4月のエッセイ
4月のエッセイ
4月、卯月、April。
優しくかわいらしい響きは、動物たちや植物たちが目覚める春にピッタリですね。
寒かった冬も過ぎ暖かな日になり、気が付くと周りの人たちの顔も朗らかになったような気がします。
今年の桜は見ましたか?
蝶々の飛んでくるのは?
タンポポは?
ツバメは?
東京に住んでいても、桜や蝶々、タンポポやツバメに出会えることがありますよ。
だけど、考え事をして頭の中がどこかにいっていたら、気づかないかもしれませんね。
江戸時代のお坊さん、良寛さんという方も、自然をとてもいつくしみました。
こんな詩があります。
『花無心』
「花無心にして蝶を招き、蝶無心にして花を尋ぬ。……」
と、まだ続きますけれども。
何だか、解説がすごく余計なほどほんわかしてきますねぇ。
お花と蝶々と優しく眺める良寛さん。
どうして良寛さんはこのように優しい詩を書けたのかな?
と想像してみました。
周りが自然に囲まれていたのも、たしかでしょう。
それからもっと大切なことは、その美しい自然に気が付けて、優しい眼差しを向けることができた良寛さんの心だろうな、と思いました。
江戸時代の人だって、自然に囲まれていても、人のしがらみやお仕事のあれこれに忙しく、花や蝶々にかまうことができなかった人もいたかもしれません。
だけど、その人の周りにも自然は優しくそこにあったわけで。
どんなに心が忙しい人の周りにも空は広がり、蝶は飛び、花の咲く所へやってきて、風が優しく吹いて、土はどっしりと皆を守っていたはずですから。
それに気づいて受け止めて見守ることができる心を持っていたのが、良寛さんなのでしょうね。
さて、現代の私たちの周りにも春はやってきましたか?
春を見つけられましたか?
早速、春を探して春を感じに、お出かけしたくなってきましたよ。
良い春をお過ごしくださいませ。
4月のエッセイ