滑り落ちる
きっと彼は報われない。
だって、だってあの子には、
彼にはきっとしょっぱい雨が降り続ける。
「大丈夫、君なら大丈夫だよ。絶対出来るから!」
「ありがとございます、先輩」
心配になったときは必ず先輩を頼っている。それはただ八つ当たりがしたいとか、ではなく、単に、純粋な恋心で。
でもそれは、届かないのだから。
「おーい、なにやってんのー?」
「あー、ごめんごめん。今行くからまってねー」
彼女には、彼氏がいる。そう、そうだよ。報われない、苦しい気持ち、苦い苦いね。しかもその相手は僕が小さなときからいた、それも大親友の。幼馴染で、結局そいつを裏切ることなんて、できこなかった。
出来るものなら、奪ってやりたかったさ。その勇気があったら、やっていたさ。
「それじゃあ、また明日ねー!」
そういって、笑顔を僕に振りまく彼女。
やさしい、はずなのにな。貴女は。
とっても、残酷なヒトだ。
明日は、きっと大雨だ。
(さよなら、ってね)
*
滑り落ちる
短いですがご観覧ありがとうございました。
突発で思いついたネタで、そう長くは続きませんでしたがこんな恋もいいなって。
バッドエンドもいいのです、
部活内で書いた二十分クオリティですから、まあこんなもんだろうと。