詩という名の猥談

詩という名の猥談


(社交辞令と)

不実の身を食すと言う欺瞞には飽き飽きした、俺にはやはり無理がある。


見え透いたお飾り言葉にもうんざり。


草花を知らざるものが、草花をさも美しく語り

遊牧の民と肩をならべ

脂ぎった鼻をたかだかと

惰性の雲に股がっては、天昇った気でいる。


限界は近いんだ。そこの浅い

お前は干上がった河を必死で漕いでいる。


岸辺を求めてだろうな、ほら、今のお前のいる場所が岸だよ。


と、耳元で囁いてやったら


あいつ、雲よりまっ逆さまに転落していった。



転落の最中でようやく目が覚めたのか


床上手に空をあたふたするその様が大変美しく


所詮はお前は床上手であったのだなと俺は思わず笑っちまったよ


ふと、心配になってズボンを少し引っ張ったんだ。


確認のためにさ、間違いない。転落しているのは半分は俺だ



どこからか手が伸びて

俺の一物を地に引きずらんと強く握る



凄まじい握力で

嫌です、左手は、どうか、右手にしてくださいとの切実な願いも叶わず


荒々しく引きずられ

苦渋の面持ちになった

あはれ深い姿で 滑稽だったよ、


今、お前は笑ったね?


他人事のように…



空っぽの引き出しを、何度も開けるよう
無いものを見たものにしようと信じない



交尾、予期、夢

歓喜にブルブル震えた、屠殺まちの子ぶたさんよろしく、


お前は次の日来ることを知らない



真っ只中のお盛んさは大変結構だが、


今笑った、その姿見に写された半身は


間違いなく俺であり、君自身だよ。








詩という名の猥談

詩という名の猥談

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-04

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