青春ごっこの話

30mくらい先にいる今にも眠ってしまいそうな君を初めて見つけたのがもう7年近く前なんてなあ。私の視線の先は壁にかかっている時計ではなくて君だった。
ほんとは3年で終わるはずだった遠い距離の関係だったのになぜか4年もの猶予が出来てしまった。私はこの4年間が人生です、と言ってもそこまで大袈裟じゃないくらい色々詰まっている。ほんとに苦しかったし、ほんとに嬉しかったし、ちょっと頑張ったし、愛しあったりもしてみたし、いろんなことに向き合ったりどうでもよくなってみたり諦めきれない想いも、捨ててしまったものもたくさんたくさんあって、今の私がいる。
私と君との距離はきっとずーっとこのままだと思う。思っていたより全然遠くて一方通行だった。それに気づけたから私はここにいるなとも思う。そのことを私は遠巻きに伝えていたけど気づいているのかしら。
私あの頃より可愛いと思う。生き生きしてると思う。振ったこと後悔した?してて欲しい気持ちも、こんな奴に振り回されるようなフラフラした奴ではないでいて欲しいという気持ちもどっちもある。私自身、自分のこと肯定も否定もしているし。だけど今は否定も含めて受け入れているかな。
ピンクが廃れることがほんとにほんとに怖かった。けど今はピンクは廃れない、BBAピンクになるだけだって思えるし、それが愛おしいから大丈夫。
心持ちがBBAで、忘れたくない情景や愛おしくなる言葉がたくさん私の中に浮かんでいく。
7年間の中で君と過ごした思い出はほとんどないけれど君の思い出はたくさんある。終わるときはいつだって美化されちゃうから、だからそんな大したことないけれどキラキラしたものを回顧したりしちゃうんだね。ムカつくね。

青春ごっこの話

青春ごっこの話

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-07

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