自涜、
膝が震える。
終わらせなきゃ。終わらせなきゃ。
ペンを持つ指がどうしようもなく震えて。
少しずつ上ずっていくいつもの優しい声。
否。それは。
呂律が回らなくなった、獣の声色。
幼女は酷く怯える。その吐息に声に、垣間見える性欲の会話に。
幼女は小さな胸に想う。
私の入っていい場所じゃない。まだ揺蕩っていたかったの、潔白に。
幼女の小さな胸は無傷のまま、殺された気がした。
涙が出た。悔しくも悲しくも嬉しくも。違う。喜怒哀楽など何もない赤い目の水面。
いつも間に私はこんなに汚れてしまったの?
何故私は一人の人を愛すことができないの?
反。それは。
のめりこむな嫌われるぞ。
本気になるな遊びだぞ。
勘違いすなバカみたいだぞ。
浮つくな現実は違うぞ。
もう戻れないの。夢の国。シンデレラ。迎えは来なかったから。
冒された様な錯覚。優しく理解のある大人。
大人の世界。汚い。毛布を被る。そして捲れられる。早い。無理やり。
違うの。違うの。違うんだって。
判ってるのに。
自涜、