諸行だけが無常

もう生きるのに疲れた、と言う。その果ても知らないくせに。かといってその死んだように蠢く生を今すぐにでも全うさせたい訳ではなく、其処に在るのは唯確かに感じる漠然とした不安と眼前に広がり己を盲にさせるばかりの靄である。抱えてしまった此の確実に終わりに向かい行くものを手放す勇気も無い。移ろい行くものに己が付随すればそれで良いものを。

諸行だけが無常

諸行だけが無常

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-11

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