セルライト兄弟 2016.1.16

二人「はいどうも〜」
井上「ライト井上です!」
佐藤「ライト佐藤です!」
二人「セルライト兄弟です。Flying!!」
佐藤「といういつも通りの入りではありますが、井上くん?」
井上「なんですか?」
佐藤「毎回、ライトライトと言ぅてますけど、全然lightちゃいますやん、我々」
井上「噓、大げさ、紛らわしい!」
佐藤「今もそのCMやってんの?」
井上「まぁ、ウチらのビジュアルが肉汁を滴らせているビッグハンバーグよりもHEAVYなのは事実ですね」
佐藤「つまりは、暑苦しいって訳ですか」
井上「鉄板の上に乗ってみます?」
佐藤「何ですか、それは。何処かの国の通過儀礼みたいな行事なんですか?」
井上「確かにバンジージャンプってのは、成人の証というか、そういう通過儀礼的な意味で行われていたっていいますね」
佐藤「井上くんは、いつ大人になったん?」
井上「その大人ってのは、何を指しての大人なん?」
佐藤「井上くん、そこは逆々。何を指してとは聞いてません。むしろ井上くんが「これは大人やな」と思うことなら、エロいことでもしょーもない事でも」
井上「なんか、妙〜〜にハードルが上がってません? ボクの初体験が〜とかそういう流れちゃいますか?」
佐藤「井上くん。そんなの誰も気にしてへんよ。このデブ、どーせ童貞やろ。もしくは素人童貞やろ。くらいの決めつけを既に無言のうちに受けてますからね。」
井上「まだ何にも言ぅてない内から、叩きのめされましたけど。。。」
佐藤「ボク達の用なジューシーなポークさんは、そういう風に世間から見られていると」
井上「はい。道を見誤らずに済みました」
佐藤「大変よろしい!」
井上「って、この件、なに?? 要らんやん。全く要らんやん。普通に買い物行って大人買いした〜とか。ちょっと高級なレストランに行って、ソムリエがお薦めする「そこそこの値段のワイン」を飲んだとか。一人でNY行って、ブロードウェイでミュージカル観たとか、そんなんで良ぇんちゃうの?」
佐藤「いや、だって、井上くんがビックリマンチョコを大人買いしてても、別に普通やし。ワイン飲んでてもこれで赤身が柔かくなっておいしいポークにって思うし。そして、ついにはブロードウェイに出荷されたんや〜っと」
井上「なるかい! 普通に「子どもの頃にはできなかったこと、憧れてたことを自分一人でやったというのが「大人体験」なんちゃいますか?」
佐藤「あ、良ぇこと言うね! そうやね。1人部屋の片隅で雑誌とティッシュを持ってコソコソとしてたところが、大自然の中雑誌とティッシュを持ってと!!」
井上「そっちちゃうって! なんで大自然の中で一人エッチせなアカンねん。それ、ただの変態趣味やがな。そっち方面なら、素敵な女性とムーディーな雰囲気でってなるでしょ?」
佐藤「あぁ、ごめんごめん。素敵な女性とムーディな雰囲気で、夜空の下…」
井上「外はやめて! 第一、今の時期は外寒いし!」
佐藤「井上くん、寒いのは気にすんのや?」
井上「外も嫌! 寒いのも嫌! ついでに暑いのも嫌やし。そういう大人やなくてですね、困っている人が紳士的に手助けができるとか、そういう中身のある大人になりたいですよ」
佐藤「中身ですか!? もうたっぷりラードがついてますよ」
井上「これは付けたんちゃう! 勝手についたんや!!」
佐藤「それは生産者は大喜びですね」
井上「どこにも出荷されません! もうやめさせてもらうわ」
二人「Flying!!」

セルライト兄弟 2016.1.16

セルライト兄弟 2016.1.16

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-16

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