声劇:奇妙な恋人(仮タイトル)

※筆者の書ける限界のグロです

(SE:おどろおどろしく ex:モーツァルト レクイエム(怒りの日)

「や…やぁっ… 来ないで…」
彼女は私を怯えた表情で見上げながら後ずさる
「許して…お願い…」
だけど…もう遅い…
私の雄大に手を出したのだもの… それなりの報いを受けてもらわないと…
私は懐から妖しく輝くサバイバルナイフを取り出す。
「ひっ…」
その刃を一目見ると,彼女の顔はたちまち真っ青に変わり,また後ずさろうとするも背後は冷たいコンクリートの壁
逃げ場はもうない…
「いや…いや…」
彼女は首振り人形の如くただただ首を左右に振るばかりである
私は両手でしっかり柄を握って憎き相手の左胸に突き刺す
「っ…」
彼女は両の眼(まなこ)を飛び出さんばかりに見開き,私の腕を上から押さえて必死に引き抜こうとする。
対して私も私で,簡単に引き抜かれまいとさらに深く押し込んでいく
「なん…でっ…」
次第に押さえる力が弱まり,今まで私を見つめていた瞳は光を失いつつある
「私の…私の彼氏に手を出したからよ…!」
彼女に対する妬み,恨みからナイフを握る手に力が入る
「さようなら…!」
渾身の力でトドメに柄まで一気に押し込みそして…思い切り引き抜いた!
彼女の身体は重力に引き付けられ,冷たいコンクリの床に転がり,だらしない格好となる。そしてその胸に傷口を中心に真っ赤な大輪を咲かす。
その花は私が生まれてから今まで見てきたどの花よりも,どす黒く歪な醜い大きな花びらを見せているのであった
と,共に人血独特の錆びた鉄の様な臭いが鼻腔を鋭く突き刺す
私は再びナイフを振り上げ,動かない相手の腕に今まで[世話]になった思いを全て込めて何度も何度も突き立てる



「っ… ふふふ… あははは… 遂に…遂に遂行した…この手で1人…闇に葬る事ができた… やった…!」
ボロボロの布切れの様になった女の屍を前に私は歓喜の涙を流した
だが…この計画は始まったばかりだ…

Fin

声劇:奇妙な恋人(仮タイトル)

声劇:奇妙な恋人(仮タイトル)

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-14

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