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何気ない夜に星が泳ぐ傍で
あどけない月が誰かと笑っている
明りのない闇を朗らかに
そんな日々を照らす様に

万物は薄い言葉で核を覆って
ゆるやかに胃袋まで落ちていく
消化出来ない想いを抱えたまま
いつまでもずっと

古いブックシェルに置かれた長編の淡い理想
たとえ飛び出して大空に浮かんだって
つまりは誰にも見つからない
今更呼んだってもう居ない

繰り返す現在を
埋めつくすだけなら
もう過去だけを写すのはやめよう
僕たちを想ってまた始めよう

遥か遠くで星達のクランプ
哀しさが伝い空に絵を描いた
やがて来る朝を責めたって
もうそんなこと意味は無いのに

遥か遠くで星達のクランプ
切なさがぶつかり合い燃え尽きた
静寂を掻き分け僕に届く
もうそんなこと意味はないのに

埋め尽くす現在を
積み重ねるだけでも
僕らこのままいつまでもずっと
続きのない物語を続けよう

賑やかな暗闇に
立ち尽くす野良猫も
そういつかは見上げる
見つけたものに夢を見る

瞬いた一瞬に
永遠の毎日を
失くしたわけじゃないだろう
まだ得てもいないんだ

流れていく現実を
眺めているだけでも
決してやめてくれはしないのさ
だから今を想って生きていこう

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-12-25

Public Domain
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