雲
雲みたいな彼女と一途な男の子
あれは雲なのか、？？
僕は雲の掴みかたを知らない。
｢春ちゃん。｣
僕が声をかけると彼女は花の笑顔を見せてくれる。
｢あっ、大和くん！｣
遅かったねー、何してたの？
彼女の声はまるで透明で汚れの無い水だ。
｢んー、ごめん電車が混んでたから｣
｢そうなんだー、ね！どこ行く？｣
やっぱり映画かな～、私見たい映画あるんだよね、
それともご飯？ラーメン行っちゃう？
そんな彼女が僕はわからない。
彼女が何を考えているのか。
彼女が何者なのか。
｢ねぇ春ちゃん。｣
｢何？大和くん｣
君は誰なんだ？
じっ
っと見つめられるとその瞳に吸い込まれそうだ。
｢いや、何でもないやそれより春ちゃんご飯にしよ、俺お腹減っちゃった｣
｢もー、大和くんは食いしん坊さんだなぁ、仕方ない！ラーメン行くぞ！｣
｢おう！｣
『～速報です。○○県○○市に住む小松春さんが一昨日行方不明となりまし た。見かけた方はこちらにご連絡をーー』
ねぇ。今目の前にいる春ちゃんは何者なんだい？
それとも春ちゃんなのか？
雲の君へ、僕はどうしたらいい？
僕は雲の掴みかたを知らない。
雲
本物は偽物に敵うのか
