ、あっ」
「感じるわ、そこ、だめ、ああー」
その夜二人は朝までに三回もSEXをして楽しんで、電話も忘れていた。
日曜日の昼前に帰宅した玲奈、冴子は何も言わなかった。
「可愛い髪型にしたのね」
「似合う?」
「似合うわよ」
「何故?聞かないの?」
「玲奈が誰と一緒だったのか知っているからよ」
「好きになっちゃったの」
「そうね、玲奈に好きな人が出来て嬉しいわ、暴漢に襲われて、男嫌いの時は困ったからね、好きな男性が出来て良かったわ、それも良い人みたいね」
「そうよ、私、昔の話しも正直に言ったのよ、そうしたら抱いてくれたの」
「それは、良かったわね、あんな話しすると、大抵の男は逃げるよ、話しをして良かったね」
「うん、優しいから」
「大きな会社の専務に気に入って貰えたのには、正直驚きよ」
冴子は漸く玲奈に春の訪れを感じていた。
その日の夕方驚く電話が冴子に掛かって来た。
「玲奈が、玲奈が、大きな会社の息子さんと付き合っているの?」それは母直実の驚きの声だった。
「何故?知っているの?お母さん」
「そりゃあ、先方のお母様から直接電話が有れば判るでしょう」
「ええーーー、先方から電話が有ったの?」
「そうよ、息子と結婚を前提にお付き合いをお願いしますって言われたわ、私何も知らないから、はあって言っちゃったわよ」
「驚きね、今朝の話がもう伝わったの?」
「今朝って何よ」
「いやーその、玲奈から私が聞いたのがね」
「玲奈は居ないの?」
「お風呂よ」
「チョット、詳しく聞いてよ、恥ずかしいから」
電話が切れて玲奈がお風呂からあがって、バスローブ姿で「電話?」と尋ねる。
「お母さんよ」
「何って?」
「前田さんのお母さんが、実家に電話したのよ」
「えー、貢さんのお母さんが何故?実家に?」
「驚かないでね」
「うん」
「息子と玲奈さんを結婚前提にお付き合いさせて下さいと言って来られたそうよ」
「。。。。。。」
「どうしたの?」
玲奈が驚いて放心状態に成っている。
そして泣き出した。
「どうして、泣くのよ」
「だって、だって、嬉しくて、嬉しくて」と二人が抱き合う、肩を叩きながら冴子が「良かったね、玲奈」と優しく言うと、今度は大泣きに成った。
レイプで強姦された記憶から漸く、抜け出した玲奈だった。
大事そうに持つ玲奈の髪に、頬刷りをしながら「今度は、陰毛を貰わないとな」と言う信樹。
「彼氏が出来た様ですから、困難かも知れませんよ」
「いや、何としてもセットで揃えるのだ、姉の冴子の物と、冴子とは結婚もしたい、結ばれる時は剃髪の青い頭を抱いて果てたい」と希望を言う信樹、中々上手く行かない加藤も困っていた。
二週間の違いを判らないのだ。
加藤が今度は同じ容器に濃縮の薬を入れて再び送ろうと計画していた。
飲み物は今回の様に他人の口に入る恐れが有るからだ。
二週間後その薬はテレビ局に届けられて、下田部長が冴子に「お母さんにお礼を言わないとね、無くなる時期をみて、送って下さったよ」
「母の気持ちですから」
「いや、もう遠慮するよ、恐縮するよ」
「体調は如何です?」
「お陰で良いよ」
冴子に包みを渡して嬉しそうに行く下田部長。
早速電話をすると、母は聞いて無かったけれど、前と同じ物をまた、スポンサーが送ったと思って「元気で頑張りなさい」と言っただけだった。
京都でも楽勝
15-25
ダービーの前日、冴子と玲奈は揃って、京都迄カワノニシキの応援に行く。
明日は日本ダービーの見学に三人で行くのだ。
二日間競馬、競馬だった。
明日はリズムも条件戦に出走するから、貢も自分の馬の出走とダービーを見る為に行くのだ。
冴子はお邪魔虫状態に成るだろう、雅治も行くからカップル二組に成っていた。
雅治は競馬には全く興味が無い、冴子が馬主に成った事で益々小さく成る雅治。
妹は大会社の息子と婚約間近、蚤を感じる雅治。
朝一番の新幹線で京都に行って、競馬が終わるとトンボ返りの二人だが、玲奈は貢に会えるから、疲れなんか感じない。
競馬場は異様な雰囲気で、前回の快走の影響で単勝人気は一倍台と圧倒的な人気、この様子をテレビで見る信樹は恐い顔だった。
「お姉ちゃん、馬券は買わなかったわ」
「何故?」
「だって、配当無いから」、
どんどん人気が上がって本当に配当が無かった。
為末は「練習で京都のコースも、楽しそうに走っていましたよ」と電話を先日して来たのだ。
注目のレースのファンファーレが鳴り響く、十二頭立ての三番赤い帽子に注目する二人。
ゲートが開くと殆ど横一線で最初の障害に向かう。
障害に成ると殆どの馬が身構えて飛ぶのに、カワノニシキは全くその動作がない。
殆ど同じ調子で跳び越えるから、一気に差が付く場内の放送でも、カワノニシキが此処で大きくリードと放送をしている。
飛ぶと同時に、玲奈と冴子の頭が上下をする。
障害を飛ぶ度に差が広がっていくから、飛ぶ事が楽しそうにさえ見える。
「昔、牧場の柵を跳び越えて困ったと聞いていますので、障害に出せば良いのでは無いかと思いますが?」テレビを見る信樹の頭に為末の言葉が蘇る。
「何だ!この巧さは」と口走っていた。
「お姉ちゃん、先日のレースより差が開いているよ」
「そうなの?」
「ほら、二番目の馬と障害一つ開いているよ」
後続の馬に鞭が入る。
「あっ」と口走る冴子。
最終障害を跳び越えると、最後の直線、騎手は後ろを振り返って後続を見る。
必死で鞭を打つ二番手、三番手の馬。
「あっ」とそれを見て言う冴子。
「楽勝ね」
殆ど持ったままで悠優のゴール、二番手が大きく遅れて入線。
「今回は、この前程開かなかったね」と話す玲奈の横で汗が顔に出ている冴子。
「どうしたの?具合が悪いの?」
「何でもないわ」
鞭で叩かれる馬に変な気分に成っている冴子。
加藤の薬の影響が現れていたのだが、それには気づかない冴子。
約二ヶ月飲み続けた薬が冴子の理性を崩し始めていた。
馬主席に係が二人を呼びに来て、ウイナーズサークルで為末が「おめでとうございます」と握手を求めて来る。
騎手も冴子と玲奈に握手をする。
晴々と優勝のレイを着けたカワノニシキの口取りをする冴子と玲奈、大勢のマスコミに囲まれる。
明日の紙面を飾る美人姉妹と驚異の障害馬の写真が次々とカメラマンに撮影された。
騎手がインタビューで「最後は、もう追いませんでした、楽勝ですね、今後は大障害を目指します」と語った。
冴子達の処にも記者が来て「藤堂さん、始めて馬を持たれたと、思うのですが、凄い馬を持たれましたね」の質問に「可哀想だったので、引き取りました」と答えた。
「それは?どう言う意味でしょうか?」
「引退させられそうだったので」馬肉とは言えない冴子だった。
「藤堂さんは、もの凄い強運ですね」
「ありがとうございました」で終わるインタビュー。
信樹の怒りは頂点に達していた。
「加藤さん、早く冴子を捕まえて下さい、玲奈も恥をかかせてやらねば」
「もう少し、待って下さい」と答える加藤、焦る信樹だ。
その後、信樹は自分のカワノホマレの入厩舎を変更する事を決めて、為末が難く成ってしまったのだ。
近藤誠司厩舎には今も二頭の馬が居たので、そこに転厩させてしまったのだ。
怒りの表れ、二歳馬は五頭で統べて為末厩舎からは転厩したのだ。
翌日、冴子は久々に雅治と着飾って東京府中競馬場の馬主席に並んで座って居た。、
隣の席にはラブラブの貢と玲奈、六月の始めなのに、暑い芝生の照り返しで尚更暑い。
第三レースで貢の親父の馬が勝って、玲奈は貢と二人でウイナーズサークルに行って、口取りをしていた。
すっかり奥様気分の玲奈、六レースにカワノリズムが出走して、力が入る二人。
ゴール前の激闘に鞭が炸裂する。
「あっ、あっ」と小声で言う冴子に雅治が「どうしたの?」とハンカチを渡す、額に汗が滲み出ている。
大接戦の三着に「残念、負けちゃった」と溜息の玲奈、貢ともう一度口取りに行く予定が無くなった溜息だった。
午後に成って盛り上がる競馬場、馬主席にも有名人、芸能界の人も来た。
冴子の顔を見て挨拶に来る人も居た。
「華やかな、感じね、ダービーに出る馬を持っている人は鼻が高いわね」
「一万頭の頂点だからね」
「ダービー馬の馬主は難しいよ、昔出走の少し前に買った人もいるのだよ」と玲奈に説明をする貢。
冴子が「来年ダービーを獲得していたら、驚く?」
「そりゃあ、驚くよ、その様な馬持っているの?」
「二百万の騙された馬が一頭居ますよ、シャインドリームって馬ね、再来週此処で走るのよ、デビュー戦」
「楽しみだね」
「調教師の先生が馬は値段では走らないと言って推薦してくれたけれど、正直一億の馬に勝てるとは、思ってないわ」
ダービーの本馬場入場を見ながら来年を夢見る冴子。
暫くしてレースが始まって、馬券を少し買っている四人は興奮で見る。
冴子は直線で鞭を打つ騎手の姿にまた「あっ、あっ」と口走っていた。
結局本命サイドで決着が付いて、雅治だけが馬券が当たって、他の三人は穴馬狙いで外れていた。
翌週に成って、最初のサプリが殆ど無くなって、冴子は真面目に二ヶ月間飲みきっていた。
最近益々、オナニーが増えた冴子、そして身体が時々、虐められたい気分に成っていた。
為末が「いよいよ、来週デビューですね、期待して良いですよ」
「本当ですか?」
「相手がまだ判りませんが、勝てると思いますよ」と電話で話した。
二日後為末が「川上さんが、同じレースにカワノスピードを走らせますね」
「そうなのですか?」
「嫌な気分ですがね、少々強い馬が出て来ても関係無いと思いますが、日曜日の第五レース、一千八百芝です」
「はい、その日は二人で見に行きますわ」
大した自信だわ、でも川上に会うのは嫌だな、嫌みの一つも言われそうな冴子。
鮮烈なデビュー
15-26
日曜日、冴子はこの前のサプリを飲みきって、新しい容器からカプセルを取り出して飲み込んで、牛乳で流し込む。
昨日までの薬の倍の濃度の薬だ。
もう充分に冴子の身体の状態は崩れていた。
「木崎さん、行きましょうか?」
「はい、車はもう、玄関に止めて居ますよ」
「玲奈、行くわよ」
「はーい」半袖の軽装の二人が車に乗り込む。
朝早い日曜日の道路は空いていて、新聞を取り出して見る玲奈。
「十五頭の最外枠だわ、不利ね、三番人気よ」
「一番人気は?」
「カワノスピードって馬よ、二番枠カワノってあのカワノ?」
「そうよ、カワノニシキの元馬主」
「何故?同じレースに?」
「嫌みでしょう」
そんな話しをしながら、競馬場に到着、早速為末が冴子を呼んで「完璧ですよ、勝てますよ」と伝えた。
馬主席に行くと川上が「ご無沙汰、お元気でしたか」と話しかけて来た。
玲奈が川上を見て、あれ?何処かで見た気がするけれど?と思いながら見ていた。
美容院で見たが服装が異なるので思い出せない。
「同じレースに出ているのだね」
「川上さんが出したのでしょう」
「そんな、意地悪しませんよ、でも三番人気だ」
「川上さんの馬が圧倒的な人気ですね」
「ホマレとは比べられないが、この馬も期待の一頭だからね、冴子さんは、二歳馬は他には居ないのですか?」
「居ません、これだけです」そう話しをしていると、「馬券買って来ました、」と木崎が戻ってきた。
第四レースが始まると直線に成って鞭がしなる。
「あっ、あっ」と言う声に驚く信樹、額に汗が滲む冴子、レースが終わると、溜息をついて額の汗を拭く、そんなに力が入るのかな?と思う信樹だ。
信樹がパドックに行くと「社長馬券は?」
「勿論単勝で十万買って来て」と手渡す冴子、本当に走るのかな?先生を信じて、此処まで来たのだから心中する心境だ。
軈て、本馬場に入ってきた馬達、以前見た馬とは見違える感じに冴子には見える。
良い馬に成っている気がしてきた。
向こう正面の奥から丁度Uの字に走るコースだ。
騎手は為末厩舎の主戦騎手瓜生誠、ファンファーレが高らかに鳴り響くと、ゲートに入る各馬、最後に大外のゲートにシャインドリームが入ってゲートが開いた。
ダッシュ良く二番のカワノスピードが先頭で走る。
見る見る隊列は縦長に成って、馬を探す冴子の目に飛び込んだのは、最後をトコトコと走っている様に見えるピンクの帽子の栗毛馬シャインドリームの姿だった。
「わー、大きな差が出来ている」
「これは、ダメだ」と木崎と玲奈が諦め顔、信樹の勝ち誇った様な顔。
三コーナーでも馬群は詰まらない。
各馬の騎手の手が動いて差を詰め様とするが全く詰まらない。
八百のハロン棒を過ぎても、カワノスピードの独走二番手に三馬身以上の差が有る。
冴子の横で、年寄りのお爺さんが「これは、ピンクが勝つよ」とポツリと言った。
冴子は、三番手に居るピンクの帽子の馬の事だと思った。
東京競馬場の直線は長い、途中に登り坂も有る。
直線に向いた時、瓜生の手綱が動いて、外から矢の様にピンクの帽子が伸びてくる。
「あー」
「うそー」
「えー」
「何だ-」と四人が各自声を発した。
ゴール寸前、先頭のカワノスピードが止まって見える程の早さで駆け抜けていた。
「勝った!」
「勝ったよ」
「勝ちましたね」と三人が抱き会って喜んで、着差は僅か半馬身。
「やはり、勝ったか」
「お爺さん、失礼ですけれど、何故判ったのですか?三コーナーで、おっしゃいましたわね」
「貴女は?」
「藤堂冴子と言います、あの馬の馬主です」
「えー、貴女の馬ですか?」
「はい、それが何か?」
「とんでもない馬をお持ちだ、私は元調教師の小出努と言います、大事に怪我に気を付ければ、G1を獲れますよ」
「えー、G1ですか?」
「あの馬は後ろに居ましたが、騎手が押さえていましたからね、他の馬は四角手前から、仕掛けていました、だから騎手は勝てると思っていたのですよ」
「でも半馬身差ですよ」
「ははは、あれは、半馬身では有りませんよ、五馬身は離されたと同じなのですよ、何回戦っても勝てませんよ、それに二着の馬は早熟のスピード馬、藤堂さんの馬は違いますから、差は歴然ですよ」それだけ話すと老人は席を立って行ってしまった。
信樹はレースが終わると、直ぐに下に走って行ったので、今の話しは聞いてはいない。
信樹は騎手に怒りをぶつけていたのだ。
三人はウイナーズサークルでシャインドリームの鼻筋を撫でて、労を労う三人はまだ先程の余韻が残っていた。
「先生、凄いレースでしたね」
「まあ、瓜生には直線まで待ってから追えと言いましたから」
「先程馬主席で小出さんと云うお爺さんに、G1獲れる馬だから大事にしなさいって言われました」
「えー、小出先生が来られていたのですか?」
「はい、色々教えて貰いました、三コーナーの時に勝つのは私の馬だとおっしゃいました」
「流石だ、先生がその様におっしゃったら、私の目も確かだったと云う事に成りますね」と微笑んだ。
昼ご飯の後、冴子は途中で気分が悪いと先に帰ってしまった。
その後のレースでも同じ様に成ったので帰ったのだ。
翌日、為末が今後の予定の報告をしてきた。
シャインドリームは八月末の新潟二歳を使う、他の馬は夏休みと云う計画に成った。
信樹の怒りは収まらない、玲奈の付き合っている男性が前田産業の息子だと知って、益々、玲奈を捕らえて、辱めたく成っていたのだ。
二年前、初のG競走のタイトルを前田の馬に負けた経緯が有った。
そう信樹は未だにG競走に勝った事が無かったのだ。
先日のカワノニシキも平場では無いがG競走に勝ったから、これも気に入らない。
町田牧場は冴子の資金が投入されて、拡張工事が始まっていた。
来月一日にサンシャイン牧場として、新規に発足する事が決まっている。
繁殖牝馬キヌサクラに、為末がこの種牡馬が合うと云うので、種付け料二千万の馬を交配させて、受胎が確認されたので、子馬と一緒に町田牧場に移動してきた。
もう一頭の芦毛の牝馬は育成牧場に移動した。
為末が牧場巡りに来ないかと誘ったが、冴子は一歳馬二頭、当歳馬二頭の購入を為末に依頼した。
予算は五億まで、将来、サンシャイン牧場の為に成る馬希望と依頼したのだ。
本当は一緒に行きたいのだが、日程が無い事と最近の身体の変調が気に成っていたのだ。
冴子は濃縮のカプセルを飲み出して、二週間が過ぎて、もうオナニーでは我慢が出来ない状態が訪れていた。
信樹が加藤に競馬場の冴子の話をしたのは、丁度その頃だった。
「それは、いつの事?」
「もう、二週間程前だが、どうしたのだ?」
「川上さん、冴子を捕らえられますよ」
「本当か?」
「間違い無いと思います、近日中に、此処に自分から来ますよ」
「あの長い髪も頂けるのか?」
「勿論、統べて自由になります、唯、休暇を取らせるか、病気、旅行のどれかをしなければ、遊べませんよ」
「俺は、冴子と結婚したいのだ、つるつるの頭の冴子とSEXがしたいのだ」
「調教次第ではそれも可能ですよ」もう目が輝く信樹だ。
加藤女医の罠
15-27
美咲は二、三週間の間隔で美容室(シャイン)を訪れて、男達に遊ばれたが玲奈が来てからは、声を掛けていなかった。
これ以上に成ると、危険だと思ったのと新鮮さに欠けていたからだ。
美咲はお呼びがなければ自分からは絶対に行かない
気持ちは悪くは無いけれど、売春の様な気分に成るから、短い髪も少しずつ長めの髪にしようと思っていた。
好きで短くした訳でなかったから、玲奈も美咲が誘わなければ(シャイン)には行かない。
七月に成って、加藤が冴子に電話を掛けて着た。
「久しぶりね、元気」
「あっ、加藤女医」
「三月に遊んであげて、随分経過したけれど、もうそろそろ、恋しいのでは?」
「。。。。。」
無言が物語っていたので、加藤は一気に言う。
「正直に成りなさいよ、冴子さんはもう我慢出来ないでしょう」
「。。。。。。」
「元々、身体がその様に出来て居るのよ、我慢のし過ぎは狂うわよ、所謂色呆けに成るのよ」
「。。。。。」
「早く、処理をしないと狂ってからは遅いわよ、急にとんでもない事をするかも知れないわよ」
「。。。。。」
「病院では治らないのよ、本番中に服を脱ぐとか、卑猥な事を口走るとかね」
「どうすれば?」
はじめて言葉を出したが、それは困っている証拠だった。
最近の冴子は相場も身が入らないので、信用取引は統べて清算して、それ程乱れていたのだ。
薬の影響で思考力も落ちている。
「私の処で、一週間弱居たら、すっきりさせてあげるわ」
「一週間ですか?考えます」
「早くしないと、ダメよ、本当に狂うわよ、普通の病院では恥ずかしくて言えないでしょう?私SEXがしたいとか、虐めて欲しいとかを、生理は正しく有る?」
「はい」
「生理の時はダメよ、貴女の事は私が一番知っているのだからね」
「はい、判りました、局に相談します」
全くいつもの元気が無くなっている。
加藤女医が言った通りの症状だったから、深刻な状況に成っていると考える。
一平はキャサリン事件をその後も捜査をしていた。
キャサリンの父親が怒って、犯人の逮捕を強く要求したからだ。
だが捜査は静岡県警に委ねられて、警視庁は手を引いてしまった。
殺人事件でも無い、レイプ事件だから、最後に保護されたのが静岡でお鉢が廻った格好だ。
「一平ちゃん、私ね、少し変だと思うのよ」
「何が?」
「この番組よ、藤堂冴子さんの」
「何が?」
「キャサリンさんが坊主でレイプ、この宮本美咲さんもロングがシヨートボブに成って、今このベリーショートでしょう、妹の玲奈さんもショートボブ、長いのは冴子さんだけよ」
「偶然では?」
「一度、玲奈さん坊主にされた事件有ったでしょう」
「変態を逮捕した、四人の看護師達には逃げられた、あの事件だな」
「それと同じ連中の仕業では?」
「次に狙われるのは冴子さん?」
「私は、あの二人の看護師が働いて居る、美容室が臭うのよ」
「一度見に行きたい」
「そう、久美さんとね」
「何故?」
「久美さん髪伸ばしているし、綺麗から若しかしたら尻尾を出すかも」
「また、久美さん被害に遭うと大変だよ」
「それを守るのが君たちだ」
「はい」
「一度話して見るわ、事件解決の糸口も無いでしょう」
「その通り」
「あれ?何か話して居るわ」とテレビに聞き入る二人。
「来週の放送、冴子さん休むのね、特選銘柄は放送するみたいね」
「病気?」
「何か臭うなあ」
「そうか、俺先程オナラしたから」
「馬鹿!」相変わらずの二人。
「来週、二泊三日で行こう」
「美加は?」
「お母さんに来て貰って」
「簡単に言うね、久美さんは?」
「大丈夫!子連れで、実家に泊まれば二人は問題なし」
「成る程」
二人は来週行く事を決めたのだ。
この番組を加藤も見ていて、思った通りもう限界なのだと、あの電話で直ぐに局に話したのだ。
来週一週間面白い、腰が抜けるまで責めてやろうと虎視眈々と狙う加藤、明日から、責める段取りと道具の準備だ。
あの馬鹿社長の為に、髪を切られるのか?剃髪まで考えていたな。
大人しくそこまでさせるかな?
鬘も用意して有るから、でもやり過ぎると、警察が来るかも知れない。
キヤサリンの事件は見つからなかったが、藤堂冴子は有名人だから、慎重に!だわ、と色々考える加藤は楽しさ半分怖さ半分の心境だった。
木曜日にテレビで来週の休養を発表したが、玲奈にも山田と富永にも寝耳に水の話しだった。
最近毎日薬を飲んでいるのは、三人とも知っていたが、体調が悪かったのかと心配に成って、帰りを待っていた。
玲奈には帰りに「少し休養して、温泉にでも行って来るわ、心配しないで」と話して居た。
自宅に帰ると二人が寝ないで待って居たので、冴子は玲奈に言った事と同じ事を話して安心させた。
テレビを見ていた加藤が翌日電話で「良く、決心したわ、それで治るわ」
「お願いします、もう気が変に成りそうなの、身体も我慢が出来ないの」
「正直で良いわ」
「はい、女医さんの言われる事に従いますから、助けて下さい」
「判ったわ、いつ来るのだ」
「明日からでも行けます、早く治して下さい、身体も頭も変に成りそうです」
「判った、明日十一時に近くの公園の駐車場にタクシーで行く」
「タクシー?」
「背が高いタクシーだから、直ぐに判るわ」
「はい」冴子は電話を終わって大きく溜息をして、サプリを飲んで正午過ぎに局に向かった。
今日一日頑張ろうと思う冴子、マイクのコードが縄に見えたり、マイクが電マに感じたり幻想迄感じていた。
仕事が終わると挨拶をして、自宅に戻ると睡眠薬を飲んで眠る冴子、幻想が恐かった。
翌日一平が伊藤の家から戻って「久美さんも伊藤君も大喜びだったよ」
「実家に、仕事を兼ねて行けるから、実家も孫を待ちかねていると思うわ」
「月曜日から行くから帰りは水曜か木曜ね」
「何か掴めれば、遅く成っても文句は言われないよ」
「必ず、何か有る筈よ」
「早く、解決しないと五月蠅いのよね、外務省がね」
「月曜日、冴子さんの家に行くわ」
「夏休み休暇では?昨日放送で話して居たよな」
「何処かに出掛けて居たら、仕方無いけれど、誰か居るでしょう」
美優は謎が藤堂姉妹に有る気がしていた。
土曜日の朝、旅行の支度をする冴子、忘れずにサプリのカプセルを台所で飲んで、山田達に休みの段取りを話す。
重大な用事以外は携帯に電話を掛けないで欲しいと頼む。
庭園露天風呂を洗い始める富永、長いホースを持っている。
冴子は急にそれが縄に見えて、目を覆うので、山田が驚いて「どうされましたか?」
「何でもないです、目眩が」
「気を付けて下さい、温泉でゆっくりして来て下さい」
「ありがとう」
「何処の旅館か決まったら、連絡を下さい」
「取り敢えず、伊豆方面に行くわ」そう言いながら時計を見る冴子。
「木崎さんに送らせましょうか?」
「良いの、少し公園で森林浴を楽しんでから、のんびり行くから」
「いってらっしやいませ」と見送られて出て行く冴子。
玲奈は朝早くから貢とデートに出掛けて居なかった。
捕らわれた冴子
15-28
半袖の白のブラウス、背中に束ねた長い黒髪が流れる。
襟にフリルが付いて、淡いブルーのレンギスにハイヒール、庇の大きい帽子にサングラス、キャリーバッグと小さな手提げの服装で、公園に向かう。
木々の間から、真夏の日差しが差し込む。
今日は雲が多いが、時折雲の間から太陽が出ると暑い。
公園の駐車場に向かうと、背の高い白いタクシーが見える。
中はシートが貼って有るので何も見えない、あの中に加藤女医が居るのね、早くこの状況を治したい冴子。
公園の散水用のホースがまた縄に見えて驚く仕草、それを見ている加藤女医。
「来たわ、時間もぴったりよ、相当困っているから、思いのままだわ、今もホースが何かに見えて驚いていたわね」
「先生、楽しんでいませんか?」
「私は、好きよ、彼女感度も良いし、恥じらいも有って知的だから、男だったら離さないわ」
「先生は彼氏を待っている心境ですね」
「あの、馬鹿社長にやるのが損した気分よ」
徐々に近づく冴子に扉を開けて「時間通りね、荷物を載せて」と言う加藤。
冴子がバッグを載せると「私の、言う事を聞くわよね」
「はい」
「それでは、最初に携帯の電源を切りなさい」
「急用が?」と言い出すと「それじゃあ、帰りなさい、無かった事に」と強い言葉で言う加藤。
「困ります、切ります」
冴子がバッグから携帯を出して電源を切る。
「お前は、病気だ、患者は医者の言う事を聞かなければ治らない、判ったか」と強い口調で言われる。
「はい」と素直な冴子。
「それじゃあ、治るまで言われる様に出来るか?」
「はい」
「それじゃあ、お前は患者だ、そこの車椅子に座れ」
「はい、判りました」素直に従うと、後部座席の方に向かう。
「それから、私を先生と呼びなさい」
「はい、先生」車椅子に座る冴子、丁度後ろ向きに成った。
「私達は、警察に追われているから、お前に居場所を教えられない、このサングラスと交換して掛けろ」と手渡す。
外から見れば普通のサングラスだが、冴子からは何も見えないが明るさだけは判る。
「腕を此処に置いて」と冴子の腕を車椅子にマジックテープで固定する。
両手を固定して車は動き出した。
「どれぐらい、悪いのか診てやろう」加藤が冴子の乳房を服の上から鷲掴みにした。
「あっ」と身体を動かす冴子。
「冴子、相当重い症状だな、気持ちが良いのか?」
「はい、早く治して下さい」
「無茶苦茶にされたいのだろう?それが病気だ」
「はい、先生」
「正直だ、治るが、少し荒い治療が必要かも知れないわ」
「覚悟しています、何でもして下さい」とは言うが、SEXがしたいが本音だ。
「お尻もか?」
「お尻は、ご勘弁を」
「そうだったな、嫌いだった」
そう言いながら後ろから両方の手で、冴子の乳房を掴む「うぅうぅ」と言う冴子。
「気持ちは?」
「良い気持ちです」
「もっと、強くしてやろう」と強く掴むと「あぅあぅ」と声をあげる冴子。
完全にマゾの本性が現れていると、薬の効果の大きさを感じる加藤。
もう完全に奴隷状態に成っていると感じる加藤。
軈て車がビルの前に到着すると、ビルの中では、顔を見られたら困る人達が、マスクを着けて、冴子を待ち構えていた。
「到着したわ」布を膝掛けの様に冴子に掛ける加藤。
「これから、騒いで暴れると中止だからね、判った」
「はい、判りました先生」と冴子が言うと、ビルの中から二人が出て来て、冴子のキャリーバッグと手提げバックを持って降りる。
車椅子がリフトで降ろされて、大きな帽子にサングラス、その時「これを、着けて」と大きなマスクを着けた。
これで全く判らないので、病人がビルに運ばれて居るとしか見えない。
エレベーターに乗せられて、三階にそこから亀井に押されて異なるエレベーターに積み込まれて、地下に向かう、大人しい冴子。
暫くして、エレベーターで降りる。
「さあ、到着したわ」
加藤の声の方向を向く冴子。
マスクを外して、帽子も取ってサングラスを外すと眩しいのか、目をゆっくりと開く冴子。
廻りを見廻す、マスクをした男性が二人と加藤と三人の看護師。
「あの人は?」
「治療を手伝って貰う医師ですよ、冴子さんの治療に欠かせない専門家ですよ、顔が判ると支障が有るので」
「はい、宜しくお願いします」と車椅子からお辞儀をする。
「今から、聞く事に答えて、治療の方法を考えないと、此処にいらっしゃる先生にも聞きましょう」
「お願いします」
「まず、いつから、今の様な症状に?」
「先月の初めからです」
「具体的にはどうなるのですか?」
「はい、SEXがしたい、襲われたい、兎に角押さえられないのです、ホースが縄に見えたり、競馬場の馬の鞭に反応したりします」
「他には?」
「何も考えられなく成っています」
「冴子は性欲が押さえられないのと虐められたい様です、オナニーでは我慢が出来ない、そうよね」
「はい、女医さんの言われる通りです」
「それじゃあ、先生方の見解を伺いましょう」
ワゴンに乗せて、野球のヘルメットの様な形の変な物が運ばれて来た。
「それは?何ですか?」と加藤が聞く。
「身体は加藤先生にお願いして、女性の内部から治療をして貰えば良いのだが、頭の中、特に精神的な物は治らないので、この器具を使って治すのが良いと思います」
「それは?」
「脳に弱電流を流して、治療すると、今の幻影とかが無くなると思われます」
「それは、良いですね、良かったわね、冴子」
「はい」
「唯、問題が有ります」
「何が?ですか?」
「冴子さんの髪の毛ですよ、これは地肌に直接当てて効果が有るのです、その長い髪を統べて剃りあげてこの器具を装着しなければ成らないのです」
「それは、困ったわね、」と態と言う加藤。
「はい、困ります、テレビに出られなく成ります」と困り顔の冴子。
「それでは、仕方が無いので、待ちきれない様なので、身体の治療から始めましょうか?精神的な治療はその後考えましょうか?」
「はい、お願いします」
「注射!」と加藤が言うと、直ぐさま友田が冴子の腕に注射をする。
いつも飲んでいる薬が速効で効くのだ。
車椅子から降ろされた冴子に「さあ、服を脱いで」
「はい」
言われた通りに、脱ぎ出すブラウス、レンギス、ブラジャー、パンティも躊躇いも無く脱ぐ、大きめの乳房に小さな乳首、腰の括れ白い肌背中に長い束ねた黒髪、下腹部には黒々とした陰毛、多少の恥じらいが残って居るのか、手は胸と下腹部を押さえて居る。
頭が少しの理性を示す。
だが、もう身体は早く加藤に虐められたい、逝かせて欲しい、剃毛プレーをされたい気持ちで一杯だ。
「後ろに手を廻して」と加藤に言われて、後ろに手を廻すと、亀井が、直ぐさま布製の手錠を冴子の腕に掛けた。
加藤が冴子の乳房を掴む「うぅ」と声を出す冴子。
「もう、此処は、濡れて我慢出来ないのでしょう」と言いながら、左手で濃い陰毛を触る。
「ひーい」強く赤いクリトリスを撫でる。
「冴子さん、治療の為に頭を剃るか?」首を振る冴子。
「でも治らない可能性が有る」
「あれは何に見える」
「きやー」蛇を見せる鈴木。
「蛇です、恐い、嫌い!」
「ほら」と放り投げる。
「きゃー」と身体を縮める冴子、肩に落ちたのは唯の縄。
「いよいよ、変だろう、無い物見えているのだ、治療した方が良い、髪はまた生えるし鬘も有るから」
「でも」と躊躇する冴子にそこに今度は本当の蛇を投げる。
「きゃー」と倒れる冴子は失神した。
加藤に身体を揺り起こされて「ほら、縄に何度も幻影を見るのは、相当病気が進行している証拠だ、町中を裸で歩く様に成るかも知れないわよ」
先程の注射薬の効果が表れて、もう幻覚と無茶苦茶に成りたい気持ちが多く成っている。
性的欲求も増加している。
陰毛を加藤に触られて「先生、早く、剃って逝かせて、お願いします」突然口走る冴子。
「そうか、剃る気に成ったか」
「此処をお願い」と自分の陰毛に指を指す様に目で追うが、加藤は冴子の長い黒髪を撫でる。
「違うの?あそこです」と甘えた様に言い出す。
完全に薬に侵された冴子は、理性の無い雌、SEXを焦らされているのが、薬の作用で増幅されているので、我慢が出来ない。
屈辱の剃髪
15-29
「頭の治療が無いなら、難しいので今日は中止にするしかない」
「そんな、先生、ダメです、私狂ってしまいます」と懇願する。
「どうする?」
「お願いします、好きな様にして下さい、早く治して下さい、もうダメに。。。」と放心状態。
「判った」
漸く冴子は納得してしまう、身体の要求に負けてしまった。
手錠を外されて「覚悟は出来た?両方をつるつるにしてあげるわよ」
頷く冴子を美容台に座らせる。
全裸で座ると「手は此処よ」とパイプを握らせると、足を投げ出して座る。
頭が背もたれの上に有って、足を横の金具に固定する。
両足を固定すると少し股間が開いた感じに成っている。
冴子は心臓の高鳴りを感じて、もう自分で股間が濡れているのが判るのだ。
「台が動くわよ」
腰から下の台が無くなって、上昇して大きく両足が左右に開いた。
黒々した陰毛が光って、既に愛液が流れ出ている。
約三ヶ月、薬漬けにされた冴子は完全に理性の無くなった雌に成っている。
元来のマゾっ気と感じ易い身体、今まで散々加藤に調教された身体が、もう堰を切ってしまったのだ。
「少しだけ我慢するのよ」
冴子の肛門に媚薬の注入をする加藤。
「いゃー」と怒る。
「終わったわ、直ぐに良く成るから」
束ねた長い髪を一段上の台に上がった信樹が外して髪を梳かす。
綺麗な艶の有る黒髪、もうその顔は至福の時だ。
信樹の希望通り、統べて刈り取れると思うとそれだけで陶酔の世界だ。
陰毛も髪も剃れる信樹は最高の気分に成っている。
「冴子さん、バリカンよ、見て」と目の前に見せる友田、トロンとした眼差しで見る冴子。
先程の注射が益々効いているのか、バリカンを見て微笑む。
冴子は目を閉じている流石に、髪を切られるのが惜しいのか、それを見た加藤がアイマスクを着ける様に指示した。
その方が感じる事を加藤も剃られる冴子も知っている。
「バリカン」と聞こえる様に言う加藤、背もたれが後ろに倒れて、股間が上がって、剃り易い状態に成る。
信樹が加藤の側に来て見ている。
陰部のバリカンは傷つけるので、信樹には触らせない加藤。
加藤には大好きな、冴子の身体なのだ。
サドの加藤にはこの様なマゾが理想だった。
本当は頭髪を剃る必要無いのだが、信樹が望むから仕方が無い、加藤だ。
今、思うと頭髪を刈り取るのも最高のサドの責めかも知れないとも思う加藤。
この精神状態でも頭髪を刈られる事に抵抗するのか、楽しみでもあった。
今は神経が陰部に集中しているから、頭髪の事を考えていないだろうと思う加藤だ。
「ジョキ、ジョキ」と下腹部をバリカンが動き出すと「あっ、あっ」と声が出る冴子だが、殆ど最初だけで刈れない。
でもこのバリカンの動く感触が陵辱されていると感じる冴子。
「ジョキ、ジョキ」のバリカンの動き、何度も何度もバリカンが陰部を動き、感情が高ぶる冴子。
冴子の耳元でもう一つのバリカンを動かして音を聞かせる鈴木が、気持ちの高ぶりが増す。
加藤が「さあ、これから剃るわね」
「はい、お願いします」とか細い声、もう冴子の陰部から、愛液が流れ出て陰毛がべた付いている。
信樹がシェイビングクリームを刷毛に付けて塗り始める。
感じ易い処に刷毛を押しつけると「あっ、あっ」と声を出す冴子の耳にヘッドホンが着けられる。
「自分の音で興奮するわよ」加藤が笑う。
信樹の左手に集音マイクが付いて居るから、冴子に大きな音で聞こえだした。
刷毛で塗る音が聞こえて「あっ、あー」と言う。
何度も同じ場所に刷毛で撫でて興奮させて、信樹が剃刀で剃り始める
「ジョリ、ジョリ」と大きな音で聞こえて「あー、あー」と大きな声を出し始める冴子。
信樹の剃刀の動きに「うぅ」と反応をする冴子。
もう膣から流れ出る愛液でべたべたの陰部、クリームか?愛液か?判らない。
クリトリスの廻りは剃り難いから、何度も剃刀が動く「ああー、いいー感じる」
「ジョリ、ジョリ」その言葉で興奮の信樹は下着の中で何度も終わっていた。
ヘッドホンが外されて、剃り終わる信樹は満足そうで、白い紙に冴子の陰毛が綺麗に並べられている。
狂った信樹、競馬では先日負けたが今日は完全に勝ちだと微笑む。
友田が陰部をタオルで拭き取って「終わったわよ、気分は?」
「。。。。。」暫しの放心状態の冴子。
背もたれが、戻されて、美容台が下げられる。
足も自動的に少し閉じられて、歯医者の診察台の様に足を固定されて、投げ出した感じに座らされた。
頭を支えて居た枕の部分も自動で下がって、肩から上が出ている。
長い黒髪が綺麗に椅子の背もたれから流れている。
前は乳房が隠れるほど長い黒髪。
アイマスクの状態なので、冴子には何も見えない。
「さあ、髪を刈るわよ、覚悟はいい!」
「え、何を?」と急に我に返る冴子、剃られて一度感じたので少し冷静さを取り戻していた。
「頭を丸めて、治療を受けると言ったでしょう」
「何をするの?」と見えない頭を動かす冴子。
「つるつるにするのよ、あそこと同じ様にね」
「いやー、やめてー」と大きな声を出す冴子。
陰部を剃られて、少し気分が一時的に戻ったから、抵抗を始める冴子。
「始めましょう」
「いやー、いやー許して、髪は切らないわ」と頭を動かす、身体は動かないので、もうどうする事も出来ない冴子。
懇願以外に術が無かった。
「バリカンで刈ってあげるわよ」
「いやーーーー止めて、刈らないで」
鈴木と亀井が冴子の頭を動かない様に持つ、信樹が手動のバリカンを冴子の額に当てる。
「いやー、いやー、やめてーー」と騒ぐ冴子。
額から「ジョキジョキ」と音を立てて、バリカンが滑ると額からバリカンの筋が出来て長い黒髪が肩に落ちた。
「ああー、やめてー」
「もう、諦めなさい、治療の為よ、大人しくするのよ」
加藤が両方の乳首を強く摘んだ。
「痛い!」と叫ぶ冴子。
信樹のバリカンが、二度目三度目と額から頭頂部に動き「ジョキ、ジョキ」と音がする。
信樹の目が滲んで、赤く充血していて興奮が手に取り様に判る。
「いやー、やめて、もう止めて」と叫ぶ冴子。
「もう、髪は刈られているから、止めても同じよ」と亀井が言う。
長い黒髪が少しずつ落ちてゆく、手動式なのでゆっくり何度も動く、河童の皿の様に徐々に成っている、
額の部分から頭頂部が長い髪が無くなって、地肌が見える。
観念したのか、冴子は大人しく成る。
冴子の頭が落ち武者の頭の様な姿、哀れな頭部、最高のマゾ責めだと加藤はその時思うのだ。
暫くして信樹は手動のバリカンを電気バリカンに取り替えて、スイッチを入れるとバリカンが音をたてて、冴子の頭を刈り取り始めた。
「だめー、許して」
「もう遅いわよ、もうすぐ無くなるわ」と加藤に言われて、諦めたのか、言わなくなった。
次々と冴子の長い髪が刈り取られていく、電気バリカンは早い。
碕山が来てその髪を綺麗に集めてゆく。
後頭部にバリカンが行くと、もう冴子の頭に髪は残っていない。
刈り終わると「綺麗に成ったよ、気分はどう?」
加藤が頭を撫でると「最悪です」と答える冴子に「まだ、これからだよ」と加藤が笑いながら言う。
「えー、もう止めて」
「つるつるにしなければ、器具が付けられないだろう、蛇が襲ってくるのを、治さないとダメだろう」そう言われると、無言の冴子。
妄想、幻想が恐いのだ。
SEX人形への道
15-30
鴨居がやって来て、冴子の頭を剃りあげる準備をしている。
シェイビングクリームを刷毛に付けて冴子の頭に塗り始める。
「もう、許して、お願い」と言うが声に力が無い。
頭に一杯塗って、蒸しタオルで髪を蒸らす鴨居。
頭に熱いタオルを載せられて「何?何?」と言う冴子、見えない恐怖が有った。
「剃り難いのよ、蒸らさないとね」
暫く蒸らすと再び、シェイビングクリームを刷毛で塗る鴨居、そして剃刀で剃り始める。
いつの間にか冴子の顎は固定されて動けない状態に成っている。
額から短い黒い髪が無くなって行く「ジョリジョリ」と大きい音だ。
剃刀が数本並んで居て、剃刀の刃を交換しなければ、冴子の髪を剃りあげられないのだ。
相当時間を掛けても、終わらない徐々に青い部分が増えてくるが、もう冴子は何も言わない、動けないのだ。
暫くして剃り終わると、顎が外されて、背もたれが倒れて、アイマスクが外された。
「鏡を持って来て」頭を見せる加藤。
「綺麗に成ったわよ」
青々とした哀れな頭を見て冴子の目から涙が流れでていた。
ぼんやりとした頭でも判ったのだ。
「さあ、泣いている場合じゃないわ、治療を始めるわよ」加藤が言う。
冴子の頭に金属の冠の様な物を被せる。
乳首をクリップで挟む「うぅ」と台が上昇して再び足が大きく左右に開かれて、クリトリスにもテープで電極を貼り付ける。
冴子の口に猿轡がつけられて留められる「うぅ」と言う。
「さあ、天国に行きなさい」と電気を流し始める。
「ああー」と声が猿轡の中に出て、冴子の目が虚ろに成ってくる感じているのだ。
加藤が電極の付いたバイブを挿入すると「ああー」と言いながら、暫くして身体が痙攣を起こしている。
「そこの、太い方貸して」
「はい」と手渡す友田、太い電極バイブに変更すると、「ああー」と青く光る頭を仰け反って、冴子の目が、白目に成って失神した。
溜まっていたので早い、勿論衝撃も大きいのだが「満足しただろう、四階に連れて行って、少し休ませて」
冴子はぐったりとして意識が無い、全身の毛が総て無くなった冴子を、三人で抱えて車椅子に乗せて、エレベーターに入った。
加藤が意地の悪い質問をした。
「川上さん、青い頭の冴子と遊ぶのは?」
「もう、今日は充分だ、明日以降で良いよ」
加藤には信樹が何度も終わった事は判っていた。
信樹は冴子の上下の毛を大事に入れ物に入れて持ち帰った。
もう遊ぶ気力が残って無かったのだ。
暫くして気が付いた冴子は全裸の状態でベッドに居たが、気分は良く成っている。
直ぐに髪の毛が無くなって、つるつるの状態が判って、落胆の表情になる。
モニターで見る加藤が、食事を届ける指示をした。
暫くして、亀井が「お腹が空いたでしょう、食べて、綺麗な髪が無くなって可哀想ね、でも治療の為だからね、我慢してね」
「。。。。。。」
「少しは良く成った?」
「多少は」
「何回か電気治療をすれば治るから、元気を出してね」そう言うと、どんぶりを置いて帰った。
冴子はお腹が空いていたので、直ぐに食べ出した。
何時だろう?部屋は快適な温度で、テレビ以外何も無い状態、これからまた調教が始まるとも知らずに食事をしていた。
いつの間にか眠って居た冴子が、目覚めた時口には布が入って、ゴムの猿轡が填められている。
両手首には皮の手架せから天井に鎖が伸びていた。
足首にも足枷から、縄が結ばれて「気が付いた様ね」と加藤が微笑む。
「うぅ」と猿轡の顔で加藤を見つめる。
「媚薬オイルでマッサージをしてあげるわ」身体にオイルを垂らして、塗り込み始める。
直ぐに「うぅ」と気持ちが良い顔に成る冴子。
「気持ち良い?」頷く冴子、次の瞬間足枷の縄を、亀井と鈴木が持って、大きく左右に開いた。
そして先を結んでしまうと今度は股間にオイルが塗り込まれる、加藤が指を膣に滑り込ませると「あっ、あっ」と反応をする。
もう陶酔の表情の冴子、加藤に亀井から、Gスポット用のバイブを手渡して、仰け反る冴子「ああー」と聞こえる。
加藤の必用な責めに、何度も仰け反る。
何度目かの仰け反りで再び失神した。
「本当に感度の良い身体だな」
「お風呂に入れますか?」
「そうだな、油を洗い落として、例の部屋に連れて行って」
「川上さん、居ませんが?」
「一度私が遊んでみたい」
「えー、先生が?」
「そうよ、こんな女性なら、男が欲しがるから、私が貰うのよ」
「先生が、その様な事されるのは何年振りですか?」
「十年以上前だわ」
「用意して置きます」
三人が冴子を連れて四階の風呂に向かった。
車椅子でぐったりしている冴子、綺麗な尼さんが眠って居る感じだ。
湯船で目覚める冴子「気が付いたのね、洗ってあげるわ」と二人が身体を洗う。
「油だけとれたら、加藤先生が待っているわ」
「まだ、有るのですか?」
「そうよ、気持ち良くて蕩けて居たのに、嫌だったの?」
「もう、気分は少し良く成りました」
SEXがしたい気持ちは度重なる責めで満足状態に変化していたが、冴子の思考回路は夢の中の状態、注射の影響がまだまだ残っている。
五階の部屋で加藤は衣服を脱いで、ペニスバンドを装着していた。
四十七歳の加藤が久々にする行為なのだ。
冴子は二人に連れられて、ダブルベッドに仰向けに寝かされて、足を天井からの鎖に足枷で吊されてしまった。
大きく足を開いた状態で、誰が襲って来ても逃げられない。
誰かとSEXをさせられるのか?と思う冴子の前に加藤女医が全裸で入って来た。
その姿に驚きの表情に成る冴子。
「えー、先生が?」
「そうよ、楽しみましょう」と覆い被さって冴子の唇を求めて来た。
「いやー、いやー、やめてー」と顔を背ける冴子、女性とSEXをする違和感に嫌悪感が出た。
「私は、好きよ、冴子」と言うが嫌がる。
「バシー」と平手打ちが冴子の頬を、一瞬怯むと唇を奪う佐紀子。
舌が冴子の舌に絡まって乳房を揉む佐紀子。
「あっ、あっ」今度は乳首を舐める佐紀子「あっ、や、め、て」と言う。
佐紀子が腰の電源を入れると、ペニスバンドに振動がはじまった。
動けない冴子の膣に挿入する。
「あーあー」と声をあげる冴子、振動と同時に腰を動かす佐紀子。
「ああー、だめーー、感じちゃう」
「そうよ、感じなさい」と腰を動かす佐紀子、青く光る頭を抱き抱えて、激しく腰を動かす。
バイブの振動を最強にすると「あああーいくー、だめー」と青い頭を仰け反らせて、失神をしてしまった。
「強姦した気分ね、今日はこのまま身体を拭いて、眠らせて」
「はい」
「この子は、馬鹿な男には与えたくないわね、あれを使って」
「あの、一時的な不能薬ですね」
「ジュースに入れて飲ませれば、使い物には成らないわ、冴子は私がもっと遊びたい」加藤は益々冴子が気に入ってしまった。
睡眠薬を注射されて、冴子はそのまま眠りに入った。
信樹は冴子の長い髪と陰毛を眺めて、再び恍惚の表情で、過ごしていた。
何時間も見ているのだ。
冴子は私の物
15-31
信樹が翌日やって来て「冴子はどうしている?」
「まだ、寝ています、十一時頃起きると思います」
「薬か?」
「充分休ませて、遊ぶ準備をすると、先生が言われていました」友田が話して居ると「社長、今日も暑いですね、一杯如何ですか?」鈴木がアイスコーヒーを持参すると「ビールが良いのに」
「社長、お酒は頑張れませんよ」と友田が言う。
「そうだった、忘れる処だった、男は硬くて、長いのが良いのだ」と笑いながら一気に飲み干す信樹。
加藤が地下で、今日の準備をしていると、富岡がやって来て「社長が今日冴子とSEXしたら、次は私に廻してくれ」
「はい、判りました」
「外は暑いな」
「そうですね」
「鈴木さん、地下室に冷たい物を!少し待って、先生飲み物は?」
「ビールを貰おうか?」
「富岡先生も、冷たいビールが飲みたいそうよ」
「はい、直ぐに持っていきます」
鈴木は薬を入れて、ビールを持参すると待ちかねた様に飲み出した。
加藤はこれで、この二人のペニスは役には立たないと笑って居て、冴子は自分の物だと決めているのだ。
十一時に目覚めた冴子、タオルケットの下は全裸、頭に手を持っていくと、夢では無かった。
つるつるの頭、今朝は、幻想は無い様だ。
昨日の治療で本当に治ったのか?
昨日までのSEXがしたい症候群は消えていた。
昨日の事が断片的に思い出されると、ペニスバンドの加藤女医に失神させられる程責められた。
あの器具は男性以上に感じる気がするわ、薬の無い状態のSEXは新藤としてから、一度も無い冴子。
「お目覚めね、お腹空いたでしょう、食べて」と料理を持って来た亀井と友田。
「治療中はこの部屋を使ってね、何も無いけれど、テレビ、冷蔵庫、トイレ、お風呂は有るから」
「いつ、治るのですか?」
「今朝は、気分良いのでは?」
「はい」
「昨日、沢山抜いて貰ったからね、一杯、逝ったでしょう、だから楽なのよ」
「はい」
「でもまた、溜まるわよ、それが無くなったら治るわ」
「はい」
二人が出て行くと、早速空腹の冴子は食事を始めたが、勿論薬が混入されている。
食事が終わると、風呂に入る冴子、身体中に毛の無い異様な姿に鏡を見て驚きの表情に成る。
今までの髪型の鬘は無いから、セミロング位の鬘が必要だわ、家の人達には修行に行って、尼寺にとでも言うか、そんな事を考えていた。
加藤は薬が効果を表す時間を測っていた。
信樹と富岡は何時から遊べるのだろうと、地下に降りて待って居た。
闇サイトヘアー&ヘアーの中では、既に信樹は画像を公開していた。
有名人の陰毛と長い髪と書いて、誰、誰と多数の問い合わせがネットには届いて居る。
来週の月曜の放送では、直ぐにサイトの人間には判る。
この人達は、見分けるのはプロだから、鬘と自毛は見破る。
暫くして鈴木が「治療の時間よ、これを着て、行くわよ」
冴子は先程から、少しもやもやが始まっていた。
タオル地のバスローブを着て鈴木に着いて行く冴子。
「気分は?」
「昨日よりは良いのですが。。。」
「また、少し悪い?」
「はい、少し前から」
「疼くのね」
「は、はい」
「昨日の電流治療をもう一度しましょう、脱いで、診察台に寝て」
「はい」
素直に、バスローブを脱いで、診察台に横たわって頭に器具を被せると「少し頭だけ流して見ましょう」スイッチを入れる。
「どう?」
「はい、少し感じます」
手を固定して腹にベルトを巻く、片足ずつ固定して乳首をクリップで留めると「今度は、頭と乳首よ」
「あっ、電気がきます、あっ」
診察台が上昇して両足が開かれて、クリトリスにテープでパットを留める。
「もう一度流しますよ」
「ああー、ああー」と大きな声をあげ出す冴子。
「どう?」
「ああー、いいー」
もう会話が出来ない程の、電流も強いのが流れている。
「さあ、咥えるのよ」
口にバイブを咥えさせると、膣に挿入する電流バイブ。
「うぅ」
鈴木が口のバイブが抜けないように押さえている。
仰け反る冴子、二人の男は気持ちが興奮しているがペニスに反応の無い事を知らない。
友田が「準備して下さい」とコンドームを手渡す。
仰け反って失神する冴子。
「さあ、社長」と加藤が言うと「今日は、昨日出し過ぎたのか、ダメだ」
富岡が「私もダメだ、お酒の影響だろうか?」
「そうなの?残念ね、明日も有りますから、薬差し上げますわ、明日は頑張ってね」
二人は残念そうに亀井に薬のカプセルを貰って帰って行った。
「男は、ダメね、立たないと気力も無くなるから」
冴子はぐったりとして、眠って居る。
「気が付いたら、そのまま休ませて、もう一度逝かせてやろう」
身体の上にバスローブを被せて、電気を少なくして、全員は昼食に行った。
暫くして気が付いた冴子だが、身体が動かないので、また眠ってしまった。
心地よい疲れが残っていたからだ。
眠って居る冴子にいきなり電流を入れる加藤「ああーー」と驚く冴子、
感じ易い身体に調教が進む、再び電流バイブが挿入される。
「ああーだめー」と聞こえる、
少し強くすると痙攣を起こし始めて、再び失神をしてしまった。
身体を拭いて、部屋に連れて行かれる冴子、完全にSEX人形にされてゆく。
この一週間で完全に加藤のSEX人形に仕立て上げる算段なのだ。
今夜も自分が最後はペニスバンドで遊ぼうと考えている。
これから夜迄再び眠らせて、楽しむのだと考えて居る。
夜に成って眠る冴子の腰に皮のベルトを巻き付ける鈴木と亀井。
「先生完全にこの子に惚れたのね」
「その様ね、昔を思い出すわね」
「そうね、看護師の女の子が気にいっちゃってね、結局それが原因で医師免許が無くなったのよね」
「でも考えて見れば、先生には私達随分世話に成ったわね」
「看護師首に成っても先生のお陰で生きて来られたわ、今回も助けて貰ったしね」
「あの、看護師の女の子も楽しんでいたのにね、偶々見つかってしまったのよね」
「サドは昔からね、でも自分から抱く女性は久々よね」
「可哀想ね、頭はつるつるにされて、もうすぐSEX奴隷にされるわね」
「相場とニュースキヤスターで有名なのにね」
「お金も沢山持って居るらしいわ」
「じゃあ、働かなくても良いから、SEXに狂っても大丈夫ね」
腰のベルトを着け終わると俯せにさせて、ベルトの金具に天井の鎖を二カ所に留める。
足首に足枷を着けて、ベッドの下から繋いだ縄に結ぶ。
今度は皮のアイマスクと口枷が一緒に成った物を、冴子の口に入れて、頭で留める。
これで目と口が塞がれた状態に成った。
両手首には皮の手錠が着けられて「終わったわ、引っ張るわ」と滑車で腐りが上がると、腰を後ろに突き出して、頭を下に四つん這いに成った。
足が少し開いているから、後ろから、陰部と肛門が丸見えに成っている。
そこに友田がガラスの注射器を持って来て、アナルにクリームを指で塗って、注射器を突き刺して肛門に薬を注入した。
性奴隷
15-32
「最後はガスを吸わされて、SEX奴隷に成るわね、この子」
「毎日、しないと我慢出来なく成るのよね」
「中毒症状ね」
「行きましょう、時間だわ」
三人の看護師が部屋から消える。
暫くして、眠りから目覚める冴子、身体が動かない、燃える身体「うぅ」と首を動かす。
加藤がやって来て「冴子、良い格好で待って居るね」「うぅ」と声の方向に顔を向ける冴子。
「身体がまた、熱いのだろう?薬が必要だね」
そう言いながら、冴子の背後に廻って、電マを陰部に当てる。
「うぅ、うぅ」
「もう、感じているのか?」
「うぅうぅ」と口から涎が流れ落ちて、膣からも愛液が流れ出ている。
ペニスバンドが少し太く成って、所々突起が付いて居る。
「今夜は、美味しい物を食べるから、充分濡らして置こうね」
「うぅ」
「美味しすぎて、食べ過ぎない様にしょうね」
「うぅ」
電マ攻撃をされて、三人の看護師が来て、友田が衣服を脱いで全裸に成って、冴子の身体の下に潜り込む。
下から、乳房に吸い付いて揉むそして舐める。
四十歳の友田はまだまだ身体は綺麗だ。
冴子の感じる部分を愛撫して行くと感じる冴子。
加藤のペニスバンドで最後は後ろから太い突起物が挿入されて、仰け反り悶えて、果てる冴子だ。
加藤はそれに喜びを感じていた。
一日二食しか与えない、空腹にしなければ、食べないから加藤の長年の勘だ。
冴子の身体は疼きが続いた状態で、頭もぼんやりとしている。
与えられた薬の影響で、本能のままに成っている。
仕事の事も相場の事も全く考えられない、考えていない、ダイレクトで頭に子宮が有る様な気分にされている。
「冴子、どう?気分は?」
「はーはい、また調教をお願いします、先生」
「そんなに、調教が良いのか?」
「はい」
「食事が終わったら、考え様」
「お願いします」
出された、薬の入った食事を食べ切る冴子。
首にはベルトが巻かれて、犬の様にベッドに結ばれている。
食事が終わると、テレビがビデオを映している。
SM映像に食い入る様に見る冴子、自然と乳房に手が向かう、陰部にも手が行く。
それをモニターで見て「もうすぐだな、人形まで成るのは」
「仕事はもう出来ないのですか?」
「無理だろう」
「このビデオが終わったら、装着します」
三人の看護師が準備に入った。
暫くして「冴子さん、面白かった?」頷く冴子。
「これを履いて寝るのよ、気持ち良いからね」
「もう、調教は無いの?」
「して欲しいの?」
「ビデオの様にして欲しいの」
「待ってね、先生に聞くわ」
友田が聞きに行ったら嬉しそうだ。
「どんなビデオを見せたの?」
「鞭で叩かれたり、蝋燭垂らしたりですね」
「その様な事に興味が有ったのか」
「どうしますか?」
「蝋燭と縄を用意して頂戴、行くわ」
暫くして「希望を叶えてあげるわ、付いて来なさい」
「はい」
タオル地のバスローブを羽織って、五階に行く冴子。
友田がベッドにビニールのシートを敷いて、準備をしている。
「そこに座って、脱ぎなさい」
加藤も友田も縄の縛りは下手だが乳房の上下に縄を巻き付けて、後ろ手に縛ると冴子は恍惚の表情に成っている。
鈴木が赤い蝋燭に火を点けて、加藤に手渡す、仰向けに寝る冴子の胸に一滴蝋が落ちると「熱い!」と表情が変わる。
実体験は始めてだから、願望とは異なる。
「いやー」と言い出すとサドの加藤が喜び出す。
「押さえて」二人が冴子の身体を押さえると、蝋を白い乳房に垂らす。
「熱い、いやー、いやー、やめてーー」
つるつるの頭にも赤い蝋が垂らされる。
もう乳房は赤い蝋で乳首が見えない。
「此処は?」と陰部に一滴落とすと「ギヤー、熱い」と大きな声を出す。
「流石に、此処は無理だな」
尻に垂らすと熱いと言いながら、恍惚の表情に成る冴子。
身体を赤く蝋で染めて、蝋燭の責めが終わると、三人の看護師に連れられて風呂に行き、綺麗に洗い流されて、元の白い肌に戻った冴子。
身体はぐったりとして、快感と疲労が同居すると、この時間に成って薬の効果も薄れていた。
友田が湯桶に随喜を入れて、ベッドに持って来た。
「さあ、これを履いて寝るのよ」貞操帯を見せる。
「いやー、もう許して」
「明日の治療の為よ」
少し抵抗を見せる冴子を三人が押さえ込んで貞操帯を履かせる。
膣に随喜を挿入する「うぅ」と言う冴子。
「これで、明日も楽しく調教が受けられるわ、ゆっくり眠りなさい」
今度は睡眠薬の注射を腕に、三人で押さえ込まれるので、全く抵抗は出来ない。
頭は依然ぼんやりとしている冴子、三人の姿が霞んで眠りに入った。
薄い衣服を着せられて、直ぐに熟睡。
「今日は、ハードだったから、明日は十時に目覚めるから、食事の後、始めましょう」
「随喜でまた、狂いますね」
「せせりをして、男が欲しく成ったら、困るからね」
「先生、あの二人は当分役にはたちませんよ」
「そうだったわ、あの薬は、四~五日はインポテンツだったわね」と言いながら四人は大笑いをして、就寝した。
野平一平、美優が朝早く静岡の自宅を伊藤純也、久美そして娘の純子と一緒に東京に向かって出発した。
伊藤夫妻は実家の東の家に子供を預けて、午後原宿の美容室(シャイン)の前で待ち合わせの予定にしていた。
それまでに美優達は冴子の自宅に行ってキャサリン事件と東田塔子、玲奈そして冴子の最近の事を聞く予定だった。
美優と一平が冴子の自宅に到着したのは九時半過ぎ「大きな家ね」
「本当だ、この辺りは高級住宅街だから、相当な価格よね」
二人が入ると、お手伝いの山田が出迎えて、冴子が旅に出ていると話した。
「最近体調を壊されたとか?」
「はい、静養に温泉巡りをするとか言われていました」
そこに富永が、お茶を持参してきて「玲奈さんは、彼氏と結婚が決まって、楽しそうですが、社長はお付き合いされている馬籠会計士さんとは、少し溝が出来た様です」
「何故?」
「私達が言うのも変な話しですが、社長がどんどん大きく成られて、格差を感じられているのでは?」
「最近は競走馬とか、牧場も持たれていますから」
「凄い、凄いですね」一平が驚いた様に言うと美優が「最近競馬以外で、何か変わった事とか気に成る事は有りませんか?」
山田が考えて「たいした事では、有りませんが、旅行に忘れて行かれました」
「何を?」
「サプリの容器を」
「サプリ?」
「はい、この二、三ヶ月、欠かさずお飲みに成られていたのに」
「どの様なサプリですか?」
「お母様から送られて来た、疲労回復の効果が有るとか?」美優は急に不安が走って、それは加藤が薬を多用するからだ。
美優自身も加藤に飲まされていたから、注射をされた経験が有ったから、咄嗟に閃いたのだ。
「見せて貰えませんか?」
「はい」
暫くして山田が容器を二つ持参した。
「これって、何も表示が有りませんね?」
「お母様手製なのでは?」
容器を開ける美優、一平が匂いを嗅ぐ。
「一平ちゃん、四、五個貰って鑑定して貰って」
「判った、後で持っていくよ」
「いいえ、直ぐに行った方が良いかも」
「えー」
「すみません、実家に電話をしたいのですが?」
「はい、少しお待ち下さい」
「玲奈さんも飲んでいますか?」
「いいえ、冴子さんだけです」
「体調が悪く成ったのは?」
「最近、三週間前位からですね」
「玲奈さんは、今日は?」
「昨日遅く帰られて眠られています」
美優は胸騒ぎがしていた。
乗り込んだ美優
15-33
暫くして富永が電話を繋いで子機を持参して、美優は冴子の母直実からサプリについて色々聞き出した。
電話を終わると「一平ちゃん、直ぐに調べて来て、冴子さんが危ないと思うわ」
「判った」一平が急いで家を出て行った。
「お母様がご心配されると思って言わなかったのですが、このサプリは多分偽物で、お母様が送った物では無いと思われます」
「えー」
「この容器は持って帰ります、携帯に連絡して下さい」
「はい」
「それから、この事は内緒に、玲奈さんにも」
「はい」
富永が「ダメです、繋がりません」
「誘拐の可能性が有ります」
「誘拐!」二人の声が変わった。
「お金目的の誘拐?ですか?」
「違います、冴子さん自身を狙ったのです、此処から誘拐された、キャサリンさんと同じ一味です」
「あの外人さん」
「そうです」
「私達、聞いたのですが、あの外人さん坊主にされたとか?」
「はい、冴子さんもそう成っている可能性が有ります」
「えー、あの綺麗な黒髪が坊主に?」
「恐い!」
「そうです、変態集団の犯行だと県警では考えています」
「番組の女性スタッフの、美咲さんもロングの黒髪がベリーショートに成っていますが?」
「それも怪しいですね」
「美咲さんに聞けば、判りますか?」
「玲奈さんも、短くしましたね」
「大胆に、切りましたが、本人の希望だった様ですよ」
「じゃあ、違うのかな?」
そんな話しを三人でしていると、玲奈が起きて来て「美優さん、ご無沙汰しています、いらっしゃい」
「お邪魔しています、キャサリンさんの事件の事で、お聞きしたい事が有りまして」
「何?」
「その前に玲奈さん、その髪型にされたお店って(シャイン)?」
「そうよ、それが何か?」
「じゃあ、美咲さんのあのカットも同じ?」
「はい、私ももっと短くすると言ったのですが、彼がこの髪型似合うと言うので」
「あの、美容室で何か気づいた事は?」
玲奈は暫く考えて「昔、海老名の家で変態に髪を切られた時に感じた目が有ったので、女性の美容師さんに代わって貰いました」
「それは、変態?」
「そうです、気持ちが悪い視線を感じたのです」
「美咲さんと話し出来ませんか?」
「時間が無いのでは?お姉ちゃんが休養したかから、代わりに仕事が多くなったから、私も昼には行かないと行けないのよ」
美優は玲奈の話で益々美容室(シャイン)が怪しいと考えて、冴子の自宅を後にした。
川上信樹は全くSEXがしたい気持ちに成らなく成っていた。
だが冴子の調教状況は気に成ったので、ビルにやって来た。
「先生、調教は進んでいるのか?」
「社長、冴子を抱きに?」と意地の悪い質問をした。
「いや、もう少し完璧に成ってから抱きたい」
「そうですか、お任せを」
「今は?もうすぐ目覚めます、特殊なパンツを履かせていますから、調教は進みますよ」
「何時から?」
「午後からですね、起きて、食事、お風呂、化粧、それからですからね」
「そうか、それまで店で良い女でも探すか」そう言いながら部屋を出て行った。
冴子が目覚めると、三人の看護師達が貞操帯を脱がせる。
「良く、咥え込んでいるな」
「今日は何時から?」と甘えた口調で言う冴子。
「お風呂に入って、食事をして、綺麗にして、先生に会わないといけないからね」
「そうよね、可愛がって貰えないわね」
「そうでしょう」
随喜を抜くと「うぅーん」
「気分はどうなの?」
「早く、遊びたいわ」と目をトロンとして言う、三人の看護師は恐い薬だ。
あの理性は何処に消えたのだ?SEX人形に限りなく近づいているので恐いと思う。
正午に成って、美優と久美が美容室の近くの喫茶店に集まった。
「一平さんは?」と伊藤が尋ねると「冴子さんの家に、これが有ったのよ」とサプリの容器を見せた。
「これ?何ですか?」
「これを、飲まされて居たのよ」
「何ですか?」
「私ね、あの加藤女医が作った薬なのでは、と思って居るのよ」
「えー、恐い」
「そう、私達が飲まされた物と類似した薬かも、一平が今、調べに持って行ったのよ」
「この美容室が悪の巣なら、此処に冴子さんが居るの?」
「可能性が有るわね」
「じゃあ、二人が入って居る時、僕が調べますよ」
「刺激しない様にね」
「はい」
「じゃあ、行きましょうか?」二人は店内に入って行った。
「いらっしゃいませ、ご予約の方でしょうか?」
「いいえ、始めてなのですが」
「当店は予約若しくはご紹介の方が中心ですので」
「私達、藤堂さんの知り合いですのよ!」美優が言うと「テレビの藤堂様ですか?」
「はい」
「暫くお待ち下さい」と坂上奈菜が奥に入っていった。
信樹が綺麗な女性で髪が長いと聞いて、美容師のスタイルで出て来て、久美を一目見る成り「藤堂様のお知り合いなら、どうぞ、お待ち頂ければ、直ぐにカットさせて頂きます」そう言って、待合室に案内した。
信樹が加藤女医に「良い女が来た、二人共綺麗が、若い方は髪も長い直ぐに何とかしたいが、方法は有るか?」
「髪を切るだけなら出来るでしょう?」
「いや、調教をしたい様な、良い女だ、清楚で綺麗」と興奮気味の信樹。
「どんな女なの?」と加藤は店内モニターを見て、美優と久美を確認した。
直ぐに顔色が変わって「ダメ、ダメよ、あの二人は警察よ、それも私を追っているのよ」
「えー、刑事?」
「切れる女よ、捕まるわ、探りに来たのよ、適当に整髪をして早く帰しなさい、男の刑事も二人は最低来ているわ、尻尾を掴まれたら終わりよ」
「わ、判った」加藤は慌てた、
あの美優が此処に乗り込んで来たのなら、怪しまれて居るのは間違い無い、冴子の調教は中止だと即決した。
逃げ足の早さと勘の良さが、加藤がこれまで逃げ延びられた秘訣だの自負が有った。
三人の看護師に早速指示をして、冴子を解放の準備に入った。
加藤は、薬の事も多分見破られていると考えて居た。
キャサリンと同じ方法で解放するのが正解だ。
夜迄に準備をして、此処とは関係の無い場所に連れて行かなければ、今は此処が怪しまれている。
待合室の美優に一平が電話で「あのサプリ、精神を破壊する薬らしい、もう少し時間が懸かる、もう一つは媚薬だ、SEXがしたく成るらしい」
「予想、通りね、ありがとう」
そこに美優が呼ばれて、猫田が対応して「この、髪型で?」
「はい、少し伸びて不細工なのでお願いします」
美優は今日の為に美容院に行ってなかった。
久美も菱田が整えるカットを始めた。
久美は何かされるのかと戦々恐々だった。
過去には二度も坊主にされたから、今回も覚悟だけはしていた。
純也は二階、三階、四階、五階と順に調べて行ったが、事務所と倉庫、二階は住居で変わった処が無かった。
その様子は加藤女医と信樹がモニターで見ていた。
「ね、刑事が調べて居るでしょう」
「本当だ、流石に先生だ」
「今夜解放する、車を用意してね」
「判った、静岡迄、走って置き去りにしよう」
「此処の場所は、冴子には判らないわ、また、チャンスは有るわ、相当調教が進んだので、もう身体が覚えているわ」
「残念だが、仕方が無い、警察に捕まったら終わりだからな」二人は解放の計画を話し会った。
冴子の解放
15-34
美優と久美は何事も無く綺麗な髪に成って美容室を出た。
純也が「何も無いですね、このビル地上五階で、二階が住居、三階が事務所、その上が倉庫でした」
「そうなの?このビルが怪しいと思ったのだけれどね」
「美容師の腕は確かだったわ」
「あの、ベリーショートの美咲さんは何か知っていると思うのだけれどね」
「局に行ってから、帰るか?」
「そうね、私達は帰るわ、イチが待って居るから、美加も」そう言って笑う美優。
久美達はもう一晩実家に泊まる事にして、四人は別れて、美優達はテレビ局に向かった。
忙しい中、美咲を呼び出して尋ねる美優に美咲は、唯、短く切りたかっただけだと、頑なに言うのみだった。
美優は帰りに「あの子、加藤の毒牙に掛かって、弱みを握られているのよね、
だから言えないのよ」
「僕もその様に感じた、あの子に注視しておく必要有りだね」
「また、加藤が何かを仕掛けて来る時に、あの子を利用するわ」
二人は夕方静岡に向かって帰って行って宿泊予定が中止に成った。
その夜、佐山が電話で「大変だ、今何処だ?」
「家に戻って、お風呂に入る寸前です」
「直ぐに、来てくれ静岡第一病院に」
「どうしたのですか?」
「藤堂冴子さんが、保護された」
「えー、何処で?」
「キャサリンさんと同じ場所で同じ姿で」
「えー、坊主?」
「そうだ、それだけでは無い、兎に角直ぐに」で電話が切れた。
「どうしたの?」
「藤堂冴子さんが保護された」
「えー、何処で?」
「キャサリンさんと同じ場所で同じ状態で」
「じゃあ、坊主?」
「そうだ、それだけでは無い様だ」
「あの薬で精神が変調をしているのね」
「多分、一緒に行くか?」
「はい」
二人は急いで病院に向かった。
佐山は自宅に連絡をしないで、一平に連絡したのだ。
今の状況を家族に連絡するのが正しいのか?決められなかった。
保護された時は車椅子で眠っていた。
鬘を着けて衣服も着ていたので救急車で病院に、連絡を貰った佐山は病院で衝撃の事実を知って連絡を一平達にしたのだ。
冴子の置き去りにされてから、警察が来るまで五分も掛からなかった。
それは加藤達が見張って居て、サイレンの音が聞こえてから、消え去ったからだ。
意識の無い冴子を置き去りにして、変な男性に連れ去られたら困るから、加藤にはとても大切な冴子に成っていた。
病院に運ばれてから直ぐに佐山が駆けつけて、医師から頭髪の事を聞かされた。
その後検査の途中に目覚めて、意味不明の事を口走ったと説明が有ったのだ。
その為佐山は一平に相談の為に連絡したのだ。
その後、婦人科、精神科と順番に検査をしているのだ。
変な言動が多く医師も不安になったのだ。
一平が駆けつけて佐山に例のサプリの事を話して、早速医師に連絡がされた。
一平の元に詳しい成分、効能が夕方届いて居たのが役に立った。
その後医師は、投与された薬が判ったので治療も楽です、二、三週間程の入院で元の生活には戻れますと佐山に伝えた。
だが有名人だから、面会謝絶にして、家族にはもう少し回復してから、連絡をする事で医師と佐山達の協議で決定した。
病室には警官が監視をして、人の出入り、冴子が逃げない用心も行う事にした。
美優が一人で面会をしたが、ぼんやりとして、美優を識別出来ない状況だった。
一平は美優ともう一度東京に行って、家族と局に状況を話す必要を感じていた。
唯、玲奈の時より状況は悪い、有名人だから、どの様に話すか?二人は困っていた。
加藤は冴子を解放時に二、三日意識が朦朧と成る様に、警察を翻弄させる為に薬を与えていた。
「社長残念でしたね、青い頭の冴子を抱けなくて」
「警察に捕まったら、元も子も無いからな、髪と陰毛は貰ったので満足だよ、将来の嫁は楽しみにして置くよ」
「もう一度捕らえれば、直ぐに元に戻りますから、御安心を」
「それより、妹を捕まえたい、あの前田の息子と結婚とか話して居るらしい、許せん、競馬の恨みも晴らさないと、捕らえる方法を考えてくれ、陰毛を貰えば、コレクションが揃う」
「警察が冴子を監視するので、当分冴子は難しいでしょう、妹はデートに行くので隙が有ると思いますよ」
加藤はそう話したが、変なコレクションの手伝いには、うんざりしていた。
水曜日、美優と一平は冴子の自宅を訪れて、玲奈と話しをする事にした。
玲奈は頭髪を刈られた経験が有るので、理解されると美優が言ったからだ。
玲奈は驚きの声をあげて、聞いていた。
「加藤女医とその一味の仕業ですか?」
「確証は有りませんが、粗、間違い無いと思います」
「番組復帰は当分難しい訳ですね」
「半月は必要だと、薬の影響で回復には時間が」
「レイプとか?」
「それは、少ない様です、体液も発見されていません」
「私の時とは異なるのね、でもフェチ野郎の仕業ですよね」
「加藤女医はフェチではないサドだから、誰かの手先で働いているのでは?」
「病院の診断書を貰って局で説明します、唯、頭髪は鬘で誤魔化しますが、判ってしまうでしょうね」
「精神面が回復すれば、お姉さんは強いから大丈夫だと思いますが?」
「はい、局には取り敢えず来週も休むと伝えます、その後の事は一度姉に会ってから、話します」
「確証は有りませんが、美容院(シャイン)には気を付けて下さい」
「はい、私も変な人が居たと感じましたから、行きません」
粗方の話が終わってから、富永と山田にも簡単に事情を伝えた。
二人は驚いたが、直ぐに冷静に成って、玲奈が病院に行く時に持参する物を用意すると話すのだった。
その日の夕方玲奈は局の下田部長に冴子の病状が芳しくなく、入院をしていると伝えた。
下田は直ぐに小堺常務に連絡をして、来週も番組に出られない事を伝えて、対策を考える事に成ったが、簡単に冴子の後任、休みの期間を頼める人材は居ない。
特に毎週の特選銘柄が無いのは、自分達も視聴率にも影響が有る。
数日後、加藤も信樹も自分達に警察の捜査が及んでいない事を確認していた。
「社長、警察は此処には捜査に来ませんでしたね」
「先生の咄嗟の判断のお陰だよ、俺はあの美人を捕らえてご用に成っていた、本当にありがとう」
「少しの間は自粛しましょう、競馬でも楽しんで下さい」
「そうだった、競馬が有った、カワノホマレが入厩したのだよ、見て来る」急に嬉しそうに、美浦の厩舎に向かった。
そこで、信樹が見たのは、仲良く腕を組んで歩く、玲奈と貢の姿だった。
「あの二人、こんな場所でも仲良くして、あの前田の泣き顔を見てやろう」と独り言を言いながら、自分の馬を管理する厩舎に向かった。
意外な指紋
15-35
怒った信樹の顔が綻ぶ、カワノホマレを見た瞬間「調子は?」
「絶好調です」と近藤調教師が笑顔で答える。
「九月の東京にはデビュー出来ますよ」
「楽しみだ、他の馬は?」
「カワノスピードは先日、変な馬にゴール前差されましたが、来週は楽勝だと思いますよ」
「エクア、スター、メイプルは?」
「エクアも来週デビューさせますよ、福島五レースです」
「そうか、見に行くから勝たせてくれよ」
「はい、調子は良いので、相手次第ですが」
馬の話しに成ると興奮する信樹、負ける事が嫌いな性格で、逆恨みも堪えず有るのだ。
為末は厩舎から信樹が居無くなって内心気分が良かった。
その為末厩舎にも顔を出した信樹が「あの、安物の馬は?」
「態々起こしですか?」と調教助手の為末幸司が挨拶をした。
「俺の馬を抜き去った難き馬は?」
「ドリームですか?」
「そうだ、居ない様だな、故障か?」
「放牧ですよ、来月戻りますよ」
「放牧か?馬主と同じだな」と笑う
「今度は何処に出るのだ?」
「新潟を予定しています、川上さんの馬では中々勝てませんよ」
「何!前走は油断だよ、油断」
「小出先生の話を聞かれて無いのですか?」
「何をだ!小出の爺が何か言ったのか?」
「はい、ドリームはG1クラスの馬だとおっしゃいました」
「あの爺も耄碌したのだよ、本気でそう思って居たらお前は馬鹿だよ、ハハハ」と大きな笑い声をあげて帰って行った。
そこに入れ替わりに父親の為末宏が戻って来て「川上さんだな、何を?」
「冷やかしですよ、ドリームを見に来た様です」
「何か?」
「小出さんの話しをしたら、大笑いをして帰りました」
「幸司、あの男を刺激してはダメだ、馬主さんに迷惑が及ぶ、気をつけろ」
彼の性格を見抜いている為末は子供を嗜めた。
「はい、気をつけます、からかわれたので、すみません」
為末は冴子に先日から連絡をしているのだが、全く出来ないので不安を感じていた。
冴子に頼まれた子馬を買い付けた報告と、支払い条件の話しをしたかったからだ。
今週月曜日から、何度も連絡をするのだが、繋がらない。
そんな、冴子の荷物が自宅に送られて来たのは、その日の夕方だった。
宅配便で届けられて、山田が「触っちゃあ、ダメ」と富永に大声で言った。
「何故?」
「犯人の指紋が有るかも」
「そうか、警察だわね」
山田は早速静岡県警に連絡をした。
静岡県警ではキャサリンの事件と冴子の事件は同じだと、捜査を極秘で行っていた。
藤堂冴子拉致、監禁、暴行、傷害事件として、佐山も野平も伊藤もこの事件の犠牲者は他にも居ると睨んでいた。
警視庁の協力を仰がなければ遠方なので、捜査が出来ない。
本宮、本間、内藤の三人が静岡県警に協力の形で応援する事に成った。
被害者が藤堂冴子だから、これは大事件だと内藤は張り切っている。
だが佐山は冴子の頭髪の話しは内密にしている。
知っているのは静岡県警の三人だけだった。
警視庁の三人が鑑識を連れて冴子の自宅を訪れたのは連絡が有って三時間後だった。
そこに、玲奈が帰って来て「何か有ったの?」
内藤と本宮が笑顔に成って「お、お邪魔しています、玲奈さん!」
「お綺麗ですね」と関係無い事を口走る。
「お姉さんの荷物が送られてきたのです、それで指紋を採取しています」
「中を開けて」
「これは、使った形跡が全く有りませんね」
「このバッグも、携帯も切られていますね」
「お姉さんの指紋が有る物もお借り出来ますか?」
鑑識は総ての指紋の採取を終わって三人の刑事と帰って行った。
夜、一平が美優に話すと美優が「沢山指紋が採取出来たのなら、あの美容院の人間の指紋が採れれば、家宅捜査が出来るわね」
「中々、難しいな?」
「あの二人の指紋が出れば、強制的に獲れるわ」
「出ればだが、明日宅配を届けた人間を調べに、聞き込みに行ってくれるらしい」
「警視庁も協力的ね」
「今度は藤堂冴子さんが被害者だからね、マスコミが嗅ぎつけたら、困るだろう」
「そうか、公に成った時に、困るわね」
「マスコミも今週末に再度の休暇を発表すると、騒ぎ出すからね」
「冴子さんのガードは大丈夫?」
「少し体調も戻った様だ、問題は頭髪だよ、これまでの髪型は出来ないからね」
「思い切って、イメージチェンジで発表が良いのでは?私の様な髪型か?久美さんの髪型位」
「美優は極端だから、久美さん位だな、妹さんの時と同じ様に二人で話しに行って欲しいのだが」
「判ったわ、来週初めに行くわ、例の写真を持ってね」
美優は美容院(シャイン)に加藤達に連絡する何かが有ると信じていたので
「一平ちゃん、一度保護観察の人に二人の勤め先に行って貰う事出来ないの?」
「難しいと思うよ、別に何も無いから」
「警視庁の刑事さんに時々行って貰うとか」
「女刑事中々の美人らしい」
「髪長いの?」
「知らない」
「髪長ければ、犯人が居たら、接点を掴めるわよ」
「美優は髪フェチ犯人説だね」
「何か関連が有るわよ」そう言った時、美優に有る閃きが涌いた。
清水会長だ!明日聞いてみれば何かヒントが有るかも?
その夜は久々にイチの泣き声が変わっていた。
金曜日美優は清水大治会長に電話で、事件のあらましを説明して、何かヒントは無いか尋ねた。
清水が自分はその様な趣味は無いが、部下に尋ねれば何か判るだろう、アダルトの世界は多様だから、どの様な物でも売れる時代だ。、
有名人の髪の毛、陰毛なら高価で売れるのでは?との答えだ。
詳しく調べて連絡して貰える事に成った。
美優はその話を聞いて、フェチの社会の複雑さを痛感した。
犯人は相当広範囲に分布している可能性も考えられたからだ。
夜一平が戻って来て「指紋の該当者が一人出たよ」
「看護師?」
「いや、丸田雄三だよ」
「あの玲奈さんの髪を切った?」
「そうだ、大阪の実家には少し前から居ない」
「フェチの人達の犯行だわね」
「丸田が何処に潜んで居るのかが判らない」
意外な人物の登場に困惑の美優。
その時携帯に清水会長が電話で「組員の中に知っている男が一人居たので、詳しい話しを直接聞いてくれ、明日行かすが何処に行けば良い?」
「自宅で良いわよ」
「構わないのか?暴力団だから、気を使うよ」
「明日は一平も居るから、良いわよ」
「判った、庄司進二って男だ」
明日何かが掴めると期待の美優。
来週福島に行こうと玲奈は貢に誘われていた。
それは貢の持ち馬ビオライデンがデビューするので、応援に行こうと誘われていたのだ。
唯、姉冴子がその時期に退院に成る可能性が有るので躊躇していた。
一平が指紋の話を玲奈に伝えて、お姉さんの状況は芳しくないから、後一週間では復帰は難しいと伝えていた。
病院に美優と久美が行ってどの様に変わるのか?それが問題だと一平は思っていた。
精神的に冴子は鬱状態で、毎日を過ごしていた。
何故?自分がSEX依存に成ってしまったのか?理性が何故?と毎日自問自答の連続だった。
玲奈は姉の病気は心配だが、命に関わる事では無い。
時間が解決すると自分の経験から、美優達に会えば多少は快方に向かうと考えて、貢と福島行きを承諾したのだ。
翌日の午後、美優の自宅にとても暴力団員には見えない弱々しい男が尋ねて来た。
庄司進二だった。
募る憎悪
15-36
庄司は美優の自宅を訪ねると、いきなりパソコンを貸して欲しいと言った。
これは闇のサイトなので、今見るだけにして欲しい、パスワードを教える事もサイトを立ちあげる方法も見せられないと言ったのだ。
美優達は仕方無く、パソコンを庄司に貸し与えた。
庄司は暫くして、闇サイト(ヘアー&ヘアー)を立ちあげた。
「このサイトをご覧頂ければ、フェチの実体が判ると思います」そう言って美優の方に返した。
「十五分間にて自動で消えますので、それ迄にご覧下さい」そう言うと庄司は早々と帰って行った。
唖然として見送った二人は、我に返ってサイトの中の閲覧を急いで始めた。
アダルトサイトの中には個人の自慢話、オークションサイト、自分の一品に値段を付けて貰えるコーナーも有る。
美優はスマホのカメラで撮影の準備、画像は悪いが後で見る為だ。
「検索で藤堂さん調べて見ましょう」
暫くして「見て、これ玲奈さんの髪の毛と陰毛よ」
「売りでは無いね、わー!百万の値段が」
「違うわよ、二つで二百万よ」
「狂っているな!」
「あの丸田かな?ハンドルネームが浪速の虎だって」
「知っている人には判るのだろうな?」
「これ、冴子さんよ」
「競馬野郎って奴が出しているのか?」
「値段十万よ」
「安いわね」
「此処に、本物なら五百万って値段も有るよ」
「冴子さんの物か?証明が出来ないのね」
「番組に出ていないから、確認出来ないのだな」
「狂ったサイトね」
「此処には、剃髪、剃毛に参加出来る事が書いて有る」
「恐いわね、冴子さんも、この催しに?」
「違うだろう、もしそうなら、もっと高額だろう」と話して居ると画面が壁紙に戻った。
「終わってしまったな」
「これは、中々一般には見せられないわね、警察で調べられないの?」
「大量にこの様なサイトが有るから、中々見つけられないのでは?」
「そうだよね、ネットは恐いわね」
二人は見終わって、世の中には変な趣味の人が多い事を痛感した。
数日後、美優は久美と二人で冴子の入院している静岡第一病院の精神科病棟に向かった。
マスコミにはまだ漏れていないのか、全くその様子も無かった。
警官が守る病室に入る美優と久美、病室は特別室で大きくて、冴子がセミロングの鬘を着けて。一人テレビを見ていた。
「ご無沙汰しています」とお辞儀をすると「美優さんね、こんにちは」と笑顔に成ったが、直ぐにテレビの方に視線が行ってしまうので美優はまだ変なのだわ、話が出来るのか不安に成っていた。
「貴女をこの様にしたのは加藤女医ね」その言葉に直ぐに、美優を見る冴子、その目が加藤を慕っている様にも見える。
暫くして漸く頷く冴子、医師の話では薬が完全に抜ける迄、中々思考能力が欠落していると聞いていた美優。
久美が自分の坊主の写真を見せると急に涙を流し始めた冴子。
「坊主にされたのが、恐かったのね」と言うと、直ぐに頷くので、美優は冴子に加藤が薬を使ってSEX奴隷に仕立て様としていたと悟った。
冴子がマゾで加藤がサド二人の相性が良かったからか?
「私は二度も坊主にされたのよ、でも今は元の髪に戻ったわ、冴子さんも直ぐに戻るわ、元気を出してね」と久美が話すと「二回も坊主に?」
「そうよ、でも今は元に戻っているでしょう」
「本当ね、綺麗な髪だわ」少し元気が出た冴子。
久美の話と写真は効果が有った様だ。
暫く雑談をして、成るべく事件には触れないで、株の事を尋ねて、冴子の仕事への気持ちを引き出そうと二人は尋ねる。
流石に投資の話しに成ると元来の能力の一反が垣間見られて、活き活きと話し始める。
漸く快方に向かう様だと確信をして、明日から交代で見舞いと話し相手に来る事を決めると、冴子は安心したのか、握手を求めて喜んだ。
その日から二、三時間二人は交代で、病室を訪れた。
その様子を苦々しく見ていたのが加藤女医だった。
チャンスが有れば病室に侵入して、薬の投与を考えていたからだ。
病院では白衣を着ていたら、全く怪しまれない、唯、冴子の病室は警官が守って居て、迂闊に入れなかった。
佐山が医師も看護師も注意する様にとの通達を監視の警官に出していた。
冴子が眠って居る時間以外は医師、看護師、警察、ヘルパーの人、美優、久美と堪えず誰かが病室に来るから、加藤にもチャンスが無かった。
金曜日の放送で玲奈は姉がもう暫く休養をしますとテレビでお詫びを語った。
病状は疲労が原因で大病では無い事を伝えた。
今度お目に掛かるときはイメージチェンジで復帰すると、頭髪の異変を臭わせて、急に変わると驚くと思ったのだ。
玲奈は放送の後、貢の車に乗って福島競馬場に向かった。
近くのホテルに転がり込んで仮眠の後、競馬場に行く予定で。
同じレースに川上信樹のカワノエクアが出走している事を貢は全く知らない、関知もない、勿論玲奈も出馬表も見ていない。
一番人気はトップホース、二番人気にカワノエクア、五番人気に貢のビオライデン、二人は競馬場で始めて新聞を見て「五番人気ね」
「そんなに、人気に大差がないね」と馬主席で話す。
玲奈の近くに川上信樹が陣取って観戦しながら、時々二人の仲の良さに歯ぎしりをしている。
あの二人の泣く顔が目に浮かんだのか不意に微笑む気味の悪い表情に成る。
場内に高らかにファンファーレが鳴り響く、三人の目がゲートに集中している。
ゲートが開くと一番人気のトップホースがいち早く先頭に立つ、三番手にカワノエクアが付けて、その後方にビオライデン、一千二百メートルの競走は三コーナー迄直線、もう上がり三ハロンは過ぎている。
四コーナー手前で四百メートルの標識、福島は直線が短い、内にトップホースが逃げ粘る処に、外から襲いかかるカワノエクア「行けー、行け-」大声の信樹。
二百メートルのハロン棒で並び掛けてエクアが前に出る。
その外からビオライデンが一完歩ずつ差を詰めて、三頭がゴールになだれ込んだ。
「勝ったわ、貢さん!」と玲奈が大きな声をあげた。
睨み付ける信樹、場内のターフビジョンに映し出されるゴール前。
「ほら、出ているわ」
「うんうん」
着順掲示板には写、写と出た。
「三着まで写真だ」
「でも勝っていたわ」と微笑む玲奈、二人で口取りに行けると玲奈は既に決めている。
暫くして、一着ビオライデン二着カワノエクア三着トップホースと表示されて、玲奈と貢は抱き会って喜ぶ、それを見て苦虫を潰した顔の信樹。
二人が直ぐに下に仲良く手を繋いで向かう。
「初めてだよ、新馬で勝つのは」
「そうなの?お父様の馬でも無いの?」
「多分最近は無いと思うよ」
「お姉ちゃんの馬と対決出来るね」
「あのシャインドリームだったかな?」
「そうよ、直線矢の様に飛んで来るのよ」
「二歳の新馬で上がり三ハロン三十二秒台で走った馬だよね」
「よく判らないけれど、凄かったわ」
「上がり三ハロンはゴールから逆算したタイムの事なのだよ、今のレースは三十四秒三、コンマ二秒で約一馬身差が出来るから、二秒は大差に成りますよ」
「お姉さんの馬、凄いのね」
「まあ、レースの状況で変わりますが、強いと思いますよ」
二人は満面の笑顔でビオライデンの口取り写真に収まっていた。
信樹は怒りに燃えて、早々に東京に向かって車を走らせていた。
あの二人に復讐をしてやると、心で叫びながら疾走する。
病院で、淫乱冴子
15-37
恋人の馬籠に面会が許されたのは、その週の半ばだった、
雅治は何度も会いたいと申し出たが、警察が会わせなかった、
病院に到着した雅治に佐山が、頭髪の事を説明した、
フェチの連中に誘拐されて、薬を使って思考力が落ちている事も伝えられた。
雅治は逆に、冴子との溝が少し埋まった気がしていた。
余りにも格差が大きく、卑下していたから、病室の冴子は雅治を見ると、微笑んで出迎えた。
もっと前に来たかったが警察に許可が貰えなかった事を伝えると涙を流して喜んだ。
雅治は思わず冴子を抱きしめると冴子は唇にキスを求めてきた。
意外な行動に驚く雅治だったが、また一歩溝が埋まるのを感じていた。
冴子は濃厚なキスに変わって、雅治にまだ冴子の本当の姿が判らなかった。
ベッドに雅治を押し倒して、キスを何度も要求すると、舌と舌が絡み合ういきなり雅治のペニスをズボンの上から握り締める。
「大きいわ、入れて」と言い出した。
驚く雅治だが、既に勃起している雅治のペニス、冴子がズボンのベルトを緩めると「待って、扉が」雅治がそう言うと直ぐに冴子は起き上がって、扉に鍵をすると、素早く戻って雅治のズボンを脱がした。
余りの早さに驚く雅治「貴方としたかったの、我慢していたのよ」冴子もパジャマのズボンを脱ぎ、パンティを脱ぐと生えかけの陰毛が濡れている様にも見える。
雅治のトランクスを脱がせると、勃起したペニスを手に持って、自分の膣に近づけて「入れて-」と甘えた声で言う。
もう我慢が出来ない雅治は、場所も考えずに、冴子の身体に乗りかかって挿入した。
「いいわー、本物が良いわ」と意味不明の言葉を発して、自分からシーツを噛んで声を殺す。
雅治が大きく腰を動かす、久しぶりのSEXに男の味を感じる冴子。
悶え方が以前とは異なる、仰け反る身体、何度も、何度も興奮の絶頂を感じるのだ。
身体が満足して、気分も良く成った冴子は、雅治と寄り添ってお茶を飲んでいた。
そこに美優が入って来て「あっ、失礼しました」と言うと「もう、終わったから、良いのよ」と意味不明の言葉を美優に言う。
今日の冴子はいつもに比べて明るく成っているのが美優にも判った。
恋人が見舞いに来たから機嫌が良いと思っていたが、SEXをして気分が良く成ったとは流石の美優も気が付かなかった。
その日を堺に冴子の回復はスピードが上がった。
医師が驚く回復を見せて、毎日訪問の美優と久美を驚かせた。
株式にも興味が戻り、仕事復帰も近いと思われて、携帯電話も解禁に成って、玲奈が病院にやって来ても殆ど普通に会話が出来る様に成っていた。
為末が漸く繋がったと安堵の声で電話を掛けて着た。
一歳馬と今年産まれた馬を五頭購入した事(牝馬二頭牡馬三頭)を伝えて、馬名も考えて下さいと話して、シャインドリームの次走は八月二週のダリア賞一千四百メートルに出走させて、新潟二歳ステークスその後は休養で年末から再び走らせる。
カワノリズムは九月の中山の条件戦、、障害のスターカワノニシキは新潟ジャンプステークスから秋のレースを始める。
その翌日はドリームの二歳のレースなので是非、泊まりで新潟にと伝えて電話は終わった。
冴子は確実に現実の世界に引き戻されている事を実感した。
そうだったのだ競馬の楽しみも忘れていた事を思い出した。
冴子は退院の日に雅治を迎えに呼んでいた。
他の人は誰も来なくても良いと伝えて、迎えの雅治の車に乗ってこっそりと退院して行った。
それには理由が有って、雅治とラブホに行きたかったのだ。
病院でのSEXから、冴子が主導して誘う様に成って、今までのSEXに対する遠慮が無くなったのだ。
雅治も元々冴子が好きだから、拒む必要は無かった。
二人は心ゆくまで楽しんで、夜冴子の家に送り届けて雅治は帰って行った。
冴子は満足状態での帰宅に成って上機嫌、玲奈も富永も山田も感激で出迎えた。
翌日から冴子は株の研究を始めた。
八月の最初の月曜日から仕事に復帰する予定にしていた。
結局一ヶ月の休養に成ってしまったのだ。
翌日、局と事務所に顔を出す為に、木崎の車で出掛けた。
「髪を切られたのですね、軽く成られた様ですね」
「そう?似合いますか?」
「はい、若く、成られた様に思います」
冴子は木崎の言葉に一安心で事務所に入った。
全員が声を揃えて「おかえりなさい」と言うと感激する冴子。
局に行くと今度は全員が冴子の髪を見て「若く、成ったわね」
「もう大丈夫?」と声を掛けられる。
小堺常務と小野専務も体調を心配して、優しい声を掛ける。
「常務、特選銘柄も復活しますから、お楽しみに」
「おお、それは有り難い」と本音が出る。
信樹のカワノスピードは二戦目で逃げ切り勝ちをして多少は機嫌が良く成っていたが、加藤には毎日の様に玲奈を捕らえて欲しいと懇願していた。
唯、加藤は警察の目が気に成っていたのだ。
美容院には警視庁の女刑事本間美弥子が時々髪をセットに来る。
様子を探る為に、亀井と鈴木が美容院で働いて居る事は知られているから、簡単には行動出来ない。
加藤は冴子の行動の中で機会を見つけて捕らえて、最後の仕上げをして、自分のSEXパートナーにしてしまおうとの思いが有った。
信樹は今度冴子を捕らえたら、自分が青い頭を抱いて眠るのだと、思って居るが、その前に玲奈と前田貢を血祭りに上げたいのだ。
そんな信樹の神経を逆撫でする事が再び起こった。
今度は前田の親父の馬に、カワノエクアが敗れてしまったのだ。
未勝利戦を中一週で走らせて、圧倒的一番人気で完敗したのだ。
調教師は出走に反対したが、信樹が強硬に走らせたのだ。
益々逆恨みは貢と玲奈に向かう信樹、加藤は仕方無く信樹の要求を考える。
それは冴子を自分の元に戻したい気持ちも有ったから、上手く行けば玲奈を囮にして捕らえられないかを考える加藤女医だった。
その後冴子は復帰のテレビで特選銘柄を二銘柄発表して、休養のお詫びをした。
そしてイメージチェンジの話しを後籐晋平から言わせて、場を盛り上げて冴子を安心させた。
だが、美優の元に深夜、清水の部下の庄司が電話で「今、闇サイトで五百万の値段が出ました」
「冴子さんの髪ですか?」
「そうです、髪が五百万、陰毛が二百万と表示されていますね」
「フェチの人達は直ぐに判るのね」
「高級な人毛の鬘でしたが、見破られていますね」
「広がるの?」
「可能性は有りますね」
「競馬野郎とか浪速の虎って誰だか判るの?」
「競馬野郎は有名ですから、知っている人多いかも知れませんね、金持ちですよ、多分」
「その男が犯人と見て間違い無いのだけれど、探せる?」
「私はこのサイトそれ程詳しくないので、一応調べて見ます」
美優は庄司に事件解決のヒントを貰った気がしていた。
大物感
15-38
翌週土曜日、冴子は新潟迄雅治と一緒に向かった。
競馬場に行くのを口実に雅治との一夜を楽しむ目的だ。
加藤の調教は冴子をSEXに積極的な女性に変えていた。
雅治も冴子の誘いに乗った感じだが、内心は溝が埋まって喜んで居た。
今まで格差を感じて、二人の結婚は蚤の夫婦だと卑下していたからだ。
冴子が坊主にされて、対等に成った気がしていた雅治だった。
月岡温泉に今夜は宿泊予定に成っていて、真夏の温泉も粋な物かも知れないが?と思っていた。
新幹線の二人はラブラブ状態で冴子がサングラスで顔を隠して、雅治に寄りかかる。
新潟駅から「競馬場」とタクシーに乗り込んで言うと「今日は楽しみだね」と運転手が言うと「何か良いレースが有るの?」
「今日のダリア賞に出走する馬に期待しているのですよ」
「そうなの?」と冴子は自分の馬以外に注目馬が居るのかと身を乗り出す。
「お客さん、今日はシャインドリームの走りに注目だよ」と嬉しそうに言う。
「何故?」
「私はね、競馬歴三十年だがね、二歳馬であの上がりの足を使える馬は見た事が無いよ」
「そんなに?」
「今日は人気だから、馬券の妙味は無いがね、一千四百メートルの短距離で先日の足が使えるかだね」
「叔父さん、詳しいですね」と冴子がもっと聞きたそうに言うと「あの馬の馬主が美人でね、知っている?経済番組のキャスターの藤堂冴子って人だよ」と自慢の様に言う。
「お嬢さんも美人だね、サングラスで判らないけれど、感じで判るよ」と笑うと、雅治の冴子を持つ手に力が入って微笑んでいた。
競馬場の近くで昼食を食べて、馬主席に一時過ぎに座った二人。
シャインドリームの人気は圧倒的な人気で一倍台の前半だ。
冴子の席に為末の息子が挨拶に来て、「万全の仕上がりですから、安心して見ていて下さい」
「お父様は?」
「北海道に行っています」
「忙しいわね」
「この時期は開催が別れますから」と笑って幸司はパドックに向かって行った。
今日の為に主戦騎手の瓜生誠も新潟に来ていた。
この馬に乗り代わりで他の人が乗るのを嫌った格好だ。
本当は北海道に明日走るオープン馬に乗るのだが、敢えて新潟に来たのだ。
レースは十頭の小頭数、次走の新潟二歳ステークスには頭数が揃うだろうが、この特別競走は少ない。
外回りは直線が長いが、このレースの直線は四百メートルと少しと短い、そこで先日の足が使えるかを試そうとしていた瓜生騎手なのだ。
ファンファーレが鳴り響く、一番大外十番枠に入る。
シャインドリームを見つめる冴子と雅治。
ゲートが開くと好スタートのシャインドリーム、瓜生騎手は馬なりで先頭に立つ、追い込む予定が狂うが、何もしないで手綱はがっちりと押さえている。
それでも先頭を走るシャインドリーム、栗色の鬣が風に靡く、四コーナー手前でも先頭のまま各馬に鞭が入る。
瓜生騎手が引っ張るのを辞める。
直線の入り口の四百のハロン棒を過ぎて、各馬が必死で追って鞭が撓る。
半馬身出た状態でそのまま二百のハロン棒でも同じ、最後まで同じ状態でゴールを駆け抜けた。
一度も抜かれる事無くシャインドリームはゴール版を駆け抜けた。
引き上げて来た瓜生騎手が首を傾げている。
上がり三ハロン三十四秒一と表示がされている。
冴子と雅治は嬉しそうに下に降りて行くと冴子を見て握手を求める瓜生騎手。
「首を傾げていらっしゃいましたが?何か?」
「今日は、スタートが良すぎてね、後からこの短い距離と直線でどの様な足が使えるのか見たかったのですが、乗っていただけで何もせずに終わったので不思議だったのです」
確かに瓜生は何もしていない、追い出しも鞭も使わないのに、馬が勝手に走って来ただけだったのだ。
向こうから、為末幸司が小出と歩いてきて「小出先生が、シャインドリームは、今日は相手に合わせて走っただけだとおっしゃっています」と笑いながら言う。
「根性も凄い馬ですよ、藤堂さん、お久しぶりです」と小出が冴子を見て会釈した。
意味の判らない冴子は微笑みながら小出にお辞儀をした。
「次走が楽しみですよ、この馬は大物に成りますよ」
「次走の後は放牧で年末から始動しますよ」冴子と雅治は口取りで微笑んでいた。
素人には着差半馬身に見えたが、専門家には、馬なりの勝利で将来の大物感が漂った。
その日雅治と冴子は予定通り、月岡温泉にお忍びで宿泊して、満足をして帰って行った。
三週間後も同じコースを二人で来る予定だが、次回は土曜日、日曜日ともG競走、玲奈も貢と見に来るだろう。
姉妹で温泉旅行?冴子は含み笑いを帰りの新幹線でしていた。
不思議と最近は公私共に充実感が出て来た冴子なのだ。
新潟二歳ステークスに早々とカワノスピードが参戦を決めていた。
信樹がシャインドリームにリベンジを仕掛けた格好だ。
信樹は最初のレースでゴール前の油断で負けたと思って居たから、次回は勝てると決め付けての出走を調教師に要請をしていた。
近藤調教師は乗り気で無かった。
カワノスピードは短距離の一千四百メートル迄なら、多少は勝負に成って走れるが一千六百メートルでは歯が立たない事は判っていた。
前田貢も自分のビオライデンを出走させたかったが、敢えて異なるレースに走らせる事にした。
玲奈から小出の話を聞いてとても現段階では勝てないと思った。
血統的にも奥手だったから、九月の中山の嫡鞍特別戦に出走を決めた。
冴子は夜の番組での行動も順調に回復して、特選銘柄も絶好調に成って来た。
小堺達も元の冴子に戻ったと安堵の顔に成っていた。
自分達も株で利益を得て居たから、冴子銘柄の完全復活だ。
加藤には冴子の完全復活は予想外だったのだ。
雅治との親密な交際が加藤の思惑を大きく狂わしていたのだ。
全くストレスが発生しない冴子、テレビで見ていても溌剌と行動をしている。
加藤の予想では、そろそろストレスが溜まって自分の誘いに冴子自身が来ると思って居たからだ。
何かが違う?看護師達に調べる様に指示をしていた。
自分と友田は表に出られないから、仕方が無かった。
玲奈は前田産業の御曹司貢と交際が進んで、週に何度もデートをしている。
冴子も雅治と親密交際だと、二人が調べてきて、加藤は原因が理解出来たのだ。
冴子が自分から此処に来る事が無いと知った加藤は次の作戦を考える。
信樹の願いだった玲奈誘拐を本気で実行に移そうと考え始めた。
加藤には信樹の願いは関知していないが、思惑が異なれば話しは変わる。
藤堂姉妹の行動を調べる為に、美咲に久しぶりに電話を掛けたのだ。
逐一報告すれば、来なくても良いが、嘘の報告をすれば、美咲の卑猥な映像が流れると脅していた。
この日から、加藤は二人の行動を把握出来たのだった。
不良馬場の激闘
15-39
八月の末の土曜日、藤堂姉妹は揃って新幹線で新潟に向かっていた。
勿論前田貢と馬籠雅治と一緒に、新幹線の中では競馬の話し一色で雅治だけが理解が少なかった。
でも以前の様に冴子が無視しないで、懇切丁寧に教えるから、雅治も自然と話しの環に溶け込んでいた。
カワノニシキの休養明け第一戦とシャインドリームの新潟二歳ステークス、二頭共に人気だ。
特にカワノニシキはダントツの一倍台、シャインドリームは着差が毎回半馬身程度で派手な感じが無いので、二倍台の一番人気に指示されていた。
この新幹線に加藤と三人の看護師も乗り込んで、機会が有れば誘拐を目論で居た。
だが加藤は決して無理をせずに、次回の為に四人の行動を調べる事に重きを置いていた。
貢は今日の新馬戦に自分のビオイナズマを出走させて、この馬も貢の期待の一頭だ。
その為、四人は十一時前に競馬場に到着していた。
貢の馬は二番人気で殆ど差が無い。
午後一番のレースに十五頭の出走、中団に位置して簡単に抜け出して、快勝をしてしまった。
「強いわね!」
「強い」
「意外だったな」と口々に言う。
玲奈は喜んで貢と一緒に口取りに向かう。
「貢さん二連勝ね!」と玲奈が嬉しそうに言うと「俺、馬運良いのかも知れない」と微笑んで写真に収まっていた。
暫くして、新潟ジャンプステークスにカワノニシキが登場した。
為末が久々だが仕上がって居るので、初コースの心配だけだ。
先日練習でコースを飛んだけれど問題は無かったと話した。
人気は一倍台と圧倒的人気、この様子を信樹は東京で苦々しい顔でテレビ観戦をしていた。
全くG競走に勝っていない信樹、この馬を手放して居なかったら、今頃はと考えると腹立たしい。
レースは予想通り、障害で徐々に差が開き始める。
スイスイと飛ぶカワノニシキ、初コースも休養明けも全く関係が無い、最後の直線で多少は差が詰まるが全く余裕の楽勝だ。
場内の歓声に答える騎手も何もしないで、乗っていただけだった。
「強いね」「飛越が上手いわ」馬主席の四人も呆れた、強さだった。
「みんなで口取りに行きましょう」と降りて行く四人、玲奈が一番元気に駆けて降りた。
四人は早めに温泉に行って祝杯をあげようと、早々に引き上げていった。
月岡温泉の最高級旅館の露天風呂付の部屋を二部屋、四人は食事処で楽しく飲んで食べて、夜を楽しんだ。
加藤達は旅館の前で「此処には泊まれない、見つかると捕まる」そう言って別の旅館に向かったのだった。
翌日、新潟は朝から雨、為末が電話で「今日は今後のシャインドリームを占えますね」と話す。
「何故ですか?」
「今日は馬場が重いから、追い込みのシャインドリームの足が先日の様に切れるかそれが問題です、カワノスピードが逃げるのは決まっていますから、これ以上雨が降らなければ良いのですが」
「下手なのですか?」
「爪の形を見れば、大丈夫だと思うのですが?追い込みタイプなので」
「勝つ時も負ける時も有りますよ」冴子は呑気に話すのだった。
大粒の雨は降り続いて、馬場は泥濘状態に成っていた。
この状態は流石の為末も予想していなかった。
内側の馬場は相当悪い、外柵側は芝生が生えそろって綺麗な状態で昔に比べれば、ダートのレースが多いので芝生は綺麗だ。、
それでも五レース以上芝生のレースを使って、重い馬場の上手な馬と下手な馬の差が歴然としている。
シャインドリームは最内枠の一番、瓜生騎手は内の悪い馬場を避けて走らせ様と考えていた。
二歳馬にこの馬場は酷で故障の原因にも成るからだった。
反対にカワノスピードは五枠八番の絶好枠、十五頭の全出走馬にチャンスが有る様な馬場に成っている。
二時頃から小振りの雨に変わって、三時過ぎには漸く雨が上がった。
昨日の夕方から降り続いた雨が緑の絨毯を輝かせて居るが、内柵寄りは泥で緑が黒く成って八頭分までの芝生が、レースが終わると色が変わる。
朝から、レースは高配当が続出している。
「上から見れば、綺麗な絨毯なのにね」
「内は田植えが出来るって、騎手が話しをしているわ」
「これは、どの馬が勝つか判りませんね、シャインドリームは一番枠だから、悪い場所を走らせられますね」
「先日のレースの様に逃げるのかしら?」
「カワノスピードが逃げますよ、じゃあ二番手?」
四人が勝手な想像をして話す間に発送時間が来た。
高らかに鳴り響くファンファーレ、夏の新潟の雨上がりの馬場に緊張の一瞬だ。
ゲートが開くと、素早く先頭に立つカワノスピード、反対にシャインドリームは好スタートから一気に騎手が押さえて遅れる。
スタンドから見ると、一旦最後尾に成ってから、馬群の外中団を走っている様に見える。
ターフビジョンに映し出された映像に場内が騒然と成った。
「お姉ちゃん、あれ見て」
それはシャインドリームが大きく馬群の外を走っている姿だった。
五~六頭分外の綺麗な芝生の所を走っていたのだ。
カワノスピードがスイスイと逃げる。
泥を跳ね上げて内柵を頼りに走っているがタイムは遅い不良馬場、、三コーナーから四コーナーもシャインドリームは外、外を走る。
各馬の騎手の手が動き出して直線に向かうが、一頭だけ大きく外の綺麗な芝生を走るシャインドリーム。
カワノスピードとは大差だで、瓜生騎手の手綱が動く、四百のハロン棒辺りで、漸く馬群に追いつくシャインドリームが、まるで一頭のウイニングランの様に外柵近くを駆けてくる。
二百のハロン棒を過ぎると、各馬の足が疲労と馬場で思う様に伸びない。
見る見る差が詰まって、カワノスピードの足も一杯に成っている。
ギリギリ粘れるかと思った処を大外のシャインドリームが抜け出して半馬身先着していた。
二頭だけが綺麗な姿で引き上げてきて、他の馬は騎手も馬も泥だらけで見分けが付かない状態。
結局三着とは三馬身の差が付いた。
「やった!」
「おお!」
「強いわ」
「素晴らしい」と四人が歓声をあげる。
離れた場所で信樹が悔しい顔で四人を睨み付けていた。
「逃げた馬は一千六百メートルで追い掛けた馬が一千九百は走っているな」冴子の後ろの席から声がした。
振り返るとあの小出さんだった。
慌ててお辞儀をする冴子に「本当に強い馬だ、重い馬場も走る様だ、今日は騎手が試したね」と笑う。
「何を?試したのですか?」
「強さを、だよ!」
「でも、いつも半馬身差ですね」と言って笑うと、「勝てば良いのですよ、競馬は」と今度は小出が大笑いをした。
「歴史に残る名馬の素質が有りますよ、本当に良い馬だ」と言うと立ち上がって、下に降りて行った。
冴子達四人は勝ち馬の口取りに向かう、首に優勝のレイを掛けて貰って、何処か勝ち誇った顔に見えるシャインドリームの鼻筋を撫でる冴子に、僕を拾ってくれてありがとうと言う様に長い鼻面を冴子の身体に押しつけて「ブル、ブル」と鼻を鳴らした。
「予想していたけれど、強い馬です、今後とも応援宜しくお願いします」と瓜生騎手がインタビューに答えていた。
誘拐成功
15-40
気分が悪いのが信樹で、もう少しで勝っていたと思い込んで厩舎の関係者に八つ当たりをする。
困惑の近藤調教師が「馬はこの馬場に足を取られて、へとへとですよ」
「今度は勝てるレースに出そう」と独り言の様に言う。
いつの間にか小出が後ろに居て「あの馬には、何度走ってもこの馬では勝てないよ」と慰めるように言った。
「そうか、そうか、俺には強い馬が居たのだ、忘れていたよ、ありがとうよ!」今度は嬉しそうに帰って行った。
九月の最初の中山新馬戦にカワノホマレが出走してきた。
圧倒的な一番人気で、一千八百メートル十二頭のレース、スタートから楽々と先頭に出ると、殆ど追う処が無くゴールをして、大物の片鱗を見せつけた。
「期待通りの強さだ」と大喜びの信樹、この日は未勝利のエクアも勝って上機嫌で帰って行った。
カワノスピードは新潟の不良馬場で体調を崩して放牧に出されたが、来週もカワノスター月末にはカワノメイプルが新馬戦に登場するので信樹は暫し玲奈と貢に対する恨みを忘れていた。
藤堂姉妹の最近は、土日は競馬場に行く機会が多かった。
お互いそれを理由に外泊で彼氏と楽しむのだ。
最終週にカワノリズムとカワノニシキ、その翌日に貢のビオライデンが芙蓉ステークスに出走する。
そのレースにカワノエクアも出走を予定していた。
玲奈と貢は土曜日から泊まりで日曜の芙蓉ステークスまで千葉に泊まる予定をしていた。
冴子は日曜日に久々の株式講演会が栃木県の宇都宮で有ったのだ。
勿論雅治と一緒に那須塩原温泉に宿泊に、翌日宇都宮で午後から講演会の予定だ。
冴子は雅治と殆ど土日は一緒の時が多い、あの事件以来、冴子の積極さに雅治が追随しているのだ。
美咲から情報を貰った加藤はチャンスが漸くやって来て、玲奈を捕らえられると、信樹に伝えていた。
唯、貢が居るので男を数人準備する様に頼んでいたのだ。
千葉県幕張の高級ホテルを予約している事も加藤に美咲から連絡が伝わっていた。
冴子の宿泊先も加藤は尋ねていた。
美咲に悟られない為に、常に二人の行動を連絡させていたのだ。
美咲も連絡を始めて一ヶ月以上経過しているが何事も無いので日課の様にメールをしていたのだ。
九月の末の金曜日に加藤と三人の看護師は信樹が用意した男達と玲奈が宿泊するホテルに宿泊して誘拐の準備をしていた。
予約の部屋は一部屋しかない、最高級の部屋だから、掃除の人に紛れ込んで、盗聴器をセットして準備は怠りない。
信樹も計画は知っているから、土曜日四人で競馬場に来ているのを見物に来ていた。
カワノリズムは二着、条件特別のカワノニシキは楽勝で今後は負担重量が重くなるので、中々レースを選んで走らせると為末が冴子に、次走は中山大障害の予定だと話した。
障害に転向してから圧勝の連続で、来年は海外遠征も視野に入ってきた為末だ。
冴子にはまだその話しはしていないが、夢が大きく広がる十一月の大障害なのだ。
カワノニシキのレースが終わると、二組は思い思いの処に行く為に別れた。
冴子は那須塩原に、貢と玲奈は早々とホテルに向かった。
幕張の高級ホテルの最高級の部屋を予約していたから、早めに入ってゆっくりと楽しみたいと思って居たのだ。
最高級の部屋は最上階で広い部屋で、お風呂、シャワールーム、居間、ベッドルーム、トイレ、クローゼット、朝食はルームサービス付で加藤はこの朝食の時を狙って居た。
夕食はホテル内でフランス料理を食べて、部屋には誰も呼ばないので、方法が無かった。
監視カメラの存在も重要で、顔を隠してカメラを避けての行動が続くのだ。
翌朝、朝食を持参する係を途中で男性が襲って、予め服を着て準備をしていた男性と鈴木の二人が部屋に向かった。
男性が部屋のチャイムを鳴らして、料理を運び入れて、鈴木が忍び込んで、大きなクローゼットに隠れた。
コーヒーには強い睡眠薬が混入されていた。
玲奈と貢は楽しそうに食事を始める。
二人共バスローブ姿、午後の二時に競馬場に到着すれば良いので、のんびりしていた。
クローゼットの鈴木は心臓の高鳴りの中、息を潜めて待って居た。
暫くして二人の声が聞こえなく成ったので、鈴木はゆっくりとクローゼットを開くと、二人は椅子に座って眠って居た。
携帯で連絡して、クリーニングボックスを二つ時間を置いて、部屋に運び入れる予定だ。
本当は玲奈だけで良かったのだが、信樹の願いで二人共誘拐するのだ。
信樹が何を考えて居るのか判らない加藤だが、一人置いて騒がれるより良いと思うのだ。
今夜もこの部屋は空きだと調べて居る加藤は、フロントに今夜も泊まりますのでと電話で延長を申し出ていた。
食事を運んでいた女性は既に車の中に閉じ込められて、三人の誘拐が成立した事に成った。
男性三人に抱えられて、袋に押し込まれて、クリーニングの車が待つ地下に移動して、楽々と誘拐が成功した。
食事を運んだ女性は手伝った三人の男に任せて、明日の昼以降に解放する事に成っていた。
中山競馬場ではカワノメイプルも新馬戦に負けて信樹の機嫌が悪かった。
芙蓉ステークスでも二着にビオライデンが入線したが、カワノエクアは着外で信樹は怒りの中で、競馬場を後にしていた。
加藤が二人を捕らえたと連絡すると急に機嫌が良く成って、「今夜はパーティだな」と叫んだ。
ビルの地下に二人が運び込まれて、富岡弁護士も信樹に言われて夕方来る事に成っている。
「この子はお尻も使えるから面白いわよ、でも社長次第ね」
「髪は?」
「社長が希望してもダメよ、逮捕されるわ、辱めるだけなら隠す可能性が高いわ」
「この男性は大きな会社の御曹司でしたよね」
「社長は、コレクションで玲奈の陰毛を必ず欲しがるわ」
「二人共、例の薬で、夢心地にしますか?」
「それが、良いわ、撮影もしておきましょう、後で使えるから」
四人は信樹の帰るまでに色々と準備を始めたのだった。
この日ビルの見える場所から観察をしている刑事が居たのを誰も知らないが、本間が監視していた。
本間美弥子は野平刑事に妻の美優がこの美容院が怪しいと言うのだよと聞いていた。
美優の事は有名で数々の事件の解決に貢献した事を知っている。
その為非番の日に単独で時には客としても時々来るのだ。
貢と玲奈
15-41
美奈子が監視していると、不審なクリーニングの車がBOXを持ち込んで出て来ない事に不審感を持っていた。
車がその場を去って尚更、不審に思う美弥子はビルに近づいて行った。
その時信樹が戻って来たのだ。
美容師の姿の時は見ていたが、今日はスーツ姿だったので、この人は?美容師ではない、誰だ?の疑問が生まれたのだ。
美弥子と目が会った信樹が避ける様にビルに入って行った。
入ってから、しまったあれは刑事?
後を追ってエレベーターに乗り込む美弥子、先に三階に到着した信樹に「尾行されていますね」と係が言った。
「何!」とモニターを見る信樹。
「此処で、暫く待たせて、時間を稼げ、他の同伴者が居ないか外も調べろ」
「はい」
奥の部屋に入ると、地下の加藤に「見張られていた様だ、女刑事が三階に来た」
「すみません、油断していました」
「俺も見られた、今別の刑事が居るか調べて居る、今の処時々客としても来て居る若い女の刑事だけだ」
「取り敢えず暫く待たせて、様子を見ましょう」
三階で降りた美弥子が受付で「此処は?」と尋ねると「BOOLDの倉庫ですが?どちら様?」
「先程、知り合いを見かけたので追い掛けて来たのですが?」
「先程の男性でしたら、荷物を探しに、倉庫に入って居ますが、直ぐに降りて来ると想いますが、お待ちに成られますか?」と男性の受付が言うので、美弥子は待ってみようと想った。
「少し前にクリーニングの荷物が届きませんでしたか?二つ、沢山入って居た様な?」と続けて質問した。
地下のモニターで見ていた加藤と信樹が「見られていたのね」
「やばいな」
その時決定的な事が起こった。
弁護士の富岡が嬉しそうにエレベーターでやって来たのだ。
富岡を美弥子は知っていたのだ。
受付で顔を合わせてしまった。
「あっ、弁護士の富岡先生」と美弥子一瞬声が出てしまった。
驚く富岡「君は誰だね!」と言われて、今度はしまったと云う顔に成る美弥子、信樹から美弥子を捕らえろ、の指示が出た。
身の危険を感じた美弥子は慌てて、エレベーターに駆け込もうとするのを、三人の男が襲いかかると投げ飛ばす美弥子、富岡が一緒に取り押さえに入る。
柔道を学生時代にしていて、全国大会まで行ったから、美弥子の首に腕を巻き付けると、締め上げて、暫くすると気を失う美弥子。
「この女何者だ?」
「警視庁の刑事です」
「何!」
驚く富岡に、信樹が地下から上がってきて「取り敢えず、他には刑事は居ない様だ、五階の檻に入れて、様子を見よう」
「大丈夫か?」
「仕方が無い、此処に玲奈を連れ込むのと、俺が見られてしまったから」
「中々、美人の刑事だな」と富岡が言うと「刑事で無かったら、この長い髪も俺が頂いていたよ」と笑う。
富岡と信樹が地下に降りて「今日は警戒をしているので、此処には来ないが、あの刑事を捜しに明日は来るかも知れない」と信樹が言うと加藤が「あの女刑事の単独行動かも知れないわね、普通刑事は二人一組だから」
「あの女刑事は解放出来ないな、顔も総て見られたし、私を知っていた」
「気が付いても何も出来ないわ、誰も来なければ私が刑事から女にしてあげるわ」と不気味な笑いだ。
「それは楽しみだ」と信樹が興味を示す。
地下の調教ルームに全員がマスクを着けて入る。
柱に全裸で縛り付けられている貢。
「おお、前田の御曹司の凄い!格好だな」
「バスローブだけでしたので」と笑う加藤。
玲奈を抱き抱えて、貢の目の前の診察台に乗せる三人。
「もうすぐ、気が付くけれど、この子には注射がして有るから、此処での出来事は何も覚えて居ませんよ」
「この男は?多少は覚えて居ますが、唯の雄ですよ」
加藤の不気味な笑い。
今日は富岡も信樹も元気で、冴子の時とは全く異なる体調、冴子はこの二人には与えないと決めている加藤なのだ。
三人がボブの綺麗な頭に冴子に被せた電気の器具を取り付けて、乳首にも同じくクリップで摘むと、腕を固定して、足も膝を金具に固定してベルトで留める。
白い肌に黒々とした陰毛が際だって見える。
興奮の信樹、「うぅー」と声を出し始めて、台が上昇して両足が大きく開かれた。
貢の目の前に玲奈の陰部が大きく見えて、貢も目覚め始める。
口にはゴムの猿轡「うぅー」気が付いて驚きの表情。
「気が付いたのね、よく見るのよ」と加藤が玲奈の陰毛をかき分けて、膣を開いて見せる。
「うぅ、あっ」と玲奈が口走る夢心地の玲奈だ。
それを見て反応を始める貢のペニス、それを友田が右手で掴む「うっ」と唸る貢。
信樹が笑いながら、シェイビングクリームを刷毛に付けて、玲奈の陰毛に塗り始めた。
「あっ、うぅ」と反応する玲奈、何度も塗り遊ぶ信樹、軈て剃刀で剃り始める。
「ジョリ、ジョリ」と音がする。
横に大きな紙を置いて、それに丁寧に剃り取った陰毛を並べていく「あっ、気持ち良いわ」と夢心地の玲奈が言う。
「見ているだけじゃあ、ダメよね」
友田が貢の前にシェイビングクリームのカップを持って来て「同じ様にしてあげるわね」と陰毛に塗り始める。
鈴木が「これじゃまね」と貢のペニスを横に動かす。
硬いペニスは鈴木が持って居なければ危険な状態、剃刀を飛ばしてしまいそう。
「ジョリ、ジョリ」
「ジョリ、ジョリ」と両方で剃る音がステレオで聞こえる。
「動いたら玉、玉切れちゃうよ」と笑いながら剃る友田。
玲奈の頭と乳首に電流が流されて「ああー、ああー」と大きな声が出だす。
信樹が微妙な部分を剃るのと同時に加藤がしたのだ。
その声の刺激とペニスを触られる快感で貢は爆発寸前「待ちなさいよ、私が使ってあげるから」
「お尻にも生えているわ」
「此処だけで終わりね」
友田は直ぐにスカートを脱ぎ始める。
貢の前に台を置いて準備する鈴木、貢のペニスに高さを合わせて、友田がペニスを持って自分の陰部に挿入させる。
「うぅー良いわ」と腰を動かすと、久々の男の味を感じる友田。
「爆発しそうね」加藤が言うのと貢の発射が同じだった。
「良かったわ、僕頑張ったわね」項垂れる貢、満足そうな友田。
鈴木が貢に注射をして、意識が朦朧と成って行った。
鈴木と亀井が貢の縄を解いて、自分達も服を脱いで楽しもうとしていたのだ。
玲奈の綺麗に剃られた陰部に電気のバイブが挿入されて「ああー、だめーいくー」と大声で悶える仰け反る玲奈、楽しそうに虐める加藤、ぐったりとした玲奈。
「社長、玲奈としますか?」
「いいよ、富岡先生して!」
紙に並べた陰毛を大事に眺める信樹は既に終わって居たのだ。
シリコンを挿入した巨大なペニスが玲奈の膣に挿入されたのは、暫くしてからだった。
ぐったりと眠って居た玲奈が「おお!痛い」と目を覚ました。
再び電流を入れて刺激する加藤「ああー、だめーだめー、壊れる」ゆっくりと腰を動かす富岡、「だめーーーー」と失神する玲奈。
近くで弄ばれる貢も三人の看護師の餌食状態、意識が朦朧としている。
勃起薬を飲まされて居るので、中々二度目が終わらないので、三人には良いおもちゃ状態の貢。
散々遊ばれて貢も二度目のフイニッシュで、グロッキー状態の成った。
玲奈と貢は麻酔薬を注射されて、バスローブを着せられて、深夜に元のホテルの部屋に戻された。
捕らえて居た女子従業員も解放して、朝に成る前に元の状態に成って居た。
囚われの女刑事
15-42
翌朝、部屋で気が付いた貢は、昨夜の事を半分覚えていた。
バスローブの前を開いて見ると陰毛が無い、同じく眠る玲奈のバスローブを開くと同じく陰毛が無い。
その時部屋の電話が鳴って加藤が「玲奈さんは、何も知らないから、貴方次第だわ」
「お前は、誰だ、こんな卑劣な事をして」
「貴方も楽しんだでしょう、映像を公開して欲しいの?」
「卑怯な!」
「彼女の陰毛を欲しがる男が居たのよ、何もしてないから、可愛がってあげなさい、幸せにね」と言うと切れた。
貢は玲奈が何も知らない?何もされていない?陰毛が欲しい男が居た?と頭の中がクルクルと回る。
貢は玲奈をベッドで裸にして、自分も裸に成って、風呂場の剃刀を使った様にして、玲奈の目覚めるのを待った。
暫くして目覚める玲奈「良く、寝たわ」と大きく欠伸をする。
少し陰部が痛いと手をやると、陰毛が無いのに気づく「何!何!」と大きな声を出す。
寝た振りの貢が「どうしたの?」
「貢さんなの?」
「何が?」
「これ」と見せる玲奈「うん」と頷く貢に「何故?知らない間に」
「よく寝ていたので、悪戯だよ」そう言うと自分の股間を見せると「ハハハ、何これ!自分も剃ったの?可笑しいわ、変態に成ったの?」と笑い転げる。
貢は玲奈が何も覚えて居ない事に安堵するが、誰だろう?こんな悪戯をする人間は?の疑念が頭を駆け巡っていた。
「貢さん、お尻は一杯残って居るわよ」
「自分では無理だよ、届かないから」それを聞いてまた大笑いの玲奈だった。
玲奈は何故今まで眠って居たかの疑問を、貢が睡眠薬を飲ませたと考えていた。
変態プレーをしたかったが恥ずかしくて言い出せないから、そして最後は自分の陰毛も剃って自分に合わせたのだと解釈していた。
「私も、プレーに付き合うから、これからは恥ずかしがらなくても良いのよ」と言いながらキスをする玲奈に一安心の貢だった。
自分の痴態も有るので何も言えない。
翌日警視庁で、行方不明の本間美弥子の事が話題に出たのは夕方に成ってからだった。
病気で休みだと思っていたからだ。
単身で寮に住んでいる美弥子だから、家族の問い合わせは無い、携帯は繋がらない、明日には来るだろうと呑気な感じだ。
事件が発生して、全員が忙しくしていたから、都内で放火殺人事件が起こって、捜査に全員が出動していたのだ。
その事件を五階の部屋に居てテレビで見ていた美弥子、以前冴子が捕らえられていた部屋、トイレも風呂も有るが、外部との連絡は皆無だ。
食事を運んで来る鈴木「これでも食べて、元気をだしなさいよ」
「貴方達、私を捕らえて無事で済むと想っているの?」
「思ってないわ、前科が有るからね」
「今なら、助けてあげるわ、貴女も悪い事に手を貸したらダメよ」
「もう、助からないわ、悪事をしてきたからね」そう言うと笑って食事を置いて部屋を後にした。
加藤は警察の様子を見ていた。
捕まえた刑事を捜しに来る気配が無い事を確認したら何時でも料理が出来る様に、食事に早速薬を混入させていた。
冴子に与えた薬の強力版を飲まされて三度目の食事だった。
美弥子は警察の人間だから、手出しをこれ以上しないのだ。
明日位には解放するのだろう、と考えていた。
倉庫の裏に隠れた部屋が有るのに驚いたが、でも此処でキャサリンも冴子も捕らえられていたに違い無い。
此処を出れば全面的に捜索すれば、誘拐の証拠も総て出るからと考える美弥子。
その日の夜からテレビはポルノの映像に変わるので「何よ、これは?」と口走る。
チャンネルが変更出来ない、無理矢理見せられる画像。
夕食後に流れたのを見て「これは!藤堂冴子さんだ」
冴子が地下で自分から全裸に成る映像が流れて、食い入る様に見る美弥子。
藤堂冴子の剃髪、剃毛の動画を見終わって溜息が出る美弥子、直ぐに画面が変わって、キャサリンの画像に変わる。
金髪を刈り取られたキャサリンの無残な姿のSEXの画面に釘付けの美弥子に、薬の効果が出ていた。
「今夜は、オナニーをするだろう」と加藤が笑う。
女刑事美弥子
15-43
貢は玲奈が何も知らないので、内緒にするが、映像を撮影されている事に不安を抱いて、内密に調べ様と考えていた。
父が昔から親交が有る暴力団の親分清水大治に頼むのが一番だと思っていた。
この様な闇の捜査、秘密を守って貰えるのはそれしかないと、次の日に埼玉の清水の自宅を訪れたのだ。
大治は快く貢に会って、貢が内密のお願いが有ると頼んでいたから、二人だけの話に成った。
事件の子細を話したら驚く大治だった。
何年か前にも姉妹を助けたと内容は話さなかったが、彼女達とは面識が有る事を告げた。
貢はそれなら、話しは早いと自分達の映像を取り戻す事、警察に逮捕される前にその証拠を処分して欲しいと頼み込んだ。
清水大治はこの様な犯罪が一番嫌いだから、警察と協力して、貢の頼みを聞いてやろうと思ったのだ。
大治はこの事件は美優に話すのが一番だと直ぐさま決断していた。
彼女の能力を高く評価していたから、夜遅く美優に大治が明日何処かで会えないだろうか?と電話を掛けたのだ。
「一平ちゃん、清水会長が電話をしてきたわ」
「えー!何の用事?」
「相談が有るそうよ、私に」
「美優は会長のお気に入りだからな」
「何かの事件?娘さんの事?」
「案外、貴方の事件に関係有るかも?」
「キャサリン、藤堂事件?」
「そうよ、何年か前にも会長に助けて貰ったよね」
「本当に助かるよ、警察と暴力団のコラボって考えられない組み合わせだよ」と笑う一平。
清水会長は早朝から、娘の珠恵を連れて自宅にやって来た。
近所の手前、気遣った感じで、久々に会うと美優に感激して大治は美優をいきなり抱き抱えて、喜んで側に居た美加にお土産の人形とお菓子を手渡した。
大喜びの美加は直ぐさま自分の世界に入ってしまって人形と遊び出す。
清水会長は事件の詳細と自分が頼まれた事を話した。
「会長、それは今一平が担当している事件と同じですよ」と言ったので清水が驚いて「映像は破棄か俺に渡して欲しい、前田の親父とは親友でな、息子は俺の子供の様なものだから、助けてやりたい」と頼んだ。
「私の個人的な想像だけれど、犯人は加藤女医と闇サイトの(ヘアー&ヘアー)の誰かだと思います」
「庄司が知っているのか?」
「まだ、特定はされていませんが、今調べてくれていると思います」
清水は急いで電話をして、庄司に連絡をさせる様にした。
美優はキャサリンと藤堂冴子の事件も清水に話して協力を得ようとした。
「変態の仕業か、有名人だから内密の捜査をしているのだな」
美優は敢えて、美容院(シャイン)の話しは会長には言わなかった。
教えると乗り込む危険が有ったからだ。
もしも、あの美容院に加藤達が潜んで居たら、上手に捕られれば、一網打尽に成るからだった。
下手に乗り込むと又逃走してしまう危険もある。
その地下では、美弥子が餌食にされようとしていた。
信樹にはこの女刑事の髪は保存の対象には成らない。
有名人の陰毛とか髪は大切なのだが、美人のロングの髪は切る剃る楽しみだけなのだ。
五階の部屋には食事に混入された薬で興奮気味に成って居る美弥子が身体の自由が無くなっていた。
「さあ、車椅子に乗せよう」鍵を開けて部屋に入る。
「な、何を..飲ませた!」と言う美弥子。
「身体が少し痺れているだけよ、直ぐに治るわ」
「そうよ、暴れると私達では運べないから」
三人で身体を抱えて、車椅子に乗せるとエレベーターの中に入った。
「ど、どうする気!」と恐い眼差しで睨み付ける。
「刑事から女にして貰うのよ」
「。。。。。」
地下では、富岡と信樹が待ち構えて居る。
もうこの刑事は解放出来ないと三人は決めていた。
車椅子に乗せられた美弥子の両手はマジックテープで固定されて、地下室に連れて来られた。
「あ、貴方は。。。」信樹を見て叫ぶ。
「まだ、喋れないのね、身体が痺れているのね」
加藤が三人に車椅子から降ろして、中央のパイプに両手両足を括り付ける様に指示をした。
立ち上がれない美弥子を三人が抱えて手架せ、足枷を填めて括り付けた。
「もうすぐ、痺れが収まるけれど、もう動けないわね」
万歳よりも大きく開いて手は上に、足も開いて動けない状態、束ねた髪留めを信樹が外すと長い髪が背中に流れる。
嬉しそうな顔の信樹、三人の看護師が電マを手に持って後ろに居る。
美弥子からは見えないが側にはハサミが用意されている。
スラックス姿の美弥子、上半身はブラウスのみ、危険を感じる美弥子。
「な、何をするの?もうすぐ、警察が来るわ」
「来ないわよ、貴女は単独でこのビル?美容院を監視していたのよね、私達はそれに気が付かなかったのよ」
「。。。。。」
「だから、貴女には此処で住んで貰うか?消えて貰うかに成るわね」
「あ、悪党」
「それまでに気分を良くしてあげるよ、もう痺れは取れてきただろう」
「警視庁が恐くないの?」
「恐いわ、だから帰せない」と不気味に笑う加藤。
加藤は既に身の危険を感じていたが、今何処に逃げるのが得策なのか?それを決めかねていた。
三人の仲間と一緒に生活出来る場所はここ以外には中々思いつかないのだった。
剃毛から浣腸へ
15-44
清水の部下の庄司が闇サイト(ヘアー&ヘアー)を探っている事が主催者に露見したのは、丁度その頃だ。
このサイトを運営していたのは外人グループ、中国系の連中が中国人の女性の髪の毛を売るのが目的で立ちあげたサイトで、勿論暴力団絡みだった。
しばらくして庄司進二の行方が判らなく成った。
清水会長から頼まれて力が入った庄司は、闇サイトの中に入り過ぎたのだ。
美弥子の痺れが収まったのを確認すると三人の看護師が一斉に電マで美弥子の尻、胸、背中を責め始めた。
「何をするの?止めて!」
「直ぐに気持ち良く成るわ」
加藤が注射器を持って、首筋に注射針が突き刺さる。
「痛い」
効果が表れるのを待って、電マは陰部に当てられる。
「いやー、止めて」「止めてー」大声をあげる。
暫くして「あっ、あっ」と声が変わって来る美弥子に成った。
「そろそろ、直に当てて欲しいだろう」
富岡がその声に合わせて、ハサミでブラウスを切り始める。
「いやー、止めろ!富岡、変態野郎」
構わず、ボロ切れの様に切り裂かれたブラウス。
「変態弁護士!」
友田がスラックスのベルトを抜き取る。
今度は信樹がスラックスの裾からハサミで切り上げると、右足、左足が膝の上まで切り裂かれる。
「変態野郎!警察が恐くないのか!」と叫く美弥子。
スラックスのホックを外す友田、そこにハサミの先を入れると、切り始める信樹。
「や、やめてー、許して、お願い」
容赦がないハサミの動きはスラックスをズタズタに切り裂いて、ボロ切れの様に足元に散った。
ブラウスも無くなって、ブラジャーとパンティのみに成った美弥子、もう強気が消えて「お願いします、助けて下さい」と懇願を始めた。
そのパンティの上から電マが陰部に当てられる。
「いやー、ああー、だめーーー」大声をあげて、床に小便が流れ出た。
「この刑事さん小便流しちゃったね」と言われて項垂れる美弥子。
「汚い、パンティは脱ごう、脱ごう」
泣き出した美弥子だら、容赦なくハサミがパンティを切り裂いて下に落ちた、
直ぐにブラジャーも切られて落ちる。
若々しい張りの有る乳房、濃い目の陰毛が濡れて光っている。
項垂れる美弥子に、再び電マが陰部と乳房に当てられて「ああー、いやー、許して」と言うが暫くすると「あっ、あっ」と声が変わりだした。
「気持ち良く成って来たみたいね」
「薬も効いてきた様です」
電マで責め続けられて項垂れた美弥子、長い髪が汗で、背中と肩に貼り付く。
「もう許して」と項垂れた顔を上げて言う。
目の前で鈴木がシェイビングクリームのカップを持って居る。
信樹が剃刀を手に持って、美弥子の前にしゃがむ、それを見た美弥子が「やめてー、いやーいやよ!」と怯える。
「綺麗にしてあげるのだよ」と不気味な笑みを浮かべて信樹が言う、毛フェチの真骨頂だ。
鈴木にカップを貰うと、刷毛にクリームを付けて、美弥子の陰毛につける。
「お願いします、やめてー」と騒ぐ美弥子陰部が白く染まった。
「動くと大事な処に傷が付くよ」嬉しそうに剃り始める。
しばらくして「ジョリ、ジョリ」と音がする。
「いやー、いやー」と大きな声だが、全く無視富岡が撮影をしている。
股の下に顔を入れて、剃る信樹の目が完全に狂った目に成って居る。
「ジョリ、ジョリ」と剃りあげて行く。
暫く膣の廻りを触れられ、伸ばされ、引っ張られて、剃刀の刃が這って、美弥子も感じていたのか、途中から騒がなく成った。
剃り終わると、鏡を鈴木が持って来て、美弥子の股間に見える様にした。
「ほら、綺麗に成っただろう」
「いゃー」と顔を背ける美弥子、その頭を持って「よく見ておけ、これから此処が喜ぶ物を咥えさせてやるから」と加藤が言うと怯える美弥子。
「もう、許して」
「まだ、始まりだ」と信樹が言う。
加藤と友田が背後に行って美弥子の尻を持って左右に肉を引っ張る。
「何!するの?変な事しないで」
友田が尻の肉を広げて加藤が手術用の手袋の先にクリームを付けて、中指を肛門に挿入した。
「ぎゃー、痛い、やめてーー」と叫ぶ美弥子。
今度は信樹が二つの乳房を鷲掴みに揉み上げる。
「たすけてーー」
鈴木が騒ぐ美弥子の口に布をねじ込む「うぅ」亀井がゴムの猿轡を続けて装着する。
「うぅ」恐怖の顔に成る美弥子。
浣腸器を用意する鈴木加藤が指を抜いて、浣腸器の先を美弥子の肛門に突き刺す。
痛みで身体が大きく揺れるが、後ろが見えない美弥子、一本目が終わると続けて二本目が注入される。
身体から汗が吹き出して、苦痛の顔に変わるのに時間は掛からない。
「苦しいか?」
「うぅ」と頷く美弥子。
「トイレに行きたいか?」
「うぅ」と大きく頷く美弥子の顔は汗に塗れている。
「大人しく調教を受けるか?」
「うぅ」首を振る。
「じゃあ、ゆっくり考えなさい」
加藤がみんなに地下から出る様に言うと、電気が消されて、誰も居なくなった。
動かない身体をくねらせながら痛みに堪える美弥子。
その様子を隣の部屋で見る加藤達、「大人しく成るまでもう少しですね」
「女刑事この後どうする?」
「たっぷり、可愛がってSEX奴隷に仕立て上げますよ、冴子のモデルとしてね」
「成る程、冴子が戻らないから、実験ですか?」
「そうよ、予定が狂ったわ、直ぐに恋しく成って戻って来ると思っていたのに段取りが狂ったわ」
「先生そろそろ、限界ですね」とモニターを見て言う友田。
電気を点けて戻る五人
「どう?云う事を聞くか?」と尋ねる加藤。
もう限界の美弥子汗まみれの身体の美弥子は「...」無言で頷く。
「長い髪も無くなるかも知れないがいいのか?」と信樹が言う。
「。。。」首を振り直ぐに頷きに変わる。
「そうか、おい、外してトイレに連れて行ってやれ」
手架せ、足枷を外していると、携帯トイレを持参する鈴木。
「はい、これに、どうぞ」と笑いながら置く。
「うぅ」と首を振る美弥子。
「いらないの?」と片づけようとする。
「うぅ」と項垂れて携帯便器に腰を落とすと「ドバー、シャー」と勢いよく排泄をする美弥子。
「おおー臭い」部屋に異臭が漂う。
泣きながら立ち上がる美弥子。
「恥ずかしがる事はない、仕方が無かったね」と加藤が言う両手を引っ張られて美弥子が便器を離れると、鈴木が蓋をしてかたづける。
美弥子は友田と亀井に連れられて台の上に上がるように言われる。
俯せにさせられて、両手を固定されて、腰に皮のベルトが巻き付けられる。
足枷に縄が結ばれて、腰のベルトにチェーンが繋がれ、四つん這い状態にさせられる。
トイレのショックで放心状態の美弥子が我に返った時既に完全に身体は動けない状態に成っている。
尻を後ろに突き出して、頭が下に両手は前で固定されて、惨めな姿を曝している。
後ろから見れば、肛門、膣が丸見え状態、鈴木が濡れたタオルで美弥子の尻から陰部を綺麗に拭き取る。
「さあ、綺麗に成ったわ、みんな見てあげて」
「おお、良く見えるな、肛門も、膣も丸見えだ」と信樹が嬉しそうに言う。
加藤が肛門に再びクリームを付けて指を挿入する。
「うぅ」ゆっくり動かして「良く成ったわ」
亀井がアナルパールを手渡して、指を抜いてパールを順に挿入していく「うぅ」と声が出る。
「何処まで、入るかな?」
暫くして「始めてだから、この辺りかな?」
そう言うとスイッチを入れて、振動が肛門の中に伝わる。
「うぅー」と声をあげる美弥子、横から下に手を入れて乳房を揉む富岡。
動けない美弥子が感じてくると、今度はバイブを膣に挿入する加藤。
美優の推理
15-45
美弥子の行方不明が同僚の本宮と内藤が確信したのは、丁度美弥子に信樹がペニスを挿入していた時だった。
アナルにパールバイブを入れられて、膣にはバイブで散々いたぶられて、信樹が我慢出来なく成ってバックから挿入、今発射して終わって居た。
もう、富岡も巨大なペニスに特大のゴムを装着して待って居る。
加藤がパールバイブを抜き取って、巨大な富岡の物を咥えて傷つくのを危惧したのだ。
信樹が台から降りると変わって富岡が台に上がって、緩んだ美弥子の膣に挿入している。
太くて長い、異物の入ったペニスが挿入されると「あーあー」と仰け反る美弥子。
富岡は深く入れないでゆっくりと動かす、美弥子が慣れてきて感じ始めて富岡も心得ている。
少しずつ中に入れると徐々に感じ方が変わる美弥子。
猿轡の中で声が消えているが「ああー」と聞こえる。
もう何も考えて居ない雌に成りきっている。
富岡がぐいっと腰に力を入れると、仰け反って白目に成って気絶してしまった。
美弥子はそのまま、眠らされ猿轡を外されて、薄いタオル地のバスローブを着せられて、五階の部屋に放り込まれた。
カワノホマレの次走はいちょうステークスに決まったと、近藤調教師が信樹に電話をしてきた。
信樹はその日は何を置いても観戦に行くと張り切る。
信樹の思いはほぼ達成された。
後はG1競走の栄冠を手にする事、藤堂姉妹の髪も陰毛も手に入れた。
最後は冴子の坊主姿とSEXをして、結婚する夢が残るだけだ。
そのG1競走もカワノホマレが信樹にプレゼントしてくれる予感がしていた。
いちょうステークスにはビオライデンも出走を予定していた。
清水組長と美優が頼りにしていた、清水の部下庄司の死体が静岡県警の管内で発見されたのは翌日だった。
富士山に近い林で山梨県との県境、佐山と一平は殺人事件に成った事で一連の捜査が秘密から公に変わった。
藤堂姉妹の事件との関連を、大がかりに捜査出来る様に成った。
表向きは暴力団員の殺害だったが裏で別の捜査を進めていた。
警視庁から本間美弥子の失踪の連絡もその日の夕方、佐山達の捜査本部に届いた。
捜査会議で佐山が一連の事件を整理して発表した。
藤堂姉妹の惨劇は伏せて、キャサリンと冴子の誘拐事件として発表した。
藤堂冴子の誘拐に丸田雄三と云う髪フェチの男がかかわっているのは指紋で判明しているが、現在何処に居るのかは不明だ。、
以前の事件から逃亡をしている女医の加藤と看護師の友田、この二人が事件に関与の可能性有りと言ったが、鈴木と亀井は現在看護師とは全く異なる美容院の下働きをしていると、加藤との接点が見えないと発表した。
暴力団員の庄司は最近闇サイトの捜索をしていた事も発表された。
(ヘアー&ヘアー)のサイトと東京の美容院との関係は?と一人の刑事が発言した。
伊藤が「調べましたが、普通の美容院で、野平さんの奥様と、家の嫁が客として行って、私もビルを調べましたが、一階が店、二階が住居三階から上が株式会社BOOLDの倉庫でした」
「ビルの持ち主は?」
「この会社の社長の持ち物です」
「会社は健全な所なのか?」
「株式を上場しています、社長は相当なやり手との噂です」
捜査会議は遅くまで続いた。
深夜に清水が県警に庄司の遺体と対面に来た。
司法解剖を待って居たのだ。
清水は庄司の遺体を見て、プロの犯行だな、若しかしたら外国の暴力団に殺されたかも知れないと泣きながら言った。
人情親分の真骨頂で、付いて来た子分達は、全員が会長の涙にもらい泣きをした。
素晴らしい部下の掌握術だと佐山は感服した。
一平と佐山に会長が「子分の仇を討つと、大問題に成る可能性が有るから、自重する他ないだろう」とこっそりと話した。
中国マフィアとの全面戦争に成ると収集がつかないと会長は説明した。
だがこの闇サイトの人間が藤堂姉妹を狙った事は間違いが無いと話した。
警察に全面的に協力して事件を解決したいと語った。
清水会長もこの中国マフィアには手を焼いていた。
美弥子は富岡達にレイプされた翌日は、流石に何事も無く部屋に監禁されて薬を飲まされて居た。
SEX奴隷の為に刑事としての使命が消え去ろうとしていた。
警察の死体発見と同時に闇サイト(ヘアー&ヘアー)の中で警察が捜査を始めたので、注意をする様に、の文章が流れていた。
冴子は講演会から戻ると通常の番組に戻って、玲奈も何事も無かった様に自宅での生活。
唯、貢は少し変態プレーが好きだったと判って、自分も多少は好きなのだと自覚をしていた。
今後はわざわざ眠らされて変態プレーをしなくても、いいよ!
今度は自分も感じてみたいと笑ったのには、貢は答えに困ったのだ。
貢は撮影された映像を早く取り戻したい、世間に出ると今後の自分の立場も有る。
玲奈との結婚にも影響が出るから必死だった。
自分をよく知っている人間の犯行に間違い無いから、貢は千葉から戻った翌日から、会う人会う人を注意深く見る様に成っていた。
必ず知り合いが犯人だから、将来自分を脅迫してくると信じ切っていた。
世の中に(ヘアー&ヘアー)の様な変態フェチの集団が存在する事は頭に無かったのだ。
為末が冴子にカワノリズムが故障でレースに当分使えないから繁殖にあげるのが良いのでは?と相談をしてきた。
元々良血で繁殖に良いと聞いていたので即座に承諾をした。
カワノニシキは元気が良すぎて、来月の東京のハイジャンプから中山大障害に変更。
シャインドリームは年末のホープフルステークスから、来年は弥生賞から皐月賞のローテーションに決まったと報告が有った。
近い時期に牧場に同行して欲しいとの依頼も有った。
町田牧場が完成間近だから、サンシャイン牧場の落成式を行いたいとの要望だ。
一平の帰宅は夜明け前だった。
帰ると美優に庄司が亡くなったが、大きな組織に殺されたらしい。
闇サイト(ヘアー&ヘアー)の複雑な構造と警視庁の本間美弥子の失踪の事を話すと「やはり、あの美容院が怪しいわね」と即答で帰って来た。
「何故?」
「忘れたの?あの刑事さんに私達があの美容院が怪しいと考えていると話したでしょう」
「それは、美優が自分はあの美容院が犯人のアジトじゃあないかと思うと彼女に話したよ」
「だから、彼女は非番の時に見張って居たのでは?」
「えー」と驚く一平。
「それで、見てはいけない物を見てしまった、そして捕らえられてしまった」
「本当かな?それじゃあ、殺される?殺されてしまった」
「もし一連の犯人が(ヘアー&ヘアー)の人間なら殺さないわ」
「何故?」
「美弥子さん美人で若い、そして一番大事な事は髪が長い」
「それなら?どうなる?」
「多分冴子さんの様に成るわ」
「狂う?坊主で?」
もう夜明けが近い一平の部屋、美優の不安が増大した。
美優再び東京へ
15-46
翌朝、「一平ちゃん、もう一度美容院に探りを入れに行っても良いかな?」
「危険だろう、昨夜の話が本当なら?」
「でも今の状態なら、美弥子さん狂ってしまうわよ」
「でも美優一人は危険だよ」
「じゃあ、また久美さん誘うかな?」
「えー、また久美さんを危険にさらすの?」
美優は完全にあの美容院が犯人のアジトと決め付けていた。
美弥子は五階の部屋で意識が朦朧と成る中で生活をしていた。
毎日飲まされる薬の影響で思考力が消えていた。
一日休まされた美弥子を調教しようと友田が部屋に行くと、生理が始まっていたのだ。
急遽薬の投与を続けるだけで少し時間を空ける事に成った。
信樹が坊主頭の美弥子とSEXをしようと来たが断念した。
いちょうステークスでカワノホマレが勝てば祝杯代わりに抱くと笑って帰って行った。
加藤は、呑気な信樹とは違い、毎日店の客に神経を尖らせていた。
それはもう警視庁も本間美弥子の行方を必死で探しているからで、呑気な信樹とは異なった。
その信樹はもうカワノホマレ以外の馬に興味が無くなっていた。
近藤調教師に好きなように走らせて、勝てなかったら、地方でも馬肉でも構わないと発言するのだ。
流石の近藤も信樹の態度に呆れかえる。
これで負けたらまた怒り狂うのだろう、そう思うと付き合いきれない馬主だ。
信樹は自分で勝手にカワノホマレのローテーションを描いている。
まず初めてのG競走に勝ちたい信樹は京王杯二歳ステークスか東スポ杯二歳を使って念願のG1競走、朝日杯フューチュリテイステークス制覇をと決めて近藤に伝えた。
朝日杯まで東スポから日にちが近いと近藤は思ったが、逆らうと又何を言い出すか判らないから、生返事で終わる。
いちょうステークスを勝った様な気分の信樹だ。
このレースにはビオライデン以外に新馬戦圧勝のべザピラードと云う馬も出走を予定していた。
為末が二歳戦は高みの見物を決め込んで、来年を考えた調整、シャインドリームで牡馬クラシック制覇の計画を着々と立てていた。
冴子に「来年の事を云うと鬼が笑いますが、凱旋門賞の登録をしておこうと思っています」
「フランスですか?観光?外国の馬を買い付けに?」と意味不明の言葉が返ってくる。
「違いますよ、日本のホースマン憧れのレースです、ダービーを勝てたら、是非出したいのですよ」
「へー、そんなに大きなレースなのですね」
「シャインドリームは二流の血統ですが、もし凱旋門賞に勝てば、種牡馬としての道が開けるので期待です」
「大きい夢ですね、先生にお任せします」
「サンシャイン牧場は十月の十一から十二日にお願いで来ませんか?」
「連休ですね、大丈夫ですわ」
冴子は電話が終わると早速雅治に電話で北海道に一緒に行かないかと尋ねた。
雅治も冴子の牧場の式典に出席する事は廻りに二人の結婚を報告する様で一歩近づいた気持ちに成って、即行くと返事をしていた。
美優は久美と話しをしてもう一度、美容院(シャイン)を探りに行こうと決めていた。
女刑事が美容院の捜索で捕らえられて、風前の灯火だと、決めていたのだ。
だが何処にも証拠は無い、家宅捜査も出来ない。
一平には管轄外の東京、美優の気持ちは判ってもどうする事も出来ないのが現実だ。
一平は警視庁の内藤刑事と本宮刑事に美容院の捜査は出来ないかと問い合わせをしたが、全く怪しい感じが以前の時も無かったから、家宅捜査も捜査そのものも出来ないと言われて美優の希望は叶えられなかった。
夜、美優に状況を話すと、一度冴子さんに状況を聞きに行きたいと言い出す美優、警察が動けないから、清水会長の手を借りると美優はもう東京に行く段取りをしていた。
実家から母と祖母を呼んで孫の美加の面倒を見る準備までしていた。
久美も実家に戻る事で容易に美優と行動を共に出来る。
美優は今までの経緯から、髪の長い美人を狙って居る事を想定していた。
多分美優自身は敵に知られている様な気がしていたのだ。
勿論久美も同じかも知れないので、電話で清水会長にその事を話して、何人か用意して貰う事にしていた。
清水会長は何も教えずに三人の美人を用意してくれる事に成った。
身構えられると駄目なので、モデルの仕事の依頼、ヘアーモデルとか雑誌の取材で口コミサイトの検証の為とか、美優は適当に名刺を制作して東京に乗り込む予定を立てていた。
数日後、美優と久美と赤ん坊の真結を連れて、雑誌の編集記者の様な服装で向かった。
久美が実家に向かうと、美優は予め連絡をしていた冴子の自宅に向かった。
久々に会った冴子は前より明るく感じが良くなって、玲奈も自宅に居て出迎えてくれて「今日はどの様なお話ですか?」
「電話でも話をしていました、警視庁の女性刑事、本間さんが行方不明で私は独自で探す事にしたのです」
「お一人で?久美さんと二人です」
美優は美容院(シャイン)に不審感を持って居ると話して、警視庁は証拠が無いので捜査が出来ないので二人で清水会長の助けを借りて捜査をすると説明をした。
今まで被害に遭った時の状況を聞いて、美容院との接点が無いのかを確かめに来たと話した。
玲奈は一度髪を切りに行ったが、その時気持ちの悪い男性が居たと話して、冴子は一度も美容院には行ってないと言った。
「でも、交通量の多い場所に車椅子で連れて行かれたと思います」と薬でぼんやりとしていたが、覚えて居た。
「それから、エレベーターに乗せられて降りました、その後は多分何階か上の部屋で過ごしたと思います」と答えた。
美優は冴子の証言から、頭の中に絵を描いてみた、
地下、冴子が髪を剃られた場所、四階以上上の階に閉じ込められていた。
玲奈の事件も清水に聞いて知っていたが、大変聞き難い貢が誤魔化していると聞いていたから、昔の話しをして何か聞き出せればと、闇サイト(ヘアー&ヘアー)の話しをしてみた。
「世の中には、変な趣味の人多いですね、普通の人でも時々興味が有るみたいですよ」と美優も昔、加藤女医に剃られた経験が有ると自分をさらけ出して話したのだ。
美優は今だと「私の主人も時々しますよ」と言うと「そうなの?じゃあ変では無いのね」
「どうしましたか?」
「私のフィアンセも先日、私を眠らせて剃ったのよ、だから眠らせなくても大丈夫だよと言いました」と笑った。
「その時の事で何か覚えている事有りませんか?」
「そうね、朝食を食べると眠ってしまったのよ、彼が薬を入れていたのよね、その後は夢を見ていた様な、気持ち良かったかも、でも痛かった?だって昼前に眠ってしまって起きたのは翌日ですから、人間は眠る時間には普通に寝るらしいですね、彼が起きなくて困ったと」
「薬が効きすぎたのね」
「でも、夢の中にあの女医さんの声がしましたよ、地下室の様な場所で彼が私の毛を剃るのよ、興奮したわ」と顔を赤くして話す玲奈、女三人の卑猥な話しは暫く続いた。
早い強い、信樹の馬
15-47
玲奈の朧気な記憶から美優は貢と玲奈も同じ場所で被害に遭った。
玲奈は殆ど夢の中、貢は半分位記憶が有ったと考えて、多分陰毛を剃られる時は記憶が有ってその後、玲奈は犯されただろうと推測した。
美優は二人の話を聞いてから美容院の前に来て、ビルを眺めて階数を数えて、彼女達の記憶を重ね合わせていた。
あの、四階と五階に監禁出来る場所が在るのだろうか?
伊藤刑事は何も無かったと言っていたが何か秘密が有るのではと考えていた。
社長の川上信樹は最近上場した会社のやり手社長だと云っていたが、この家主と美容院の関係は?
警視庁の内藤の調査では家主と美容院のオーナー山形勝代とは全く接点が無かった。
美優は、山形が鈴木と亀田を雇い入れている事に着目して、この美容院を怪しいと思った部分も有った。
一平に、山形と二人の接点の調査を依頼していたが、全く接点が判らない?
益々このビルの中に加藤女医が隠れて居る可能性が高くなったと考えて、思い切って一人で入ってみた。
「いらっしゃいませ」
美優が入ると坂上が応対して「予約のお客様でしょうか?」
「いいえ、明日二人お願いしたいのですが、空いていますか?」
「以前も来られましたね?」
「はい」と美優が微笑むと、坂上は奥に入って暫くして出て来た。
「はい、リピーターの方なら、優先で明日十五時なら。。。。。。」
「それでお願いします」
美優は待って居る間に、目測で店の広さを測って、外に出て再びビルの周りを目測で測ってからその場を立ち去って行った。
その様子をモニターで見ていた加藤は危険を感じていた。
過去にも美優には苦い経験が有ったから、女刑事美弥子の処分を早急に考える様に信樹に連絡すると、もう暫く待ってくれ、レースが終わったら、祝杯代わりに抱いてから処分は考えていると言う。
殺すのか?と尋ねると、上玉で売れるのに殺す必要は無いだろうと言うのだ。
闇サイトの主催者のルートに売り飛ばす計画を進めていると、麻薬漬けにして高く買い取らせる。
警察も医者も身分は関係無い日本人の美人なら高く売れると言うのだった。
翌日美優と久美は美容院に来たが、信樹も丸田も姿を隠して、二人に見つからない様にした。
三階から上の倉庫に荷物が到着する様に手配がされて、美優達の疑問を逸らす工夫までしていた。
「沢山の荷物が出荷されて、いますね」と久美が言うと「本当ね」と荷物を注意して見ていた美優。
二人の髪は猫田と店主の山形が担当して、何事も無く終わった。
二人が店を出ようとした時にまた荷物が運び込まれて来て「荷物が来たわ、結構動いているのね」と久美が言うと美優が「やはり、怪しいわ」そう言って二人はその場所から離れた。
「美優さん、何が怪しかったの?」
「あのね、荷物を運んでいた人同じ人だったわ」
「それは、考えられるわよ」
「荷物も同じ物なら?変でしょう?」
「美優さん、何故判るの?」
「あれは多分私達に見せる為の小細工よ、荷物の大きさがほぼ同じだった、時間を測ったか、連絡をして、合わせたと思うわ」
美優は誰かがこのビルを怪しまれない様に考えたのだがそれが逆に美優の不審感を増幅させていた。
その日の夜、二人は雑誌の記者と云う形で、三人の女性に面談をして、ヘアー雑誌の口コミの評判の調査に美容院(シャイン)に行って欲しいと頼んだ。
森洋子十九歳、榊塔子二十五歳、加納朋子三十歳三人とも清水が探してきただけ有って美人ロングの黒髪の美人揃いだ。
学生、水商売関係の女性、勿論ロングをショートに切る事も納得でお金を貰っていた。
美優達は、順番に行かせて、罠に掛かるのを待つ作戦を考えていたのだ。
明日予約をさせると意外と早く罠に掛かるか期待の美優達だった。
翌日昼過ぎから、時間を空けて予約に行く三人、だが連絡をするからと携帯番号を聞かれただけで三人とも帰されてしまった。
美優は失敗か?それともこちらの作戦を読まれたのか?と考えていた。
その日は土曜日、信樹は美容院より競馬、朝から競馬場に行ってレースの時間迄そわそわしていた。
玲奈と貢も競馬場に来て居た。
ビオライデンが走るから二人で見に来たのだ。
馬主席で信樹は二人を見て思わず笑いそうに成った。
先日の痴態を思い出したから、今日のレースに出ているのか?三番人気か?このレースは俺のカワノホマレの圧勝だと自信満々だった。
一番人気はカワノホマレ、差が無くベザピラードの二頭が他を圧倒した人気になっていた。
貢が「二頭が強すぎるよ、ビオイナズマの方が走りそうだと調教師が教えてくれました」
「いつ出るの?」玲奈が嬉しそうに言うと「月末にアイビーステークスが在るからそれかな」
「又、応援に来られるわね」と嬉しそうな玲奈だった。
レースがスタートする、好スタートから先頭に出るカワノホマレ、二番手にビオライデン、中団にベザピラード、十五頭が縦長に成る。
カワノホマレが飛ばしている。
「オバーペースだよ」と貢が言う。
ビオライデンを引き離すカワノホマレ、四コーナー手前で六馬身の差が有る。
「おおー、楽勝だ」と叫ぶ信樹、流石に坂で追いついて差が詰まる。
外からベザピラードが追い込んでく来る。、
連れてビオライデンも追い込むが足色が明らかに異なる。
坂を駆け上がるとカワノホマレはまた伸びる。
外から追い込むベザピラード他の馬は大きく離れて二頭が殆ど並んで入線、、僅かにカワノホマレが残って居た様に見えた。
二着以下は八馬身と掲示板に表示された。
一着カワノホマレ二着ベザピラード、着差頭と表示三着にビオライデンと掲示板は点滅を始めた。
「おお!勝った」と大喜びの川上信樹、馬主席から駆け下りて行く。
「残念だったね」と玲奈が言うと「今の時点では差が有るね、奥手の血統だから、今後強く成るよ」と貢は自分自身を慰めていた。
翌日のスポーツ紙には、カワノホマレが現時点で二歳の頂点、差が無くベザピラード、続けてシャインドリームの評価に成った。
新潟二歳が不良馬場の影響でタイムが悪かったのと、二着との差が殆ど三レース共無いのが三番手の評価だった。
その新聞を持ってビルにやって来た信樹は上機嫌で、加藤に「祝杯の遊びをしよう」と言う。
加藤は美優達の状況を説明して、女刑事の処分を尋ねた。
「明日、中国の連中に引き渡す、準備を明日の夕方迄にしてくれ」
「大丈夫?」
「近日中に本国に連れて帰るだろう、そうなれば、もう見つかる事はない」
「今日、予約の女で社長の好みが三人も来ました」とモニターのスイッチを入れる加藤だった。
繋がる犯罪
15-48
モニターを見て信樹が「今日は良い日だ、理想の女性だな」と喜ぶ。
明日以降適当に入れて置く様にと言う信樹。
今日は最高の日だと喜んで美弥子と遊ぶ準備に取りかかれと指示をする。
亀井と鈴木が部屋に美弥子を連れ出しに、薬漬けでぼんやりとしている美弥子を車椅子に積み込んで地下に連れて来た。
電気バリカンを持って待つ信樹、長い髪を刈り上げてからSEXをして、明日には外国に売り飛ばす段取りで、中国マフィアの陳俊傑と契約が終わっていた。
「何を?。。。。。」
ぼんやりとしている美弥子の手首を車椅子に固定して、カットクロスを首に巻き付ける友田、漸く判ったのか「いやー、やめてー」と騒ぎ出す。
太股の上にパイプを入れると立ち上がれない美弥子、亀井と鈴木が頭を押さえる。
「諦めなさいよ!」
バリカンが音を立てる。
「いやー、いやー、やめてーー」と声をあげるが頭を二人で抑えられて、電気バリカンが額から一気に刈り取っていく、信樹の目が完全に狂った感じに成っている。
泣き叫ぶ女の悲鳴の中、長い髪が床に散乱している。
嬉しそう、冴子の時と異なり集める仕草は全く無い。
電気バリカンは早い、瞬く間に長い髪が刈り取られて坊主頭に変身してしまった。
泣きながら項垂れる美弥子のカットクロスを取り払うと「可愛い頭に成った」そう言って坊主頭を撫でる。
三人に身体を抱えられて、哀れな姿で泣き続ける美弥子の腕に注射がされて、意識が朦朧と成った。
しばらくして泣くのを止めて全裸にされて、電マで責められ「ああー」「ああー」と大声が出だした。
「もう頭の事は忘れただろう」と笑う加藤女医、ベッドに信樹が上がると、もう美弥子は雌に変身していた。
四人に身体中を愛撫されて、もう気持ちは天国に変わっていた。
信樹が自分のペニスを挿入すると、坊主頭を抱えて大きく腰を振って、美弥子も喜びの声を連発する。
富岡弁護士がテレビ局の野村を伴ってやって来て「おお、これは楽しそうだ」
床に散乱した長い髪を手に持って「今、散髪されたのか?」と嬉しそうに言って、自分も服を脱ぎ始める。
この様子を加藤は映像に残している、何かの時に使う算段の様だ。
信樹が果てると、野村が裸でベッドに上がる。
ぐったりした美弥子を今度は野村が襲う、再び喜ぶ美弥子、刑事の姿はもうそこには無かった。
最後に、富岡が大きなペニスで止めの一発を美弥子に挿入する。
殆ど疲れて眠ろうとしていた美弥子が「ああーいやー、行くー、壊れる」と叫んで失神するまで続いた。
美弥子はそのまま睡眠薬で眠らされて、大人のおむつを履かされて、荷造りの箱に詰められ翌朝運ばれて出た。
信樹は次の獲物は昨日予約の女だと矛先が他に向かった様だ。
加藤は慎重で、、信樹に三人の美人を取り敢えず普通に何もしないで、順に予約を入れさせて、連絡先を聞いているから、いつでも口実を作って呼び出せば良いのでは?と進言していた。
信樹は美弥子を中国マフィアに渡して直ぐだから慎重にと思い自分の希望を押し殺して、猫田達に適当に予約をこなせと指示をしていた。
翌日から順次三人は美容院に行った。
美優は何か事が起こると期待をしていたが、モデル達は何事も変わった話しをしなかった。
「何も無かったわね、五日間無駄に成ったわね」
「でもホテルよりも豪華な冴子さんの家に泊めて貰って満足よ」と久美は嬉しそうに言った。
美優は自分の予想が外れてショックだ。
清水会長にも謝る美優、会長は美優さんの推理が外れるのは珍しいですね、懲りずに犯人を捜しましょうと慰められたのだ。
美優は今回の成果は冴子さんと玲奈さんと仲良く成れた事、今後の捜査には大いに役立つのでは?
美優は冴子を見て、何故犯人が解放したのだろう?
薬漬けにして自分の自由に成っていたのに不思議だ。
この前あのビルに久美さんと行った翌日解放されていたから、今回も女刑事を解放したかも知れない。
美優は一平に電話で、美弥子さんが移動させられた可能性があるわよと連絡をしていた。
美優は帰る新幹線の中から、自分が美容院に行った翌日の高速道路監視カメラの画像を取り寄せて貰える様に頼んだ。
美優は荷物として運ばれた?
冴子さんとはキャサリンさんとは異なる、刑事だから、殺される?殺された?と不安が過ぎった。
静岡駅から急ぐ美優、県警に到着すると既に画像が用意されて、早速見始める美優、自分が美容院に行った翌日の昼以降の画像から見始める。
暫くして「この、トラック!」と叫んだ。
「見つかったか?」
「このトラックあのビルに荷物を運んでいたトラックよ」
「何故?判るの?」
「このナンバーよ!調べて」
美優は二度目に見た時ナンバーを控えて居て、一度目に見たが書き留めていなかった。
早速番号を調べる一平「このトラックの所有者が犯人の可能性が有るわね」と久美が言うと「何処に向かったか?判れば良いのだけれど」
直ぐに一平が「BOOLDの車だ」
「何処に行ったか判る?」
「今、調べて居る、会社にも問い合わせをした」
暫くして伊藤が「このトラックは原宿の倉庫の所有で調べて連絡すると」
「この車、他の場所でも映って無いか調べて!」美優が一平に頼む。
「何処に行ったかですね?」
久美が美優に心配そうに言うと「今頃、あのビルでは、困っているのでは?」と美優が微笑んだ。
加藤が「警察に見られていたのね」
「神戸迄運んだのだが、港までは判らないだろう」
「会社の商品運んだと言うが、陳さんに口裏を合わせて貰うまで返事が出来ない」長い時間を感じる加藤と信樹。
本社から静岡県警の連絡先が伝達されて、社長で返事をして欲しいと言って電話が切れていた。
本社では弟の信之が頭を抱えていた。
競馬で遊ぶのは構わないが、警察事件は困るのだ。
会社の存亡と売り上げに影響の有る事だけはして欲しくないが願いだった。
暫くして、陳が信樹の携帯に「神戸の華南商会に運んだと話して下さい、話しはしておきました」と流暢な日本語で伝えてきた。
信樹の代わりに、富岡が静岡県警に連絡して、危うく事件の発覚が収まった。
高速の監視カメラで車を追った伊藤が「東名から名神、その後阪神高速の生田川で出ています、華南商会の場所と一致します」
「残念だったな、荷物の運搬だった様だ」と一平が言うと美優が「違うわ、荷物は神戸の別の場所よ、自分の会社の荷物の行く場所にしては時間が懸かり過ぎよ」
「確かに場所を尋ねてから返事が遅かったな」一平が言うと「若しかして、清水会長の部下の庄司さんの殺しと関係が有るかも?」
美優の言葉に一平と伊藤が驚いた顔に成る。
そう言われて、この事件に中国マフィアが絡んでいたら、有り得る事だ。
株式会社BOOLDを調べる必要に迫られていた。
進まない捜査
15-49
翌日から、佐山と一平は神戸の華南商会に向かった。
伊藤と白石刑事は東京警視庁の本宮、内藤両刑事と一緒に、BOOLDの本社を訪ねていた。
専務の信之が対応して、神戸の華南商会と聞いて全く知らない会社に驚いたが、取引が有ると答えて誤魔化したのだった。
捜査令状も無い状況、美弥子がこのビルに捕らえられていた確証も無いので、それ以上の追求が出来なかった。
伊藤達四人は会社の状況、倉庫の場所、仕事の内容、行動を手分けして調べて、今回初めて本格的に信樹の会社を調べたのだ。
翌日の午後、四人は調べた結果の報告を警視庁で行った。
判った事が信樹社長は殆ど本業をしていない事、競馬が趣味、女に対して変態ではと白石が聞き込んできたが定かでは無かった。
美容院と信樹の関係は家主と店子以外今回新に判った事は無かった。
佐山と一平も華南商会の表の顔は貿易の商社だと云う事、関係先に華南商工会と云う、渡航斡旋の会社?旅行社?人材派遣の会社?よく判らない仕事が見え隠れしている。
二人は、兵庫県警にこの会社の荷物、人の動きを厳重に調べて貰える様に伝えて帰った。
同じ警察官の行方不明事件なので、真剣に応対して連絡を密にくれる事になった。
加藤は信樹に暫く行動を慎んだ方が良いと警告した。
警察が自分に近づいている事を感じたから、我慢が出来ないのは信樹の性格、競馬に矛先が向かう。
自由に走らせていた馬に注文をつける。
東京ハイジャンプでまたまた楽勝したカワノニシキは、次走に障害のG1中山大障害に向かう。
アイビーステークスに出走したビオイナズマは快勝をして、四番目の評価を受けて、年末の朝日杯を目指す事に成った。
捜査は暗礁に乗り上げた。
華南商会の動きも、美容院(シャイン)も信樹の動きも警察が常にマークしていたが全く何も起こらない。
美優は敵が気づいて用心している、このままだと犯人の逮捕も美弥子の救出も困難だと一平と話していた。
一平が犯人は他には考えられないか?と尋ねると美優は間違い無くあのビルのオーナー川上信樹と加藤が組んで、一連の事件を起こしていると決めて言うのだった。
美弥子は神戸で麻薬中毒に成っていた。
売春をさせられて、もう昔の面影が無くなって、髪はイガグリ頭で秘密の会員制クラブでの仕事だった。
カワノホマレは京王杯二歳ステークスにベザピラードは東スポ二歳ステークスに出走を予定していた。
貢はローテーションから、朝日杯にビオイナズマを出せば勝てる可能性が高いと調教師と話し合っていた。
二歳の有力馬が別れてレースに出る。
次々と新しい馬も登場して、まだまだ格付けが変わる気配を感じる。
冴子と雅治は遠く北海道のサンシャイン牧場の落成式に行って、新しい大きく成った町田牧場を見学してきた。
当歳馬、一歳馬の可愛い姿に目を細める冴子達、北海道の牧場での宿泊は冴子の気持ちを明るくさせた。
加藤は警察の動きに注意をしながら、冴子に連絡をしたくて仕方が無かった。
それは時間的な余裕が無く成って来たからだ。
折角の調教が無に成ってしまう前に、薬を飲ませて、身体が思い出させる事をする必要に迫れていた。
捕らえて調教をする必要はないが、以前の調教の効果を持続させる必要が有ったのだ。
加藤は久々に美咲に連絡をして、美容院に来る様に言った。
また髪を切られるのかと恐々しながら来た美咲に粉薬を渡して、これを社長に飲ませてくれる様に頼んだ。
飲んだら直ぐに判るから、もし飲ませていない時は覚悟をする事だと脅かされていた。
身体が悪く成る薬なら飲ませるのは難しいと言うと、大丈夫、今の彼氏と仲良くなれる薬だから安心して飲ませれば良い、欲しければお前にもやろうか?と言われて断る美咲だった。
秋の空気に変わった京王杯二歳ステークスに出走したカワノホマレは楽々と逃げ切って快勝した。
信樹に始めてG競走のタイトルをもたらした。
信樹の喜び方は半端で無かった。
尾行の刑事もこれは唯の競馬馬鹿ですね、内藤と本宮は信樹の尾行をこの時を持って終了してしまった。
二人は所詮素人探偵の奥様の言葉に踊らされて、脇道を走らされたと怒っていた。
唯、美弥子の行方は心配で明日からまた、宛の無い捜査を始め様と二人は考えていた。
全く手掛かりが無かったのは二人を暗くして、生きて居るのか?死んで居るのか?美容院の見張りもこの日で諦めていた。
加藤は慎重で、信樹が競馬に没頭してくれて助かっていた。
近藤調教師に「次走はG1競走の朝日杯だ」と言い出して「は、はい」と中途半端な答えをしていた。
ここは休養で来春から走らせる予定の近藤はこの馬鹿な馬主を騙してでも、朝日杯には出さないと決めていた。
自分にも久々の大物でクラシックを獲得出来る可能性が有るからなのだ。
美咲は事務所でコーヒーに薬を混入させて、冴子に飲ませるのに成功していた。
美咲は後二回もこの方法で大丈夫ですからとメールを送ると、ご苦労さんと加藤から返事が届いた。
安心した美咲に(また、暫く時間が経過してから、同じ様に飲ませるから、心得ておいて)とのメールに暗く成る美咲だった。
薬を飲まされた冴子に変化が起こった。
それはマゾ願望で、SEXは雅治で満足しているのだが、虐められたい願望は雅治では達成出来ないのだった。
時間を測って加藤が電話を掛けた。
「ご無沙汰、冴子さん、元気」
「あっ、貴女は加藤女医、恐ろしい人ね、私に薬を飲ませて坊主にするなんて、卑劣な」
「私は坊主が希望で無かったのだけれどね、好きな人が居てね、ごめんね」
「何も用事は有りません、早く自首して下さい」
「私が捕まると冴子を虐める人が居なくなるよ」
「要りません!」
「そうかな?もう疼いていると思うのだけれどね」
「。。。。。」無言がそれを確信させたのだった。
髪フェチの桃源郷
15-50
新星の二歳ハルバッカス関西馬がデビューした。
それ以外関西の重賞競走を勝ち上がってグリットミラクルが二連勝、グレンオールが三戦二勝と三頭の有力馬が暮れのレースに向けて虎視眈々だった。
グリットミラクルはホープフルステークスに上京すると表明していた。
シャインドリームの対抗馬に成りそうだ。
冴子は加藤の電話の後もモヤモヤ感が残って居たが、理性がそれを補って普通に過ごしていた。
雅治とのSEXも有ったので困る程の欲求には成っていなかった。
東スポ杯二歳ステークスに出走したベザピラードも楽々逃げ切って、二頭の強さを世に知らしめた。
カワノホマレが一番、二番がベザピラード、三番手でシャインドリームを筆頭に数頭が同列の評価に成っていた。
デビュー戦は鮮烈だったが、二戦目が終始半馬身リードの状態でタイムも上がり時計も平凡だった。
三戦目も不良馬場でタイムは遅く前の馬が力尽きて追い抜いた様に見えたからだった。
十二月の半ばに成って再び薬を渡された美咲、以前は何事も無かった。
彼氏との仲はとても上手く進んでいると思い気にしないで、薬を受け取る美咲だった。
静岡県警は依然として美優の意見を尊重していたが他の警察は全く無視状態だった。
流石の美優も諦め掛けていた時、美優の目にインターネットの文字が飛び込んで来た。
それは、神戸の秘密クラブに頭が変な少年の様な売春婦が居の書き込みだった。
美優がこれは?その書き込みに直ぐに「逮捕する」が口癖だと書いて有ったのだ。
美弥子ではないのだろうか?
一平が戻るとそのサイトを見せて意見を聞いた。
明日、県警で調べて見ると大いに興味を持って「だが、証拠が無いと、警視庁も兵庫県警も動かないから困った」
「でも、この書き込みが最近なら、日本に居るわね!美弥子さん」と微笑む美優だった。
今週いよいよ、中山大障害が土曜日、日曜日に阪神競馬場で朝日杯二歳ステークスが有る。
走る予定のカワノホマレは取り消していた。
機嫌が悪い信樹、近藤調教師の「軽い捻挫です、残念です」の一言で終わっていたのだ。
玲奈は興奮している。
土曜日も姉と二人で中山競馬場に行く、そしてそのまま夜仁川に向けて貢と行くのだ。
どちらも本命特にカワノニシキは圧倒的一番人気、
G1を獲得出来る大きなチャンスだった。
美咲は事務所に来ない冴子に中々薬を飲ませるチャンスが無かった。
機嫌の悪い信樹に「依然、美容院に来た三人を順に呼んでみては?」
「どの様に言えば、綺麗な方だったので、モデルで雇いたいとでも言えば来るのでは?」
「そんな、簡単に?」
「一人は学生、後の二人は水商売の女性でした、お金で動きますよ、もう警察も監視していませんから安心です」そう言うと機嫌が直って「この、榊塔子から呼んでみるか」早速電話をすると、「二十万払うと言ったら、いつでも大丈夫です、鬘貰えるなら五十万でスキンヘッドでも何でもしますよ」と言ったので電話を掛けた信樹が驚いたのだ。
信樹は調子に乗って他の二人にも電話をした。
加納朋子は流石にスキンヘッドを断ったがショートは全く問題無い。
学生の森洋子に至っては「百万貰えるなら、身体中の毛が無くなっても良いわ」とモデルの話をするには及ばない積極的だったのだ。
以前、清水は十万で美容院にモニターで行って欲しいだったから、それに比べたら比較に成らない設け話に喜んでいたのだ。
この、学生を呼んで遊ぼうと、信樹は来られる日時を打ち合わせるのだった。
今週の土曜日に決めて、それはあのカワノニシキが中山大障害に走るから、腹が立つから、見たくないのだ。
土曜日に成って、冴子と玲奈は綺麗に着飾って、木崎の車で中山競馬場に行った。
人気は圧倒的一倍台前半、このレースの後は海外のレースも視野に入れている為末調教師だ。
もう場内は藤堂姉妹の持ち馬だと全員が知っている。
本馬場入場では「藤堂、藤堂」「冴子、冴子」の大合唱に変わった。
高らかにG1のファンファーレが鳴り響く、十五頭のゲートインが終わる、一斉に走り出す各馬、最初の障害で差が開く、いつものレース展開、大障害コースに入ると益々差が開く、調子に乗って走るカワノニシキ、大障害で二頭が落馬、徐々に差が開く、流石に大障害コースでは速度が落ちるがそれでも他の馬とは比較できない早さで飛んで行く。
大障害コースを終わって二十馬身以上の差に場内が騒がしい。
最後の障害を飛び超えて四コーナーから直線に、騎手が後ろを振り返る後続が漸く最終障害を飛び超えた。
ハロン棒一つの差で悠優のゴールに場内は再び「藤堂、藤堂」「冴子、冴子」の大合唱に変わった。
晴れやかな表彰式、気分は最高の冴子と玲奈。
ファンに手を振るとまたまた「藤堂、藤堂」「冴子、冴子」の後「玲奈、玲奈」と言われて感激の二人だった。
今日は雅治が一緒に来てないから、ファンの注目は美人の二人に大声援を送ったのだ。
表彰式が終わると、玲奈は直ぐに関西に貢と行く為に競馬場を後にして、冴子は為末と来年の事を短時間話してから、競馬場を木崎の車で後にした。
来週は三人で有馬記念当日シャインドリームの勇士を応援に来る予定だ。
その日の美容院(シャイン)に森洋子がやって来て、信樹は森に交渉をする。
電話の話では百万払えば身体中の毛を剃っても良いと言ったのを聞くと「叔父さん、本気にしたの?」と笑った。
馬鹿にされた信樹は怒る気持ちを押し殺して「洋子さんは、何処の出身?」
「私は関西よ、一人でマンションに住んで居るのよ、モデルの仕事を時々しているのよ」と簡単に答える。
正月にもバイトで神社の巫女のバイトが有るので、関西には帰らないと教えていた。
ショートカットなら大丈夫だわ、冗談で話したが元々陰毛は無いので無理ですよと笑う洋子に、信樹は完全に切れていた。
綺麗な髪型のモデルの仕事で、三十万と手渡されて、簡易の領収書にサインをした洋子。
その話の様子を聞いていた加藤が信樹にこの女なら自由にしても大丈夫だと信樹に目で合図をした。
洗髪から顔剃り、髪型その後撮影での段取りを説明して、洋子は何も疑わない、数ヶ月前もここで雑誌の口コミバイトをしていたので安心していた。
隣の理髪店の奥の洗髪台に横たわる洋子の顔にタオルが掛けられて、クロロホルムを一気に吸わせる鈴木、意識が薄れると、そのまま地下に降ろされた。
また薬を飲まされる冴子
15-51
美咲は冴子に薬を飲ませる機会を探っていた。
来週の金曜日で事務所は年末年始の休暇に成る。
それが終わると来年まで機会が訪れない。
加藤から成るべく早く飲ませる様にと言われていたからだ。
その加藤は信樹の願望を満たす為に、昨日捕らえた森洋子の調教を今日から本格的に始めるのだ。
五階のベッドに眠る全裸で身体に一本の毛も無い可愛い女が森洋子。
昨夜の大声と暴れ方はその顔から想像出来ない。
富岡弁護士、信樹、畑山に次々と強姦されて最後は薬で眠らされた。
クロロホルムが切れて目覚めた時、全裸で信樹が長い髪を刈り取り、暴れる洋子の頭を美容台で固定して理容師鴨居が剃りあげて、泣く洋子を信樹から最後に富岡の留めで気絶、ここで調教して、闇サイトの連中に遊ばせる予定にしていた。
四階の檻が漸く使えると信樹が笑う。
五つの檻が作られて居て、五人の女を閉じ込められる仕様に成っていた。
桃源郷の誕生を目指すのだ髪を切らせる。
剃らせる。
強姦出来る。
このビルの完成に尽力した人達の願望を満たす場所に成る、
世の中から消えても直ぐには見つからない女を選んで調教をして人形に仕立てる予定なのだ。
信樹は自分が遊んだ画像を撮影して、仲間に見せて楽しませようと撮影もしていた。
最終的には自分はあの藤堂冴子を、自分の妻として迎え入れたいが希望だ。
あのマゾで感度の良い冴子は最高だと今も考えていた。
その冴子に彼氏が居て結婚間近の記事がスポーツ紙に掲載されたのは、今週走るシャインドリームの記事の中で会計士の馬籠雅治と掲載されたのだ。
驚いたのは信樹、これは自分には予想外の事だった。
加藤は以前から付き合いが有る事は知っていたので、結婚が意外だった程度だ。
玲奈が「日曜日は残念だったわ、後数センチでG1勝てたのに、そう成っていたら、彼は私にプロポーズだったのよ」とその新聞記事を見て冴子に話した。
「えー、本当に?」
「新幹線の中で約束していたのよ」
朝日杯では関西馬のグレンオールにハナの差でビオイナズマは負けて、貢のG1制覇の夢は消えていた。
新春の特番は来年の放送はしない事に落ち着いた。
今年は冴子に休養と云う、アクシデントが起こったので、特番を放送する段取りが出来なかったのだ。
今週の金曜日の放送で終わって、一月四日迄長期の休養期間と成っていて、冴子も充電期間と考えて、特に予定は入れてなかった。
実家に帰ってのんびりと過ごして、近くの神社に参拝、経済の研究、競馬の勉強の予定だ。
美咲が水曜日の夕方チャンスを見つけて、遅れていた薬を飲ませるのに成功、木、金も強引に料理に混入したのだ。
三回連続で飲ませる様に加藤に強く言われたから、美咲は加藤にメールで薬を飲ませましたと報告をした。
加藤はこれで、また自分の処に冴子が戻るだろう、とメールに喜んだが、ここには冴子を連れ込むのは危険だ。
信樹達の餌に成ってしまう、それと警察に見つけられる心配も有った。
美咲の話しを加藤は友田以外には話さなかった。
冴子は自分の物だと決めていたのだ。
静岡県警では佐山達が美優の見つけた口コミを頼りに神戸の秘密クラブを探していたが、中々発見出来ないで、日にちだけが過ぎていった。
美優はこの様な事は清水に聞くのが一番だと、会長に連絡をしたが、海外に出掛けて居て留守、昨日帰国したと聞いて、連絡をすると、それは可能性が高い、若い者を数人神戸に行かせて調べて見ると積極的だった。
清水も警察の手で中国マフィアの撲滅を望んでいたから、協力を惜しまない、美優を高く評価している会長なのだ。
日曜日に成って、冴子は薬の影響が出始めていた。
前回とは明らかに異なって、自分を抑えるのに苦労する状況成りつつあった。
今日は朝から好天、ホープフルステークスはシャインドリームとグリットミラクルの一騎打ちムードだが、新しい馬も数頭入り混じっての十六頭だ。
シャインドリームは外枠十五番、グリットミラクルは三番枠、競馬場には雅治、冴子、玲奈、木崎の四人が馬主席に陣取っていた。
小出元調教師が「久しぶりですね、シャインドリーム、少し大きく成っていますね」と冴子に声を掛けてきた。
「先生、お久しぶりです」と笑顔でお辞儀をする冴子に「五百キロに成って居ますが、成長でしょう、馬体を見る限り太目では無いですね」そう言われても、冴子には馬体重がこの前の新潟と幾ら増えているのか覚えて居なかった。
「お姉ちゃん、前回より十二キロ増えているからよ」と玲奈が声を掛ける。
「十二キロ?おデブ?」と意味不明の言葉。
「私なら、二キロ増えると、デブデブよ」と笑う。
この馬体重の増加が嫌われて二番人気に成っている。
シャインドリームの事を小出が話したのだが、冴子は全く理解していなかった。
前回の不良馬場から今日は良馬場の冬晴れの好天、初の二千メートル、この中山でどの様なレースが出来るのかで、皐月賞が占えるのだ。
今日のメインレースは有馬記念G1、日本の有力馬が沢山出走するので、場内は大勢の観客で満員状態。
馬主席も今日は有力な馬主が多数来ていた。
「やあ、初めまして、藤堂冴子さんですよね、私北海道で牧場を経営しています、堀田と申します」といきなり挨拶をされた。
冴子も有名人だから、その後も数人の人から挨拶を受けた。
この様子を見ていると雅治はまた、冴子が大きく見えて自分が小さく見えるのだった。
木崎に冴子は有馬記念の前に競馬場を出る事を告げていた。
車が混んで帰れないから、それと気分が優れないのも、冴子には気懸かりだった。
ホープフルステークスの発送から、約一時間後が有馬記念だから、その間には車で帰るには時間は充分有る、
ファンファーレが鳴り響く、十六頭のゲートインが始まる。
ゲートが開くと、関西馬の一頭が果敢に先頭に出て、本命のグリットミラクルは三番手に、シャインドリームは最後方で、瓜生騎手はがっちり手綱を押さえている。
正面スタンド前を走り抜ける各馬、第一コーナーを廻ってやや縦長に成っている。
内回りの二千の直線は三百メートル少々、爆発的に切れる足でなければ直線だけで追い込むのは厳しい競馬場だ。
三コーナー手前に六百のハロン棒が有るので、瓜生はこのハロン棒から手綱を緩める。
最後方から徐々に外を廻って上がり始めるシャインドリーム、グリットミラクルの騎手は追いつくのを待ちながら追い出しに入る。
四コーナー手前で外から並びかけるグリットミラクル、シャインドリームはまだ後方から四、五番手外を廻るから、振り回されて直線に入る。
追い出す瓜生騎手、先頭の馬を捕らえてグリットミラクルが抜け出す。
二百のハロン棒で先頭、後続を引き離す、大外から矢の様に伸びるシャインドリーム、異次元の足でグリットミラクルをゴール寸前抜き去った。
直線の鞭の叩く姿に冴子が「あっ、あっ」と口走っていた事を誰も知らなかった。
我慢出来ない冴子
15-52
興奮の玲奈が「す、凄いね!」と最初に口走った。
掲示板が点滅を始めて、十五、三、八、五、一と五着迄が表示されていた。
横に着差が出て二着と三着の間に六馬身の大差、一着二着は半馬身。
「シャインちゃん、いつも半馬身よね」と不思議そうに言う玲奈に「それは、まだまだ、余裕が有るのですよ」と小出が教えた。
「おめでとう、藤堂さん」と廻りの馬主が冴子に祝福の言葉を述べる。
四人が下に降りて表彰式に向かうと「藤堂、藤堂」「冴子、冴子」の合唱、。
玲奈にも「玲奈、玲奈」の声援に手を振る玲奈。
為末が、瓜生が握手を求める。
「切れますね、素晴らしい」と笑いながら瓜生が冴子に言う。
「おめでとう」と笑顔の為末、これで四連勝の愛馬の鼻面を撫でる冴子だった。
翌日のスポーツ紙には二歳ランキングの格付けが、カワノホマレ、ベザピラード、シャインドリーム、グレンオールが並んで、僅かに遅れてビオイナズマに変わっていた。
昨日の夜は雅治と一時を過ごした冴子、普通ならこれで収まる筈だったのだが、月曜の夕方から身体を束縛されたい、虐められたい気持ちがどんどん増加してきた。
信樹はシャインドリームの勝利を見て機嫌が悪く成っていた。
二人目の女加納朋子を呼び出していた。
年末で店も休みで収入が減る時の誘いで朋子は喜んでモデルにやって来た。
ショートカットで五十万は魅力的だった。
年末の時期に有る事が変だとは全く思っていなかった。
信樹は後の二人の女は調教をして、来年から、フェチの仲間達を呼んで公開で断髪、剃毛をして楽しませる事を考えて居た。
美容院に来た朋子をいきなり眠らせて、檻に閉じ込めてしまったのだ。
この時期ならもう一人の榊塔子も上手に捕らえられるのでは?
信樹の企みはもう桃源郷造りに傾き始めていた。
年末押し迫る夕方、加藤は冴子に「一度会えない?」
「嫌です!貴女に変な処に連れ込まれるのは困ります」
「髪も少しは伸びた?」
「。。。。。。」
「貴女の身体の事は私が一番知っているのよ、今の彼氏だけでは満足出来ない事もね」
「。。。。。」
電話を切れない冴子、薬の影響が電話を切る勇気を消していた。
「私は冴子の事が好きなの、この前は仕方無く変な男に髪を切らせたけれど、本当はしたくなかったの、今度は貴女の気持ちを優先して、ラブホで会いましょう、それなら、心配無いでしょう、貴女が喜ぶ道具は持って行くわ」
「。。。。。。」
「ラブホなら、逃げるのも自由よ、バ、リ、カ、ン持って行くわよ、好きでしょう」
「バ、リ、カ、ン。。。。」
加藤は手応えを感じていた。
調教の効果はまだまだ冴子の身体に残って居る事を確信していた。
「六本木のラブホなら、安心でしょう、変な男には指一本触らせないから、大丈夫よ」
「でも、駄目よ。。。先生は女性だから。。。」
「レズじゃあないのよ、貴女はマゾなのよ、レズでは無いのよ」と諭す加藤、電話を切った冴子は恐く成っていた。
加藤が今日はこれで充分だ。
明日か明後日には落ちる、と確信をしていた。
信樹は三人目の獲物、榊塔子を捕らえたのは年末大晦日だった。
正月の着物のモデルに明治神宮に初詣、和服に似合う髪型で撮影は元旦に行うので、年末の夜来て欲しいと、バイト代五十万で榊は一泊二日で五十万につられてやって来た。
夜は客も居ないので大胆に誘拐を決行した。
檻は別々の部屋で、シャワーとトイレが完備されていて、生活には食事さえ与えられれば困らない。
テレビも有るので退屈はしない、隣の音は聞こえない防音に成っている。
眠った榊塔子は新年まで起きることが無かった。
隣の森洋子はバスローブ姿、朋子は自分の服で何が起こったのか理解をしていない状況だった。
玲奈は貢の自宅に元旦から出掛ける。
山田も富永も実家に帰って、冴子は広い家に一人、明日は気が向けば雅治と初詣に行く事に成っていたが、気分が初詣では無い、もやもやとした心が身体を支配していた。
測った様に加藤が「あけましておめでとう」
「先生!」明らかに態度が異なる冴子。
「決めた?ラブホ行く事」
「は、はい」と勝手に返事をしてしまう冴子、もう理性では止められないの。
「じゃあ、明日、十五時に六本木のラブホMの館で待って居るわ、五百六号室よ、気分も良く成るから、新年から憂鬱でしょう?」
「はい」
「治るわ」電話はそれで切れた。
加藤女医は友田に一緒に道具を持って行く準備に取りかかった。
久々に冴子に会える喜びが満ちあふれていた。
清水の部下が漸く神戸の秘密クラブを突き止めて、佐山に連絡をしてきたのは二日の昼だった。
静岡県警の刑事達の正月気分が吹っ飛んだ。
華南商会の関連の華南商工会の先に秘密クラブが存在した。
清水に命じられた五人は必死で探し当てたのだ。
佐山、伊藤、一平、白石の四人の刑事が兵庫県警と連絡を取って二日の夕方踏み込む手筈を整えていた。
冴子は変装をして、六本木のラブホMの館に到着して部屋を探して入って行った。
「冴子、よく来たな!」と加藤はまるで恋人に巡り会った様に抱きついた。
「先生、困っています、何も無いのに以前の様な症状に成っています」
「それは、お前に元々有るマゾの本能が蘇ったのだ」
部屋を見渡すと、異様な雰囲気、中央の壁には磔の柱、診察台が置いて有る。
「ここは?」
「SMのラブホだ、世の中には冴子と同じ人間が多いのだよ、みんなこの様な処で発散させて、気分が良く成って帰るのだ」
冴子はそう言われて、同じ悩みの人が多いのだと思う。
「虐められたいのだろう」
「はい」と頷く冴子。
友田が奥の持参したバッグから手動のバリカンを取り出して加藤に手渡す。
「これが好きなのだろう?」と聞かれて頷く冴子。
「今日はこれから、楽しんで発散させてあげるから、身を任せなさい」
「はい、お願いします」
友田が冴子のコートを脱がせる。
セーターとスラックス姿の冴子、セミロングの鬘を見て「髪は少し伸びたの?」
「はい、少し伸びました」
「裸に成って」
冴子は鬘が外れない様に気を付けてセーターを脱ぐと、友田がスラックスを脱がせる。
ブラウスを脱ぐと下着姿に、すぐにブラジャーを外す友田、綺麗な白い乳房が露出する。
ピンク色の乳首を隠す冴子を磔の柱に両手を括りつける。
手を万歳の形で括り付けると、パンティを脱がす加藤。
「おお、黒々と生えているね」
「はい。。。」
足首からパンティを抜きとると、友田が足首を左右に広げて固定する。
「気分は?」
「恥ずかしいです」
「もう、濡れているだろう?」
加藤がいきなり冴子の陰毛をかき分ける。
「いやー」
赤いクリトリスが見える。
指を膣に滑り込ませると「濡れて、大変だ」
「いやー、うぅ」直ぐに指を動かす加藤。
「あっ、あっ」友田が電マを取り出して、乳房に押しつけると「ああー、感じるわ」
「感度が良いわね、冴子」
「あーあー」以前より感度が上がっていると思う加藤。
雅治とのSEXでは味わえない喜びが冴子の身体を支配し始めていた。
束縛されて責められる快感に酔い始めた身体、。
加藤には満足の冴子の身体、指が二本に成って、床に愛液が溢れ落ちる。
「ああー」「ああー」と大声に成って来た。
加藤は冴子と定期的に会って楽しみたいと考えているから、雅治に対する嫉妬が責めに徐々に現れるのだった。
レズ、マゾ、サド
15-53
神戸の特定のラブホに会員を一人で入室させて、女を送り込む華南グループ、清水の部下が客の一人で姫路の印刷会社の社長兼田を脅迫して、客で女を呼び出していた。
女の源氏名はポリスウーマンミイヤと呼ばれていて、興奮すると直ぐに「逮捕するぞ」と言う、頭はイガグリ頭だが、顔は可愛い感じで筋肉質の身体だと兼田が語った。
ラブホの近くに待機する兵庫県警と佐山達、一平と兵庫県警の女刑事は兼田の隣の部屋に客として待機、伊藤も反対の部屋に同じ状況で待機をしていた。
部屋に入ったら、女性を確保するのが二人の仕事。
このラブホは多分華南商会の系列だから、中々逃げられない可能性が有るから慎重だった。
黒塗りの車がホテルに入って行く、佐山達はこの車が直ぐに出て来れば、兵庫県警が追跡してアジトを確保する予定だ。
近くには大規模な機動隊の隊旗していた。
中国マフィアのアジトを一気に壊滅させる目的だから、緊張が走るラブホの近辺だ。
兼田の部屋に女を連れて、ラブホの従業員が扉を叩く、隣の部屋から一平が女刑事と帰る様子で部屋を出る。
素早く兼田の部屋に入る女と従業員、横顔が一平に見えた。
携帯のボタンをポケットの中で押さえる。
佐山が「よし、間違い無い確保だ」と言った時、黒塗りの車がホテルから出て来て走り去る。
尾行を始める兵庫県警の車両、トラック、乗用車と次々色々な車種の車が尾行を始める、敵に悟れない為だ。
部屋に入って、お金を受け取るとラブホの従業員が部屋から出て来た。
隣の部屋から飛び出した伊藤が女の従業員の口を手で塞いで、一気に部屋に連れ込むと、佐山達がホテルに乱入してきた。
一平が兼田の部屋の戸を叩くと兼田が扉を開いた。
一平と女刑事が急いで部屋に入ると、美弥子は風呂場に居て湯船に湯を為始めていた。
兵庫県警の女刑事に美弥子は肩を抱かれて、風呂場から出て来た。
「本間美弥子さんですね」一平が尋ねた。
「お客さん、服を脱いでお風呂に入りましょう」と焦点の定まらない顔で笑いながら言う。
「駄目ですね」女刑事が一平に言うと「薬で、狂っているな、救急車だ」他の部屋の客も何事だと出て来た。
美弥子と同じ症状の女が三名このラブホに派遣されていた。
佐山達が従業員を総て捕獲して、連絡をするのを間一髪で阻止していた。
客も重要参考人で警察に連行されて、従業員六名は逮捕された。
兵庫県警と機動隊が華南商会のビルに乗り込んだのは車が戻って直ぐだった。
銃声が鳴り響き、白煙が窓から出て、映画の撮影の様な格闘と銃撃戦が行われた。
催涙ガスが撃ち込まれて、連中が次々と逮捕されて、一人も脱出は出来なかった。
一人の華南の中国人がコンビニに煙草を買いに出掛けて居て、難を逃れて、横浜の陳の元に連絡をしていた。
冴子は磔状態で指から次のバイブで一度目の昇天に成って居た。
「満足?」と言う加藤の言葉に頷く冴子。
「さあ、診察台に寝て」
戒めを解かれて、疲れた感じで、簡易の内寝台に仰向けで横に成る冴子。
「次は、冴子の好きなバリカンだ」
その言葉に反応をするが、先程のバイブの責めで嬉しい疲れを感じていた。
手足を固定されて、アイマスクを着けられると我に返った冴子「何?何?」と言い出した。
足を大きく広げられて、加藤が注射器を持って陰毛をかき分けて突き刺す。
「いたー」と叫ぶ冴子、続けて三箇所に注射する加藤。
その度に「いたーい」と叫ぶ冴子の口に友田がボールの猿轡を放り込んでしっかりと留める。
今度は、蝋燭を点けて、胸に垂らし始める友田。
「あっ、あつー」と身体を動かそうとする冴子、乳房が白から赤の蝋で染まる。
両方の乳首も赤く蝋が盛り上がって、冴子は熱さで顔を左右に振りながら、口から嗚咽と涎が絶え間なく流れ出ている。
「どう、責められる気分は?」
「うぅー」と唯、首を振って嗚咽を発するのみの冴子、加藤には最高のゾド女に成りつつ有る実感が有った。
ぐったりした冴子だが、股間は注射の影響で熱く成っていたのだ。
様子を診ようと加藤が触ると、身体がびくっと反応をして、濡れる陰毛黒く光る愛液、蝋燭の責めに反応をしているのが判った。
言葉と明かりの無い冴子には、少しの刺激で身体が反応する敏感さが満ちあふれていた。
「バリカン!」と聞こえる様に言う加藤、陰毛の有る下腹部に当てると「ジョキ、ジョキ」と冷たいバリカンの腹が冴子の皮膚に当たる。
「うぅ」と反応を始める。
暫く刈り取りも出来ないバリカンを陰毛に当てて動かす加藤、感じる冴子、友田が刷毛にシェイビングクリームを浸けて冴子の首筋に塗る。
「うぅー」と身体を動かす冴子、感じ易い身体が反応を直ぐに始めた。
友田は楽しそうに両方の首から、耳に刷毛で塗る。
もう身体をくねらせようと動く冴子、声が絶え間なく漏れていた。
友田は身体中の感じ易い部分に刷毛で塗って遊ぶと、大事な部分に塗り始めた。
「あぅ」「あっ」と一段と反応の良くなる冴子、何度も何度も刷毛を動かして感じさせる友田。
「うぅ」「うぅ」と刷毛の動きに合わせて声を出す冴子。
加藤が剃刀で剃り始めて「ジョリ、ジョリ」の音に、より一層反応が良くなる。
クリトリスをいじくりながら、剃刀で剃りあげる
「あっ」「あっ」と涎と一緒に漏れる声、加藤も興奮していたのだ。
救出された美弥子は、麻薬中毒の症状で病院に搬送された。
他の女性も全く同じ症状で、殆ど最近の記憶は無く、佐山達の質問も理解出来ない状態だった。
医師が当分事情聴取は困難だと、治療に専念する事に成ってしまった。
横浜の陳はこの事態に、救出された女性の暗殺を計画していた。
内部の事情を覚えてはいないだろうが、念の為に消す手筈を整えていた。
美弥子以外は、身元も何も判らない。
美弥子だけは東京の警察の病院に搬送する事がその日の内に決まって、明日救急へりで東京に移送の予定だ。
剃毛の終わった冴子をベッドに連れ込んで、二人の女の愛撫と加藤がペニスバンドを装備して、SEXを行って、友田が乳房を吸って揉んで、三人の女の裸がベッド狭しと、乱れていた。
加藤はレズ、友田もレズの様だ、冴子だけがマゾ、身体が燃えていたので、女同士のSEXも出来た。
責め続ける加藤と友田、SM部屋の痴態は夜まで続いた。
マフィアとの攻防
15-54
冴子達は夜ホテルを出た、お互いが満足をしていた。
「また、困ったら此処で会おうな、冴子」頷く冴子を残して二人はラブホを後にした。
加藤は冴子を自分達の物に出来た喜びが有った。
信樹に見つからずに今後も此処で冴子と楽しめると考えていた。
翌朝、神戸の病院からヘリで東京に搬送された美弥子と入れ違いに、看護師に変装した殺し屋二名が、残って治療を受けていた女性に注射をして暗殺をした。
兵庫県警は病院だと安心していたから、病室の警護をしていなかった。
監視カメラには看護師姿の女が二人病室に入るのが記録されていたが、身元の確認は出来なかった。
東京に搬送されて助かった美弥子の身体を治して犯人の割り出しを急ぎたい警視庁。
美優の功績が認められたので、再び美容院(シャイン)の監視が始まっていた。
信樹は集めた三人の女を何もしないで、檻に入れて一週間が過ぎていた。
みんなの集まれる日に料理をして楽しむ為だった。
(ヘアー&ヘアー)の人間ではなく、このビル建設に携わった人達を呼んで居た。
ECAテレビの野村、建築の畑山、図面の奥田、弁護士の富岡、おもちゃ販売の簑田の五人を招待していたので中々時間が合わない。
結局二月の最初の日曜日の夜で纏まった。
加藤は信樹が冴子の事を言わなく成って安堵していた。
自分のSEX奴隷に仕立てる予定だから、邪魔をされたくないのだ。
カワノニシキは休養で牧場に、シャインドリームは三月の弥生賞から始動と為末が決めて冴子に連絡をしてきた。
冴子は総て為末にお任せすると言って、今後の予定を一任してしまった。
加藤女医の影響で、仕事に力が入らない状態に陥った冴子は、雅治に再び会う回数が減少してしまった。
加藤女医は警察の監視が始まった事を偶然知った。
安心していたのに、何故?と調べて見ると、神戸で中国マフィアと警察の事件が原因だと突き止めて、危険を感じ始めていた。
折角、冴子を自分の物に出来たのに、またしても此処から出るのに苦労をする。
美咲を呼ぶのも危険だが、来月中に再び薬を飲ませて、完全に自分のSEX奴隷にしなければ、暫くすると戻ってしまう、あの蕩ける様な一時を味合わせて、レズとSMの世界に引き込む作戦だった。
此処を出ると、今は直ぐに捕まる。
捕らえた女性のパーティを考えている信樹には全く警戒心がない。
今までの犯行を総て信樹に被らせて、混乱に乗じて逃げる?だが冴子を諦められない加藤、刻々と二月が近づいていた。
捕らえた女には媚薬が投与されて、何も無く一ヶ月が経過していた。
三人の中で森洋子だけが無残な姿で、他の二人は全く檻に入れられて、何もしていない状態だが、薬の投与で、オナニーを行う日が増加していた。
テレビでは、普通の放送とアダルトビデオを強制的に見せて、感情の高ぶりを煽っている。
信樹はカワノホマレの今年の最初のレースに共同通信杯を選んでいた。
年末に調子が悪いと言われて、二月まで待ったのだ。
近藤調教師は信樹を上手に騙して、自分の考えたローテーションで走らせていた。
調教師仲間ではシャインドリームの実力が高く評価されていた。
それは小出元調教師が、格付けの持論をスポーツ紙に書いて、断然力が違うと評論したからだった。
信樹には面白くない話しだ。
自分が冴子を手に入れる為に与えたボロ馬が自分の馬より数段上だと評価されたから、今度の共同通信杯で自分の馬の実力を世間に見せるのだと張り切っていた。
病院に収容された本間美弥子の容体は中々戻らない。
警察関係の病院で外部には漏れないのだが、中国マフィアの陳には驚異な存在に成っていた。
病院に刺客を送り込もうと作戦たてる陳、同時にサイトの閉鎖を行って警戒を強めていた。
二月の日曜日、きさらぎ賞にビオイナズマが勝利を収めて、貢と玲奈は関西の競馬場で抱き合って喜んだ。
関西の期待のグリットミラクルを下しての勝利だった。
徐々に勢力図が作られる三歳牡馬、これからクラシック競走に突入して行く、頂点にカワノホマレは変わらない。
まだ一度も対戦していない無敗馬が数頭いた。
関西で祝杯の頃、信樹のビルに変態親父共が集まって、捕らえてある女を料理して遊ぶ会が始まろうとしていた。
ビルの外で監視をする本宮と内藤は時間差でビルに入って行く男性の写真を撮影していた。
「変だな、倉庫に数人入って行って、出て来ない」
「荷物を取りに来ている車もない」
二人が話しをしている時にまた一人、テレビ局の野村が入って行った。
野村は背広で来たので、刑事の二人には違和感が有った。
「見に行くか?」
「そうですね」
二人はビルの入り口に近づいて行った。
その時「ズドーン、ズドーン、ズドーン」と銃声が響くと、ビルの手前の道路で二人の刑事が倒れて、一面血の海に成る。
人々は逃げ悲鳴が上がる。
「救急車だ」の声、美容院の従業員も出て来て、倒れた二人の刑事を見ている。
その様子はすぐさま地下に連絡がされて、祭りは急遽中止、全員直ぐさま姿を消した。
加藤と信樹は一体何が起こったのか判らない。
「何が?」
「判らない」
「撃たれた男刑事よ」
「えー」と驚く信樹
「何故、このビルの近くで?」
「見張って居た様だわね」
「誰が刑事を!」
救急車が到着して二人を運ぶが、流れ出た血液の量から、二人は即死だろうと加藤は思った。
警察が大勢来たので二人はビルに戻る。
「これで当分何も出来ないわね」
「その様だ」信樹は残念そうに言うと、自分一人が遊ぶか?暫く様子を見る事にするのだった。
警察が聞き込みに来たが、美容院も倉庫も何も無いので、怪しまれなかった。
銃弾は走り去った車から、中国マフィアの犯行で、警察に対する報復だと捜査本部では判断をして、警戒を強めた。
二人が殺されたのと、美容院の監視は全く関係が無いと、結論付けていた。
陳は信樹のビルから、自分達との関連を探られると思い、監視の刑事を消したのだった。
神戸の復讐も込めての犯行だった。
信樹達とは全く関係の無い動きの陳達の行動を信樹が知る筈もない。
これ以上成れば、ビルを爆破も考えていたのだ。
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15-55
警視庁は本格的に捜査本部を作り、中国マフィアの撲滅に乗り出した。
現役の刑事三人が犠牲に成っていたから、一人は意識が朦朧状態で回復が進んでいない。
病院の警備も厳重に成って、美弥子の回復が捜査の決め手に成っていた。
美優は「変ね、中国マフィアが関わっているのは確かだけれど、あの美容院を見張っていた二人が殺されたのは、あのビルに何か有るのよ」
「そうかな?」
一平も何故?マフィアが刑事を狙ったのか?
あの美容院の監視をしている時なのか?不思議だった。
日曜日カワノホマレが共同新聞杯に圧倒的な人気で出走してきた。
対抗はハルバッカスで僅か九頭の競馬に成った。
逃げるカワノホマレを追うハルバッカス、直線でも全く差が詰まらず、一馬身の差でそのままでゴールをして、信樹に二個目のG競走の栄冠をもたらした。
次走はスプリングステークス、その次は皐月賞と騎手が近藤に言われていた事をそのままインタビューで喋ってしまった。
信樹は、シャインドリームと対戦を考えていたから、騎手に対してご立腹だったが、「オーナー強いですよ、この馬は」と言われて怒る気力を無くして微笑むだけだった。
警視庁では刑事の射殺と美容院は全く関係が無いと判断を下していた。
関連が全く無かったからで、もし有るなら美弥子の短い髪位でその髪も少し伸びていたから、美容院との関連を考えるには無理が有った。
冴子の髪も伸びて十センチ以上に成って、鏡を見る気分も少しは良く成ってきたのだ。
加藤女医からの接触も無い、美咲も加藤からの依頼が無いので、冴子に薬を飲ませる不安も無く三月に成っていた。
流石の加藤も店の目の前での銃撃に、強気な気持ちが消えて怯えに変わっていたのだった。
加藤はこのビルからの脱出も視野に入れていた時に、刑事が撃ち殺される。
それも二人も連日の聞き込みもこの近辺で行われて、目撃情報の収集に刑事が連日捜査に来るので脱出も出来ない状況に成っていた。
信樹もビルには近づかない、加藤と三人の看護師は捕らえた女の世話以外に何もする事が無くなっていた。
一ヶ月以上が経過しても、毎日警官が警備をして、現場の状況が保存されている状態が続いていたのだ。
美容院の客も減少して、経営状態が悪く成っていた。
冴子も漸く薬の効果が消えて、本来の状態に成って、弥生賞に出走の愛馬シャインドリームを応援の為に雅治、玲奈、貢、木崎の四人で来ていた。
貢はビオライデンを弥生賞に出していた。
関西からグレンオールが出走して、シャインドリームと人気を分けていた。
「シャインちゃん、今日も半馬身?」と玲奈が嬉しそうに言う。
「僕の馬に?」と貢が笑うと「グレンオール強いですよ」と後ろに居た小出元調教師が話しかける。
「先生、こんにちはご無沙汰しています」と振り返って冴子がお辞儀をした。
この数ヶ月、競馬も相場も気合いが乗らなかった冴子にはグレンオールが全く判らないのだ。
「勝ち方が強いですよね」と貢が小出の言葉に反応をして答える。
「でも、私は藤堂さんの馬が一枚上手だと思っていますがね」
「ありがとうございます」と微笑みながら冴子が言う。
ファンファーレが高らかに鳴り響く、今日はまだ冬の風が時々頬を撫でる。
十五頭の馬が一斉にゲートを飛び出す、グレンオールは最後方に下げる。
シャインドリームは中団外目を追走、内にビオライデンが走っている。
瓜生騎手はがっちりと手綱を引いて、落ち着いている。
いつもと異なる競馬をしている様に見える。
それは後方の馬をどの様にシャインドリームが対処するのかを、調べている様に見えた。
いつも、前の馬を半馬身捕らえる競馬が多いから、次回の皐月賞では、前方のカワノホマレを見ながら後方の馬を相手にしなければ成らない可能性も視野に入れた騎乗をしていたのだ。
中山は直線が短い、瞬時に切れる馬が突き抜けると、勝負が決まってしまうのだ。
三コーナーから徐々に速く成って、ビオライデンが先頭に並びかける。
後方のグレンオールの手が動いて上がり始める。
瓜生の手綱はまだ動かない、直線に向いた時、横にグレンオールが並ぶ、前にはビオライデンが先頭の馬を抜いて先頭に立った。
グレンオールとシャインドリームが並んで追い込む、一気に外から二頭が併せ馬の様に抜け出す。
グレンの鞭が炸裂すると、シャインの瓜生も手綱を押す、最後の一ハロンをまるで併せ馬の様に走る二頭、大きく離れるビオライデン、二頭が並んでゴールした。
僅かにシャインドリームが先着しているのが判る。
「勝った!」漸く玲奈が叫んだ。
四人が固唾を飲んで直線の攻防を見ていたのだ。
「凄い、戦いでしたね」木崎が言うと「大きく差を開けられてしまいました」と貢も漸く笑みを漏らしながら言う。
「お姉ちゃん!」と玲奈の声に我に返って「緊張して、声が出なかったわ」と始めて喋り出した冴子。
「予想通りのレースでしたね」小出が祝福の手を差し出して冴子に言った。
「次走は、グレンにはもっと楽に勝てますよ」と小出が言う。
「何故ですか?」
「騎手が相手の力を測ったからですよ」
「でも、次走はカワノホマレが居ます」
「カワノホマレはグレンに負けると思いますよ」
「えーー」四人が同時に驚きの声をあげた。
小出の爆弾発言だった。
その言葉を近くに座って居た馬主から競馬記者の耳に入って、翌日の記事に成るとは、小出も予想はしていなかった。
貢は自分のビオイナズマがこのグレンオールにハナ差で負けたので、自分の馬が四強に入ったと喜んだのだ。
翌日の記事を読んだ信樹は怒りが収まらない。
近藤調教師に「スプリングステークスでカワノホマレの実力を見せつけてやれ」と怒りの声で叫ぶ信樹だった。
スポーツ紙の格付けではシャインドリーム、カワノホマレ、グレンオール、ビオイナズマ、ペザピラード、ハルバッカスの順に変わっていた。
皐月賞の死闘
15-56
弥生賞から二週間後にスプリングステークスが行われた。
最近はビルの前に警官が常駐して、遊べない信樹の楽しみは競馬のみで、今日のレースでの圧勝劇を期待していた。
ペザピラードは指定競走を快勝して、皐月賞に行き、このレースにはグリットミラクルが出走で二番人気に成っていた。
近藤調教師は最近の信樹の苛立ちに不審感を持っていた。
このレースで一杯に仕上げる事をしないで、余裕でレースに臨みたかったので予定が狂ったのだ。
レースは一気に先頭に立つと、後続のグリットミラクルに五馬身の大差の楽勝を演じてしまった。
勝ち誇る信樹、これで皐月賞は俺が頂きだと誇らしげ、小出は一言「皐月賞では勝てない」と独り言の様に言った。
いよいよ、四週間後にG1皐月賞が世紀の一戦に成る予定だ。
だが、アクシデントが起こった。
シャインドリームが体調を崩して為末が「申し訳ない、皐月賞に使って使えない事は無いが、将来が有る馬なので、ここは自重で」
「残念だけど、ダービーに走らせる為自重しましょう」と冴子はあっさりと認めたのだった。
競馬界に衝撃が走って、シャインドリームの皐月賞回避でカワノホマレの楽勝ムードに成った。
信樹は「ボロ馬がリタイアか、ははは」と高笑いをして、喜んだ。
三人の女性は捕らえられて、四ヶ月が過ぎ去った。
警察に捜索願が出たのは学生の森洋子だった。
落第の通知が実家に届いて、両親が不審に思ってマンションに行って始めて発覚していた。
静岡県警でも、この森洋子の捜索願を見た刑事が佐山達だった。
去年、美容院(シャイン)に送り込んだ女性だった事を思い出していた。
自宅で美優に話すと「他の二人も調べた方が良いのでは?」美優に胸騒ぎが有ったのだ。
清水会長に翌日尋ねると夕方連絡が来て、二人の女性も連絡不能が判明して、行き詰まっていた捜査に光明が差した。
静岡の捜査員が三人の捜査に乗り出した。
警視庁との連携ではなく、神明会との連携で動く静岡県警、美優の持論の美容院のビルが怪しい!の言葉が一平達を動かす。
警視庁の現場の保全が終わったのは、皐月賞の前日だった。
監視の警官がビルの前から居なくなって、加藤達は気が楽に成っていた。
信樹も「ようやく、終わったか、カワノホマレのG1の夜、パーティを準備しよう」と上機嫌に成った。
いよいよ、皐月賞当日、圧倒的一番人気のカワノホマレ、ビオイナズマとビオライデンの二頭を出走させていた貢は玲奈と揃って、中山競馬場の馬主席に陣取って二頭の応援をしていた。
冴子は自宅で久々に庭園露天風呂に一人で入って、のんびりと過ごしていた。
鬘を外して、シヨートカットにして今までのイメージを変えても良いかも?と鏡を見ていた。
「そうだ、次のダービーの時に披露が良いかも?」と微笑んで、シャインドリームの走らない皐月賞をテレビ観戦とバスローブを着て、クーラーで冷えた室内のソファアに腰掛けた。
G1ファンファーレが鳴り響く、絶好の枠一枠二番のカワノホマレ、対抗の馬達は外枠にグレンオールは七枠十五番、ビオイナズマは八枠十六番、ぺザビラードは八枠十八番の大外二枠三番にビオライデン、二枠四番にグリットミラクル、六枠十一番にハルバッカスと人気の馬がゲートに入った。
絶好枠に勝った気分の信樹、ゲートが開くとダッシュ良く先頭に出るカワノホマレ、外からビオライデンが競いかける。
同じくグリットミラクルも捨て身でカワノホマレに並びかける。
後方に置かれる、グレンオールとビオイナズマ、中団にハルバッカス、ペザビラードが並んで走る。
ラップが早い「こら、邪魔をするな」と叫ぶ信樹、二コーナーでようやく、振り切るカワノホマレ、単騎の逃げに成った。
向こう正面で落ち着いた流れに成って、三コーナー手前から追い出す後方待機の馬達。
中団のペザビラードとハルバッカスの後方にビオイナズマが忍び寄る。
そのすぐ後ろにグレンオールが虎視眈々と進出、カワノホマレに競いかけた二頭は力尽きて下がってきた。
四コーナー手前でカワノホマレに並びかけるハルバッカス、外から遅れてペザビラード、直線に向いて、内を走るカワノホマレに鞭が入る。
ハルバッカスを振り切るカワノホマレ、粘りの走りに「いけー」と立ち上がる信樹、外から二頭が襲いかかるビオイナズマが内外にグレンオール、二百のハロン棒でペザビラードも振りきって逃げ込み体勢のカワノホマレを外から二頭が襲いかかって、馬主席は総立ち状態「いけー」「いけー」貢も玲奈も信樹も総立ち状態。
三頭が並んでゴールに駆け込んだ。
「勝ったの?」玲奈の言葉に放心状態の貢、向こうで呆然としている信樹。
楽勝だと思っていたのに。。。。。。。だった。
「捨て身の作戦が良かった」とようやく貢が玲奈に言う。
「ほんと、ライデンしんがりよ」とターフビジョンを見て玲奈が言う、十七着がグリットミラクルだった。
写真判定に成って、ストップモーションでもどれが勝ったのか判らない状況に成って、場内が静まりかえっていた。
着順掲示板に注目の中、一着に十五の文字二着に十六の文字、三着に二の文字が点滅して、場内が大きく響めいた。
「ハナ、ハナ、三馬身、首の着差が出たわ、惜しかったね」玲奈が言う。
「また同じ馬にハナ差で負けたな」貢が残念そうに言う。
向こうで信樹が放心状態から今度は怒りに変わっていた。
あのビオライデンが競わなければ勝てたのに、邪魔をしたから負けたのだ覚えておけ、復讐をしてやる。
そう心に決めて、さっさと帰ってしまった信樹、興奮の余韻の中、貢達も競馬場を後にした。
「今日、シャインちゃんが出ていたら、あそこで外から抜けるのよね」
「そうかも、知れない、ビオイナズマは晩成血統だからダービーの方が期待できるよ」
「今度は二頭がゴールを駆け抜けて欲しいわ」二人の気分は既にダービーに向かっていた。
荒れる信樹
15-57
ビルの地下に集まるフェチの連中、加藤は昼間のレースで信樹の馬が負けたので、今夜は荒れるから、三人の女性は無残な状況が予想された。
三人は毎日の様に媚薬を飲まされて、ビデオを見せられて、オナニーをするから、半分狂った状態だった。
信樹が怒り狂って戻ったのは、夜に成っていた。
為末は皐月賞を見て、シャインドリームの作戦は追い込みに決めていた。
グレンオールもビオイナズマも追い込み、カワノホマレを競い落とすのはビオライデンに任せて、直線勝負で勝てると計算していた。
ビオイナズマの管理厩舎でも、今日の作戦が大成功で次回のダービーでは長距離血統のビオイナズマが有利に成ると同じ作戦で今度は勝てると見込んでいた。
冴子はカワノニシキが牧場で柵を跳び越えて怪我をしての休養も重なって、春先は競馬場に行く機会が無く成っていた。
ゴールデンウイークにはサンシャイン牧場に行って、今後の事を話し合うのと、二歳馬の状況も見学の予定に成っていた。
森洋子は全裸にされて、伸びかけた髪に電気バリカンが再び刈り取る。
嬉しそうなフェチの男達
「この女パイパンですね」
「好きにして、遊んで」信樹が言うと、早速髪フェチでは無い男の簑田と野村が、洋子を連れてベッドに自分達も衣服を脱いで襲いかかる。
地下での模様を加藤は撮影していた。
今後に役立つと考えていたからだ。
薬を打たれている洋子は、淫乱状態で二人の男性を相手にSEXを始めている。
他の人には榊塔子が連れて来られて、薄いバスローブをはぎ取られて全裸にされて、男達に身体を持たれて、手足を拘束されて、男達の手にはハサミが、信樹の合図で順番に長い髪を切る、
完全に狂った目に気味悪さを感じる加藤達だった。
丸田、畑山、奥田の三人が交互に長い髪を切り、友田と鈴木がシェイビングクリームの入ったカップと刷毛を渡すと信樹が塔子の股間に塗りだした。
口にはゴムの猿轡がされて喋れない榊塔子が身体を動かして騒いでいるが、この狂った連中は無視状態だ。
奥田が剃刀を持って股間に沈む、剃り始めたのだ。
信樹が電気バリカンで最後の仕上げに切り刻まれた髪を丸めて行く。
床に沢山の髪が散乱して坊主頭が完成した。
洋子に富岡が自慢のペニスで止めを与えて、二人が強姦した後で無ければ、富岡の大きなペニスは危険だった。
塔子の股間も剃り上がると、今度は奥田と畑山がベッドに塔子を連れて行く、強姦が始まる。
簑田と野村は終わったのか、ビールを飲んで一服状態、女性と異なり一度SEXをすると、当分回復しない年齢の男達だ。
最後に加納朋子が連れて来られて、同じ様に手足を拘束されて、猿轡状態で長い髪を背中に全裸で「この女も陰毛は少ないな」と信樹が言いながらハサミでいきなり長い髪を切った。
丸田も信樹に続いて切り刻む、向こうのベッドでは榊と二人の男がSEXをしている。
森洋子は車椅子に乗せられて、四階の部屋に運ばれていた。
意識は無く成ってぐったりと眠って居た。
朋子の頭も電気バリカンで丸められて、富岡が大きなペニスで片足だけ拘束を外されて、足を持ち上げて挿入されていた。
突き上げる富岡のペニスに目を白黒させて、反応をする朋子。
過去にこの様な体位でのSEXは無い、そこにこの太い肉棒を咥えさせられて、気絶する朋子だった。
三人が強姦されて、二人が気絶で自室に戻された。
「楽しかった」と各自が満足をして帰って行った。
一人不満が残っていたのは信樹だった。
「あの前田の馬さえ居なければG1は俺の物だった」と悔しがる中々収まらない信樹だった。
信樹は三人の女の処分を再び陳に依頼をした。
陳は三人を眠らせて袋に詰めて運び出す様に指示をしてきた。
加藤は信樹の指示に従って三人の食事に睡眠薬を混入させて、眠らせて袋に押し込んだ。
美容院の洗濯物として運び出された三人は横浜の港から船に乗せられて中国に送られる予定に成っていた。
停泊中の船に監禁されて、売春に中国本土で使われる。
この船にも調教師が居て売春の為に教えるのだ。
三人以外にも数名の日本人が捕らえられていた。
髪が無いのはこの三人だけで、他の女は普通の姿だが、麻薬中毒に成ってしまうから逃げられない状況が待っていた。
この情報は神明会の清水にも僅かだが届いていた。
何処の場所に停泊の何と云う名前の船なのかは全く判らなかったが、日本人を捕らえて中国本土に売春婦として送り込んでいる事は掴んでいた。
本間美弥子の状況から、髪フェチの集団が遊んだ後美弥子を中国マフィアに売り飛ばした。
何かの理由で本国では無く神戸で売春をさせられていたと考えていた。
髪フェチの闇サイトも閉じられているから、このサイトの人間とマフィアは関係が有ると清水は佐山達に伝えていた。
五月に成って美優は一平に「囮を使ってあの美容院を摘発しては?」と話した。
「美優が囮?久美さん?」
「二人はもう警察の人間だと見破られているから駄目よ」
「じゃあ、誰?」
「冴子さんか玲奈さんよ」
「えー」
「危険だけれど本人には教えないで囮に成って貰うのよ」
「それは危険だろう」
「加藤女医以外に必ず髪フェチが居るのよ、だから美容院なのよ」
「本当かな?」
「私ね、色々調べてね、あのビルのオーナーが怪しいのよ」
「上場企業の社長だよ」
「いいえ、唯の遊び人よ、殆ど弟の信之が経営をしているのよ」
「よく調べたね」
「あの会社の人が私の知り合いの友達に居たのよ、ようやく判ったのよ、競馬と謎の趣味、独身、金持ちでしょう、謎の趣味が髪フェチだったら?」
「考えられるな」
「あのビルに加藤女医が居て、協力をしていたら簡単でしょう?」
「髪を扱う美容院をカムフラージュにして、趣味に走る馬鹿社長か?」
美優と一平の話は佐山に伝えられて、囮作戦が考えられる事に成った。
さあ、日本ダービーへ
15-58
五月の連休に一平と美優は冴子の自宅を訪ねた。
予告も無く尋ねた二人を出迎えたのはお手伝いの富永と山田だった。
「お二人は、今朝から北海道に行かれました」
「北海道ですか?」
「サンシャイン牧場に向こうで調教師の為末さんと待ち合わせで、牧場巡りもされるので、お帰りは五日です」と富永が答えた。
美優が「冴子さんはあの事件の後は何も有りませんか?」と尋ねた。
「今年の正月も少し変でしたね」と富永が答えると「半月程で元に戻られたと思います」と山田が答える。
去年の夏に近い症状が有ったと話す二人に「その前に、何か薬を飲まされた様な事は?」
「この家では注意をしていますので、大丈夫だとは思いますが、事務所なら判りませんね」
その言葉に美優が「それだわ、誰かが薬を飲ませたのよ」
「事務所に乗り込むか?」
「待って、大体誰だか見当が付いているから」
美優は事務所で冴子と同じ様に髪を短くされた美咲だと直感で判ったのだ。
冴子の自宅を出てから、美優が一平に直感の内容を話して「事務所に行って、干野さんに会ってみるか?」
「干野さんなら、信頼出来るから、美咲の行動を見張って貰おう」
二人はオフィス冴に行って、子細を話して経理部長の干野明に協力を求めた。
干野は美咲も脅迫を受けていると知って、早期の解決の為協力を約束した。
干野も加藤女医の犯行と聞いては許せない気持ちだった。
あの新藤先生の仇を!の気持ちも有った。
冴子と玲奈は久々に姉妹だけの旅を楽しんでいた。
町田の自宅に二泊、札幌に一泊、玲奈が二歳馬と当歳馬に名前を付けて中でもお気に入りの馬に自分の名前を名付けて「シャインレイナ可愛い名前」と並んでポーズをとって、写真に収まっていた。
他にシャインブラック、シャインコスモ、シャインチカラと名付けられた二歳馬は二頭が為末厩舎に来月入厩、レイナは北海道でデビュー、コスモだけが育成牧場に残る。
今年の二歳も期待できる良血馬が多いと為末の説明に期待を持つ玲奈、特に自分の名前の馬に愛着を感じていた。
加藤は警察の監視が無く成ったので、再び美咲を使って冴子に薬を飲ませる段取りに入っていた。
信樹は最近髪が伸びた玲奈と美咲を再び狙っていた。
毎日テレビで見るから再び遊びたく成ったのと、皐月賞の復讐も考えているのだ。
北海道から戻って、再び経済番組に登場の三人を見て「冴子はもう髪は伸びているのか?」と加藤に質問をした。
加藤は冴子が自分の物だと決めていたから「まだ、短いでしょう、剃ると中々伸びないから」
「あの二人、また伸ばしているな」と美咲と玲奈を見て触手を伸ばすのだった。
加藤には信樹が二人に向いてくれるのが助かるので、冴子に向かうと困る加藤女医だ。
いよいよ、ダービーが近づいてきた。
為末から皐月賞に出さなかったのが良かったです、万全の体制で出走出来ます!の報告に不安が消えた冴子。
当日は冴子が鬘を外して、ショートヘアーで鮮やかに競馬場に来たから、冴子を見た全員が驚きの顔に成った。
見かけは髪を切った感じに見えたから、大胆な切り方に見えたのだ。
冴子の髪は十五センチ以上に伸びていたから、ボブの髪型がよく似合った。
冴子もようやく晴々とした気分で今日を迎えていた。
(オフィス冴)全員で応援、テレビ局の関係者、下田部長を始め、小堺常務に小野専務まで応援に、馬籠親子、サンシャイン牧場からも数人が応援に来ていた。
大応援団は前田貢も同じで大勢の社員の応援、勿論親父夫婦も初めてのダービー出走、それも二頭も出られる栄光に興奮していた。
信樹の応援は殆ど無い、会社関係の人間は皆無だった。
友人とフェチ仲間の弁護士富岡と奥田が来ていた。
一番人気はカワノホマレで二枠三番の絶好枠、差が無く二番人気に皐月賞馬のグレンオールは一枠一番、三番人気にシャインドリーム六枠十一番、四番人気にビオイナズマ五枠九番、逃げ宣言のビオライデンは八枠十七番と最悪、グリットミラクルも七枠十五番と逃げには苦しい枠、ハルバッカスは三枠五番、ペザピラードは四枠七番、この枠順発表時に信樹はこのレースは勝てたと思っていた。
近藤調教師もこの枠なら出遅れさえ無ければ、楽に先頭を走れる。
後はテレビ馬の存在だけだから、大レースで勝ち目の無い馬がテレビに映る為に先頭を走るから、困るのだがこの枠なら大丈夫だと自身を深めていた。
シャインドリームは皐月賞回避の影響で人気を落としていたが、テレビの解説では絶好の身体での出走だと言われていた。
本馬場入場に興奮の玲奈が「貢さんの馬も強そうだけれど、やはりシャインちゃんが良いわ」と言うと美咲が「玲奈さん馬判るのですか?」「判らないわ、なんとなくよ」と笑う、全員が緊張をしていた。
ゲストの歌手が国歌を歌って、雰囲気を盛り上げる。
場内に段々緊張が高まる。
ダービーの生ファンファーレが高らかに鳴り響く、五月の青空に吸い込まれる様に、歓声で打ち消される程の声援が巻き起こる。
ゲートはスタンド前、次々とゲートに入る各馬、奇数の馬が入って偶数の各馬がゲートに向かう、嫌がる馬も数頭いたが、最後に十八番の馬が入ってゲートが開くと、歓声が響めきに変わった。
逃げる予定のグリットミラクルが少しの出遅れ、ビオライデンが大きく出遅れたのだ。
楽々と先頭にカワノホマレが出て、一コーナーに向かう「おおー」と声を出す信樹。
失望の貢、ビオライデンは最後方を離されて廻る。
「駄目だ!」と大きな声をあげる貢。
そのビオライデンの前に居るのがシャインドリームでその直ぐ横にグレンオール、その少し前にビオイナズマで一コーナーから二コーナーに向かう各馬、先頭は楽にカワノホマレが二馬身の差を空けて気持ち良く走る。
二番手にハルバッカス、中団にペザビラード、向こう正面で外からグリットミラクルが仕掛け気味に上がって行くと、二番手集団に上がった。
最後方のビオライデンは依然離れている。
後方集団の一番前にグレンオールその直ぐ後ろにビオイナズマ、後方二番手にシャインドリーム、三コーナーから仕掛け気味で動くビオイナズマ、楽に逃げているカワノホマレを捕らえきれないと騎手が判断をしたのだ。
それを見て、グレンオールも徐々に進出、依然がっちりと手綱を押さえる瓜生騎手、先頭のカワノホマレとは大きな差だ。
八百のハロン棒で五番手に進出したビオイナズマ、遅れてグレンオール、瓜生騎手は全く手綱を緩めない。
栄冠を手に
15-59
先頭カワノホマレは楽々と六百のハロン棒を軽快に過ぎて行く、二馬身以上の差が後続と有る。
直線に向かう処でシャインドリームの手綱を緩める瓜生、加速が始まる。
疲れて下がる馬が内柵に居るから、外に廻す。
四百のハロン棒を過ぎるカワノホマレ、外から追い込むビオイナズマ、その外を来るグレンオール、シャインドリームはグレンオールの外を駆け上がってくる。
最後の坂で鈍るビオイナズマをグレンオールが捕らえるが内のカワノホマレとの足色は変わらない、大外の緑の帽子だけがぐんぐん迫ってくる。
瓜生の鞭が初めてレースで炸裂する。
過去に一度もない光景残り二百メートルでビオイナズマを抜き去り、グレンオールをねじ伏せる様に真っ直ぐに突き抜ける。
一瞬の出来事の様にゴール番を駆け抜けたシャインドリーム、他の馬が止まっている様な追い込みだった。
カワノホマレの騎手が呆気にとられた程一瞬の出来事なのだ。
瓜生騎手だけが高々と手をあげてのガッツポーズをしていた。
場内が静まりかえって軈て声援と歓声に包まれた。
「な、に、よ、あ、れ」とようやく玲奈が口を開いた。
「凄いわね」と冴子もようやく言葉を発した。
ターフビジョンに映し出される映像は、カワノホマレを半馬身抜き去っていた。
「また、半馬身よ!」興奮の玲奈が叫ぶ、楽勝だと思っていた信樹は放心状態で言葉が無く成っていた。
自分が与えたボロ馬がまさかダービーを勝つ!信じられない瞬間だった。
瓜生騎手とシャインドリームがウイニングランで正面に戻ると、場内から「冴子!冴子!」の大合唱が始まった。
思わず馬主席で立ち上がって手を振ってお辞儀をする冴子なのだ。
確定のランプが点灯して、一着十一番、二着三番、三着一番、四着九番、五着七番と表示されて着差が二分の一馬身、二馬身、一馬身、二馬身と確定した。
下に向かう冴子達を見て「髪型変わって、素敵!」と叫ぶ人も居て、冴子は祝福の握手でもみくちゃ状態に成っていた。
「おめでとう、おめでとう」に「有難うございます」の微笑みを返す冴子。
本馬場に出るとまたまた、大きな「冴子!冴子!」の大合唱が起こる。
愛馬の口取りで写真に収まる冴子と玲奈、大勢の観客に手を振る二人に「玲奈!玲奈!」の歓声も上がって、玲奈も感激していた。
これから、表彰式が正面の本馬場で催される。
小出が「おめでとう」と冴子に握手を求めた。
「有難うございます、先生の予言通りでしたわ」と微笑むと「世界を狙えますよ」と今度は小出が笑った。
表彰式の最中、信樹は競馬場を後に憮然とした顔で、帰路に「何が、短い髪だ、充分伸びていた」
「相変わらず美人でしたね」富岡が言うと「捕まえて、SEXをしてやる!」と息巻いた。
その頃警察の病院で治療中の美弥子が徐々に回復をしていた。
断片的に思い出す事も最近は増えていたのだ。
半年の治療でようやく、回復の兆しが出ていたのだ、
この美弥子の暗殺を焦っていたのが、陳達で、二度程病院に忍び込んだが失敗に成っていた。
数日後ダービーの圧勝で為末は秋の菊花賞に出すより、凱旋門賞に走らせてみようと冴子に進言した。
三歳で走る方が斤量的に有利だから、あのロンシャンの長い直線をシャインドリームが駆け抜けるシーンを想像する二人、ホースマンの夢の舞台だった。
冴子も為末の意見を取り入れて登録をして、調子が悪ければ走らせない条件で承諾をした。
翌日のスポーツ紙に大きく掲載された。
その片隅に今年の有力新馬のコーナーに冴子のシャインレイナが掲載されて、玲奈は大喜び、来週の函館競馬でデビューと楽しみは新馬に成った。
加藤女医は美咲に連絡をして、薬を取りに来るように指示をしていた。
信樹は冴子を捕らえて、地下でもう一度つるつるにして、今度はSEXを楽しもうと企んでいた。
加藤女医の呼び出しに美容院にやって来た美咲を信樹が見てしまった。
ベリーショートから伸びて肩に掛かるほどの髪、元々美人で清楚な美咲を信樹が見逃す筈はなかった。
「捕まえろ」
「駄目です、冴子に薬を飲ませる役目が有るのです」加藤が言うと「そうなのか?冴子を捕まえられるのか?」
「上手く行けば」
「薬を飲ませたら、先にこの女を捕まえて遊ばせろ」
「判りました」
「玲奈も一緒に捕まえろ」
加藤には信樹の気持ちが冴子から離れたらそれで良かった。
「薬が効果を表すまで、二週間必要だから、それまでに捕まえましょう」
加藤は嘘を言った二人と信樹が遊んで居る時に自分は冴子とMの館で会おうと考えていた。
薬を持って帰る美咲に「薬を飲ませたら、玲奈をこの美容院に連れて来い」と無料の招待券を手渡す加藤。
「また、何か?」
「大丈夫だ、お前は連れて来るだけで良いのだ」
「玲奈さんに?」
「余計な事を考えると、お前のビデオが出回るわよ」そう言われると何も逆らえない美咲、今でもあの時の事を思い出すと恐怖に成る。
美咲の行動は干野に監視されていた。
冴子には内緒で干野は美咲が何をするか?を監視して美優に報告をしていたのだ。
確かに、飲み物を急に美咲が冴子に勧めている。
干野は早速今日変な行動が有りました。
若しかして飲み物に何か混入させたのでは?
美優は囮作戦が始まったと一平に連絡、直ぐには効果が無いだろう。
数日後から冴子さんの監視とビルの監視を静岡県警で行う事にしていた。
美優の提案した囮作戦の開始だ。
警視庁も美弥子の回復で陳一味を逮捕に向かって準備を進めるのだった。
薬を飲まされた冴子はまた変な気分に成っていた。
雅治を避ける様に成っている。
美咲が容量を多く飲ませていたのだ。
その連絡は加藤女医に伝わり加藤は早く成る可能性を感じた。
今週の土曜日に日時を決めて、連続で飲ませて一気に誘う段取りに変更をした。
美咲には土曜日に玲奈を誘って連れて来る様に指示をしたのだ。
玲奈に美咲は「貢さんがね、以前のボブが良かったと、私にこっそりと言ったわよ」と囁いて、この券をくれたのよと無料券を差し出した。
「私も貰ったから、二人で行かない?」
「いつ?」
「今週の週末よ」
「あっ、それでか!貢さんね!日曜日にデートに行こうと何度も誘ったのよ」と笑顔に成る玲奈。
美咲は玲奈の勝手な想像で話が上手く進んで喜んでいた。
貢は日曜日に婚約指輪を一緒に買いに行く予定だったのだ。
思惑
15-60
話が上手く纏まって、加藤に連絡をする。
美咲に残りの薬を金曜日までに分けて飲ませる事と指示をしていた。
干野は毎日上手に飲ませる美咲の行動を逐一美優に、報告をしていた。
美優は一平に「この週末に行動を起こすわ」
「判った、四人で行く予定だ」
「私は、冴子さんを尾行するわ」
「美容院のビルだろう?」
「多分ね、でももしもの場合が有るから」
週末一平の母親が来る予定に成って、美優も捜査に協力をする。
干野に見られているとも知らずに美咲は毎日の様に冴子に接近をして、色々な物に混入して加藤女医の命令を忠実に実行していた。
元々冴子の身体に残っていた薬に対する反応が木曜日位から如実に表れ始めていた。
SEXがしたい、虐められたい気持ちが日増しに増幅していくのだった。
木曜日の夜、タイミングを測ったように加藤女医が冴子の携帯に電話をしてきた。
「冴子!久しぶりね」
「あっ、加藤先生」
「もう、私が恋しく成って来る頃だろう?」
「は、はい」
「素直だな、土曜日の夕方この前のホテルに来ないか?」
「。。。。。」
「大丈夫だ、この前の様に楽しむだけだ、冴子の気分も晴れるだろう?」「。。。。」
「あのホテルなら、いつでも逃げられるしこの前と同じで気分を良くしてあげるわよ」
「お願いします」冴子は身体の欲求に勝てなかった。
加藤は鈴木と亀井に土曜日の段取りを教えて、信樹達が美咲と玲奈で遊んで居る時に自分は友田とMの館に行く予定にした。
土曜日には富岡と菱田と野村が来る事が決まっていた。
野村には玲奈と美咲の二人が来週からテレビの画面から消える。
そして小堺達の慌てる顔が見に浮かんだ。
金曜日の夕方から静岡県警の五人と美優は東京に向かう。
ようやくキャサリン事件と藤堂冴子誘拐事件の解決近しに五人は張り切っていた。
清水の部下達もようやく陳達の船の場所を特定して、佐山に連絡してきた。
だが佐山達は船には乗り込めない、警視庁に連絡をして一斉検挙の段取りを依頼していた。
その警視庁では、もうひとつの美弥子の記憶が蘇り、語り始めていたのだ。
陳達の逮捕そして同僚の仇を討たねばと機動隊の要請を始め、大がかりな人員が集められ始めた。
佐山は自分達がキャサリン事件と藤堂冴子の誘拐事件の解決の為に美容院(シャイン)を監視すると断りを入れていた。
警視庁は美容院には関心がなかったので、今は刑事射殺事件の解決に全力で取り組む、静岡県警も頑張ってくれと言われていたのだ。
夜遅く東京に到着の伊藤、佐山、一平、佐伯の四名はビルの近くのビジネスホテルに陣取り、交代で監視をする事に成っていた。
冴子が連れ込まれてから、突入の段取りに成っている。
美優は大胆に冴子の自宅に泊まり込んでいたのだ。
お手伝いの二人に頼み込んで、内緒で泊まり込んでいた。
お手伝いの二人には既に冴子に薬が飲まされている事を知らせていた。
広い家に一人位内緒で泊める事は二人の協力で簡単だった。
「早く、事件を解決して下さい」
「気持ち悪いですよ、盗聴器から変な薬と美人は狙われる?」
二人はそう言って協力をしてくれたのだ。
夜、冴子の自宅に行くと「社長少し変ですね」と小声で美優に耳打ちする山田だった。
冴子さんが出掛ける様なら教えて欲しいと二人に伝えて、部屋に隠れる美優なのだ。
土曜日、冴子は自室に居て全く出て来ない。
玲奈は昼前に出掛けて行った。
「何処に?」と美優が山田に尋ねると「多分、デートでしょう、前田産業の御曹司ともうすぐ結婚でしょう」と嬉しそうに言うのだ。
美優は冴子をマークしていたから、玲奈の事に神経が向いていなかった。
二人を別の人間が狙っていた事には気が付かない美優だ。
一平が「動きは?」と電話をしてきて「自室に居るわ、でも薬の影響が相当出ている様だわ」
「家を出たら教えてくれ」
「はい」
昼に成っても部屋から出ない冴子。
今日は無駄な時間か?明日かな?と思っていた時、富永が「出掛ける様です」と部屋に駆け込んできた。
美優は直ぐに家を出て、外で待ついつでも尾行が出来る体勢で居た。
そのころ、玲奈と美咲は食事を終わって、時間まで原宿近辺の店を散策していた。
予約の時間に二人は美容院に入った。
美咲は玲奈を連れ込んだら解放されると思っていた。
「宮本さん、どうぞ」と菱田に呼ばれて、シャンプー台に行く。
玲奈も同じく猫田に呼ばれて奥のシャンプー台に向かう。
店に居た客が終わって出て行く、店内には美咲と玲奈の二人に成っていた。
佐山達は交代で監視をしていたが、今先程美優から家を出たとの報告、美咲と玲奈が店に入る時、佐伯刑事が見張っていたので二人の顔を知らなかった。
自宅から此処に来るなら半時間程だと緊張する刑事達、冴子が入って暫くしての突入の予定だ。
加藤達が行動を起こすまで待っての突入の予定なのだ。
冴子はタクシーに乗り込んで美優は木崎の車で追い掛ける。
歩くなら歩く、車ならお願いしますと予め頼んでいたから、待機をしていたのだ。
木崎も加藤女医には新藤先生の恨みが有るから、協力的だ。
「野平さん、原宿方面では無いようですよ」
「何処かに、寄り道するのかも?」
美優は逐一一平と連絡をしていた。
「少し遅れて来るようです」と一平が言うと「そうか」と佐山が溜息混じりで言う、緊張が感じられる。
美容院の中の美咲と玲奈はシャンプー台でクロロホルムによって眠らされて、地下に移動させられていた。
富岡弁護士、丸田、簑田、そして信樹が待ち構えていたのだ。
亀井と鈴木が加藤の指示で、道具も薬も準備万全に準備をしていた。
「冴子を捕まえに二人で行って何時に戻るのだ?」
「夜、遅く成ると先生は話していました」
「昼間は指名手配の身では動きにくいだろう、家から連れ出せたのか?」
「待ち合わせの場所で車に連れ込む様です、クロロホルムを持っていきましたから」
鈴木の言葉に「明日は冴子が抱けるのか、今日はこの二人で楽しもう」嬉しそうに髪を触る信樹。
「素っ裸に剥いて、そこの美容台に座らせるか」
肩まで伸びた美咲の髪と玲奈は背中に伸びている髪を撫でる信樹の顔は完全に狂っていた。
最後の宴
15-61
加藤女医と友田は冴子よりも早くホテルに到着をして、荷物を持ち運んでいた。
冴子の到着を待つ加藤は恋人を待つ心境に成っていて、一時間も早く来ていたのだ。
バックからバリカンを始めとして、簑田が持参して来た新型のバイブとクリトリスを刺激する新しい道具、剃毛道具、ペニスバンドと沢山の道具を並べていた。
地下では「私が持って来た、道具が見当たらないなあ」と簑田が廻りを見廻す。
鈴木と亀井が玲奈の衣服を脱がせて、全裸にしていた。
「おお、濃い陰毛だ」と喜ぶフェチの男達、手架せ、足枷でパイプに磔状態の玲奈、意識が無いので項垂れている。
玲奈を固定して、美咲の衣服を脱がし始める二人。
「もうすぐ目覚めるわ」
急いで脱がす二人、簑田と丸田が美咲の裸体を抱えて、美容台に座らせるとすぐさま固定する鈴木と亀井。
その時目覚める美咲「あっ、何をするの?約束通り連れて来たのに」
「おまえも髪が伸びたから刈ってやるよ」と笑う信樹。
「いやー、やめてー」と叫ぶ美咲。
その声に目覚める玲奈「何!これは?」と身体を動かすが動けない。
看護師以外は顔をマスクで隠していた。
「美咲さん、大丈夫?」と声をかける玲奈。
「どちらから刈ってやろう」
信樹がバリカンを手に持って二人の中央で笑う。
警察病院で美弥子が、捕らえられた当時の事を喋り出した。
すぐさま捜査本部に連絡されて「美容院(シャイン)に逮捕状だ」と課長が叫ぶ。、
関係が無いと思われていた美容院が悪の巣窟だと知った警視庁は刑事と警官十数人で逮捕の体勢を取った。
丸田が玲奈の股間に座って「これから、剃りましょうか?」と玲奈の陰毛を撫でた。
「この髪を刈ってやろう」
信樹が美咲の髪に電気バリカンを「いやー」と言う間も無くバリカンが額から走った。
床に散らばる美咲の髪。
近くでサイレンの音が大きく成って来る。
驚いたのは佐山達で、美容院の前にパトカーが次々と横付けされた。
「何事だ」と佐山達がビルに向かうと、警視庁の刑事が挨拶の後、美弥子の話しを説明した。
冴子の到着を待って踏み込む予定が全く異なる展開に成ってしまう。
美容院に入った刑事が中を探し廻るが、何処にも地下への入り口が存在しない。
佐山と一平が三階に駆け上がる。
伊藤も遅れて三階の受付に「中を調べさせて貰う」と言って探し廻る。
しばらくして「隠し、エレベーターが有る」と一平が叫ぶ。
三人が乗り込んで「上?下?」と伊藤が聞くと
「地下へ」と佐山が言う三人が地下に到着した時、坊主頭にされた美咲が泣き、玲奈の股間はシェイビングクリームで白く成っていた。
「警察だ!大人しくしろ」男四人が呆然としている。
伊藤が素早く玲奈の手架せ、足枷を外して、衣服を与える。
美咲の処には一平が向かい美容台から助け出した。
この時何度も美優は電話を掛けていたが、繋がらない状態に成っていたのだ。
メールで(冴子さんは違う場所、六本木のMの館に入ったわ)とメールをしていた。
一平達が二人に衣服を渡して、下着を着けた時警視庁の刑事と警官が地下に大勢降りてきた。
監禁暴行の現行犯で直ぐさま逮捕される四人の男、逃げ様としていた亀井と鈴木も地下の密室では反対に逃げ場が無いので逮捕は簡単にされた。
美容院の従業員も店主の山形も共犯だと、美弥子が証言していたから逮捕された。
佐山と一平は混乱の中、録画されたテープをこっそりと持ち帰っていた。
この録画で何人か犯行に加わった人間を逮捕出来ると思っていたのだ。
「上手にビルを建てていますね」と一平が言う。
「本当だ、外から全く判らない、美優さんから連絡は?」
携帯を見る一平が「まだ、何も連絡有りませんね」
地下で電波が流れていない事を知らなかったのだ。
「加藤は此処には居なかったのか?」
「今回は美優の失敗でしたね、早く突入して良かった、美咲さんの髪が刈り取られただけで、助かりましたね」
救急車が二人を積んでビルから遠ざかって二人は安堵の会話に成っていた。
警視庁の刑事が「私達はこれから、陳一味を逮捕に向かいます、先に取り調べるなら、犯人達と一緒に警視庁に行って下さい」
「はい、ありがとうございます、頑張って下さい」
「これから大捕り物ですよ、銃撃戦は覚悟です」刑事はビルを後にした。
ビルには現場検証の警官が数十人残って、ビルの全容の解明をする様だ。
佐山達五人が警視庁に向かって同乗して行った。
一平は自分達の乗って来た車に乗り込んで警視庁に向かう為に駐車場に向かっていた。
冴子がMの館に入ってから、美優は一平から連絡が無いので、困っていた。
美優にもこのホテルがSMホテルだと判るが、冴子さんがその様な趣味が有るのなら、それは仕方が無い。
だが誰かに呼び出されていたら?
美優はどうすれば良いのか?思案にくれていた。
部屋の中では冴子が既に全裸で診察台に寝かされて、大きく足を開いて、バリカンの洗礼を受けていた。
「気持ち良い?」
「はい」
アイマスクをされて、股間の陰毛に手動のバリカンで刈り取られて興奮をしていた。
友田がクリップで乳首を挟んで、弱電流を流している。
「いいー」と声をあげる冴子。
「今日は面白い物が有るのよ」と簑田の持参したクリトリスを刺激する器具を手に持った加藤。
バリカンで少し刈り取っただけのクリトリスに器具を当てた。
「わー、だめー」クリトリスに振動の刺激を与えながら吸い出すのだ。
「だめーだめー」
「何が駄目なの?」意地悪く聞く加藤
「いっちゃうーー」の仰け反る冴子は直ぐに口から涎を流して放心状態になった。
友田が「剥いたクリトリスなら三十秒で昇天ですよ」と自慢をしていた。
「先生、凄いですね」
「ほんとうね、少し休みましょうか」
二人は興奮で喉が渇いたのか「飲み物を買ってきます」と友田が部屋を出た。
外で見張っていた美優は咄嗟に隠れる。
「あっ、あれは看護師だわ」と口走っていた。
中には冴子さんと確実に加藤が居ると確信をした美優は急いで外に出ると一平に再び電話をする。
「美優、逮捕したぞ」の第一声に「馬鹿、今冴子さんが加藤に捕まって居るわ、早く来て」
「えー、何処だ?」
「馬鹿、随分前にメールを送っているわよ、早く来て」と美優が一平に怒った。
新たな夢へ
15-62
「本当に感度が良い女だね」
「先生の好みにぴったりですね」
「今度はこれを試してみよう」とバイブを取り出して見せる。
「これは、普通のバイブは横の振動だけれど、このバイブは前後に動くのよ」
「男性の動きと同じですね」
「そうよ、角度を変えて、電マと同時に使えば二度目の昇天だわ」
ジュースを飲みながら冴子の股間を見て喋る二人。
「うぅ」
「おー気が付いた様だね」
バイブを手に持って挿入を始める加藤、電マを持って待つ友田。
「もう一度天国に行きなさい」
とスイッチを入れると
「あっ、あっ」と声をあげる冴子、電マをクリトリスに当てる友田。
「いいー、ああー」と悶え始める冴子。
「いくー、だめー、だめー」と言った時に扉を叩く音に急に止める加藤。
「何か音がしなかった?」
「この部屋は防音ですから、外には聞こえません」
「いや、確かにドアを叩く音だった」
「誰も此処の場所は知りませんよ、亀ちゃんにも話していませんから」
「そうよね、でも見てきて」
加藤に言われて、ドアを見に行く友田、外には誰も居ない。
戻ると「誰も居ませんでした」
「気のせいか?」
気分が乗らなく成っただろうと、今度は電気ドリルの先にバイブを装着した器具を持ち出す加藤。
「これで、一気に逝かせてやるわ」
扉の外で時間を稼ぐ美優の悪戯だったが、今度は電気ドリルの音で聞こえない。
「いやー、こわれるー」と叫ぶ冴子の膣にドリルの先に装着したバイブが挿入されて強い動きを始めた。
「いくー、だめー、だめー」と痙攣を起こす冴子の身体、しばらくして気絶してしまった。
「今度気が付いたらベッドで遊ぼう」
診察台から二人で抱えてベッドに運ぶ二人。
「ドンドン」扉を大きく叩く音に驚く二人「警察だ、大人しく扉を開けろ」その声は一平だった。
「えー、警察」躊躇している二人だがホテルの従業員が扉を開ける。
救急車の音とパトカーの音が同時に聞こえて前に停車した。
加藤と友田は呆然としている。
美優がベッドの冴子に駆け寄って、衣服を着せ始める。
その部屋に救急隊員が入って来て、「あの方ですか?」
「そうです、薬で中毒症状です」
「判りました」と担架に乗せて運び出した。
「私、付き添います」と美優が救急隊員に続いて行く、警官が三人入って来て、友田と加藤に手錠を掛けた。
「ようやく、逮捕出来たよ」と一平が言うと「何故此処が判った?」と睨む加藤女医に「奥さんに睨まれたら終わりだよ」と笑う一平だった。
夜に成って横浜の埠頭で大規模な銃撃戦が始まっていた。
中国マフィアと警察の戦いは深夜に成ってようやく決着が付いて、怪我人も多数、死亡した中国人も何名か出ていた。
船の中に警官が乱入して次々と逮捕していく、捕らわれていた数十人の女性が助け出されて、救急車で運ばれる。
ボスの陳俊傑と幹部はモーターボートで脱出をする。
海上保安庁の船が港を封鎖していた。
サーチライトに照らされて、横浜港の真ん中で四方から囲まれて、ようやく逮捕された。
警視庁の取り調べの後で加藤と三人の看護師は静岡県警に送られる事に成っていた。
玲奈と美咲は一日だけ病院に居て退院をした。
美咲は鬘を着けて退院をしたが、玲奈に自分が加藤女医に脅かされて玲奈さんを誘ったと泣きながら詫びた。
冴子は薬が抜ける迄、病院に入院に成った。
テレビで玲奈が、病気のお詫びの放送を述べた。
美咲はその日の放送から出演を辞退して、冴子の看病のために病院に居た。
数日後回復をした冴子に美咲は鬘を外して土下座をして謝った。
そして北海道に帰ると冴子に言い残して、その日の内に帰ってしまった。
美優も囮作戦をしたが、冴子さんには悪い事をしてしまったと悔やんでいた。
一平は自分がもう少し早く気が付けば良かったと悔やんだが、全員逮捕出来て、森洋子、榊塔子、加納朋子も無残な姿だったが命だけは救われた。
もし中国本土に連れて行かれていたら帰る事はなかった。
半月後、藤堂冴子は小堺常務に番組の引退を申し出ていた。
妹の玲奈が結婚をするのも理由のひとつだった。
小堺は後任を探すので来月末を交代の時期にと頼まれる冴子。
地下から押収した録画で、ビルで遊んだ人間も次々と逮捕された。
株式会社BOOLDは社長の逮捕と社長を自由に遊ばせた影響で、社会から制裁を受けて、経営危機に陥って行くのだ。
その後冴子は(オフィス冴)の面々に今後芸能関係の仕事は少なく成ってしまうから、と告げていた。
長い様で短い冴子のキャスターとしての仕事は終わってしまった。
短大を卒業して、アナウンサーとして入局、新藤との相場の勉強で花開いた才能で、ここまで来たが、これからはまた別の道に進もうとしていた。
馬籠雅治に冴子が、「今度はもっと違う事に挑戦したいの、だから結婚は出来ないの」
「何をするの?」
「な、い、し、よ」と答えていた。
雅治も冴子の才能と大きさに改めて蚤を感じていたから自由にさせて、もし将来釣り合う様に成れば戻って来ると思っていた。
秋に成って前田貢と玲奈の挙式がサンセットブライダルで盛大に行われた。
「私ね、お姉ちゃんとダブル挙式だと思っていたのよ、残念だわ」
「玲奈は幸せに成りなさい」と微笑む冴子。
式には大勢の局の関係者、そして競馬関係者が多数出席をして盛り上がった。
大きなテレビの画面にはあのダービーの死闘が映し出されて関係者の脳裏に蘇っていた。
十月のフランス、ロンシャン競馬場に冴子は来て居た。
シャインドリームの凱旋門賞出走を応援に。。。
為末調教師、前田貢と玲奈夫婦、サンシャイン牧場の数名、
その中にあの宮本美咲の姿も有って、冴子が一緒に働こうと誘っていた。
華やかな芸能界から牧場の生活に成った美咲、頭は少年の様な感じで野球帽を被って美少年に見える。
「いよいよですね」
「勝てるかな?」
「参加するだけでも、凄い事ですよ」
緑の芝生が眩しい、日本にも中継がされている。
冴子もテレビ局のインタビューを受けて、今までとは逆で気恥ずかしい時だった。
ゲートに向かうシャインドリームと瓜生騎手、十五頭の馬が一斉にゲートを出る。
いつもの定位置の最後尾を淡々と進むシャインドリーム。
四コーナーから直線へ。。。。。。。。
冴子の新しい夢が始まっていた~~
完
2015.05.21
メインキャスターⅢ