【二次創作】【魔法少女まどかマギカ】まどかを救うことにした 5(2300字)
叫び声の元は、モニターだった。
・・・・あれは、魔女。
そしてさやか、ほむら、杏子。
しかし、さやかは・・
「あの魔女は何なんだよ。」
「かつて、美樹さやかだったもの。」
杏子の問いにほむらが答える。
一体、何を・・・・。
「大丈夫かい?随分うなされていたよ。」
ハチべえが問いかける。
「あ、、う・・・・」
胸が詰まる。何をしゃべればいいのか。
「さやかの事なら心配ない。もう大丈夫だろう。」
心配ない?大丈夫?
「嘘!だって・・魔女って・・」
「理想と現実のギャップが、心の器を溢れさせた。・・だけど時にはそれが必要なんだ。」
「何・・を。」
「もっとも、現実を受け入れるにはまだしばらくかかるだろうけどね。」
「・・魔女って何なの?・・」
「魔法少女が倒すべき敵さ。・・魔法少女自身でもある。」
「・・あなた達、一体何をしているの?」
「さぁ、ね。」
ハチべえはすました顔で言った。
モニターの中ではキュゥべえが、宇宙のエントロピーがどうこうと話していた。
「キュゥべえが言ってることは本当なの?」
「『嘘だ』と言って、君は信じてくれるかな?」
「・・・・」
ハチべえはしばらく黙っていたが、
「君に少しでも聞く気があるならしゃべろう。」
と話はじめた。
「君は※☆¥*&%$+を知っているかい?」
聞き取れない音をハチベえが発する。
「おっと、一般辞書変換エラーだ。・・君はポアンカレ予想を知っているかい?」
マミは首を横に振った。
「簡単に言うと、宇宙は8種類の形の組合せで創られているってことなんだけど。」
ハチべえは話を続ける。
「僕たちの世界もエネルギー不足に悩んだことがある。
キュゥべえが言っていたような方法も検討され、実用化寸前まで進んだこともある。
それに反対した団体が僕たち、LIB の前身さ。」
それでは、ハチべえとキュゥべえは、逆の立場だという事になる。
「とはいえ、エネルギーは必要だ。LIB の技術者達は苦労の末・・」
しばらく黙った後、ハチべえは
「宇宙を創り出すことに成功した。」
と誇らしげにいった。
「宇宙が生まれるときの膨大なエネルギーをほんの少しもらうだけで、エネルギーの問題は完全に解決した。
そして、僕たちが創った宇宙は存在しつづけ、
・・ま、破壊する必要もないからね。
・・それを調べてみると、宇宙を構成する要素は9個だった、というわけ。
それを知ったときの科学者達の興奮といったら!
それまで予想でしかなかった高次の世界、
7つの要素で構成される宇宙の存在がほぼ確実になったんだから。
もしかしたら僕たちは、僕たちを創った『神』に会えるかもしれない!
ほどなく科学者達は高次の・・第7宇宙の一部を活用する方法を見つけ、
物理法則の限界を突破した。いわゆるワープ航法だね。」
ドヤ顔だ。
「えっと・・」
「それから、僕たちが創った、宇宙を構成する要素が9個の・・第9世界を、
僕たちの目的のためにほんの少し改造することにしたんだ。」
そう言えば、ハチべえは以前、
『ある目的を達成するために第9世界を創造して、第8世界の人間を、第9世界に送り込んでいる。』
と言っていた。
「つまり・・」
「僕は第8世界の、ハチべえ。・・第9世界のキュゥべえは嘘つきなんだ。」
****
「せっかくだから、君を宇宙旅行に招待するよ。」
窓から地球を眺めていたマミに、ハチべえが話しかけた。
「行きたいところはある?地球から観測可能な星ならどこでも、30分かからずに着けるよ。」
「・・ブラックホールが見てみたい。できる?」
全てを飲み込む宇宙の暗黒。一回見てみたかった。
「もちろんさ。」
ハチべえはうなずくと
「操船命令。最寄りのブラックホールまで。」
ちょっと高い声でつぶやいた。
「命令了解。目的地決定、<?*@+&|<・・経路算出完了、到着予定は2分後。」
低い声が返ってくる。
「操船命令。通常空間を10分間航行後、最短経路を航行。OK。」
「命令了解。」
「マサルは融通が利かなくてね。」
ハチべえはマミに言った。
船がゆっくりと回頭する。地球が見えなくなった。
やがて、星々が後ろに遠ざかりはじめ・・どんどんとそのスピードが上がっていく。
次第に星々は形を失い・・船の周りには、さまざまな色の光がシャワーのように溢れた。
「これがワープ?」
「いや、これは通常航行。光速の1000倍ぐらいかな。」
「物体は光速を超えられないんじゃ・・」
「と、思うでしょ。」
得意気なハチべえ。
「はいはい。あなた達ってほんとすごいと思うわ。」
「LIB は宇宙を革命する!そして、LIB は優秀な技術者を求めている!君もLIB の技術者になろう!」
「うさんくさ〜」
マミは笑った。
マミの中では、1つの結論が出ていた。
3人が死んだ。偶然ではないはず・・殺されたのだ。
誰に?
通り魔?あり得ない話ではない。
が、もっとあり得そうな話がある。マミが3人を殺したのだ。
なんでそんなことになったのか想像もつかない。が、
想像できることなら回避できても、
想像できないから回避できなかった、とも考えられる。。
マミが佐倉を殺した。
夢の中の感覚。・・なぜそんなことを感じたのか。・・殺したからだ。
ハチべえは、自分たちは辺境生物保護団体だと言っていた。
おそらくは、殺される人間を保護しに来たのだ。
・・宇宙船を作れるぐらいの文明。
過去を変えることだってできるのかもしれない。
・・マミにできることがあるのだろうか。
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