SPEC NURSE続き4

ガチャガチャと、深夜の病院で薬棚をあさる人影が一つある。
相当焦っているのか、先ほどから手元が定まっていない。
「ない…どこに…」
はやく探し出してあの人に届けないと…私がこれまでやってきたことが
全て水の泡になってしまう…。
ガタッ
「!?」
懐中電灯の光が薬棚を照らす。
「はれぇ?誰かいるのかぁ?」
案の定、酔っぱらいの年寄り警備員だった。
しかし、見られたからには野放しにするわけにはいかない。
たとえ、酔っぱらいしじいでも。
「…こめんなさい。」
グサッと鈍い音がして警備員の身体ががくりと傾く。
「ゔ…ゔ…」
低いうめき声を漏らして、警備員はその場に崩れた。
「やっぱり…無理よ…殺しちゃった…どうしよう、私、こんな事になるなんて思ってなかったのよ」
誰もいない廊下で、一人泣き崩れた。
そんな一部始終を、すっかり見ている子供がいた。
クリクリとした目のその少年は、
「僕…みちゃった…」
と呟き、急いで逃げるように走り去って行った。
死体が発見されるのはそれから数時間後だ。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-04-25

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