ふたりの絆⑧

ホタルとヒカル

ヒカルとアカリが運命の出会いを果たすのに、重要な役目を果たしてくれたのはホタルだった。

では、１１年間共に生活してきたヒカルとの関係はいったいどんなものだったのだろう。

ヒカルはこう語っている。

（最後の２年間が１番信頼関係が出来ていたと）

それでは、始めの９年間はどんな関係だったのか、興味が湧いてきたのではないだろうか。

ホタルの居場所は、ほとんどが台所のテーブルの下であった。

このように書くと、いかにヒカルがいじめていたかが判るだろう。

自分のストレスを、ホタルにぶつけていたのだから・・・。

ホタルもたまったものではなかっただろう。

事実、ホタルに１番噛みつかれたのはヒカルである。

そんなヒカルとホタルが仲良くなったのが、２年前からだった。

きっかけは、ヒカルの布団にホタルを連れて行くと、すっかり気に入ってしまったのだ。

ヒカルが、２階の布団に寝に行こうとすると、先回りをして階段を駆け上がり部屋の戸を開けるのを待っているのだ。

ヒカルが居間でテレビを見ている時も、ヒカルのひざの上に乗って気持ちよさそうに寝るのであった。

そのホタルはもう居ない。

（もっと優しくしておけば良かった）

後悔するヒカルである。

天国にいるホタルも、ヒカルにきっとこう言っているだろう。

「私の分まで、アカリを大事にしてあげてね。」

まったく、天国のホタルにまで心配をかけるヒカルだった。

ヒカルは天国のホタルへ伝える。

（いつでも僕の布団に入りにこいよな）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　→「蛍見物とカツ丼（前半）」をお楽しみに。　　12/26更新

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ホタル：ホタルとヒカルの関係がすばらしいですね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　すごく、ヒカルがホタルへ対する愛情が伝わってきます。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　本当にホタルは世界で1番の幸せものだったと思います。

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