初詣小話

「あけましておめでとうございます」と君が言う。「あけおめ」と返すと、鼻をほんの少し赤くしたまま、少し照れた様子でにこりと微笑んだ。今日は元日。僕たちは近所の神社に初詣に来た。「人多いね」「そりゃあそうだ、新年だから。初詣客がいっぱいだね」「初詣客って、客って言うのかなあ、変なの」「普通いうだろ」「そうなの?」「そうなの。あ、僕らの番だよ」賽銭箱に五円玉を投げ入れて、二礼二拍手一礼。願う。「ねえ、何をお願いしたの?」「ん?」「なんか長かったじゃん、私よりも長く手、合わせてた」「内緒」「何それ」「気になる?」「なる」「教えない」「はー!?」

『これから君と変わらずにいられます様に』

照れくさくてきっと言えない。

初詣小話

初詣小話

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

  • 小説
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更新日
登録日
2016-01-01

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