セルライト兄弟 2016.1.7

二人:「はいどうも~。」
井上:「ライト井上です。」
佐藤:「ライト佐藤です。」
二人:「二人合わせて、セルライト兄弟です。 FLYING!!」
佐藤:「やっと正月も終ったね」
井上:「どういう意味?」
佐藤:「7日までは「松の内」といって、一応は「お正月」の期間なんですよ」
井上:「じゃ、飲み会の後の〆でラーメン行っとくような感じで、七草粥食べたりするん?」
佐藤:「いやいや、それはお正月にごちそうを一杯食べたから、内蔵にも一服させてやろかって意味ですやん」
井上:「そうなんや。実はボク七草粥って食べた事ないんですよ」
佐藤:「あ、それ知ってるわ」
井上:「なんで知ってんの?」
佐藤:「今日は、君のお母さんの誕生日やろ?」
井上:「なんで知ってんの? 気色悪っ」
佐藤:「ふっふっふ」
井上:「答えんのかい!? まさか本気で相方をおかんとチェンジしようとしてるな?」
佐藤:「ボクのことをお父さんと呼ぶ日も…」
井上:「ないわ! オヤジも健在やわ! ホンマに気色悪いな」
佐藤:「まぁね。よくある話ではありますけども、お正月とかクリスマスとかイベントのある時がお誕生日という方って結構いらっしゃってね。1月1日が誕生日やけど、ケーキ屋が開いてなくてケーキが買えなかったなんてのは少し前まではあるあるやったそうですね」
井上:「確かに今はコンビニいけば、予約も含めて結構いろんな物が買えますし、スーパーやショッピングモールあたりもほぼほぼ一年中営業してますから、タイミングさえ逃さずに準備をすれば困る事はありませんね」
佐藤:「あの1つ、ボクの経験なんですけど聞いてくれる?」
井上:「良ぇよ」
佐藤:「ボク、12月生まれなんですよ。それも前半の方。そうすると両親はクリスマスのプレゼントとの合わせ技で、ちょっとだけ良ぇもんを買ってくれてたんです」
井上:「それも結構あるあるやね」
佐藤:「ところが、中学時代の友達が大っきい紙袋を持って遊びに来てくれたんですよ」
井上:「友達っていうても中学生やろ?」
佐藤:「そう! 内心ですけど、びっくりしまして。でも、「それ何が入ってんの?」とはなかなか切り出せないで、もやもやとしたまんまボクの部屋で他の友達と一緒にゲームしてたんです」
井上:「なんか気になるな。確かにもやもやするわ」
佐藤:「そこでウチのオカンがね、サンドウィッチとか簡単な食べ物とジュースとケーキ持ってきてくれて、友達同士の簡単なクリスマスパーティ的な流れになったんですよ」
井上:「お、そこで?」
佐藤:「他の友達は、お下がりですけど、ボクの好きやったゲームソフトをくれたり、漫画本なんかもくれたんですが、その「大っきい紙袋」の友達からはお歳暮用のハムを頂きました」
井上:「ハムの人や!?」
佐藤:「ハムの人(中学2年生)みたいな」
井上:「なんでハムやの?」
佐藤:「その子とも結構仲が良かったんでしょーもない話を一杯してたんですけど、その中でたまたまハムサンドが好きって話をした事があったんですよ。それを覚えててくれたみたいで、年末のお歳暮ギフトコーナーで売られてた、結構立派なハムを頂いたと。実際、オカンが作ってくれたサンドウィッチも1/3はハムサンドやったので、それから当分の間はハムサンドには困らんかったけどね」
井上:「確かに食べ物なんかはお中元、お歳暮のギフトコーナーとか、時期外れのギフト漏れコーナーみたいなので掘り出し物があったりしますけど、中2でハムの人ってのはインパクトありますね」
佐藤:「ところで、井上君はお母様に何か差し上げるの?」
井上:「差し上げるっていうようなもんではないですけども、一応簡単なプレゼントは用意してますよ」
佐藤:「売れ残りの鏡餅とか?」
井上:「それなら普通の餅で良ぇやろ」
佐藤:「売れ残りのしめ縄とか?」
井上:「確かに太ってますけどマワシちゃいますから」
佐藤:「売れ残りの…数の子」
井上:「正月の売れ残り品はもう良ぇし。というか、それほど出てけぇへんやろ?」
佐藤:「確かに」
井上:「佐藤くんはお母さんの誕生日には何かあげんの?」
佐藤:「ボクですか? もちろんあげますよ」
井上:「何をあげんの?」
佐藤:「それはもうあれですよ。お花ですかね」
井上:「それは喜ばれますね。そういえば、ウチも今朝大きな花束が届いてましたね。歳の数のバラとか。オヤジもキザな事すんなぁ〜って思いましたわ」
佐藤:「将来のオトン、な」
井上:「犯人はお前か!? もうえぇわ」
二人:「Flying!!」

セルライト兄弟 2016.1.7

セルライト兄弟 2016.1.7

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-07

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