セルライト兄弟 2016.1.2

二人:「はいどうも~。」
井上:「ライト井上です。」
佐藤:「ライト佐藤です。」
二人:「二人合わせて、セルライト兄弟です。 FLYING!!」
佐藤:「さて1月2日ですよ、事始めですよ! 井上さん!」
井上:「なんや昨日とは打って変わってやる気全開ですね〜」
佐藤:「なんかお正月というか、特に元日ってしんどないですか?」
井上:「元日がしんどい?」
佐藤:「そうなんですよ。前の番って遅くまでテレビ観たりするやないですか?」
井上:「確かにね。紅白歌合戦とか、ダウンタウンさんの番組とか、毎年恒例の番組ってのが深夜までありますからね」
佐藤:「そうなんですよ。そういうのをウダウダ観ながら、朝は朝で家族揃って「新年あけましておめでとうございます」とかやらんならんでしょ?」
井上:「まぁ、お正月ですからね。毎日顔を合わせてる家族に対しても改まって挨拶せないけませんね」
佐藤:「そうそう。そうせなお年玉ももえませんからね!」
井上:「…。佐藤くん、まだお年玉もらってんの?」
佐藤:「あれ? 井上くんは、もらってないの?」
井上:「いやいや、言ぅてもボクら一応社会人やないですか?」
佐藤:「確かに仕事はしてますね。漫才やって、バイトまでやってますけど」
井上:「その上で、お年玉と?」
佐藤:「まぁ、ボクの場合は実家暮らしなんで、ぶっちゃけ生活費もかかってませんし、両親におんぶに抱っこ。脛という脛はかじり倒してますけどね。だからこそのお年玉」
井上:「意味分からんわ!」
佐藤:「甘えられるところは全部甘えておこかなって」
井上:「最低やな、自分」
佐藤:「いえいえ、最高ですよ〜!! 実家、万歳!! 両親、ありがとう!!」
井上:「全く違う意味で織田裕二さんみたいになってるわ」
佐藤:「ということでね、正月ってだるいな、と」
井上:「意味分からんわ! わからな過ぎるわ!! どんだけ甘えたやねん」
佐藤:「(良い声で)いくつになっても甘えんぼ♪」
井上:「なんでここで寛平師匠の逆を混ぜてきた! しかも良ぇ声で!!」
佐藤:「お屠蘇気分♪」
井上:「昨日から、そのフレーズ好きやなぁ。。。 本来ボクらって、ボク井上の方がボケやん?」
佐藤:「まぁ、設定上は」
井上:「昨日からは佐藤くんボケっぱなしですよね」
佐藤:「それは作家さんがお屠蘇気分で書いてるから、ボケとツッコミを逆にしてしまったという大人の事情」
井上:「あきませんよ〜」
佐藤:「元々どっちがボケでどっちがツッコミという今流行りの分担がないのがセルライトの良ぇところですから、この際、両ボケ、あるいは両ツッコミ、あるいは両ボヤキなんていうのも新しいスタイルになっていくかもしれませんね」
井上:「えらいポジティブやなぁ〜。社会人やのに実家暮らしでお年玉までもらってる風には聞こえへんわ」
佐藤:「それはそれ♪」
井上:「でましたよ。なんて便利な言葉でしょ。まるで他所は他所、ウチはウチみたいな」
佐藤:「まぁ、そういうことですわ」
井上:「あらあら、全肯定ですね」
佐藤:「ポジティブ〜! シンキング〜!!」
井上:「いやいや、普通に呆れるわ」
佐藤:「それでまぁ事始めなんですけどね」
井上:「ここで戻すんや。。。そうですね、ボクは子どもの頃から習字をやってましてね。一応今朝も書き初めをしてきましたよ。ちゃんと硯で墨をするんですけど、気持ちが引き締まりますね。」
佐藤:「井上君、えらいなぁ〜。そのお腹の脂肪見ただけではわからんもんやな〜」
井上:「そら確かに正座しても前屈みになったらつっかえますけどね」
佐藤:「それで何て書いたん?」
井上:「安産」
佐藤:「は?」
井上:「今年は、安産と書きました」
佐藤:「それはご親戚に妊婦さんとかおられる訳で?」
井上:「いいえ」
佐藤:「じゃ、なんで安産なん?」
井上:「去年1年を表す漢字が「安」やったでしょ?」
佐藤:「確かにそうでしたけど」
井上:「そこで「安」って書こうと思ったんですけど、書き初めの紙って結構長いやないですか」
佐藤:「まぁ確かに学校の習字で使う半紙とかちゃいますよね」
井上:「そこでとっさに「産」の字を書いてしまったと…」
佐藤:「なるほど。って、全然納得できへんけども! それでも随分紙が余ったんちゃうの?」
井上:「そこはバランスとりまして、安と産の間にたっぷりスペースを空けました。」
佐藤:「なんやけったいな書き初めやな」
井上:「習字の先生も言ぅてはりましたよ」
佐藤:「なんて?」
井上:「空けまして、おめでとう」
佐藤:「んなわけあるかい!! もうやめさせてもらうわ!」
二人:「Flying!!」

セルライト兄弟 2016.1.2

セルライト兄弟 2016.1.2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-02

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