孤独な私の白い世界はくるくる廻る

孤独な私の白い世界はくるくる廻る

孤独な私の白い世界はくるくる廻る

誰も住んでない場所に彼女はいました ここは丘の上 地平線まで見渡せます

髪も肌も服も全てが真っ白な女性

彼女は動きません

彼女はずっと向こうを見ています

真っ白な世界・・・

地も草も木も町も

着ている服も風になびく髪の毛も

すべて真っ白だ

いつからここにいるのか

いつまでここにいればいいのか

何も分からない

あのときのことは覚えていない

大切なコト

あのときってなんだっけ 忘れてしまった どうでもいい

私のこともうっすらとしか覚えていない

私は働く女

私は輝く女

私は慕われ もてはやされ かっこいい女

できる女

そんな感じだったような

いくらできても手に入らないものはある

手に入らないものとは何だ?

・・・考えるだけ時間の無駄だ どうでもいい

名前も・・・忘れたな

どうせ誰もいないし 覚えてもらう必要もない・・・か

どうでもいい女だ 私は

空と大地が交差しないこの世界

きっとここは神様に一番近い場所

運命の中に出口はない

羽をもがれた鳥のように

足を無くした駝鳥のように

私は孤独だ

孤独・・・どれだけいたんだろう こんな広くて白い世界だけど風は吹いてる たまに雨が降る 草木も生長し続けている

ほら 小さかった小枝だって 今では立派な大木だ

この世界もちゃんと回っているんだな

ではもしかしたら 50年くらいたっているのかもしれない

私は何も変わってはいないけど

だが・・・ただ死を待つ生よりも

死んだ後に残る孤独のほうが楽だ

死を待つ?

もしかしたら私はすでに死んでいるのではないか 

だから知り合いも誰一人いないのではないか

知り合いの顔も忘れてしまったけど

それなら納得はいくか 

じゃあ天国なのか地獄なのか

それ以外の何かなのか

あそこに見えるのは三途の川・・・か?

しかし川を越えても世界は白い

天国への扉も 地獄への階段も見当たらない

どうでもいいや

誰かの声が聞こえた気がした

誰かが呼んでるそんな気がした

逝かなければならない

だけどまだ早い・・・眠ろう

眠ってたら誰か迎えに来てくれるだろうか

待ってたら誰かが導いてくれるだろうか

こんな私を

運命を分かち命が生まれる世界で

回る回る世界は・・・回る

孤独な私の白い世界はくるくる廻る

孤独な私の白い世界はくるくる廻る

白い世界にたたずむ女性の物語です。 冒頭:そこは真っ白な世界だった 地も草も木も町も 着ている服も風になびく髪の毛も すべて真っ白だ いつからここにいるのか いつまでここにいればいいのか 何も分からない あのときのことは覚えていない 大切なコト

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2016-01-02

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