セルライト兄弟 2016.1.3

二人:「はいどうも~。」
井上:「ライト井上です。」
佐藤:「ライト佐藤です。」
二人:「二人合わせて、セルライト兄弟です。 FLYING!!」
井上:「今年も頑張っていきましょう!!!!!!!!!!!!!!!」
佐藤:「なんですか? いきなり??」
井上:「まぁ、お正月ってついダラダラしてしまいガチなので、ちょっと気合いが入れてみました」
佐藤:「迷惑やなぁ」
井上:「っていうのは、実は半分で」
佐藤:「半分? 残りの半分は?」
井上:「あれですわ。よく若手の芸人が『がんばっていきましょう〜』とか『名前だけでも覚えて帰って欲しいな』とか言ぅやないですか」
佐藤:「確かにそういうの多いね」
井上:「あれ、いらんのちゃうかな?って思いましてね」
佐藤:「はぁ?」
井上:「そこで敢えて、声張って言ぅてみたんですけどね」
佐藤:「その『敢えて』ってのがよぉわからんけど」
井上:「まぁボクらも少ないながらもギャラを頂いて、皆さんのお時間を頂戴してこうやって漫才させていただいてる訳ですから、別に改まって『頑張ります』的な宣言って要らんと思いません?」
佐藤:「確かに」
井上:「その上で『名前だけでも』なんて言ぅんは、おこがましいと」
佐藤:「ほ〜」
井上:「オモロいことやったらお客さんは自然と名前も覚えてくれはる訳でしょ」
佐藤:「そうやね」
井上:「それをわざわざ『頑張って〜』とか『名前だけでも〜』とか、押しつけがましいんじゃボケ!ってなる訳ですよ」
佐藤:「井上くん、ボケぇは要らんでしょ。地が出てるよ」
井上:「すんませんな。まぁ、そんな訳で敢えてガツンとやってみた訳ですよ」
佐藤:「まぁ、なんとなく事情はわかりましたけど、別に敢えてやらんでも良ぇんちゃう?」
井上:「いや、あきません。ここガツンと行っとかんと」
佐藤:「君はどこに行くつもりやねん」
井上:「さぁ、どこなんでしょ??」
佐藤:「わからんのかいな!」
井上:「最近、自分でもよぉわからんことが色々ありましてね。そもそも、君は誰や?」
佐藤:「認知症か! 大丈夫かいな、こんな相方で」
井上:「まぁ一応ボクらも「若手芸人」という体でやらせてもらってますんで、リアルな若手芸人とはちょっとちゃうぞという感じは出して行こうかなと」
佐藤:「若手やのうて、完全にお年寄りやで。人生幸朗師匠のボヤキみたいなってんで」
井上:「『責任者出て来い!』って、若い人はしらんやろ」
佐藤:「君がやってるんやろが」
井上:「まぁね。とにかくこれから売り込んでいこかっていうと、どうしてもそうやっていらん気合いが入ったり、欲が出たりする訳でね。ボクらは欲薄な感じで行こうかなって」
佐藤:「なんですか、その極薄タイプみたいなやつわ」
井上:「わかりやすくいうと、薄味、減塩♪みたいな」
佐藤:「血圧が気になりますか? って全然若くないわ! 若いお客さんは『ポカァ〜ン』ですよ」
井上:「他にもありますよ」
佐藤:「まだあんの?」
井上:「ボクらってあんまりボケとツッコミって固定しないやないですか」
佐藤:「まぁ、基本君がボケやけどな」
井上:「いやいや、まだボケてへんよ」
佐藤:「はいはい、なんかずれてるよ」
井上:「最近の漫才のパターンって『ちょっと車の免許取ろうと思ってんねんけど、ちょっと練習させて』とか言ぅて、シチュエーションを設定していくパターン多いやん」
佐藤:「確かに多いね。ボケとツッコミをきっちり役割分担して」
井上:「そうそう。もうね、わざとらしいねん!」
佐藤:「井上さん、今日は荒ぶってますね」
井上:「フンス!」
佐藤:「いや、そんなん要らんねん」
井上:「やっぱりそういうマンネリズムは打破していかなあきませんわ」
佐藤:「せやかて、ボクらのはグダグダデスやん。ほぼほぼ世間話やで」
井上:「グダグダ感!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
佐藤:「今日はただ声張っていくパターンですか!?」
井上:「結論からいうと、そう!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
佐藤:「全然アカンやん。。。もうやめさせてもらうわ…」
二人:「Flying!!」

セルライト兄弟 2016.1.3

セルライト兄弟 2016.1.3

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-03

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