セルライト兄弟　2016.1.6

二人：「はいどうも～。」
井上：「ライト井上です。」
佐藤：「ライト佐藤です。」
二人：「二人合わせて、セルライト兄弟です。　FLYING!!」
井上：「いきなりで申し訳ないんですが…」
佐藤：「どないしたん？」
井上：「頭痛いわ〜」
佐藤：「風邪でもひいたん？　朝方とかめっちゃ冷えるからな」
井上：「ちゃうちゃう。そっちちゃう」
佐藤：「そっちちゃうって。ならどっち？」
井上：「悩み事。心配事があるってこと」
佐藤：「なんや紛らわしな。なんや金か？」
井上：「社会人にもなってお年玉をもらう佐藤くんはお金の話が好きやね」
佐藤：「お金が大好きだ！！！！！！！！！！！！！！！！！！」
井上：「なんやその潔さわ。大体お金の話ちゃいます」
佐藤：「なら年頃の若者の悩みというと、恋愛関係の方ですか？」
井上：「まぁ当ざりとも遠からじって感じやね」
佐藤：「とうがらしな感じね。んで、どの辺がヒリヒリくるん？」
井上：「ヒリヒリはせえへんけどな。昨夜、久々に実家帰ったんで家族で食卓を囲んでた訳ですよ。」
佐藤：「毒でも盛られた？」
井上：「そんなら生きてへんやろ！？」
佐藤：「井上くんの幽霊ったら、自己主張強い♪」
井上：「最後の♪とか要らんから」
佐藤：「ハイハイ♪」
井上：「まぁ、普通なんですけども家族で夕飯を食べまして、一家団欒というやつです」
佐藤：「それは普通のことですね。そんな時間に仕事がないっていうのが我々の境遇が一番の問題ですけども」
井上：「ちょいちょい毒盛りますね」
佐藤：「そういうの嫌いじゃないわよ♪」
井上：「そこで突然、おふくろが言いよるんですわ」
佐藤：「おかんに言い寄られたん？」
井上：「ちゃうちゃう。おふくろがね、「もう良ぇ歳なんやから、そろそろ結婚とかも真剣に考えんならんで！」と、かなり真面目な感じで言ぅて来た訳ですよ」
佐藤：「あぁ、それは随分頭痛いですね〜」
井上：「そうでしょ？　そもそもしがないネット芸人である息子を捕まえて、ボチボチ身を固めてなんていうのは、かなり厳しい条件ですよ」
佐藤：「そうそう。まずは息子と２人並んで鏡を見て来いと」
井上：「コラ！！」
佐藤：「これで井上くんの頭痛のタネがはっきりしましたわ。もうこのままお水と肥料を与えてグングン成長させたい気分ですね」
井上：「ヲイヲイヲイヲイ！　人の悩みを学級花壇みたいに育てんでくれ！」
佐藤：「まぁ、井上くん。確かにちょっと問題もありますけど、君のお母様の言う事には、一理ありますよ？」
井上：「確かに、そうですねん。最近、近所の幼なじみが続けて結婚したりとかね。あと、従兄弟が何人かいるんですけど、こちらも毎年のようにくっついていくんですよ。残りはこのお腹の周りにエアバッグを搭載した我が子って訳ですわ」
佐藤：「まぁ、君とこはエアバッグ親子やもんな」
井上：「なんかさっきからウチのオカンを弄ってくんな？」
佐藤：「そりゃそうですわ。君んとこ母子でそっくりやで？」
井上：「まぁ、そうですけどね」
佐藤：「君のお母さんでも結婚できたんやから、君もできんのんとちゃう？」
井上：「なんか、えらい引っかかりますけど？　でも、どうなんやろか。売れてないネット芸人で、しかもセルライトですよ。つまりほぼフリーターのデブですよ。「はい、結婚しま〜す！」とはなれへんよね？」
佐藤：「まぁ、いきなりは無理ですね。普通に考えたら、①売れる　②真っ当な職業で真っ当なお給料がもらえるようになる　③痩せて羽生結弦選手みたいになるの３つの内、せめて２つは揃わんと無理やろね」
井上：「羽生選手って絶対無理やろ！」
佐藤：「いや、体脂肪率を１０％くらいまで落とせば結構いけるんちゃう？」
井上：「死んでまうわ！」
佐藤：「そういう時は自己顕示欲の強い幽霊芸人としてブレークと」
井上：「もう死んでるやん！　そもそも今流行りのジムで減量するにはかなりの会費も掛かりますし、ネタ書いたりする時間もあるので、①の売れるとの両立も怪しくなってくるし」
佐藤：「井上くん、真面目やなぁ。そんなに真剣になって」
井上：「いや、真剣にもなりますよ。我が親から面と向かって真顔で言われましたからね」
佐藤：「確かに君のおかあさんの真顔は直視に耐えない…」
井上：「コラコラコラコラ！！！！」
佐藤：「そうなると、君のお母さんの願望を叶えるの一番の近道は、②やな。芸人からは足を洗って、知り合いの伝手でも使って小さくても良いからしっかりした会社で堅実に真っ当に生活をするっていうのが、結婚への一番の近道です」
井上：「でも、それって…、良ぇのん？」
佐藤：「何が？」
井上：「もしボクが芸人から足を洗うってことは、君の相方がいなくなるということやで？」
佐藤：「あぁ、それなら心配要らんよ」
井上：「ピンでやんの？」
佐藤：「ちゃうちゃう。君のお母さんと組むねん」
井上：「そんなオチか！　もう良ぇわ！！」
二人：「Flying!!」