黒い噴水
関東地方の奥地、小さな田舎町の片隅で、突如として黒い液体が地面から吹き上がった。
住民たちは油田だ、いや温泉だと騒ぎたてたが、役場が研究者を呼んで調査してもその液体の正体は分からなかった。
住民たちの間には変な噂も立つようになった。
「あの液体、触ると皮膚がとけるらしいよ」
「犬とか猫とかの屍体をとかしたものらしいよ」
これでは困ると、役場は噴き上がる箇所を封じて止めようとしたが、すぐに別の場所からから噴き上がってしまう。
ほとほと参った役場は、逆に噴き上がる黒い液体を循環させる噴水施設を作り上げた。
これが黒い噴水とし思わぬ好評を呼び、観光客の誘致に成功し小さな町の大きな力となった。
黒い噴水