「母」


あはれ、慈雨は雪となり

冬鳥の寂寥のこえ

純銀の空へ響き渡る

はるか南の地へと飛来する

母から贈られた手袋、

遠い故郷からの心は響き、


あはれ深き空の下

懺悔と悔恨、我が心に芽生え

帰れぬ我が身の不甲斐なさ

顔向けできぬ心情

なお、それでも

この頬に触れて、遥かかなたを旅する優しき手に

故郷の調べに想いをはせる

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-08

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